<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>
<language>ja</language>
<title>Qetic - 時代に口髭を生やすニュースメディア”けてぃっく”</title>
<atom:link href="https://qetic.jp/author/so_ito/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
<link>https://qetic.jp/author/so_ito/</link>
<description>ニュースメディア Qetic（けてぃっく）では、音楽、映画、芸能、アート、ファッション、グルメ、アプリ、コラム、アニメなど、最新トレンドから今ネットで話題のゴシップまであらゆるエンタメ・カルチャー情報をお届けします。</description>
<channel>
	<lastBuildDate>Mon, 20 Apr 2026 03:00:05 +0900</lastBuildDate>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
	<generator>https://wordpress.org/?v=6.7.4</generator>
	<atom:link rel='hub' href='https://qetic.jp/?pushpress=hub'/>
<atom:link rel="hub" href="https://pubsubhubbub.appspot.com"/><atom:link rel="hub" href="https://pubsubhubbub.superfeedr.com"/><atom:link rel="hub" href="https://websubhub.com/hub"/>	<item>
		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/column/irukamooyoguwai-201229/383011/</guid>
		<title>コラム：押し寄せる「恥ずい」を乗り越えて｜Aマッソ加納愛子が、初著書『イルカも泳ぐわい。』で見せた想像力の跳躍</title>
		<link>https://qetic.jp/column/irukamooyoguwai-201229/383011/</link>
		<comments>https://qetic.jp/column/irukamooyoguwai-201229/383011/#respond</comments>
		<pubDate>Tue, 29 Dec 2020 03:00:28 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[伊藤聡]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=383011</guid>
<![CDATA[<summary><p>12月14日に放送された『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』決勝戦にも出場し、脚光を浴びたお笑いコンビ・Aマッソ。コンビのネタ作りを担当している加納愛子による初エッセイ『イルカも泳ぐわい。』が今話題となっている。小説家の朝井リョウや、人気YouTuberのフワちゃんも大絶賛しており、さらには発売初日に即重版がかかるなど、一躍注目の的となっているのだ。この度、Qeticでは伊藤聡氏による本エッセイの書評を公開。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1440" height="2133" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/12/25172446/column201229_irukamooyoguwai_main-1440x2133.jpg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="" decoding="async" srcset="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/12/25172446/column201229_irukamooyoguwai_main-1440x2133.jpg 1440w, https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/12/25172446/column201229_irukamooyoguwai_main-1920x2844.jpg 1920w, https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/12/25172446/column201229_irukamooyoguwai_main.jpg 1296w" sizes="(max-width: 1440px) 100vw, 1440px" /></figure>12月14日に放送された『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』決勝戦にも出場し、脚光を浴びたお笑いコンビ・<strong>Aマッソ</strong>。コンビのネタ作りを担当している<strong>加納愛子</strong>による初エッセイ『<strong>イルカも泳ぐわい。</strong>』が今話題となっている。小説家の朝井リョウや、人気YouTuberのフワちゃんも大絶賛しており、さらには<strong>発売からわずか1日で即重版</strong>がかかるなど、一躍注目の的となっているのだ。この度、Qeticでは<strong>伊藤聡</strong>氏による本エッセイの書評を公開。『イルカも泳ぐわい。』や、著者であるAマッソ加納愛子の魅力に迫っている。

<h3 class="report">押し寄せる「恥ずい」を乗り越えて｜Aマッソ加納愛子が、初著書『イルカも泳ぐわい。』で見せた想像力の跳躍
Text by 伊藤聡</h3>

Aマッソ加納愛子の口ぐせは「<strong>恥ずい</strong>」である。加納はどうやら、恥ずかしさにことさら敏感であるらしい。番組の企画でSNSに自撮りを上げるのが恥ずい。軽いノリで作ったコント（進路相談）が、自分たちの代表作のように思われてしまって恥ずい。賞レースに向けて真剣に稽古するコンビの姿が、笑いなしのドキュメンタリー作品になったのが恥ずい。文章など書いたことがないのに、エッセイで自分自身を表現することになって恥ずい。お笑い芸人・加納は、ふとしたタイミングで遭遇してしまう「恥ずい」の感情に用心しながら生きている人だという印象を持った。

芸人としてのAマッソは大きく勢いがついている。12月14日に放送された『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』では、惜しくも優勝こそ逃したものの、画期的に新しいアイデアの詰まった「プロジェクションマッピング漫才」を披露して話題をさらった。タレントとしてのブレイクも期待される加納の初著書が、11月に刊行された『イルカも泳ぐわい。』（筑摩書房）である。本を読むまでAマッソのことをほとんど知らなかった私だが、読み終えた頃にはすっかり加納のファンになってしまっていた。恥ずかしさをがまんして文章を書いてくれて本当によかった。視点がユニークなだけではなく、ていねいな語りのなかに意外な展開が飛び出してくる、語りの跳躍力がある書き手である。

ひとたび『イルカも泳ぐわい。』を開けば、加納の想像力は汲めども尽きぬ泉のようにあふれてくる。子どもの頃に読んだ絵本『おおきなかぶ』の記憶をたどるうち、スーパーに売られているかぶを見ながら絵本に出てきたおじいさんを幻視してしまう「私〝ひき〟が強いのよね〜」は、私がもっとも好きな文章だ。まさに白昼夢。よくぞここまでイメージを広げたものだと感心してしまう。海外旅行の際に立ち寄ったレストランで、テラス席のテーブルクロスが風に揺れる様子を眺めながら、このテーブルに布をかけようと発案した店の娘の心境を勝手に想像する「アイデアの初日感」も楽しい視点だ。かぶやテーブルクロスなど、きっかけは小さなものでも、一度書き始めれば想像は雪だるま式にふくらんでいく。

中学時代、授業中にこっそり回した手紙から過去を回想する「ありがとーぅ」には、コンビの相方・村上に対するさりげない友情と感謝が込められていて胸をキュンとさせられるし、スヌーピーが登場する漫画「PEANUTS」のキャラクター、ルーシーに対する憧れをつづった「もーれつねえさん」では、お笑い芸人としてのスタンスとは何かについてまで話が及ぶ。成人式など誰が行くものか、と尖っていたハタチの自分を思い出しながら語る「あなたはいま幸せですか？」のヒリヒリした感覚もいい。こうして好きな文章を挙げていくと、とめどなく続いてしまいそうだ。

本人によれば、どのエッセイも終わりを決めずに書き始めているそうだが、書き出しの発想から大きくジャンプする思考に驚き、走り幅跳び選手の競技を見ているような気持ちで読み進めた。どの文章も「おもしろいことを考える」「異なる視点から語る」という芸人としての習性、さらに言えば職業上の倫理のようなものを感じさせて頼もしく、漫才、コントを作ることに賭けてきた人物ならではの文章だと納得するのだ。なるほど、お笑い芸人とはこうしてものごとをとらえるのかと、思考を擬似体験させるようなエッセイだった。

今年『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』や『イルカも泳ぐわい。』で新たな支持を得た加納は、来年以降、芸人としてブレイクするかたわら、執筆もおこなう多才ぶりを発揮するのではないかと期待している。とはいえ、加納の前には「恥ずい」の壁が立ちはだかっていることを忘れてはならない。私がAマッソの存在を知ることができたのは、加納が「恥ずい」を乗り越えてエッセイを執筆したからである。もし芸人に集中したいと連載を断っていれば、お笑いに疎い私はAマッソを知らずに終わっていたように思う。「恥ずい」の向こう側には新しい誰かが待っているのだ。

私は、加納が事あるごとに「恥ずい」と感じてしまう気持ちがよくわかるし、変わらずそのままでいてほしいと願いながら、一方で、変わったらどうなるかを見てみたいという矛盾した気持ちを抱いている。『イルカも泳ぐわい。』は、そうした変化のきざしが読み取れる1冊でもある。「恥ずい」は取り扱いがむずかしい。芸人としてブレイクすることはきっと、「恥ずい」の連続を受け入れる過程にほかならないのだろう。しかし同時に、「恥ずい」を完全に捨て去った加納を応援したいかといえば、それはもう別の人物であるような気がしてならず、これからも「恥ずい」との適切な距離を計りつつ、何かを作り続けてほしいと願うのである。

<p class="txtcredit">Text by 伊藤聡</p>

<div class="information">
<h2>INFORMATION</h2>
<h3>イルカも泳ぐわい。</h3>
<a href="https://qetic.jp/?attachment_id=383456" rel="attachment wp-att-383456"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/12/25172446/column201229_irukamooyoguwai_main.jpg" alt="イルカも泳ぐわい。" width="1920" height="2844" class="alignnone size-full wp-image-383456" /></a>

2020年11月18日発売
本体価格：￥1,400（＋tax）
加納愛子
四六判上製／192頁
ISBN 978-4-480-81559-0

<a href="https://www.chikumashobo.co.jp/special/amasso_kano/" class="btn" target="_blank" rel="noopener noreferrer">詳細はこちら</a>
</div>
<p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
</description>
<div class='yarpp yarpp-related yarpp-related-website yarpp-related-none yarpp-template-yarpp-template-example'>
<h3>関連記事</h3>
<p>No related posts.</p>
</div>
	</item>
		<item>
		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/film/tenet-column-201009/372832/</guid>
		<title>ありがとうノーラン！『TENET テネット』を心から楽しんだ映画ファンからの、大いなる賛辞と小さな不満</title>
		<link>https://qetic.jp/film/tenet-column-201009/372832/</link>
		<comments>https://qetic.jp/film/tenet-column-201009/372832/#respond</comments>
		<pubDate>Fri, 09 Oct 2020 09:01:34 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[伊藤聡]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=372832</guid>
<![CDATA[<summary><p>『ダークナイト』シリーズ（’05〜）、『インセプション』（’10）、『ダンケルク』（’17）などの作品で知られる人気映画監督、人気映画監督、クリストファー・ノーランの最新作『TENET テネット』が9月18日に公開された。これまでも、ヒット作や話題作を連発してきたノーラン監督だが、今回も注目度はきわめて高い。テーマは「時間の逆行」。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1440" height="960" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184434/film201010_tenet_main-1440x960.jpg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="TENET テネット" decoding="async" srcset="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184434/film201010_tenet_main-1440x960.jpg 1440w, https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184434/film201010_tenet_main.jpg 1920w" sizes="(max-width: 1440px) 100vw, 1440px" /></figure><div class="text-box fade-up">
<p>『ダークナイト』シリーズ（’05〜）、『インセプション』（’10）、『ダンケルク』（’17）などの作品で知られる人気映画監督、<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>クリストファー・ノーラン</strong></a>の最新作『<a href="https://qetic.jp/?s=TENET+%E3%83%86%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>TENET テネット</strong></a>』が9月18日に公開された。これまでも、ヒット作や話題作を連発してきたノーラン監督だが、今回も注目度はきわめて高い。テーマは「<strong>時間の逆行</strong>」。過去作でもたびたび題材として取り上げてきた「時間」をモチーフに、物理学者にアドバイスを受けながら練り上げられた脚本は、非常に魅惑的であると同時に、一度見ただけでは理解が困難な内容だ。こうした難解さが観客の興味をそそり、数多くのリピーターを呼び込んだ。主演に『ブラック・クランズマン』（’18）の<strong>ジョン・デイヴィッド・ワシントン</strong>。<strong>ケネス・ブラナー</strong>や<strong>マイケル・ケイン</strong>といった、ノーラン作品の常連俳優も出演している。
</p>
</div>

<h2 class="fade-up">クリストファー・ノーラン最新作『TENET テネット』の最大の魅力</h2>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/08181455/film201009_tenet_5.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-373178" /></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p>2020年、多くの大作、期待作が公開延期となり、話題性に乏しいままずいぶん時間が経ってしまっていたが、ようやく映画館に活気が戻ってきたと実感できる『TENET テネット』の公開だった。9月19日に政府の定める入場制限基準が緩和され、これまで定員の半分以下しか入場できなかった映画館が全席で着席可能となったことも大きい。ひさしぶりに経験する満員の映画館での超大作公開とあって、劇場内に熱気が満ちているのが嬉しかった。次々と入ってくる観客、ぎっしりと埋まった客席、上映後にパンフレットを購入するため並ぶ人たちの行列、かつての見慣れた光景が戻ってきたのは思いのほか楽しく、自分が映画ファンであることをあらためて体感させてくれるイベントとなった。本作はIMAXスクリーンとの相性もよく、視聴環境にこだわりを持って映画館を選んだ観客も多かっただろう。『TENET テネット』の盛り上がりは、映画業界全体にとって明るいニュースであった。

思うに、クリストファー・ノーラン監督には、映画ファンにとっての一大イベントとなる作品を撮り、人びとを劇場へ呼び込む稀有な能力がある。『<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>ダークナイト</strong></a>』（’08）しかり、『<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>インセプション</strong></a>』（’10）しかり、好き嫌いは別にして映画館へ足を運ばずにはいられず、見終えた後にはさっそく感想戦を始めてしまうような「<strong>必修映画</strong>」を撮る能力があるのだ。多くの観客を物語に没頭させ、熱狂を生み出すのがノーラン監督の最大の力だ。誰もが彼の作品を気にしていて、映画館へ行かなくてはと思わせてくれる。今回の『TENET テネット』も同様に、斬新なアイデアをヒット作に結びつける手腕はみごとであり、本当に感服するほかない。音楽にせよ、本にせよ、受け手の好みが限りなく細分化していくなか、映画ファンにはこうした全員参加型のイベントが残っており、共通言語としての作品が存在するというのは大切なことである。こうしたイベントに参加できるのは、映画ファンならではのよろこびではないだろうか。</p>
</div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184457/film201010_tenet_6.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1401" class="alignnone size-full wp-image-372861" /></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p>『TENET テネット』のあらすじは複雑で、説明が難しい。とはいえ、理解できなくてもさほど楽しみを阻害しないため、あまり深く気にしなくていいのではないかと思う。劇場用パンフレットに書かれた公式の説明を要約すれば、あらすじは以下である。CIAエージェントの主人公、<strong>名もなき男</strong>（ジョン・デイヴィッド・ワシントン）は、未来からやってきた敵と戦い、世界を救う任務を命じられている。どうやら、未来では時間の逆行を可能にする装置が開発され、<strong>人や物が過去へと移動できるようになっているのだ</strong>。果たして主人公は、迫りくる第三次世界大戦を防ぐことができるか──。

劇中に数多く散りばめられた謎がわからないままでも、作品は十分にスリリングだ。また、初見ではわからなかった物語の構造が、二度目の観賞で浮かび上がってくるしかけも実にいい。SNSで盛り上がる謎解きや科学的解釈も含め、さまざまな角度から何度も味わうことができ、多くの人がつい参加したくなるイベントという側面からも大いに楽しませてもらった。観客へのサービス精神の旺盛さも感じられ、ノーランが人気監督である理由がよくわかるフィルムである。

どの作品にもキービジュアルや見どころを律儀に準備するノーラン監督らしく、公開前から話題となっていた、空港でジャンボジェット機が暴走するシーンなど「これがうわさの場面か」と感心させられてしまった。こうした大がかりな場面はなにしろ景気がよいし、見ただけで料金の元を取ったような気分になれるのが嬉しい。予算をかけた超大作ならではの楽しみである。劇中、ジャンボジェット機の爆破前には、登場人物が“ここからは少しドラマティックにやるよ”と親切なせりふで見せ場を予告するため、観客も「いよいよ壊すんだな、例のあれを」と心の準備が整う。ノーランは基本的に、大事なことはせりふで説明してくれるタイプの監督である。
</p>
</div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184448/film201010_tenet_4.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-372858" /></div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/08181447/film201009_tenet_3.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-373176" /></div>

<h2 class="fade-up">『TENET テネット』に見るノーランの「ブリンブリン」な欠点とは？</h2>

<div class="text-box left fade-up">
<p>しかし、ここまで映画を満喫しておいて不満を述べるのは図々しいのだが、ノーランの手法には多少言いたいこともあるのだ。CGを嫌い、実写にこだわる彼は、これまでも大がかりな実写撮影を行ってきた。『ダークナイト』の病院爆破シーンでは本当の建物を壊しているし、『<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%AF" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>ダンケルク</strong></a>』では70年以上前に製造された実際の戦闘機を2機飛ばして撮影し、さらには5億円かけてレプリカを1機作成したという。何しろとてつもない規模である。こうした、ノーランの撮影にまつわる豪快な逸話はエスカレートし、映画製作のたびに新たなエピソードが追加されていった。しかし、彼の手法はややもすると、実写へのこだわりという域を超え、莫大な予算をかけたムチャな撮影が許されるヒットメーカーとしてのノーラン自身を誇示しているように見えてしまう。

前述した空港のシーンでも、暴走するジャンボジェット機や、車輪に巻き込まれて引きずられる自動車を眺めながら、「どれだけの費用がかかったのだろう」「こんな途方もない撮影が許される監督はなかなかいないぞ」と、映画の本質とは異なる部分で感心してしまったのも事実である。決してジャンボジェット機の場面が嫌いなわけではないし、盛り上がったことは事実なのだが、映画に感心しているのか、ノーラン監督の豪快さに驚いているのか、自分でもいまひとつ判別がつかなくなってくる。アメリカのヒップホップ業界では、いかにも高価そうなゴールドのネックレスや高級車を見せつける態度を「<strong>ブリンブリン</strong>」と呼ぶが、ノーランはいわば<strong>映画業界きってのブリンブリンな監督</strong>であり、そこに若干のエゴや品のなさを感じてしまうことがあるのだ。とはいえ、選ばれし映画監督が常軌を逸したムチャをする様子は見ていて楽しいものであり、またノーランの作家性の一部であるとも思うのだが。

一方、実写への拘泥、徹底したフィルム撮影主義など、ノーランが示すこだわりは、彼が潜在的に抱いている「<strong>映画的瞬間をつかまえる能力への不安</strong>」の裏返しであるようにも思える。だからこそ、彼の底抜けな予算の浪費にも拍車がかかるのではないか。この点、筆者はノーランを支持しているにもかかわらず意地の悪い言い方になってしまったが、あえて指摘させてほしい。観客に「これが映画だ！」と確信させるワンシーン、力強いショットを撮れるかどうかは、予算や機材、規模とは無関係ではないか。彼はなぜ、映画を撮るのにそこまででたらめなお金の使い方をするのだろうか。このノーランの浪費傾向は監督としてのキャリアを重ねるごとに強くなっていったが、彼と同い年の映画作家、たとえば<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>ポール・トーマス・アンダーソン</strong></a>、<a href="https://qetic.jp/?s=M%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%B3" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>M・ナイト・シャマラン</strong></a>、<strong>ニコラス・ウェンディング・レフン</strong>といった1970年組はみな、規模や予算は小さくとも、観客の魂をわしづかみにするような映画的瞬間をモノにしている。こうして比較すると、ノーランがこだわる実写やフィルム撮影といった要素も、どこか枝葉末節に思えることがある。
</p>
</div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184443/film201010_tenet_3.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-372856" /></div>

<div class="movie_wrap"><iframe width="940" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/5I80zt5zck8" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div>

<div class="movie_wrap"><iframe width="940" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/JtLiJkSgdEA" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div>

<h2 class="fade-up">ノーラン作品の根底に通ずるテーマ「喪失感」</h2>

<div class="text-box left fade-up">
<p>ここまでの記述、『TENET テネット』とノーランを愛していながら、彼に欠けている資質についての説明が長くなってしまい、たいへん申し訳ない。実際のところ『TENET テネット』にも終始夢中になり、ついに主人公が逆行時間に突入するクライマックス場面などあれほどに胸が高鳴り、熱く興奮したにもかかわらず……。むろん完璧な作者などいないのであり、ノーランのたぐいまれなる才能を認めた上で言うのであれば、製作費の使い方が派手になることで本質を見失いがちな傾向はあると思う。それでもノーラン作品から目が離せないのは、彼が描きつづける<strong>「喪失」の物悲しさ</strong>にどうしても惹かれるからである。彼の映画に通底するのは、決して取り戻せない何かについての<strong>耐えがたい喪失感</strong>だ。『TENET テネット』は<strong>親友の喪失がテーマとなる</strong>。内容に触れてしまうため詳細は省くが、本作における主人公と<strong>ニール</strong>（<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>ロバート・パティンソン</strong></a>）との関係は非常に切ないものだ。ノーランはつねに、失われたもの、もう取り戻せない何かについて描き続けている。

過去作も同様である。『<strong>メメント</strong>』は、記憶を失ってしまう症状に悩む主人公が「たとえ忘れても、やることに意味がある」と決意するまでを描く。また、家族との別離がテーマとなる『インセプション』、戦地より命からがら撤退する軍人を描いた『ダンケルク』など、ノーランの作品には大きな喪失の感覚が刻まれている。「もう戻ってこない、それでも生きていかなくてはならない」という切ないまでの諦念があるのだ。それこそがノーラン作品の本質であり、爆破や謎解き、物理学やエントロピー理論といったこだわりを取り除いた後にも残る核心部分であると信じている。

こうしたモチーフがもっとも強烈に描かれるのが『<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%BC" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>インターステラー</strong></a>』における惑星探索の場面だろう。人間が移住可能な星を探して宇宙船で移動する主人公（<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%83%92%E3%83%BC" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>マシュー・マコノヒー</strong></a>）は、ある惑星に着陸するが、ひとつ大きな問題があった。重力がとても強いその惑星ですごす1時間は、地球の7年に相当するのだ。探索に手間取った主人公がその惑星ですごしたほんの数時間のあいだに、地球では23年4ヶ月の時間が経ってしまっていた。主人公の父親は亡くなり、小さかった子どもは大人になり、結婚して孫まで生まれていた。そうした貴重な瞬間に一切立ち会えず、すべてを逃してしまった主人公は、地球から送られた23年分のビデオレターを見ながらひとり涙する。

この場面は「感動的」という文脈で語られることが多いが、<strong>冷や汗が出るような取り返しのつかなさ、決して戻ってこない大切な時間を喪失してしまった感覚</strong>は、見ていて怖ろしくなるほどだ。ほんの小さなミスによって20年以上の時間が失われてしまう展開はとても不安になる。『インターステラー』は見返すのをためらう映画である。自分自身もいままでの人生において、この主人公のように時間を虚しく浪費してしまったのではないだろうか？　と考えずにはいられないからだ。ノーラン監督は、このように深い孤独や空虚を抱えた人物なのだろうかと感じる場面である。</p>
</div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/09124657/film201010_tenet_2.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-373275" /></div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184452/film201010_tenet_5.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-372860" /></div>

<div class="movie_wrap"><iframe width="940" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/sSgvsLyi6_o" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p>あるいは、こうした深い喪失感にはむしろ派手な爆発こそが似合うのかもしれないと『TENET テネット』を見て感じた。ノーラン作品の登場人物が抱える虚しさや無力感はあまりに大きい。一見、スパイ映画仕立てのスリルと躍動に満ちたアクション映画、という『TENET テネット』の奥にも喪失の感覚がある。確かに、生きることは失うことの連続だ。それであれば、せめて空港や病院ぐらいは派手に爆発させたくなるのが人情ではないか。単に暗くて地味な映画など、本当に陰鬱なだけである。いずれにせよ大切な相手は去り、貴重な時間は失われてしまったのだから、どうせなら思いっきりお金を使って、アメフトの巨大スタジアムを本当に爆破したり、戦闘機をIMAXカメラごと海に落下させたりしようじゃないか。そうでもなければ、悲しくてやっていられない。

ノーランが時おり表現する、どう受け止めていいか困惑するほど大きな虚無感について考えた時、その陰鬱さと反比例するような破壊の壮大さ、途方もない予算の使い方は、どこか最終的にうまい具合に辻褄が合って、観客にとって受け入れやすいバランスになっているのかもしれない。『TENET テネット』の圧倒的なおもしろさに打ちのめされながら、そう感じた。ノーラン作品はどれも喪失感と孤独に満ちているだが、迫りくる悲しみは大量の爆薬で景気よくぶっとばしてくれる。そこにこそ、彼の人気の秘訣があるのかもしれない。</p>
</div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184501/film201010_tenet_7.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-372863" /></div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/09124316/film201010_tenet_10.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1281" class="alignnone size-full wp-image-373274" /></div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184505/film201010_tenet_8.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-372864" /></div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06184509/film201010_tenet_9.jpg" alt="TENET テネット" width="1920" height="873" class="alignnone size-full wp-image-372865" /></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>映画『TENET テネット』スペシャル予告 2020年9月18日（金）公開</strong></p>
</div>
<div class="movie_wrap"><iframe width="940" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/NGae7WPNhb0" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div>

<div class="text-box right fade-up">
<p>Text by 伊藤聡</p>
</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">INFORMATION</h3>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/06182858/film201010_tenet_1.jpg" alt="TENET" width="1920" height="2715" class="alignnone size-full wp-image-372833" /></div>

<p class="name">TENET テネット</p>
<p class="text">大ヒット上映中
監督・脚本・製作：クリストファー・ノーラン　製作：エマ・トーマス　製作総指揮：トーマス・ヘイスリップ
出演：ジョン・デイビッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ディンプル・カパディア、アーロン・テイラー＝ジョンソン、クレマンス・ポエジー、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナー
配給：ワーナー・ブラザース映画

© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.

<a href="https://wwws.warnerbros.co.jp/tenetmovie/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">詳細はこちら</a>
</p>
</div><p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
</description>
<div class='yarpp yarpp-related yarpp-related-website yarpp-related-none yarpp-template-yarpp-template-example'>
<h3>関連記事</h3>
<p>No related posts.</p>
</div>
	</item>
	</channel>
</rss>