今回の更なる広がりに向け、あえて手を抜かず、
手厳しくやった結果、今まで以上に良いものを作ることが出来た

――良い意味で会場を掌握したり、支配しているのが分かります。あと、音楽面に移ると、段々とラウドロックやスクリーモ、メタルの方面に向かって行っている印象も受けました。

MAH 『LiFE and DEATH』のイメージが強いでしょうからね。ぶっちゃけ、あの作品は、“これってホントレゲエ入ってるの?”ってぐらいラウド感を前面に出してましたから。だけど、今の自分たちは、そこには留まっておらず、一歩出ようとしているんです。やっぱり俺たちの特性はレゲエでもあるんで。その辺りも含め、今の世にあるスクリーモやエクストリームなバンドとは一線を画した音楽性の打ち出しは意識してます。

――その回答って、まさに今回のシングル『EViLS』じゃないですか。今回は完全にSiMのネクストドアを指し示した作品になってますよね。

GODRi そうなんです。自分たちの次をキチンと示しつつ、今までの自分たちもキチンと入っている3曲というか。

SIN 今回、メジャーに移籍したことによって、更に広がることは分かっていたんで、ここはあえて手を抜かず、手厳しくやっていこうと(笑)。今まで以上に良いものを作れた自負はあります。

【インタビュー】SiMが魅せたネクストドア! ラウド・ミュージック界の若き雄がメジャー移籍を経て放つ、自身の音楽観のこれまでとこれから feature0401_sim_18-1

【インタビュー】SiMが魅せたネクストドア! ラウド・ミュージック界の若き雄がメジャー移籍を経て放つ、自身の音楽観のこれまでとこれから feature0401_sim_10-1

【インタビュー】SiMが魅せたネクストドア! ラウド・ミュージック界の若き雄がメジャー移籍を経て放つ、自身の音楽観のこれまでとこれから feature0401_sim_12-1

【インタビュー】SiMが魅せたネクストドア! ラウド・ミュージック界の若き雄がメジャー移籍を経て放つ、自身の音楽観のこれまでとこれから feature0401_sim_15-1

――分かります。M-1.“Blah Blah Blah”とM-2.の“Same Sky”は、SiMのネクストを多いに感じさせますし、M-3の“f.a.i.t.h”は、SiMの現在や出自を感じさせる曲ですもんね。

MAH ホント、そこなんです。これまでスクリーモやラウドバンドとしてしか自分たちを捉えていなかった人たちに、“もっとエグいぞ、俺らは!”というのを見せたかったのが“Blah Blah Blah”で。根本はラウドでリズムもコロコロ変わるし、レゲエの要素もガンガンに入ってる。ぐっちゃぐっちゃなんだけど、メロディがポップだから成立するところ。そして、“Same Sky”では、「SiMってうるさいバンドなんでしょ?」というイメージを持ってる人たちに、”俺たちには、こういった綺麗で美しい曲もあるんだぜ”というところも見せたかったんです。なので、自分たち的には、今までの延長線上なんだけど、更にエグさを出した曲と、今までのSiMにもあったんだけど、それをあえて美しく綺麗に出した“Same Sky”、その対照的な2曲に、ライヴでやってきた代表曲を加え、これまでとこれからの自分たちを端的に表してみたんです。ホント、バランスのいい、今回メジャーに移籍をして、更に一歩ステップアップした新しい名刺、そんなシングルですね。凄く満足してます。

――重さと軽さがキチンとメリハリと融合を持って表せた1枚になってますもんね。

SIN 1曲目はまさにテクニックをひけらかす曲で(笑)。表が来たら裏が来て、裏が来たら表が来てって感じの、めまぐるしい展開も特徴的です。ライヴを意識した、激しいけどポップで楽しめる楽曲かなと。まっ、詰め込まれた情報量はハンパないですけど。

MAH ラテンのビートも、これまでは他のバンドも取り入れているし、今演るのはダサいと思い、ずっと封印していたんです。一歩間違うと、お祭りビートに聞こえちゃうじゃないですか(笑)。だけど、今回はあえて自分たち的にそれを表してみようと。なので、能天気な楽しさじゃなく、キチンとウエット感もあると思います。他のバンドではこういった曲だと、タオルが回るんでしょうが、俺たちの場合はきっとモッシュピットが起こるでしょうから。

SHOW-HATE やはりそのめまぐるしさや移り変わりをどう自然にスムーズに表し、展開していくか? は色々考え、試しましたよ。かけ離れないように音色も考えたし。

GODRi リズムに合わせて、ノリを変えるのではなく、一気に最後まで聞いて欲しいというのはあって叩いたかな。サビもモッシュが起こるイメージを持ってたし。“ラテンでもダイブやモッシュは出来るんだぜ!!”って(笑)。展開は色々と考えたぶん、いい感じの曲が出来たと思ってます。

――この曲のリリックは、ネット社会に対する警告ですか。

MAH そうですね。現在の生まれた時からインターネットが周りにあり、使っている世代に対してというか。あるじゃないですか。Twitterとかでも、普通に友だちのように絡んでくる人って。顔が見えないから、好きなことを言うし、本人に向かって失礼なことや軽いこと、傷つけることも考えなしに言えちゃう。そんなバーチャルな会話が当たり前でいいのか? って。根本はやっぱり向かい合って話すことでしょう。時代は変わっても、忘れちゃダメなこと。そこにリアルはないし、好きならそこに居れば? ただし、俺は次に行くゼ、みたいな。“それでいいの?”って、ある種の問いかけですね、この曲は。

――これまで内省的な歌詞が多かった中、外に向けてのメッセージは、SiMにしては珍しいのでは?

MAH それはありますね。これまでは不満が根底にあって、許せない自分に向けて歌っていたものが、目が外に向かい出してきたんでしょう。問いかけやメッセージ、わりとポジティブな言葉となって出てきたところも、これまでにはなかった新しい要素かも。

★インタビュー、次は“Same Sky”、“f.a.i.t.h”について語る!
>>次ページを読む!!