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<title>Qetic - 時代に口髭を生やすニュースメディア”けてぃっく”</title>
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<description>ニュースメディア Qetic（けてぃっく）では、音楽、映画、芸能、アート、ファッション、グルメ、アプリ、コラム、アニメなど、最新トレンドから今ネットで話題のゴシップまであらゆるエンタメ・カルチャー情報をお届けします。</description>
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		<title>出没自在のサックス奏者・Kim Okiが語る非凡なキャリアと沖縄の記憶</title>
		<link>https://qetic.jp/interview/kim-oki-240301/459062/</link>
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		<pubDate>Fri, 01 Mar 2024 11:00:08 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Qetic編集部]]></dc:creator>
		<category>6</category>

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<![CDATA[<summary><p>韓国インディー・シーンきっての鬼才、キム・オキ（Kim Oki）が自身のリーダーバンドであるキム・オキ・サターン・バラッド（Kim Oki Saturn Ballad）で初のジャパンツアーを行う。今回はその音楽世界に迫るべく、リモート・インタヴューを敢行した。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1920" height="1079" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2024/02/28155951/interview240301-kim-oki5-1920x1079.jpeg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="キム・オキ（Kim Oki）" decoding="async" /></figure><div class="text-box left fade-up">
<p>韓国インディー・シーンきっての鬼才、<strong>キム・オキ</strong>（<strong>Kim Oki</strong>）。彼はサックス奏者／ソングライター／プロデューサーとしてジャンルレスな活動を展開しており、これまでリリースされた作品は2013年のデビュー作『<strong>Cherubim’s Wrath</strong>』をはじめとして20枚以上におよぶ。そのディスコグラフィーはアンビエントのニュアンスも色濃い『<strong>Saturn Meditation</strong>』（2018年）や、フリージャズ直系の『<strong>About Prejudice</strong>』（2021年）、ナクサルやDJソウルスケープが参加した『<strong>Everytime</strong>』（2021年）、イ・ハイなどのシンガーをフィーチャーした『<strong>Greeting</strong>』（2022年）など、まさに縦横無尽。ジャンルの垣根が曖昧な現代ジャズの潮流ともリンクした活動を続けている。</p>

<p>そしてこの3月、そのキム・オキが自身のリーダーバンドである<strong>キム・オキ・サターン・バラッド</strong>（<strong>Kim Oki Saturn Ballad</strong>）で初のジャパンツアーを行う。各地のゲストに迎えるのは<strong>折坂悠太</strong>、<strong>角銅真実</strong>、<strong>角舘健悟</strong>、<strong>maya ongaku</strong>、<strong>Shhhhh</strong>という個性的な面々。また、来日に先駆け、近作からセレクトした日本独自編集盤『<strong>Love Japan Edition</strong>』が配信（3月1日（金）解禁）とレコード（5月1日（水）発売）でリリースされる。こちらには比較的メロウな楽曲がセレクトされており、キム・オキのメロディーメイカーとしての力と現代的なセンスを感じ取ることができるだろう。</p>

<p>シーンの異端児、キム・オキ。その音楽世界に迫るべく、リモート・インタヴューを行った。</p></div>

<h2 class="fade-up">INTERVIEW
Kim Oki</h2>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2024/03/28175423/interview240301-kim-oki.jpeg" alt="キム・オキ（Kim Oki）" width="1920" height="1273" class="alignnone size-full wp-image-459077" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>[MV] 김오키 (Kim Oki) - 볕처럼 빛나는 (Shine Like a Sunlight) / Official Music Video</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/ohyJKDwveis?si=hHXn5vuS4EYh2lxw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<h2 class="fade-up">ダンサー時代の過去と沖縄の記憶</h2>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──音楽に関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか。</strong></p>

<p>もともとダンサーをやってたんですよ。アシッドジャズやヒップホップで踊ってたんですけど、そういう音楽には管楽器が出てくることが多いので関心を持つようになりました。そのころよく聴いていたのがキャノンボール・アダレイ（Cannonball Adderley）の『Somethin’ Else』。1曲目の“Autumn Leaves”が好きでした。この曲の最初のメロディーはマイルス・デイヴィス（Miles Davis）が吹いてるんですけど、トランペットの音をサックスと勘違いしてしまって。それで「この楽器を吹いてみたい」とサックスを手にしました。</p>

<p><strong>──それはいくつのころですか？</strong></p>

<p>兵役が終わってすぐだったので、23歳ぐらいだったと思います。</p>

<p><strong>──ダンサーだったことを知って少し驚いているんですが、どんな活動をしていたのでしょうか。</strong></p>

<p>ブレイクダンスから始まって、ハウスやタップダンスもやってました。クラブで踊ったり、ジェクスキス（Sechs Kies）やク・ボンスン（Koo Bon Seung）、トゥトゥ（Two Two）、イム・ソンウン（Lim Sung Eun）のバックダンサーをやったこともあります。</p>

<p><strong>──えっ、ジェクスキスのバックで踊ってたんですか！</strong></p>

<p>そうなんですよ（笑）。19歳から21歳ぐらいまでダンサーをやり、兵役に就き、戻ってきてからサックスを吹き始めたという流れです。</p>

<p><strong>──では、どうやってサックスを学んだのでしょうか。</strong></p>

<p>スクールで2か月だけ学んだあと、個人レッスンを受けていました。一番助けになったのは、クラブ的な集まりのなかで組んだグループでアンサンブルの練習をやったことです。そこにはもともと大学の音楽サークルでやってた人もいたし、実用音楽学科（註：プロフェッショナルなミュージシャンや作曲家になるための専門的なコース）を専攻してきた人もいたので、彼らから学んだことは多かったんです。あと、当時アメリカから英語教師として韓国にやってきた人たちが周りにいたので、彼らからも多くのことを学びました。</p>

<p><strong>──その後にリリースされた2013年のデビュー作『Cherubim’s Wrath』には、2008年に旅行で沖縄を訪れたときの体験が色濃く反映されています。沖縄でどんな体験をしたのでしょうか。</strong></p>

<p>人生で初めてのひとり旅として、2008年に沖縄へ行きました。それで那覇の国際通りを歩いていたら、カホンを演奏してる人をたまたま見かけたんです。自分も楽器を持っていたので、夜の8時ぐらいから朝まで一緒に演奏することになって。彼と仲良くなって、その2年後ぐらいにあらためて沖縄を訪れたんです。そのときは一週間ほどゲストハウスに宿泊していたんですけど、沖縄の伝統音楽をやってる人とも知り合いました。そこで初めて沖縄の音楽に触れたんですが、自分に合う感じがしました。『Cherubim’s Wrath』には“Orion Star House”という琉球音階を用いた曲が入ってるんですが、曲名は那覇のゲストハウスから取りました。</p></div>

<iframe style="border: 0; width: 100%; height: 120px;" src="https://bandcamp.com/EmbeddedPlayer/album=508824330/size=large/bgcol=ffffff/linkcol=0687f5/tracklist=false/artwork=small/transparent=true/" seamless><a href="https://kimoki.bandcamp.com/album/cherubims-wrath-2016-remastered-edition">Cherubim&#39;s Wrath 천사의 분노 2016 Remastered Edition KIM OKI</a></iframe>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──沖縄の旋律のどういう部分に惹かれるんでしょうか。</strong></p>

<p>映画の影響が大きいのかもしれないです。20代の頃に日本映画をたくさん観ていて、その中に沖縄を舞台にした作品があったんですよ。岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』、土井裕泰監督の『涙そうそう』、中江裕司監督の『ホテル・ハイビスカス』とかですね。そこで流れる沖縄的なスケールが好きだったことも関係していると思います。</p>

<p><strong>──オキというアーティストネームは「沖縄」から取られているという噂を聞いたことがあるんですが、本当ですか？</strong></p>

<p>そうです、本当です（笑）。</p></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2024/02/28160005/interview240301-kim-oki3.jpeg" alt="キム・オキ（Kim Oki）" width="1920" height="2301" class="alignnone size-full wp-image-459066" /></div>

<h2 class="fade-up">「ファラオ・サンダースがいなかったら今の自分はなかったんじゃないか」</h2>

<div class="text-box left fade-up">
<p>─<strong>─キムさんの音楽にはR&Bやヒップホップ、アンビエントなど多様な要素が混ざり合っていて、ジャンルの垣根がさらに曖昧になっている世界的な音楽の流れともリンクしているように感じます。</strong></p>

<p>自分は決して新しい音楽を探して聴くほうじゃないんですよ。好きなものだけ聴き続けているというか。なので他のミュージシャンがやっていることはあまり把握していないんですよ。最近は何を聴いているのかな…ラヴィーナ（Raveena）は好きでよく聴いてますね。</p></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>Raveena - Mystery</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/pG23G8H7Krc?si=pcd1YY3IcbAEFS5c" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──キムさんは自分のことをジャズ・ミュージシャンだと思っていますか。</strong><p>

<p>そう意識したことはあまりないですね。もちろんジャズから学んだことは多いですが、ジャズ・ミュージシャンというとスタンダードやビバップを演奏している人というイメージがあるので。それに、自分はジャズ・シーンの外で活動してきたので、まだわからない部分もあるんです。<p>

<p><strong>──一方でキムさんが吹くサックスのメロディーはブルージーで、どこか歌謡曲的なテイストも感じます。それは意識的なものなのでしょうか。</strong><p>

<p>ジャズはもちろん好きなんですけど、自分は正統な音楽教育を受けたわけでもないので、ビバップやハードバップを突き詰めることで優れたプレイヤーになれるとも思っていなかったんですよ。その代わり、歌謡曲のようにメロディーがシンプルで抒情的なものを指向してきた部分はあるかもしれない。実際、歌謡曲を吹く練習もしてきましたし。<p>

<p>あと、僕はファラオ・サンダース（Pharoah Sanders）が大好きなんです。ジャズ・ミュージシャンとして優れているのは言うまでもないですが、ブルージーでスピリチュアルな彼の音楽のなかにはルーツ・ミュージック的なものも感じます。ファラオ・サンダースからの影響は強いと思いますね。<p>

<p><strong>──2022年の9月にファラオ・サンダースが亡くなった際、<a href="https://www.instagram.com/p/Ci6Ln0oPIDv/"><u>インスタグラム</u></a>に写真をアップして追悼していましたよね。</strong><p>

<p>そうですね。ファラオ・サンダースがいなかったら今の自分はなかったんじゃないかと思うぐらい影響を受けましたから。もともと自分はジャズのスタンダードを中心に演奏していたんですけど、ファラオの“You’ve Got to Have Freedom”がきっかけで自分のスタイルが変わりました。</p></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>You've Got to Have Freedom</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/prGeZ0ocsnA?si=2JW3tOsXVl3oF6iM" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──実は、明日カデホ（CADEJO）のイ・テフンさんにリモート・インタヴューする予定なんです。カデホもソウルのインディー・シーンで活動していて、キムさんとも近いプレイヤーですよね。彼も決してスタンダードだけを演奏するジャズ・ミュージシャンではありませんが、ジャズから強い影響を受けていて、キムさんとの共通点も多いように感じます。</strong></p>

<p>テフンは昔に比べるとずいぶんギターが上手くなりましたよね（笑）。彼が以前やってたヘリヴィジョン（Hellivision）のライヴを観たことがあって、それをきっかけに一緒にやるようになりました。彼もいわゆるスタジオミュージシャンとは違う自分独自の表現を突き詰めていて、音楽的にも常に開かれている。そこにシンパシーを感じています。</p></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>Cadejo(까데호) - Full Performance(Live on NPGR)</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/wdxoC1lH3Aw?si=OHq7iD7tz4FT92Vv" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<h2 class="fade-up">「音楽を始めたころから日本でツアーするのが夢だった」</h2>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──今回のジャパンツアーはチン・スヨンさん（ピアノ）、チョン・スミンさん（ベース）とのトリオであるキム・オキ・サターン・バラッドで行われるわけですが、このグループでテーマとしているのはどのようなことなのでしょうか。</strong></p>

<p>サターン・バラッドは自分の活動のメインになっているグループといっていいと思います。この編成は自分が表現したいことを一番やりやすいフォーマットでもあるんですよ。</p></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>＜「Onstage Onetake Concert」におけるキム・オキ・サターン・バラッドの「Cotard's Syndrome」＞
[온스테이지 원테이크 콘서트] #2 김오키 - 코타르 증후군, 우리 만나고 헤어짐이 이미 정해져 있지 않기를, 눈부시게 빛나는</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/O5pgv0bqyI0?si=sP697XNJKkPZ4JeG" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──ドラムレスの編成にしているのはなぜなのでしょうか。</strong></p>

<p>ドラマーはずっと探しているんです。現在の編成に落ち着くまで10人ぐらい加入と脱退を繰り返してきたんですけど、どうもうまくいかなくて。ドラマーの問題はいつも抱えていて、ファッキング・マッドネス（Fucking Madness）というもうひとつのバンドも、これまで13人から14人ぐらいドラマーが交代しました。</p>

<p><strong>──それはなぜなのでしょうか。キムさんがドラマーに求めるものが高すぎるんですかね？</strong></p>

<p>もともとダンサーだったこともあって、リズムに対して敏感ということも確かにあるとは思います。今までふたりだけしっくりきたドラマーがいて、ひとりは済州島に住んでいるということもあって、定期的に演奏することができないんです。もうひとりはファッキング・マッドネスで一緒にやっているキム・ダビンさんです。彼はカデホのドラマーでもありますね。</p>

<p><strong>──サターン・バラッドはピアノとベースとのシンプルな編成ですが、曲によってはアンビエント的なニュアンスを感じることがあります。ドラムがいなくて、アンサンブルが空間的に構築されていることが理由のひとつであると思うのですが。</strong></p>

<p>そこは少し意識しているんですよ。自分はアンビエントも好きですし、サターン・バラッドのときはアンビエント的な質感も少し意識しています。</p></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>김오키 뻐킹매드니스 KimOki Fucking Madness - Sea of Love</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/ZBfoLueHOL8?si=7hXX_rZ7fQ-NfH3L" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──もうひとつのリーダーバンドであるファッキング・マッドネスでは、アフロ～スピリチュアル系のジャズをやっていますよね。まさにファラオ・サンダースからの影響を感じさせます。こちらはサターン・バラッドとは違い、メンバーがかなり多いですよね。</strong></p>

<p>基本の編成は8人で、大きなステージでは12人でやることもあります。ファッキング・マッドネスも今のメンバーに落ち着くまで4年ぐらいかかったんですけど、結成から現在にいたるまでほぼ練習をしたことがないんですよ。いつもライヴの場で集まり、ライヴをやることでバンドとしてのスタイルを固めてきました。ただ、最近新しいアルバムを用意しているので、練習をするようになりました。</p>

<p><strong>──キムさん自身は、客演もたくさんやってますよね。セイ・スー・ミー（Say Sue Me）やCHS、イ・ミンフィ（Minhwi Lee）、ローダウン30（Lowdown 30）ともやってるし、最近ではペク・ヒョンジン（Bek Hyunjin）さんのバンドにも参加しています。ジャンルがとにかくバラバラで、これだけバラエティー豊かな面々と共演しているプレイヤーもなかなかいないのではないかと思います。なぜそんなにも多くのアーティストからキムさんのサックスが求められるのだと思いますか。</strong></p>

<p>そもそも韓国のジャズ・シーンが小さいということもあって、ジャズだけやっていても食っていけないということもあります（笑）。そういうこともあってホンデのインディー・シーンに入っていったところもあって。ホンデでいろんなミュージシャンに出会ったし、自分の音楽的な幅も広がったと思います。30代の多くの時間をホンデのライヴハウスで過ごしたので、芋づる式に繋がりが広がっていったんですよ。</p>

<p><strong>──キムさんにとってホームといえるヴェニューはどこなんですか。</strong></p>

<p>しょっちゅう演奏していたのはストレンジ・フルーツとチャンネル1969です。</p></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>＜キム・オキをフィーチャーしたセイ・スー・ミーの“To Dream”＞
[M/V] Say Sue Me 세이수미 - To Dream 꿈에 (feat. 김오키 Kim Oki)</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/SNsnal9Q41g?si=BYTCbGyN4m02tqIn" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><strong>＜キム・オキが参加するペク・ヒョンジン“Unreleased”＞
[온스테이지2.0] 백현진 - 횟집(Unreleased)</strong></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/JVECU4AazsI?si=htoarZhQvxgsCE-g" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><strong>──映像ディレクターとしての仕事もしているそうですが、どんなことをしているんですか？</strong></p>

<p>まさに新作の映画作品を作ってるところなんですよ。もともと音楽よりも映画のほうが好きなぐらいで、音楽を作るときにも映画のイメージがどこかにあって。</p>

<p><strong>──それはとてもよくわかります。</strong></p>

<p>それで自分でも映画を作るようになって、最近長編を一本作り終えました。映画祭に出品することになったので、今度プレミア公開される予定です。</p>

<p><strong>──なるほど。最後に、今回のジャパンツアーについてはいかがですか。</strong></p>

<p>音楽を始めたころから日本でツアーするのが夢だったので、とても楽しみです。ヨーロッパで演奏する機会はあったんですけど、海外でライヴをやること自体はあまり好きではなくて（笑）。でも、今回のツアーは例外です。今まで行ったことがない街にも行くので、新しいメロディーやアイデアが浮かんでくるんじゃないかという期待もあります。今回のツアーの共演では、折坂（悠太）さんと演奏したことがあります。折坂さんギターとヴォーカル、自分はサックスで参加したんですが、すごくおもしろかった。やっていて合う感じがしましたし、今回も楽しみですね。</p></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2024/02/28155958/interview240301-kim-oki4.jpeg" alt="キム・オキ（Kim Oki）" width="1920" height="2883" class="alignnone size-full wp-image-459065" /></div>

<div class="text-box right fade-up">
<p>Text, Interview：<a href="https://twitter.com/OISHIHAJIME?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor"><u>大石始</u></a></p></div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">INFORMATION</h3>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2024/02/28155946/interview240301-kim-oki6.jpg" alt="キム・オキ（Kim Oki）" width="1920" height="2724" class="alignnone size-full wp-image-459063" /></div>

<p class="name">BAYON PRODUCTION presents
KIM OKI SATURN BALLAD
JAPAN TOUR 2024</p>
<p class="text">2024年3月18日（月）東京　渋谷WWW｜guest：maya ongaku / Shhhhh
2024年3月20日（水）　長野　上田映劇｜guest：角銅真実
2024年3月21日（木）　金沢　辻家庭園｜guest：折坂悠太
2024年3月22日（金）　京都　河村能舞台｜guest：角舘健悟（Yogee New Waves）
2024年3月24日（日）　尾道　浄泉寺｜guest：角舘健悟（Yogee New Waves）
主催：BAYON PRODUCTION
企画/制作：BAYON PRODUCTION / COW AND MOUSE / SHIBUYA WWW</p>
<a href="https://bayon-p.com/news/2096" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">詳細はこちら</a>
<div class="separator"></div>
<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2024/02/28160043/interview240301-kim-oki1.jpg" alt="キム・オキ（Kim Oki）" width="1920" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-459068" /></div>
<p class="name">Love Japan Edition</p>
2024年3月1日（水）：デジタルリリース
2024年5月1日（水）：12inch Vinyl
Kim Oki
Tracklist：
Shine Like a Sunlight
Bye [feat. LeeHi]
Moonlight
Story [feat. Samuel Seo]　
Fades Again
Death Stare [feat. Hippy was Gipsy]　
Universe [feat. Simun]　
Dopamine　
Trauma　
See you again tomorrow　
Cotard’s Syndrome　
Undecided Relationship
Bipolar Disorder
<a href="https://www.instagram.com/donmansuki/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">Kim Oki</a>
</div>
<p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
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		<title>ビョークのクリエイティヴを彩るプロフェッショナル ── James Merryインタビュー〜菅野薫・secca上町達也対談</title>
		<link>https://qetic.jp/interview/bjork-jamesmerry-secca-231002/454648/</link>
		<comments>https://qetic.jp/interview/bjork-jamesmerry-secca-231002/454648/#respond</comments>
		<pubDate>Mon, 02 Oct 2023 10:00:24 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[竹田賢治]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=454648</guid>
<![CDATA[<summary><p>今年開催された＜Coachella 2023（コーチェラ）＞に出演したビョーク（björk）。今回のコーチェラ出演に向けて、ビョークは新しく二つのマスクを製作。今回二つのマスク製作を担当したビョークの共同クリエイティヴディレクター・James Merry氏へのメールインタビューと、製作のテクニカルなプロセスに携わった菅野薫氏、そしてsecca inc.代表、上町達也氏両名の対談を敢行した。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1920" height="1280" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/04193945/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_main-1920x1280.jpg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="Björk" decoding="async" /></figure><div class="text-box fade-up">
<p><p>近年アイスランド出身の音楽家ビャルニ・フリーマン・ビャルナソン（Bjarni Frímann Bjarnason）を帯同し、オーケストラルスタイルで新たな世界観を体現している<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%83%93%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AF" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong><u>ビョーク（björk）</u></strong></a>。4月開催の＜<strong>Coachella 2023</strong>＞（以下コーチェラ）でも同様のスタイルでパフォーマンスを披露。また800機以上も導入したドローンをステージ上空で発光させながら、生き物のように流線型を描かせる演出も話題となった。</p>

<p>ビョーク独自の世界観を演出しているのは、その演奏スタイルや最新テクノロジーを駆使したステージングだけではない。彼女のパフォーマンスが披露されるたびに話題となるのがステージ衣装の一つである<strong>マスク</strong>だ。今回のコーチェラ出演に向けても、ビョークは新しく二つのマスクを製作。妖艶でいて、有機的な魅力も感じられる「<strong>Bergmál</strong>」と「<strong>Ossein</strong>」の2種類のマスクを2週にわたり披露している。ビョークが公演で着用するマスクのデザインを手がけているのは、ヴィジュアルアーティストとして世界を股にかけ活躍する<strong>James Merry</strong>氏。彼はコーチェラでのライブに限らず、長年にわたりビョークの共同クリエイティヴディレクターとして活動を続けてきた。</p>

<p>James氏は、この二つのマスクのデザインを実現する過程において、ビョークの日本公演での来日中に3Dプリンティングする手法を採用。そのテクニカルなプロセスを相談した相手が、以前より氏とともにビョークのクリエイティヴに携わる<strong>菅野薫</strong>氏だ。そして、菅野氏が3Dプリンティングのエキスパートとしてプロジェクトに招いたのが、石川県金沢市を拠点とする職人集団・<strong>secca inc.</strong>である。</p>

<p>この度Qeticではビョークがコーチェラで着用した二つのヘッドピースの製作過程をめぐり、James氏にメールインタビューを実施、そしてsecca inc.の代表である<strong>上町達也</strong>氏と菅野氏による対談を敢行。ビョークのクリエイティヴを具象化する彼らが共有する価値観に迫った。</p>

<div class="separator"></div>

<h3 class="fade-up">▼目次</h3>

<a href="#anc1"><strong><u>INTERVIEW：James Merry</u></strong></a>

<a href="#anc2"><strong><u>対談：菅野薫 × secca inc. 上町達也
Interviewed by 大石始</u></strong></a>
</p>
</div>

<div class="separator"></div>

<h2 id="anc1" class="fade-up">INTERVIEW：James Merry</h2>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">「Bergmál」「Ossein」
二つのマスクが彩るビョークの世界観</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>──コーチェラの1週目にビョークさんが着用された「Bergmál」について教えてください。このマスクは「音波、生物学的スパイラル、ソニックブーム」といったものに着想を得たそうですね。過去のインタビューでは「音を視覚化する」ことこそがビョークさんの表現方法の真骨頂だとお話されていました。今回は改めてその「音の視覚化」に意欲的に臨まれたという認識でしょうか？</strong></p>

<p><strong>James</strong>　そうですね。このマスクを作る上で、頭から外側に放射していく様子が見て取れるスカルプチャーにしたいと思っていました。空気中で音波が凍っているようなイメージです。作品を3Dソフトウェアで作り上げていく際は、毎回かなりの時間をかけています。面白いと思うものができるまで、特定のフォルムや形をあれこれいじりながら考えていくんです。そうしていると、偶然発見する要素と意図的に作り上げた要素が混ざったデザインができることが多くあります。</p>

<p>「Bergmál」のヘッドピースは、「螺旋（スパイラル）」を深掘りしていった作品です。マスクの軸を中心に回転していき、何度も折り重なるようにぐるぐると縁が連続していくような形状を作りたいと思っていました。その形を作り上げた時に、それが音波のように見えることに気づいたんです。ビョークの音の世界観にぴったりマッチするということがわかっていたので、その方向へとさらに追求していきました。</p>

<p><strong>──このマスクのタイトルでもある「Bergmál」という言葉は、ある種アイスランド特有の価値観を反映しているようにも感じています。Jamesさんは「Bergmál」という言葉や価値観にどのような考えをお持ちですか？ レイキャヴィークに住まれている中で、その価値観を実感することはあるんでしょうか？</strong></p>

<p><strong>James</strong>　「Bergmál」は、私のお気に入りのアイスランド語の言葉の一つです。 英語では文字通り「山の言葉」と訳されますが、それはまるで山々が互いに語り合っているかのように、エコーが谷を下って跳ね返る様子から来ています。その言葉から醸し出されるイメージが大好きなんです。アイスランドに移住してから約10年が経ちますが、学習する言語、読む本、聴く音楽を通じて、今でもアイスランドの文化がいろんな形で私に影響を与えてくれていますね。</p>
</p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/04195036/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_1.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1536" class="alignnone size-full wp-image-454670" /><p class="txtcredit">コーチェラ1週目にビョークが着用した「Bergmál」の3Dデータ</p></div>


<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>──続いてコーチェラ2週目にビョークさんが着用された「Ossein」についてですが、こちらは「魚の骨、蘭の花、植物の雄しべ、軟骨」から着想を得ていますよね。「Bergmál」に比べると、実際に目に見える形のものを着想源にされていますが、そこには明確に区別する意図があったのでしょうか？</strong></p>

<p><strong>James</strong>　このマスクの形状は、3Dで彫刻する段階で数々の実験を繰り返した成果であり、結果的にこれまでに彫刻してきた作品の中でも最も複雑なものの一つとなりました。この形状が実際に3Dプリンタでプリントアウトできたことにも驚きました。リファレンスやインスピレーションの段階でとても気にしていたのが、マスクそのもののテクスチャーでした。軟骨や魚の骨のように、非常に有機的な透明感のあるものにしたかったんです。</p>

<p><strong>──なるほど、では意図して区別したわけではないのですね。このマスクはインスピレーション源からもその特徴がはっきりと表れていますが、水中で生物が発光するさまを再現するために、特定の紫外線をあてることで青色に変化するのも特徴のひとつかと思います。「水中で生物が発光するさま」とはどのようなイメージだったのでしょうか？</strong></p>

<p><strong>James</strong>　当初マスクにいくつかのLEDライトを組み込んで、その光が水中の海の生き物のようにマスクの中で動き回ったり点滅したりすることを考えていました。ですが、スカルプトモデリングの早い段階で、それをするには、多くのデザイン要素を犠牲にしなければいけないと気づいたんです。なので、LEDライトを組み込む代わりに、UVライトを照射すると色が変化する素材を採用することにしました。これまでに刺繍の作品を多く作ってきましたが、初期の刺繍作品でUV糸を使った作品を作っており、その糸は特殊なステージライトの下で光るものでした。今回マスクを3Dプリントする際にも、その手法を使ってみたいと思ったんです。結果的にとても良いものができたので、この手法を採用してとても良かったなと思います。このことで、マスクがより有機的で、まるで生物が発光しているようなイメージにすることができました。LEDライトを使っていたら、もしかするともっと“ディスコ”っぽいものになっていたかもしれませんからね（笑）。</p>
</p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/04195307/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_2.jpg" alt="Björk" width="1920" height="2400" class="alignnone size-full wp-image-454671" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure>
<p class="txtcredit">コーチェラ2週目に披露された「Ossein」の完成作品。UVライトを照射することで青く光る
</p></div>


<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>──この二つのマスクはseccaチームとともに作り上げられています。彼らが具象化した完成形のマスクを実際に手に取った際、Jamesさんはどのように感じられましたか？　seccaチームへの印象とともに教えていただけますか？</strong></p>

<p><strong>James</strong>　本当に圧倒されました！　彼らの細心の注意を払った職人技と美しいテクスチャーを生み出す能力の高さは、私の想像力を遥かに超えていましたし、予想だにしない方法で作品たちに息が吹き込まれたと思います。（ビョーク来日公演の際、）金沢にいる彼らに会いに行ったのですが、それもとても素晴らしい経験でした。友人としても職人としても、彼らと知り合うことができてとても楽しい時間を過ごせましたし、そこで彼らと一緒に作り上げたものにとても誇りを持っています。</p>

<p><strong>──今回はこの二つのマスクを彫刻していく上で、3Dプリンティングを採用されていますね。こうした新しいテクノロジーをビョークとのデザインプロジェクトの中に取り入れて挑戦している背景には、どのような考えがあるのでしょうか？</strong></p>

<p><strong>James</strong>　マスクを作り始めてから、デザインを進化させたいという思いから、意図せずに常に異なる媒体を選び続けてきました。最初はすべて刺繍でしたが、ワイヤーとビーズ細工を使い始め、次にシリコン彫刻、そして金属細工に銀細工と、どんどん新しいものに挑戦していったんです。3Dでスカルプトを実践したり、自分で作り上げた現実世界のマスクをARフィルターにプログラミングしたりしていた私にとって、3Dプリンティングに行き着いたのはごく自然な流れでした。</p>

<p>何かを作る時、物理的な世界とデジタルの世界を切り替えながら製作するということをとても楽しんでいます。そんな中で、この二つの領域は相反するものではなく、お互いに補完し、強化し合えるということに気づいたんです。最近新たにいくつかマスクを作ったんですが、その時はリアルとデジタルの領域を行ったり来たりしながら製作していきました。非常に伝統的な銀細工師の手法を用いながら手作業でデザインしていき、それを3Dのスカルプトソフトウェアにデータを入れて手直ししてから、再びリアルな世界に戻し具象化したんです。</p></p>
</div>

<div class="text-box fade-up">
<p>
<blockquote class="instagram-media" data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/Cwr5rSFNwMg/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/p/Cwr5rSFNwMg/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank" rel="noopener noreferrer"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div></div></div><div style="padding: 19% 0;"></div> <div style="display:block; height:50px; margin:0 auto 12px; width:50px;"><svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div><div style="padding-top: 8px;"> <div style=" color:#3897f0; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:550; line-height:18px;">この投稿をInstagramで見る</div></div><div style="padding: 12.5% 0;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: row; margin-bottom: 14px; align-items: center;"><div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(0px) translateY(7px);"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; height: 12.5px; transform: rotate(-45deg) translateX(3px) translateY(1px); width: 12.5px; flex-grow: 0; margin-right: 14px; margin-left: 2px;"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(9px) translateY(-18px);"></div></div><div style="margin-left: 8px;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 20px; width: 20px;"></div> <div style=" width: 0; height: 0; border-top: 2px solid transparent; border-left: 6px solid #f4f4f4; border-bottom: 2px solid transparent; 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/Cwr5rSFNwMg/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank" rel="noopener noreferrer">james merry(@james.t.merry)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script>
<p class="txtcredit">「Ossein」の色違いである「Honey Ossein」もsecca inc.が3Dプリントを担当。
ワールドツアー周遊中であるビョークはリスボンでの公演でこのマスクを着用している</p></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><p><strong>──「テクノロジー×アート」という文脈でいうと、今生成AIを活かしたアートが世界中で人気を集めていますが、一方でその存在意義自体に疑問を投げかける方々も多くいらっしゃいます。これまでもテクノロジーが発展する中で、ご自身のアートに影響を及ぼす機会は良し悪し問わずあったと思いますが、テクノロジーがアートと共存していく未来について、Jamesさんはどのように考えていますか？</strong></p>

<p><strong>James</strong>　私たちは最近まで必ずしも”AI”と呼ばれていなかったあらゆる種類のソフトウェアやテクノロジーの統合機能として、ここ数年AIと共に生きていると思います。だけど、それを脅威と考えるよりも、むしろチャレンジのひとつのように捉えています。もしコンセプトや美学がAIやアルゴリズムによって簡単に複製できるのであれば、私はむしろそれを進化させる推進力として利用したい。機械では決してできない、これまでにない新しいものを創り出したいと思っています。</p>

<p>それに、私がこれまで見てきた“AIアート”の99.99%は、誰かが工夫しているものを除けば、かなり均質化されたものばかりですし、とても醜いものに見えます。2021年に、AIモデルを使用してビョークの限定版レコードのアートワークを作成しましたが、すごく興味深いものだと感じました。とはいえ、あれからもテクノロジーは大きく進歩しています。最近は画像のサイズ変更や色付けなど、調整するためのソフトウェアとしても使用しています。</p>

<p>アーティストがツールやテクノロジーを駆使する際に、その人特有の使い方を見つけていきながら、時にはグリッチさえも受け入れて、媒体の性質をアートワークの一部にし、独自の世界に取り込んでいく。私はそんな瞬間にとても惹きつけられるんです。</p>
</p>
</div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08185909/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_16.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454990" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/04195803/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_4.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454673" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08185919/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_17.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454992" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/04195757/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_3.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454672" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="separator"></div>

<h2 id="anc2" class="fade-up">対談：菅野薫 × secca inc. 上町達也
Interviewed by 大石始</h2>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">クリエイションがもたらす情感を損なわないseccaの創意工夫</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>──まずは今回のマスクの製作プロセスについてお話を伺えればと思います。コーチェラの1週目・2週目と、2種類作られています。製作に入られた際は、Jamesさんからデザインが提示されているところから始まったんでしょうか？</strong></p>

<p><strong>菅野</strong>　プロジェクト全体のアートディレクションと、マスクのデザインはJamesが担当しています。Jamesから3Dのデータでしっかりデジタル彫刻された具体的なデザインが提示されて、我々はそれをどうやって物理的な3Dプリントで実現するか、ビョークやJamesの求めるクオリティでどう実現するかを担いました。僕はテクニカルディレクターとして関わり、seccaチームがプロダクションを担当してくれて、存分にクラフトマンシップを発揮してくれました。ライブパフォーマンスの中での強度など実装としてしっかり調整しなきゃいけない部分は元々のデザインを損なわないかたちで調整して、プリントアウトして磨き上げていくというようなプロセスをたどっています。</p>

<p><strong>──Jamesさんから3Dデータが送られてくる段階で、それぞれのマスクのコンセプトは決まっていたんでしょうか？</strong></p>

<p><strong>菅野</strong>　どちらかというと、最初から具体的なデザインのイメージをいただいていて、それをどうやって実現していくかというところから始まりました。コンセプトをビョークと直接話していたのはJamesですが、Jamesのデザインから十分コンセプトの大事な部分は理解出来ました。とてもデジタルデザインにはみえない、すごくオーガニックな印象を受けますよね。生命体に近いというか、自然のものに近いインスピレーションを受けたデザイン。ビョークとのこれまでのプロジェクトの経験からも、このデザインを最新のテクノロジーで実装していたとしても、それを感じさせず、極めてオーガニックに見えるように製作しなきゃいけないと感じていたので、当初からそこらへんをちゃんとseccaチームと認識をすり合わせながらスタートしたと思います。</p>

<p><strong>上町</strong>　特に理解が深まったのは、Jamesさんが我々の拠点でもある金沢にわざわざ来てくれたことがきっかけです。面と向かって話を伺ったことで、僕たちもどういうクオリティに落とせばいいか、どういうことを提案したらいいかをつかめた感覚はありました。このプロジェクトに対する彼の姿勢もそうですが、僕たちに対する振る舞いも本当に丁寧に積み上げる方でした。やりとりの中で、日頃からアイスランドの自然の美しさを敏感に観察されていることがインスピレーションの源泉になっていることもわかりましたし、自然の中の美しさがそのまま自分自身を表している、ということをコスチュームで体現しようとしているんだということも伝わってきました。何かを身につけるというよりは、皮膚の一部に感じられる。そういうコスチュームをJamesさんやビョークさんは求めていたわけなんですよね。</p>
</p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/07223719/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_5_1.jpeg" alt="Björk" width="1920" height="2560" class="alignnone size-full wp-image-454904" /></div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>──Jamesさんが金沢までいらっしゃったタイミングでは、3Dプリンタで試作品をプリントできていたんでしょうか？</strong></p>

<p><strong>上町</strong>　そうですね。Jamesさんが金沢に来るまでに具体的な議論を重ねて、データを調整し、サンプルとなるものをseccaチームでプリントした状態でした。事前にいただいたラフのデータを解析する中で、物理的に再現が難しい箇所が多いことに気づいたんですね。厚みが0.3mmしかなく、ライブ中に動き回ったら割れてしまうと思う箇所もありました。僕たちも日常的に3Dモデリングを活用して作品を制作していますが、画面上で美しいと思っていた箇所が、実際の空間で手にとって見てみると、そのイメージとかけ離れていて、そのギャップを埋める作業を行い、またプリントして確認するといった作業の連続です。Jamesさんが金沢に来てくれて、実際にテストプリントしたサンプルを見ながら意見を伺い、どう魅せたいかという具体的なイメージを共有しながらチューニングアップできたことで確かな調整をすることができました。例えば「そう見せたいならここの厚みはキープして、別の箇所を厚くしよう」というやりとりをしつつ、どこが譲れなくて、どこが妥協できるのかというさじ加減を議論しながら詰めていったんです。</p>

<p><strong>────菅野さんはInstagramで、「Jamesから送られてくる3Dデータはどこをとっても美しく、とにかくseccaがすごかった」と書いていますが、seccaの皆さんのすごさを実感されたのはどんな場面でしょうか？</strong></p>

<p><strong>菅野</strong>　上町さんからお話もあった通り、データを見た際に素材や形状との関係から、マスクの強度について実現が難しいと感じる部分はあったんですが、それに加えてそれぞれのマスクがどうやって顔に固定されるのか工夫が必要そうな部分がいくつかあったんです。というのも、どちらのマスクも理想的な絵面から逆算されて作られたデザインだったので、このままだとそもそもマスクを顔に着けることが物理的に難しい部分もあるんじゃないかと想定されました。そんな中でも、seccaチームはあくまでも最初に得たインスピレーションと、そのデザインの良さを全く損なうことなく、むしろそれを良くする形で実装まで持ち込んでいる。その点においてseccaの創意工夫が素晴らしいなと感じていました。</p>

<p>また、このマスクはただ3Dプリンタでプリントアウトすれば完成というものではなくて、しっかり手触りの触感や透明度などの外観の質感を理想的なものにするためには、職人的な手作業が相当程度発生します。それは今日明日学べば出来るというものではないわけです。ビョークやJamesという世界最高峰のクリエイティヴな人が発想するデザインやコンセプトを一切損なわずに実現するというのは、熟練のエンジニアさんでもなかなかできることではありません。もっと言えば、デジタルエンジニアリングの能力と職人的な手作業の能力が両方必要になってくる。経験値や作品に対しての理解はもちろん、精神論にはなりますが極限まで諦めない力も必要になってくる。seccaチームはトータルにおいて完璧だったので、今回は上町さんたちのおかげで実現したと思っています。</p>

<p><strong>────以前上町さんは、普段seccaが工芸品を製作する中で、作品としての表現と、日常の中で使われるプロダクトとしての機能性を両立することを追求しているとおっしゃられていましたね。今回のお話はそれに通ずる部分があるのではないかと思いました。</strong></p>

<p><strong>上町</strong>　その究極的なものかもしれないですよね。例えば、量産前提の日常で使う食器だと、使っていただく人やシーンが多様であるため、手に取る一人ひとりに満足いただけるように、多様な欲求に対してどうしても平均的なデザインに落とし込むことがあります。今回はビョークさんのためだけに作ったので、彼女がいかにベストの状態でパフォーマンスに集中できるかに注力し、マスクがノイズにならないことを最も意識しました。もしマスク自体が折れたり、壊れたり、パフォーマンス中に外れてしまったりするようなことが発生したら、ライブに来られている方の時間や体験価値も含めて、一度何かが崩れてしまう。それが一番恐れていたことで、ひょっとすると公演後にも影響しかねないですから。</p>
</p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08185749/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_11.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-454986" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08185740/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_13.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454984" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/05162432/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_7.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454708" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08185744/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_12.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454985" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/05162428/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_6.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454707" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">「心を動かすかどうか」
James Merryとseccaの共通言語
</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>──菅野さんは2015年の“Mouth Mantora”のMVで初めてビョークと関わって以降、“Quicksand”のストリーミングライブのVR映像を制作されたり、トークイベントや雑誌で対談されたりと、ビョーク自身のクリエイティヴや考えについて触れる機会も多くあったと思います。その中で印象に残っていることはありますか？</strong></p>

<p><strong>菅野</strong>　まずはクリエイティヴな判断に対して、非常に丁寧で、ちゃんと時間と手間をかけるということです。一番最初にお手伝いした“Mouth Mantra“のMVも口の中を映像化するという極めて難易度の高いアイデアを実現するまでに丁寧に手間をかけてちゃんと検討をして実現していた。2016年に東京で開催された＜Björk ： Digital VR＞展でお手伝いした“Quicksand”のライブ映像も、ライブカメラでストリーミングしたものはリアルタイムで配信されたんですが、その後アーカイブ作品を公開するまで、かなり丁寧に検討したり、たくさんのクリエイティヴなやりとりが発生したりしたのを覚えています。</p>

<p>もう一つ印象的だったのは、対談中にアートとテクノロジーとの関係性についてビョークに質問した時の話です。彼女は新しいテクノロジーを取り入れることはすごく好きだと話してくれたんですが、その例にピアノやバイオリンといった現代では当たり前となった伝統的な楽器を持ち出して話してくれたんです。「ピアノやバイオリンも誕生した時は最新テクノロジーだった」と。ピアノに関しては、その技術自体が楽曲のタイトルになるほど主題として扱われていました。けれど現代では、ピアノが使われていることが音楽の主題になることはあまりないですよね。テクノロジーは当初それを使うこと自体が喧伝されたり、一つのテーマになり得たりもしますが、いつの間にかテクノロジーは消えて、音楽とそれがもたらす感情だけが残るわけです。彼女は「感情表現をするにあたって、バイオリンをこう弾けば感情を表現できるという演奏方法や表現は、長い歴史の中で培われてきました。言ってみれば、バイオリンとは昔のコンピューターみたいなもの。アーティストがしなければいけないことは、自分たちが生きる時代ならではの、当たり前のように使っているツールをあえて使って表現すること。テクノロジーに心を入れるのがアーティストの仕事だと思う」という言い方をしていました。それが一番印象に残っています。</p>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>björk: mouth mantra</h3>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/iIhLCXmrCm8?si=nmjV8ktLwiMTbgTl" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></iframe></div></p>
</div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>björk : quicksand [VR] (360°) live stream, tokyo, japan [surrounded]</h3>
<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/Dr--ydPuDNc?si=6g4gqLrC_kZlrUMR&amp;start=96" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></iframe></div></p>
</div>

<p><strong>菅野</strong>　そういうビョークのテクノロジーに対しての姿勢は、seccaチームが得意とする3Dプリンティングのような最新の技術を使ったクリエイションでも同じことが言えます。seccaをチームに誘った理由の一つは最新テクノロジーでものづくりすることに長けていながら、あまりそれが最終的な成果物の前面に押し出されていないこと。裏側に新しい技術があることはそのデザインが成立したプロセスを読み解くと当然わかるんですが、テクノロジーの介在がデザインより前に出てくることがないんです。それがビョークとのこれまでのコミュニケーションの中で得た僕の感覚とすごく合うなと思いました。</p>

<p><strong>──とても重要で興味深いお話ですが、以前上町さんにインタビューさせていただいた際も、テクノロジーを使用することが目的なのではなく、あくまでも表現するためのツールなのであって、何を実現するかが重要だ、というお話もされていましたね。</strong></p>

<p><strong>上町</strong>　はい。僕たちも意識していることは全く同じで、やっぱり心を動かすかどうか。そこが価値を生む最も重要なポイントだと思っています。なので、心を動かすために体験が必要で、体験のためにインターフェースとして物が存在しているという順序でものごとを捉えています。僕たちは過去の人がやってきたことを学んで活かしているわけですが、ただ過去の人と同じことをやったとしてもあまり価値を生めない。時代も変わっているし、受け手の感性も変容しているわけで、新しい体験や今にフィットした体験、その人だけに届けたい体験を追求すると、必然的に過去の人が選択できない手段の中にヒントがあることが多いんですね。例えば3Dプリンティングも江戸時代にあったとしたら、職人やアーティストたちに必ず使われていると思います。過去の人が選択できなかったツールが僕たちの目の前にあって、その先に過去の人が到達できなかった着地点があるのであれば、積極的に試すべき。そうした姿勢で取り組んでいます。</p>

<p>今回Jamesさんと共同で作業してみて感動したのは、お互い違うアイデンティティや価値観を持っていたとしても、クリエイションを通して非言語で繋がれるんだということ。僕が英語をカタコトでしか話せないので、言語でコミュニケーションを取るのは難しかったんですが、何を美しいと思うのか、何に感動するのかという点においてはすごく息が合っていたなと思います。今回の活動の裏で得た大きな気づきだったかもしれないですね。</p>

<p><strong>菅野</strong>　僕は関わる仕事の9割以上でプロジェクト全体のクリエイティヴディレクターを担っていますし、seccaももちろんそうで、普段は署名が入った自分たちのアイデアとクリエイションで戦っています。ただテクニカルディレクションや3Dプリンティングだけを受託している会社というわけでは決してありません。ただ今回のプロジェクトは我々がリードするのではなく、ビョークがクリエイティヴディレクターで、Jamesがアーティストでありデザイナーなわけです。上町さんの気づきは、自分たちではなく他の誰かがリードするチームの中での取り組みならではですよね。ビョークという稀代のアーティストのクリエイションをサポートする、彼らのやりたいことをどう実現するか。普段と思考のプロセスは違いますが、ビョークとJamesのやりたいことを真摯に受け止めて、ビジョンをしっかり認識した上で我々が実装をお手伝いしていくわけです。それが新鮮でとても楽しかったです。今回僕らが共通して意識していたビジョンは、クリエイションを通して受け手にどんなエモーションを届けるかということ。僕の知っているseccaはそれを表現することに長けていて、世界に誇る才能と実績もある方々だと思っています。この事実を多くの人に知ってもらいたかったんです。</p>

<p>今回のような世界的なアーティストのプロジェクトに、彼らのような日本で長く受け継がれる伝統技術を熟知して最先端のテクノロジーを扱うような職人が参画していることはすごく珍しいことですよね。普段のメインワークである自分たちの仕事とは違うアプローチで、世界的なプロジェクトに参画したseccaの素晴らしさを伝えることで、普段とは違う角度から光が当たればいいなと思います。こういう仕事でも、世界から評価されるような仕事をする人たちであるということを理解してもらえれば、彼らに対する認識も広がっていく。これから彼らの製作物や仕事に興味を持つ方々も増えるはずですし、僕もそれを心から願っています。</p>
</p>
</div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08192854/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_19.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1536" class="alignnone size-full wp-image-454998" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08192217/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_21.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1536" class="alignnone size-full wp-image-454994" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08192652/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_23.jpg" alt="Björk" width="1920" height="2400" class="alignnone size-full wp-image-454997" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="full-img-v fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08192645/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_22.jpg" alt="Björk" width="1920" height="2400" class="alignnone size-full wp-image-454996" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="img-box fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/08185832/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_14.jpg" alt="Björk" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-454987" /><figcaption>Photo by Santiago Felipe</figcaption>
</figure></div>

<div class="text-box right fade-up">
<p>Text：竹田賢治
Interview：大石始、竹田賢治
英語翻訳：Junko Otsubo</p>
</div>

<div class="separator"></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><p><strong>CREDIT</strong></p>

<p>photos by <a href="https://www.instagram.com/santiagraphy/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@santiagraphy</u></a></p>

<p>mask design & 3D sculpt <a href="https://www.instagram.com/james.t.merry/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@james.t.merry</u></a></p>
<p>mask production <a href="https://www.instagram.com/secca_kanazawa/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@secca_kanazawa</u></a></p>
<p>3D printing support by DMM.make</p>
<p>mask technical direction <a href="https://www.instagram.com/suganokaoru/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@suganokaoru</u></a></p>
<p>producer : reiko kunieda</p>

<p>conductor <a href="https://www.instagram.com/bjarnifrimann/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@bjarnifrimann</u></a></p>
<p>orchestra : hollywood string ensemble</p>
<p>björk dress <a href="https://www.instagram.com/noirkeininomiya/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@noirkeininomiya</u></a></p>
<p>headpiece <a href="https://www.instagram.com/james.t.merry/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@james.t.merry</u></a></p>
<p>bodysuit <a href="https://www.instagram.com/solangel/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@solangel</u></a></p>
<p>led sound reacting dress <a href="https://www.instagram.com/claradaguin/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@claradaguin</u></a></p>
<p>silver skirt <a href="https://www.instagram.com/weishengparis/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@weishengparis</u></a></p>
<p>makeup <a href="https://www.instagram.com/isshehungry/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@isshehungry</u></a></p>
<p>bjarni frímann top <u>@maisonvalentino</u></p>
<p>skirt <a href="https://www.instagram.com/weishengparis/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@weishengparis</u></a></p>
<p>bjarni yellow outfit <a href="https://www.instagram.com/rickowensonline/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@rickowensonline</u></a></p>
<p>styling <a href="https://www.instagram.com/eddagud/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>@eddagud</u></a></p>
</p></div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">PROFILE</h3>

<div class="img-box fade-up"><figure><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/10/27104729/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_25.jpeg" alt="björk" width="1920" height="2560" class="alignnone size-full wp-image-455648" /><figcaption>Credit：Tim Walker</figcaption>
</figure></div>

<p class="name">James Merry</p>
<p class="text">James Merry is a visual artist from the UK, now based in Iceland where he has worked with Björk since 2009 as a frequent collaborator and co-creative director on her visual output. He is primarily known for his hand embroidery and mask-making, and has collaborated with institutions such as the V&A, Gucci, The Royal School of Needlework, Tim Walker, Tilda Swinton ShowStudio and Opening Ceremony.

<a href="https://www.jtmerry.com/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">James Merry</a></p>

<div class="separator"></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/10/02173539/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_26.jpeg" alt="björk" width="1920" height="2401" class="alignnone size-full wp-image-455878" /></div>

<p class="name">菅野薫</p>
<p class="text">クリエーティブ・ディレクター/クリエーティブ・テクノロジスト

1977年東京生まれ。2002年電通入社。ストラテジープラニング部門におけるデータ解析技術の研究開発職や、電通総研での主任研究員としての研究開発業務を経て、2013年クリエーティブ部門へ異動。デジタルテクノロジーと表現という専⾨性を活かして国内外のクライアントの商品サービス開発、広告企画制作など、幅広い業務に従事。エグゼクティブ・プロフェッショナル職（役員待遇） / エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターを経て、電通から独立。

2022年1月クリエーティブ・ディレクター・コレクティブ（つづく）を設立。経営戦略や事業戦略の立案から、広告制作、プロダクト・サービス開発をはじめとしたデザイン、エンターテイメントの領域のクリエーティブ・ディレクションを中心に活動をしている。

2回のJAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤー受賞をはじめ、広告・デザイン賞の最高峰であるカンヌライオンズのチタニウム部門のグランプリや、D&ADの最高賞であるBlack Pencil、5回のACC グランプリ（総務⼤⾂賞）、⽂化庁メディア芸術祭エンターテイメント部⾨⼤賞など数多くの賞を受賞。

<a href="https://tsuzuku.tokyo/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">菅野薫</a>
</p>

<div class="separator"></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/10/14181324/interview230915_bjork_jamesmerry_secca_24.jpeg" alt="Björk" width="1920" height="1282" class="alignnone size-full wp-image-455231" /></div>

<p class="name">上町達也</p>
<p class="text">1983年岐阜県可児市生まれ。
金沢美術工芸大学卒業後、株式会社ニコンに入社し、主に新企画製品の企画とデザインを担当する。
資本主義経済によって加速した価値の異常な消費サイクルに疑問を抱き、手にした人の心を動かす持続的な価値を目指したものづくりをカタチにするため2013年食とものづくりの街金沢にてsecca inc.を設立。

seccaでは独自の視点でこれからの問いを見定め、それらに対応した新たなモノと体験を生み出すことによって新価値の造形を目指している。
現在、secca独自の経営を推進しながら、各作品のコンセプトメイキングを主に担当する。

金沢美術工芸大学非常勤講師／上海同済大学招待講師 他。

<a href="https://secca.co.jp/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">secca inc.</a></p>
</div>

<a href="https://qetic.jp/interview/bjork-jamesmerry-secca-english-231002/455303/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">Read in English</a>
<p>© Qetic Inc.</p>
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		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/interview/atroutinthemilk-230906/452135/</guid>
		<title>自然・生態系をめぐる社会問題を身体で知覚する。『ミルクの中のイワナ』インタビュー</title>
		<link>https://qetic.jp/interview/atroutinthemilk-230906/452135/</link>
		<comments>https://qetic.jp/interview/atroutinthemilk-230906/452135/#respond</comments>
		<pubDate>Wed, 06 Sep 2023 03:00:51 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[竹田賢治]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=452135</guid>
<![CDATA[<summary><p>映画『ミルクの中のイワナ』は、イワナを取り巻く諸問題を掘り下げたサイエンス・ドキュメンタリーだ。監督は坂本麻人。『DIALOGUE WITH ANIMA』のサウンドトラックにも参加していたYOSI HORIKAWAとDAISUKE TANABEというふたりのアーティストが音楽を担当している。Qeticでは、3名にインタビューを敢行。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1920" height="1280" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03122946/interview230815_troutinthemilk_main-1920x1280.jpeg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="ミルクの中のイワナ" decoding="async" /></figure><div class="text-box fade-up">
<p><p>神秘の魚とも言われるイワナは現在、その生態系が危機に晒されつつある。映画『<strong>ミルクの中のイワナ</strong>』は、イワナを取り巻く諸問題を掘り下げたサイエンス・ドキュメンタリーだ。証言するのはイワナの研究者、漁協組合、釣り人など12人。私たち人間は自然とどのように関わりながら、イワナを守っていくことができるのだろうか。本作はイワナの世界を語りながら、現代社会そのものが抱える問題も提起している。</p>

<p>監督は<strong>坂本麻人</strong>。2021年には岩手県遠野を舞台とする短編ドキュメンタリー『DIALOGUE WITH ANIMA』を監督し、話題を集めた。今回の『ミルクの中のイワナ』では『DIALOGUE WITH ANIMA』のサウンドトラックにも参加していた<strong>YOSI HORIKAWA</strong>と<strong>DAISUKE TANABE</strong>というふたりのアーティストが音楽を担当している。HORIKAWAはこれまでフィールドレコーディングを通じて自然と関わり、TANABEは幼少時代からの趣味である釣りを通して自然と対峙してきた。彼らはどのような思いを持って本作の音楽制作に挑んだのだろうか。</p>

<p>HORIKAWA、TANABE、そして監督の坂本という3人へのインタヴューを通じ、人と自然、自然と音楽の関わりについて考えてみたい。</p>
</p>
</div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h2 class="fade-up">INTERVIEW：『ミルクの中のイワナ』
YOSI HORIKAWA × DAISUKE TANABE × 坂本麻人</h2></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03122941/interview230815_troutinthemilk_2.jpeg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-453582" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">自然と関わるツールとしての釣り・映像・音楽</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>『ミルクの中のイワナ』において重要な位置を占めているのが、釣り人の視点だ。監督の坂本もまた長年の釣り好きであり、「釣りを通じてさまざまな問題意識を持つようになった」と話す。</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「どうやったら釣りを続けながら魚を守ることができるのか考えるようになりました。イワナを取り巻く問題が僕ら人間社会のメタファーに感じる部分もあって、魚だけの問題じゃないと思うんですよ。僕らも当事者として向き合える課題なんじゃないかと思っています」</p>

<p>渓流にはさまざまな魚が棲んでいる。イワナ、ヤマメ、アマゴ。なかでもイワナは多くの釣り人にとって特別な魚なのだという。</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「たとえば国会図書館のデータベースでイワナという言葉がタイトルについた本を検索したら、3万冊近くありました。その他の魚種でも数百程度。なぜかイワナは圧倒的に多かったんです。イワナはヤマメやアマゴと比べてもさらに川の上流に棲んでいます。10年以上生きる場合もあって、他の渓流の魚よりも大きくなる。そういうこともあって、渓流の主という感じがするんですよ。神様に近い存在というか。イワナにまつわる妖怪や民話ってすごく多いんです」</p>

<p>坂本同様、TANABEもまた幼少時代から釣りを続けてきたというが、坂本に誘われるまで本格的に渓流釣りに挑んだことはなかったという。</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>「渓流釣りは山奥に入っていくので、もともと特別な釣りというイメージがあったのかもしれないです。敬遠をしていたわけじゃないけど、覚悟がいる釣りというか」</p>

<p>一方、HORIKAWAは釣りをしない。最初はその引け目があったようだが、彼はフィールドレコーディングによって環境音や日常音を録音し、編集する作業を日々繰り返してきた。今回の制作にあたってそうした経験が活かされたのだという。</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「釣り人の目線とは違うけど、僕はフィールドレコーディングをよくやるので、そのときの体験と重ね合わせていたところはあったと思います。人間が地球とどう関わりながら生きていくのかというテーマとも置き換えられると思ったので、自分なりに（テーマを）引き寄せながら制作できるんじゃないかと思っていました」</p>

<p>TANABEとHORIKAWAは坂本にとって前作にあたる『DIALOGUE WITH ANIMA』の音楽制作にも参加しているわけだが、坂本のなかでは明確なヴィジョンがあって本作の音楽をふたりに依頼したのだという。</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「『僕らは自然とどう関わっていけるのか』という点が本作の重要なテーマになっているんですが、DAISUKEさんは釣り道具という魚と関わるツールを持っているし、YOSIさんはフィールドレコーディングをする際のマイクが自然とコミュニケーションをとるツールになっている。違う角度から自然と関わっているので、今回はおふたりにお願いするのがいいんじゃないかなと思っていました」</p>
</p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03145928/interview230815_troutinthemilk_13.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-453594" /></div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03145657/interview230815_troutinthemilk_12.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="2560" class="alignnone size-full wp-image-453593" /></div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03145651/interview230815_troutinthemilk_11.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="2560" class="alignnone size-full wp-image-453592" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">「踊りながら社会問題を考えてもいい」体験としてのドキュメンタリー</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>TANABEとHORIKAWAはこれまで国内外でさまざまなコラボレーションを繰り広げ、時には特定の土地をモチーフとしながら作品制作も行ってきた。そんなふたりだけに、今回制作を進めるにあたって前もって特定のテーマを設定することもなかったという。</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「そういう相談はほとんどしなかったですね。麻人くんからざっくり編集した映像が送られてくると、それを見てDAISUKEさんとそれぞれ曲を作っていく。当然全然違う曲ができるんですけど、それを踏まえて麻人くんから『じゃあ、こういうのもできますか』と受ける、というように3人で会話を重ねていきました」</p>

<p>本作では研究者たちの証言に加え、水中を泳ぐイワナたちや渓流の水の流れ、水面に波紋が広がっていく様子など、さまざまな水のイメージが映し出される。それに呼応するように、ふたりが作る音楽にも水のイメージが織り込まれている。ただし、そのイメージは多様。渓流の激しさもあれば、雫がぽたりぽたりと垂れていくような静けさもある。</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「水って音のヴァリエーションが豊かなんですよね。水中のシーンがすごく綺麗だったので、イワナが泳いでいるときに聴いているであろう音を少し想像していました。ただ、今回は映像に自然の音がいっぱい入っていたので、あらためてフィールドレコーディングはやっていないんです。普段は自然音をレコーディングするところから制作を始めるわけですけど、今回はそういうプロセスではなかった。水の音を使わないで水っぽい表現を考えたりと、僕にとってはそういうやり方も刺激的でした」</p>

<p>TANABEもまた音作りを進めるにあたって水のイメージがあったというが、彼の場合、音楽家としてだけではなく、釣り人としての感覚も持ち込まれている。</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>「冷たい水のなかに足を入れたときの感覚だったり、急流の中を歩く感覚だったり、水底に足が沈む感覚だったり。釣りをしているときに体感してきたものは意識していたと思います。魚をかけた瞬間の、アドレナリンが出るような感じとか。周囲の風景が見えなくなって、自分と魚だけしかいなくなるような感覚を常に味わっているので、そういうイメージが活かされたところもあります」</p>

<p>坂本が監督した『DIALOGUE WITH ANIMA』でも音楽は重要な役割を果たしていた。物語を盛り立てる劇伴としての役割のみならず、音楽が物語を引っ張っていくような瞬間さえあったが、本作でもその点は変わらない。音楽の役割について坂本はどのように考えているのだろうか。</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「ドキュメンタリー映画の役割って『感動して泣く』というだけではないと思うんですよ。踊りながら社会問題を考えてもいいと思っていて。僕はいつも映画が伝えようとしている問題や課題をひとつの体験として感じてほしいと考えていて、そのうえで音楽ってすごく重要だと思ってるんですよね」</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「ここ、音楽が大きすぎない？という部分もあったもんね」</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「喋ってる内容をきちんと聴かせないといけないんですけど、音楽も聴かせたい。話が聞こえなくなってもいいから踊らせたいんです、というお願いもしました（笑）」</p>

<p>おもしろいのは本作においてすべての音楽がシームレスに繋がっているという点だ。それはほとんどDJミックスのようですらある。</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「僕はDJもやるので、確かにそのときの感覚があったのかもしれない。ふたりのトラックを僕がミックスしたような感じでした。だから踊らせたいところもあったんですよね」</p>

<p>その言葉を受け、TANABEがこう続ける。</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>「DJって観光地を回るバスの運転手みたいなものでもあると思うんですよ。いかに自分の見せたい景色を味わってもらうか。この映画も音楽だけ聴くとすべての流れが破綻なく繋がってるんだけど、窓の外の景色も音楽と寄り添っている。物語が通っていくコースと音楽が通っていくコースが完全にシンクしていて、これはすごい作業だなと思いました」</p>

<p>音楽と風景が生み出す清流のように心地よい流れは、本作独特の没入感にも繋がっている。イワナの生態系の問題は一般的に馴染みのないテーマだが、心地よい音楽の流れが観る者をスクリーンへと誘う。それも決して派手な音響処理などで強引に引き付けるのではなく、ごく自然な形で私たちをイワナの世界へと引き込んでくれるのだ。そこには「問題や課題をひとつの体験として感じてほしい」という坂本の考えが反映されている。</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「そう考えると、釣りをしながら社会問題に触れるという考え方に似てるのかもしれないよね」</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>「僕もそう思った。釣りだって何かの問題を知ろうと思ってやることじゃなくて、あくまでも魚を釣ることが目的。ただし、後から自然の問題とかが身体を通して入ってくるんですよね」</p>
</p>
</div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03145054/interview230815_troutinthemilk_6.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1080" class="alignnone size-full wp-image-453587" /></div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03145058/interview230815_troutinthemilk_8.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1080" class="alignnone size-full wp-image-453588" /></div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03123036/interview230815_troutinthemilk_4.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-453586" /></div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03123027/interview230815_troutinthemilk_3.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-453584" /></div>

<p class="txtcredit">秋田県出身の絵画作家・永沢碧衣がサウンドトラックのアートワークを担当。
川に息づく生態系を繊細なタッチで表現している。</p>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">イワナに見る「音楽家としての本来の生き様」</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>それぞれのやり方で自然と対峙してきたHORIKAWAとTANABE。さまざまな体験を通じ、対峙するうえでの美学のようなものも構築してきた。ふたりはこれまでの体験についてこう話す。</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「フィールドレコーディングのためにある場所に行くときはだいたい音のイメージをしてるんですよ。こういう音を録りたい、とか。でも、行ってみると想像と全然違う音が鳴ってるんですよね。リトアニアの森に行ったときは、まったく何の音も鳴っていなくて、そのときは何も録れなかった。自然はいつも自分の思い通りにはいかないんです。でも、たまに思っていた以上のおもしろい音が録れることもある。そうなると、だんだん期待しなくなっていくんですね。どうせ思い通りにいかないので、とにかく行ってみよう、と」</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>「まったく釣りと一緒だよね。釣りも対象魚を決めて川に入っていくんだけど、まったく釣れないこともある。かといって思いがけない大物が釣れることもあるわけで」</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「なるほど。キャッチするという意味ではマイクも釣竿も一緒だしね。何が取れるのかもわからないという点も似てると思う」</p>

<p>釣竿／マイクと手にしているものは異なるが、ふたりの自然との関わり方は極めて近い。自然を思い通りにコントロールし、支配下に置くという人間中心の自然観ではなく、自然と対峙し、感覚を研ぎ澄ませ、身を委ねる。そうしたふたりの自然観は、今回の音作りにも反映されている。</p>

<p>本作ではイワナを取り巻くさまざまな問題が取り上げられている。そのうちのひとつが、養殖魚の放流による影響だ。稚魚の放流は個体数の減少を補うため、漁協の主導によって積極的に推し進められてきた。だが、近年の研究では、放流しても魚は増えず、また長期的な悪影響をもたらすと解明されたこともあり、また放流によって川ごとに異なる遺伝子をもったイワナが交雑することで、その地域の固有性が失われてしまうというのだ。劇中でイワナ研究の第一人者である森田健太郎（東京大学大気海洋研究所）は「遺伝的多様性の減少」という言葉でその現状を解説している。</p>

<p>そうした話を聞いていると、人間の世界でも同じことがいえることに気づかされる。どの町にも同じようなチェーン店ばかりが並び、地域の固有性が失われている現在は、まるで渓流の世界のようでもある。音楽でも同じことがいえるだろう。グローバル化が進み、音楽の多様性や地域の固有性は急激に失われつつある。ふたりはこう話す。</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「僕がフィールドレコーディングにこだわっているのは、そういう状況に対抗したいという理由もあるんです。そこにしかない音を形にしたい。山の上流には幻の魚がいて、生き残りをかけた抗いをしているわけですけど、自分やDAISUKEさんはそういう人間だと思うんですよ。本流の大きな流れに対して抗っているイワナみたいなもので（笑）」</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>「僕も音楽制作を始めてから10年ぐらい、誰にも聴かせずに作り続けていたんですけど、今から思うと、イワナが山奥の渓流でひっそり生きていた姿と近いところがあるかもしれない」</p>

<p><strong>YOSI HORIKAWA</strong>「僕もそうだった。ずっとひとりで変な曲を作ってて、誰にも聴かせてなかったな。格好いいビートができたこと自体が喜びだった。それが音楽家としての本来の生き様なんですよ」</p>

<p>5月29日から6月2日にかけて、栃木県の日光東照宮で開催された国際イワナ学会にて本作は先行上映された。漁協での上映会も予定されているという劇中で触れられているように、坂本もまた、反響の多さに手応えを感じているようだ。</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「関係者のみなさんから今回の映画に期待されているのは、対話の機会になるということですね。どうやったらイワナを守れるか、若手と高齢者の漁協組合員さんが一緒になって考える機会になるんじゃないかと。漁連や漁場管理委員会、水産試験場でも上映会をやろうという話もあって、普通の上映会場とは違うところで見ていただく機会が増えつつあります」</p>

<p>社会問題に対して映画は何ができるか、音楽は何ができるか。そうした問いについて古くから議論が重ねられてきた。本作はそれまでになかった対話の場を生み出し、解決に向けた対話が始まろうとしている。本作自体が社会課題をすぐさま解決することはないだろうが、それは極めて重要な一歩といえるだろう。</p>

<p><strong>坂本麻人</strong>「そこは明確にめざしていました。漁協の組合員の方々や釣り人にこの映画を観ていただいて、こういう問題があるということを知ってほしかったんですね。そのうえで自分たちに何ができるか考えていただきたかったんです」</p>

<p>なお、タイトルの『ミルクの中のイワナ』とは、『ウォールデン 森の生活』（1854年）などで知られるヘンリー・デヴィッド・ソローの手記に書かれた「A Trout in the milk」という言葉に基づいている。ソローは川の水で牛乳を薄める悪徳業者に状況証拠を示す言葉として「状況証拠というものは牛乳の中に鱒を見つけたように、非常に強力なものだ」というフレーズを使った。以来、「状況証拠しかないが、問題が存在することは明白である」という比喩表現として「ミルクの中のイワナ」という言葉が使われるようになったのだという。さまざまな状況証拠を並べることでイワナを取り巻く諸問題を明らかにし、解決への道を拓こうとする映画『ミルクの中のイワナ』。さまざまな人々に「体験」してほしい作品である。</p></p>
</div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03145317/interview230815_troutinthemilk_9.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-453590" /></div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03145322/interview230815_troutinthemilk_10.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-453591" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03123031/interview230815_troutinthemilk_5.jpeg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-453585" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">A TROUT IN THE MILK | Teaser | Documentary</h3></p>
<div class="movie_wrap"><iframe width="960" height="540" src="https://www.youtube.com/embed/w4WhYtKbpY8" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></div>

<div class="text-box right fade-up">
<p>Text by 大石始
Photo by Kazuho Maruo</p>
</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">INFORMATION</h3>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/08/03122937/interview230815_troutinthemilk_1.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1725" height="2440" class="alignnone size-full wp-image-453581" /></div>

<p class="name">A TROUT in the MILK / ミルクの中のイワナ</p>
<p class="text">2023年夏より、日本各地の漁協や店舗、水辺に関する施設などで順次公開！
制作年：2023年
上映時間：66分
 
CAST
中村 智幸（国立研究開発法人水産技術研究所）
森田 健太郎（東京大学大気海洋研究所 教授）
芳山 拓（神奈川県水産技術センター 技師）
佐藤 拓哉（京都大学生態研究センター 准教授）
徳田 幸憲（高原川漁業協同組合 参事）
菊地 勇（役内・雄物川漁業協同組合 代表理事組合長）
西村 成弘（株式会社フィッシュパス 代表取締役）
戸門 秀雄（郷土料理ともん）
戸門 剛（郷土料理ともん）
山中 裕樹（龍谷大学先端理工学部 准教授）
佐藤 成史（ライター、フォトグラファー）
宮沢 和史（音楽家）
 
STAFF
監督・脚本・編集：坂本 麻人
［撮影］　田中 和也 , 山口 雄太郎 , 藤川 歩来
［水中撮影］　足立 聡 , 草川 城樹
［インタビュー］　武田 俊
［キービジュアル］　thirai yo
［イラスト］ 　藤岡 美和
［音楽］　DAISUKE TANABE , YOSI HORIKAWA
［プロデューサー］　坂本 麻人 , 武田 俊
［企画］　一般社団法人 Whole Universe
［制作］　THE LIGHTE SOURCE
［協力］　株式会社 FISHPASS , 週刊つりニュース , SAKANA BOOKS , 矢口プロダクション
法律事務所ZeLo・外国法共同事業
 
受賞歴（2023年6月26日現在）
ハンガリー・ブタペスト ブラックハット映画祭 ベストドキュメンタリー受賞
ギリシャ・アテネ 国際マンスリーアート映画祭 ベストドキュメンタリー受賞
カナダ・トロント インディペンデント映画祭 ベストインターナショナルドキュメンタリー受賞
アメリカ・ニューヨーク ワイルドライフコンサベイション映画祭 入選
アメリカ・バージアニア州フェアファックス グローバルフィルム アンド ミュージックフェスティバル 入選
アメリカ・アイオワ州デモイン インタロバン映画祭 ベストドキュメンタリー受賞
バングラデッシュ・ダッカ シネメイキング国際映画祭 入選
</p>

<div class="separator"></div>

<h3 class="profile-title">上映情報</h3>

<p class="text">
2023年8月26日（土）〜9月9日（日）
場所：長野県 上田映劇
詳細：<a href="http://www.uedaeigeki.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">http://www.uedaeigeki.com/</a>
2023年9月1日（金）〜9月3日（日）
場所：山梨県漁業協同組合連合会（山梨県甲斐市牛句518-1）
詳細：<a href="https://atroutinthemilk-yamanashi-gyoren.peatix.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://atroutinthemilk-yamanashi-gyoren.peatix.com/</a>
2023年9月8日（金）〜9月9日（土） *トークイベント有
場所：岐阜県 飛騨市 神和荘（岐阜県飛騨市神岡町船津2028）
詳細：<a href="https://screening-trout-inthemilk-hida.peatix.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://screening-trout-inthemilk-hida.peatix.com/</a>
2023年9月9日（土）
場所：山梨県山梨県漁連 x JFFA フライフィッシング教室
詳細：<a href="https://www.yamanashi-gyoren.com/archives/1029#gsc.tab=0" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www.yamanashi-gyoren.com/archives/1029#gsc.tab=0</a>
2023年9月23日（土）
場所：秋田県 ソウゾウの森 会議 *トークイベント有
詳細：<a href="https://akita-sozonomori.com/news/20230830/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://akita-sozonomori.com/news/20230830/</a>
2023年9月24日（日）
場所：岩手県 一関　縁日 *トークイベント有
詳細：<a href="https://ennichi-satoyama.jp/news/1047/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://ennichi-satoyama.jp/news/1047/</a>
2023年9月30日（土）〜2023年10月1日（日）
場所：北海道 SOUTH2 WEST8
詳細：<a href="https://south2west8.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://south2west8.com/</a>
2023年10月14日（土）
場所：京都府 Fab Cafe Kyoto *トークイベント有
詳細：<a href="https://fabcafe.com/jp/events/kyoto/film_screening_trout_in_the_milk/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://fabcafe.com/jp/events/kyoto/film_screening_trout_in_the_milk/</a>
2023年10月15日（日）
場所：群馬県 Purveyors 桐生店
詳細：<a href="https://note.com/purveyors/n/n72a8e5ccbc2d" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://note.com/purveyors/n/n72a8e5ccbc2d</a>

</p>

<a href="https://trout-inthemilk.com/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">公式HP</a>
</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">RELEASE INFORMATION</h3>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2023/09/04122137/interview230815_troutinthemilk_14.jpg" alt="ミルクの中のイワナ" width="1920" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-454650" /></div>

<p class="name">A TROUT IN THE MILK Original Motion Picture SoundTrack</p>
<p class="text">
2023年9月6日（水）
DAISUKE TANABE & Yosi Horikawa
<a href="https://ultravybe.lnk.to/a-trout-in-the-milk" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">各種配信リンクはこちら</a></p>

</div><p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
</description>
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<h3>関連記事</h3>
<ol>
		<li><a href="https://qetic.jp/interview/nightcap-schott-zin/460114/" rel="bookmark">Nightcap──Schott×Qetic Special content｜Vol.1：ZIN</a><!-- (7)--></li>
	</ol>
</div>
	</item>
		<item>
		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/interview/shimizuya-221114/441693/</guid>
		<title>アート熊手がかき寄せる新たな幸せのかたち。清水屋インタビュー</title>
		<link>https://qetic.jp/interview/shimizuya-221114/441693/</link>
		<comments>https://qetic.jp/interview/shimizuya-221114/441693/#respond</comments>
		<pubDate>Mon, 14 Nov 2022 03:00:31 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[竹田賢治]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=441693</guid>
<![CDATA[<summary><p>熊手の風習にとある老舗熊手商が新風を吹き込もうとしている。大正4年創業の清水屋が近年展開している「アート熊手」だ。仕掛け人は清水屋の4代目、清水雄太と泰子夫妻。昨年は田名網敬一や天野タケルなどさまざまなアーティストとのコラボレーションを果たしたアート熊手だが、今年は天野タケルに加え、タカハシマホ、komiといった新たなアーティストを迎え、制作・販売される。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1920" height="1280" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150608/interview221114_shimizuya_6-1920x1280.jpg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="清水屋" decoding="async" /></figure><div class="text-box fade-up">
<p><p>毎年11月の酉の日、関東各地の神社では「酉の市」が賑々しく行われる。各神社の境内では商売繁盛や家内安全を願う縁起熊手を販売する露店が立ち並び、熊手を買い求める客でごった返す。</p>

<p>そんな熊手の風習にとある老舗熊手商が新風を吹き込もうとしている。大正4年創業の清水屋が近年展開している「<strong>アート熊手</strong>」だ。仕掛け人は<strong>清水屋</strong>の4代目、<strong>清水雄太と泰子夫妻</strong>。清水雄太は良質なダンスミュージックを提供することで国内外からの支持を得ている音楽フェスティヴァル＜RAINBOW DISCO CLUB＞（以下RDC）のオーガナイズ・メンバーでもあり、Yoshinori HayashiやFORCE OF NATUREなどのマネージメントも手掛けるエージェンシー「Eild」を経営している。熊手商の世界では異色の存在といえるだろう。</p>

<p>昨年は<strong>田名網敬一</strong>や<strong>天野タケル</strong>などさまざまなアーティストとのコラボレーションを果たしたアート熊手だが、今年は天野タケルに加え、<strong>タカハシマホ</strong>、<strong>komi</strong>といった新たなアーティストを迎え、制作・販売される。その背景には、人々の幸福を願う熊手の本質を見つめながら、多様化する現代のライフスタイルに対応すべく熊手の文化そのものをアップデートしようという清水屋の思いがあった。清水雄太・泰子夫妻に話を聞いた。</p></p>
</div>

<h2 class="fade-up">INTERVIEW：清水屋</h2>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150627/interview221114_shimizuya_10.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441738" /></div>
<p class="txtcredit">©︎TORI no ICHI タカハシマホ×清水屋</p>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">アート熊手のはじまり</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>諸説あるが、熊手は秋の収穫物や農具が並ぶ農業市が原点とされている。落ち葉をかき集める熊手が「福をかき集める」ことから一種の縁起物とされるようになり、一年に一度熊手を購入し、家や店に飾る風習が定着した。そこには商売繁盛や家内安全、学業成就などを願う、その時代に生きる人々のライフスタイルが反映されている。</p>

<p>「当初は農村の収穫祭だったものが江戸時代の大衆文化のなかで現在のような形になったと考えています」──そう話すのは清水屋の4代目、清水雄太だ。1983年生まれの清水は、子どものころ、熊手商という家業についてどう感じていたのだろうか。</p>

<p><em>清水雄太「以前は大晦日にも熊手市が行われていて、家族でずっぱりで神社で年越ししていました。今と比べるとまだまだ熊手市の人出も多くて、賑やかな年越しでしたね。うちの父親は（家業を）無理やり継がせようという気はなかったようで、僕に仕事を教え込まそうともしなかったし、家に置いておけないから連れてこられたという感じでした」</em></p>

<p>そんな清水も思春期を迎えるころには音楽やアートへと関心が移り、家業に触れる機会も減ってしまう。熊手の文化を意識するようになったのは大人になってからのことで、アートやストリートカルチャーの文脈から熊手の魅力を再発見することになった。</p>

<p><em>清水雄太「それまでは熊手の意味やデザイン性についてあまり考えていませんでした。でもSNSに熊手の写真を上げると、外国の友達やアーティストから『あれはなに？』と聞かれるんですよ。そういった質問に答えるためいろいろ調べるなかで、熊手の歴史や背景を知っていったんです」</em></p>

<p>公私にわたる清水のパートナーである清水泰子もまた、夫の家業を手伝うなかで熊手への関心を高めていった。</p>

<p><em>清水泰子「私はもともと物を作るのが好きだったので、雄太のお父さんのお手伝いをするなかで『こういう熊手を作ってみたいな』『こういう熊手があったらいいのに』と妄想が膨らんできたんです」</em></p>

<p>そうしたなかで清水夫妻はアート性の高いオールブラックやオールホワイトの熊手を考案。「試行錯誤するなかでそういった熊手を酉の市で売ったりSNSに乗せたりしてたんですけど、結構反応が良かった」（清水雄太）ということから、さらなる展開を模索するように。それがやがてアート熊手という前例のないプロジェクトへと結実していくことになるのだ。</p></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150542/interview221114_shimizuya_1.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1884" class="alignnone size-full wp-image-441729" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150638/interview221114_shimizuya_12.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="2055" class="alignnone size-full wp-image-441740" /></div>
<p class="txtcredit">2020年に発売した限定90個の小型熊手2種。わずか10分でソールドアウトし話題に。</p>

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<p><h3 class="fade-up">アート熊手がつなぐ伝承のバトン</h3></p>
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<p><p>アート熊手の背景にあるのは、熊手という伝統文化に対する清水たちの危機感だ。アート熊手のコンセプトを解説するプレスリリースのなかで清水はこう書いている。「人々のライフスタイルが多様化した現代において、熊手の飾りが江戸時代からほとんど変化がないのは、その本質に沿ってはいないのではないか？」。清水はその言葉をこう解説する。</p>

<p><em>清水雄太「よくこんな質問をされます。『熊手って商売をやってないと買っちゃいけないんでしょ？』とか『毎年大きくしないといけないんでしょ？』とか『絶対値切らないといけないんでしょ？』とか。確かにこれらは当時「粋」とされていた行為ですが、絶対ではなく本質から逸れたイメージが広がっているんです。熊手はもともと豊作を祝うものだったわけですけど、それから商売繁盛や長寿を願うものとなっていった。でも、今は幸せの形も多様化していますよね。それなのに熊手の形は江戸時代のままで、現代人からするとピンとこないのも当然だと思うんですよ」</em></p>

<p>これはあらゆる伝統行事や伝統文化が抱える課題でもあるだろう。たとえば、かつては農村のなかで五穀豊穣を願うという目的のもと行われていた祭りが、周囲が宅地化されたことで従来の目的を見失うというケースは日本各地で見られるものである。祭りの目的が現代の暮らしとマッチしていないわけで、そうなると担い手たちのモチベーションもなかなか維持しにくい。そうやって多くの祭りや伝統行事の伝承が途絶えているのが現状だ。</p>

<p>熊手商の世界もまた、伝承に対する危機感を抱えている。</p>

<p><em>清水雄太「僕らが出店している酉の市は東京も埼玉も確実に人が減ってきていますね。当然売れる本数も少なくなっているし、熊手商以外の露店の数も減りつつある。僕は今、39歳なんですけど、かなり若いほうなんですよ。跡継ぎがいないところもすごく多いんじゃないかな。熊手商は「キワモノ」と言われる、いわゆる季節商売なので、続けていくのはなかなか厳しいというのが現状です」</em></p>

<p>現代アーティストの視点を借りながら、現在のライフスタイルにマッチした熊手を作ることはできないだろうか？――清水屋のそうした試みは、クリエイティヴなものであると同時に、伝承のバトンを次世代へと繋ぐためのチャレンジでもあるのだ。</p></p>
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<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13153823/interview221114_shimizuya_13.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="2560" class="alignnone size-full wp-image-441741" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150613/interview221114_shimizuya_7.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441735" /></div>
<p class="txtcredit">大正4年創業の清水屋の熊手。今年も田無神社にて、色とりどりの熊手が販売される。</p>

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<p><h3 class="fade-up">＜RDC＞で気づいたコスパを考えない暮らしの大切さ</h3></p>
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<p><p>清水雄太はプレスリリースのなかでこのようにも書いている。「合理的だったり、コスパという言葉が持て囃される時代において、熊手のような全く別のベクトルを持つものに惹かれる人は多い」――熊手に限らず、伝統文化や伝統芸能、アート、音楽は合理性やコスパを重要視する価値観とは相容れないものであって、本来真逆のベクトルにあるものである。清水はこう続ける。</p>

<p><em>清水雄太「不要不急っていう言葉がありますけど、音楽にしろイヴェントにしろ、僕は普段から不要不急の仕事しかしてないんですよ。熊手だって制作には手間暇かかってるけど、基本的に一年で交換しちゃうものだし、正直ないと困るものじゃないですよね。部屋のなかでも場所をとるし、コスパとか合理性を考えたらまずいらないものだとも思います（笑）。でも、そういうものこそが人の気持ちを支えてくれると思うんですね。それに気づいたとき、自分のなかですごく腑に落ちる感覚がありました」</em></p>

<p>そのスタンスは清水雄太がオーガナイズに関わる＜RDC＞にも共通している。</p>

<p><em>清水雄太「＜RDC＞は基本的に3日間やってるんですけど、3日間伊豆の野外で過ごすこと自体ハードルが高いし、来る側からしたら大変なことも多いと思うんですよ。でも、僕らは3日間でひとつの作品だと考えていて、そのなかで音楽が中心ですが、同じくらいお客さん1人1人がどういう経験をするかということも大事だと思っています。だから、便利にしようと思えばできる部分もあるんですけど、あえてハードルを下げない。トイレとかご飯に関してはホスピタリティをしっかり持とうと思ってるんですけど、すべてにおいて下げすぎないということは意識しています」</em></p>

<p>毎度東伊豆で開催される＜RDC＞では誰もが普段の生活から強制的に切り離されることになる。だからこそ、特別な開放感を得ることができるのだろう。清水もまた「＜RDC＞のお客さんは東京か海外の人が多いんですけど、1日目ってみんな東京の顔をしていて。でも、3日目になると顔が違うんです」と話す。</p>

<p>合理性とコスパを重視した生活空間はそれはそれで居心地のいいものだ。だが、無駄なものを廃した空間には特有の息苦しさがある。熊手は決して生活に欠かせないものというわけではないが、「福をかき集める」というある種のとんちが効いた縁起物があるだけで、生活空間は色鮮やかになる。熊手の素朴な信仰心は、日々の支えにもなることだろう。そこには現代における熊手の存在意義・意味があるようにも思えるのだ。</p></p>
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<p><h3 class="fade-up">天野タケル、タカハシマホ、komi…アップデートするアート熊手</h3></p>
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<p><p>2020年、清水屋は画家・天野タケルと3種のアート熊手を制作する。制作された熊手のうち、限定90個が作られた小型熊手2種はわずか10分でソールドアウト。大型熊手もアートコレクターが購入し、各メディアで話題を集めた。</p>

<p><em>清水雄太「自分たちで試行錯誤してる時期が何年かあって、もうちょっと大きくしたいからアーティストとやってみようと考えたときにまず頭に浮かんだのがタケルくんでした。タケルくんは古い友人なんですよ。昔から僕のイヴェントで絵を描いてくれていたし、うちの熊手を買ってくれていました」</em></p>

<p>天野がデザインした熊手は女性のキャラクターなどが乗ったポップなものだが、「熊手として変えちゃいけない部分」もはっきりと意識されている。そこには熊手という伝統文化を継承するものとしての清水屋の矜持も表れている。</p>

<p><em>清水泰子「熊手は伝統文化でもあるので、最低限守らないといけないものがあると思っています。熊手には幸せをかき集めるという意味があるし、熊手についている桝には『ますます繁盛』という意味があるんですね。そういった部分もゼロにしてしまうのは抵抗感があります」</em></p>
<p><em>清水雄太「熊手に乗せるものには厳しい決まりはないんですよ。でも、なぜこれが乗っているのか説明できないといけない。例えばオールブラックの熊手にしても、黒だから不吉な色なのかというとわけではなくて、僕らとしては『黒字の黒』なんです。アート熊手なんて作っていると、当然『これってどうなの？』という人も出てくると思います。でも、作ったものの意味を自分たちが理解していて、なおかつ『幸せを願うものである』という熊手としての本質を見失わない。そこが一番大切な部分だと思っています」</em>
</p>

<p>2021年には前年度の企画を拡大する形でアート熊手企画展が開催。田名網敬一、天野タケル、愛☆まどんな、KINJOといったアーティストが参加し、前年以上の話題も集めた。また、同年にはウォルトディズニー社からの依頼で「スター・ウォーズ」のドラマシリーズ『ボバ・フェット』の成功を祈願したオリジナル熊手を制作。2022年1月の数日間、原宿の東急プラザ入口に展示され、こちらも大きな注目を集めた。</p></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150558/interview221114_shimizuya_4.jpg" alt="清水屋" width="1627" height="2440" class="alignnone size-full wp-image-441732" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150603/interview221114_shimizuya_5.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441733" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150551/interview221114_shimizuya_3.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441731" /></div>
<p class="txtcredit">第3弾となる天野タケルとのアート熊手。今年はネオンも制作された。</p>

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<p><blockquote class="instagram-media" data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/CYLLzMpvCc0/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/p/CYLLzMpvCc0/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank" rel="noopener noreferrer"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/CYLLzMpvCc0/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Shimizuya.KUMADE(@shimizuya.kumade)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script>
<p class="txtcredit">2021年はウォルト・ディズニー社からの依頼で、スター・ウォーズのスピンオフドラマシリーズ「ボバ・フェット」の熊手を制作。</p></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>そして、本年度。レギュラーメンバーとなった天野タケルに加え、今回は4組のアーティストが参加することになった。</p>

<p>ひとりめは成田山にルーツを持ち、スケートボードのデッキなどをキャンバスに腕を振るうSkateboard Shaper / 画家のkomi。彼とのコラボレーションでは清水屋にとっても初のアイデアが試されている。</p>

<p><em>清水雄太「熊手の世界には熊手問屋さんがいます。熊手のパーツをたくさんストックしていて、各熊手屋さんは熊手問屋さんから好きな絵柄を仕入れ、自分たちのスタイルで組んでいくんですね。そこは熊手商の腕の見せ所なんですけど、パーツに関してはどこも一緒だったりする。今回はパーツ自体もオリジナルにしちゃおうと思って、komiくんに何枚か描いてもらいました。アーティストとの限定コラボだと、どうしても制作コストも膨らんでしまうので、販売価格は通常よりどうしても高くなってしまうんです。komiくんは、昨年一緒に熊手を作ったアーティストのKinjo君が紹介してくれたんですけど、作品を見たら熊手にバッチリだし、ストリートシーンで活動しながら、なおかつ実家は成田山でお祭りにも積極的に参加している。アート熊手のデザイン性の部分を昔ながらの熊手にも取り入れていきながら、手にとってもらいたい、という考えを一緒にやってくれる人としては、物凄い良縁だと思い、お声がけさせてもらいました。彼が描いてくれたパーツは清水屋の熊手に使用されて、酉の市で販売されます。来年もまた少し彼の絵柄を増やしたいし、同様のことを別のアーティストともやりたいです。</em></p>

<p><em>タカハシマホさんは新宿・花園神社前のギャラリー、New C’s Studioさんが引き合わせてくれました。New C’s Studioさんは熊手に関するアート作品をやりたいと常々思っていたところ、うちの活動を見てくださったようで、『ぜひ一緒にやりたいです』とお話をいただきました。マホさんに関しては、僕らが問屋さんにお連れしたり、サンプルを貸し出ししたり、監修のような形で関わっています。</em></p>

<p><em>あとの2組はNFT熊手なんです。データだからこそできる熊手の表現があると思っていて、コストや設計の問題で現状は難しいものもNFTだとできる。熊手を海外に伝えるための足がかりになればと考えていて、僕は去年から興味を持っていました。今回はコレクティブスタジオXYZAの企画で、新星ギャルバースさんと、sneakerwolfさんの2組が参加してくれています。こちらは12月の中旬までにはリリースできると思います」</em></p>

<p>居住空間の狭い現代の都市では、熊手をセッティングする場所も取りにくい。NFTはそうした課題を解消するだけでなく、海外に向けて熊手の精神性を広くアピールすることもできる。そうした意味でも今回のプロジェクトは熊手の「これから」をはっきりと意識したものでもあるのだ。
</p></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150618/interview221114_shimizuya_8.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441736" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150622/interview221114_shimizuya_9.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441737" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150547/interview221114_shimizuya_2.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441730" /></div>
<p class="txtcredit">タカハシマホのアート熊手はNew C's Studio.で展示販売中。
©︎TORI no ICHI タカハシマホ×清水屋</p>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">清水屋が立ち返る熊手の本質とは？</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>アート熊手の世界は年を追うごとに拡張しつつあるわけだが、清水夫妻はアート熊手という手法を清水屋オリジナルのものにしておきたいのだろうか。あるいは彼らの手を離れてミーム的に広がることを望んでいるのだろうか。清水の回答は淀みないものだった。</p>

<p><em>清水雄太「僕の考えは完全に後者ですね。うちでアート熊手を囲い込むのは自分たちの最初の動機からかけ離れる行為だと思うんですよ。だからどんどん広がってほしいです。ただ、文化や意味、基本的な作り方みたいなものは理解した上でやってほしいなとは思います」</em></p>

<p>その言葉には清水が今回の取材中何度か口にしていた「熊手の本質」が踏まえられている。暮らしのなかでの多種多様な願いを受け止め、生活空間を豊かにするもの。それは「豊作を祝うもの」という縁起熊手の原点から今も変わらない。</p>

<p>なお、清水夫妻はアート熊手という新しい領域に挑みながらも、毎年の酉の市にも清水屋の一員として立ち続けている。いくらNFTによる熊手にチャレンジしつつも、彼らの原点は常に酉の市という現場にあるのだ。</p>

<p><em>清水雄太「熊手の魅力はやっぱり現場にあると思うんですよ。僕らもお客さんとは1年に1回、酉の市で会うだけの関係性なんですが、それが2、30年単位で積み重なってくると、お客さんの息子たちも一緒に来るようになる。なかには泰子からしか買わないというお客さんもいます。『1年前買ったときに彼女と話したことが忘れられなくて、今年も来ました』という。そこにはコスパや合理性とは無縁の、酉の市ならではのコミュニケーションがあると思うんです。パーティーやアーティストエージェンシーもそうですけど、誰かの気持ちに残る時間に関わりたいんだと思います、きっと」</em></p></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/11/13150632/interview221114_shimizuya_11.jpg" alt="清水屋" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-441739" /></div>
<p class="txtcredit">©︎TORI no ICHI タカハシマホ×清水屋</p>

<div class="text-box right fade-up">
<p>Interview, Text：大石始
Photo：YUTARO TAGAWA</p>
</div>


<div class="profile">
<h3 class="profile-title">INFORMATION</h3>

<p class="name">清水屋.</p>
<p class="text">※アート熊手のお問い合わせはInstagramまで。

<a href="https://www.instagram.com/shimizuya.kumade/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>Instagram</u></a></p>

<div class="separator"></div>

<h3 class="profile-title">EVENT INFORMATION</h3>

<p class="name">TORI no ICHI 2022
タカハシマホ × 清水屋</p>
<p class="text">2022年11月4日（金） - 11月28日（月）
New C's Studio.
住所：〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目16−11 新宿光ビルディング 1F
営業時間：13:00 - 20:00
休廊日：毎週月曜 ※最終日28日（月）は営業
TEL：03-6380-5009

<a href="https://new-cs.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>New C's Studio. HP</u></a> ｜ <a href="https://www.instagram.com/new_cs_studio/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>Instagram</u></a>
<a href="https://www.tmaho-art.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>タカハシマホ HP</u></a> ｜ <a href="https://www.instagram.com/t.maho_art/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>Instagram</u></a>
<a href="https://kumade.official.ec/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>清水屋 HP</u></a> ｜ <a href="https://www.instagram.com/shimizuya.kumade/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>Instagram</u></a>
【企画協力】<a href="https://katsumiyamato.jp/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>KATSUMI YAMATO GALLERY HP</u></a> ｜ <a href="https://www.instagram.com/katsumiyamato/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>Instagram</u></a></p>

<div class="separator"></div>

<p class="name">【Christmas 2022】TAKERU AMANO Christmas 2022
天野タケル×清水屋
</p>
<p class="text">2022年11月7日（月）-12月25日（日）
銀座蔦屋書店
営業時間10:30～21:00

<a href="https://store.tsite.jp/ginza/event/art/29284-1455061005.html" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>詳細はこちら</u></a>
<a href="https://takeruamano.com" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>天野タケル HP</u></a> ｜ <a href="https://www.instagram.com/takeruamano/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>Instagram</u></a></p>

<div class="separator"></div>

<p class="name">KUMADE NFT prsented by XYZA（仮）</p>
<p class="text">発売日：2022年12月中旬予定

<a href="https://xyza.io/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>詳細はこちら</u></a>
<a href="https://www.galverse.art/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>新星ギャルバース</u></a> ｜ <a href="https://www.sneakerwolf.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><u>sneakerwolf</u></a></p>
</p>
</div><p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
</description>
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<ol>
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	</ol>
</div>
	</item>
		<item>
		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/interview/tonomeguritoroge-220427/428947/</guid>
		<title>現今に生きる遠野物語──OLAibi、コムアイ、DAISUKE TANABE鼎談</title>
		<link>https://qetic.jp/interview/tonomeguritoroge-220427/428947/</link>
		<comments>https://qetic.jp/interview/tonomeguritoroge-220427/428947/#respond</comments>
		<pubDate>Wed, 27 Apr 2022 09:00:16 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[竹田賢治]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=428947</guid>
<![CDATA[<summary><p>2021年11月に行われた＜遠野巡灯篭木（トオノメグリトロゲ）＞は、そんな遠野のフィールドを巡るツアー型イベントだ。遠野の民俗芸能である「張山しし踊り」を鑑賞し、そこからインスパイアされたOLAibi＋コムアイ、Kuniyuki Takahashi、DAISUKE TANABEのライブセッションを体験。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1440" height="960" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164744/interview220422_tonomeguritoroge_3-1440x960.jpg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="遠野めぐりとろげ" decoding="async" srcset="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164744/interview220422_tonomeguritoroge_3-1440x960.jpg 1440w, https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164744/interview220422_tonomeguritoroge_3.jpg 1920w" sizes="(max-width: 1440px) 100vw, 1440px" /></figure><div class="text-box fade-up">
<p><p>岩手県南東部の内陸に位置し、中央部には北上山地に囲まれた盆地が広がる遠野地方。「日本民俗学の父」である柳田國男は、この地に伝わる伝承や民話をまとめた説話集『<strong>遠野物語</strong>』でこのように書いている。</p>

<p>「<em>願はくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ――</em>」。</p>

<p>この説話集が刊行された明治43年の段階で、遠野という場所は近代化の道を突き進む平地人たちを戦慄させうる伝承の宝庫であった。河童や座敷童子の民話が伝えられ、異界への入り口が各所で顔を覗かせるその地に柳田は魅せられ、日本における民俗学の先駆けともいわれる『遠野物語』をまとめ上げた。それから100年以上の歳月が経過した今もなお、遠野は当時とさほど変わらない姿で私たちを迎え入れてくれる。</p>

<p>2021年11月に行われた＜<strong>遠野巡灯篭木（トオノメグリトロゲ）</strong>＞は、そんな遠野のフィールドを巡るツアー型イベントだ。遠野の民俗芸能である「張山しし踊り」を鑑賞し、そこからインスパイアされたOLAibi＋コムアイ、Kuniyuki Takahashi、DAISUKE TANABEのライブセッションを体験。専門家によるスタディツアーや現地の食材を使ったディナー、遠野の死生観に迫るドキュメンタリー映画『DIALOGUE WITH ANIMA』の上映会など、3日間に渡って遠野の民俗・芸能・食・音楽を体験できるツアーとなった。</p>

<p>今回は＜遠野巡灯篭木＞に参加した<strong>OLAibi</strong>、<strong>コムアイ</strong>、<strong>DAISUKE TANABE</strong>の座談会を企画。地域の物語をどのように現在の表現と接続することができるのか。また、異界を巡ることは現代に生きる私たちにどのような気づきを与えてくれるのだろうか。魑魅魍魎渦巻く遠野の地に多くの刺激を受けた3人の対話をお届けしよう。</p></p>
</div>

<h2 class="fade-up">INTERVIEW：OLAibi、コムアイ、DAISUKE TANABE鼎談
現今に生きる遠野物語</h2>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164809/interview220422_tonomeguritoroge_7.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-429370" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">初めて訪れた遠野の意外な心地よさ</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>これまでにもさまざまな地を訪れ、そこで感じたものを作品作りに反映してきたOLAibi、コムアイ、DAISUKE TANABEの3人。彼らが遠野を訪れるのは今回が初めてだったという。この地に対する事前の印象を3人はこのように話す。</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「事前に「遠野の死生観」というキーワードをもらっていたので、その点に関しては頭の中でいろいろと考えを巡らしていましたけど、行くまではまったく分からない状態ですね。それまで東北の芸能についても一切関わりがなかったですし」</p>

<p><strong>OLAibi</strong>　「熱量でいえば私よりもコム（アイ）のほうが何万倍もすごいと思うけど（笑）、『遠野物語』は昔から知ってたし、関心を持っていました。自分も水木しげる先生が育った鳥取の森の中に住んでいるので、妖怪が身近な存在なんですけど、遠野もそういう感じがするんですよ。水木しげる先生が描く妖怪みたいな表情を見せる人もいたりするし（笑）」</p>

<p><strong>コムアイ</strong>　「遠野の人たちに怒られるよ（笑）。私も遠野にはずっと憧れがありました。柳田國男や宮本常一みたいな民俗学のレジェンドがいたからこそ「日本に生まれてよかった」と思えるようになったし、それがなかったら列島と自分の繋がりを見出せないままだったと思う。遠野を旅した柳田國男の存在は自分にとっても大きいんです」</p>

<p>柳田國男の『遠野物語』を読んだことがある方であれば、そこに綴られた数々の民間伝承から遠野の地におどろおどろしいイメージを持つことだろう。だが、3人が実際に足を踏み入れた遠野は、多様な表情で彼らを迎え入れた。</p>

<p><strong>OLAibi</strong>　「遠野ではいろんな場所に連れていってもらったんだけど、不思議と怖い感じはしなかった。遠野に対して確かにおどろおどろしいイメージを持っていたし、覚悟して行ったんですよ。でも、愛嬌があるというか、気持ちいい感じがした。私が鳥取で妖怪慣れしてるのかもしれないけど」</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「石に羅漢像が掘ってある五百羅漢（註：天明の大飢饉による餓死者を供養するため、山中の自然石に刻まれた石像群）も怖い感じがしなくて、寝っ転がれるような気持ちのいい場所でしたね」</p>

<p><strong>コムアイ</strong>　「私も怖さは感じなかった。（今回の主催者のひとりである）富川岳さんは『かつて遠野の朝市で商売をしようとすると、夜中に山を越えなければならなかった』という話をしていましたね。夜になると木がこすれた音や鳥の鳴き声がめちゃくちゃ怖く聴こえるじゃないですか。そのときに感じたこと・見たものを誰かが朝市で話すと、それが噂話になって広まっていったそうなんです。だからこそ遠野には数多くの民話が蓄積されたんでしょうね」</p>

<p>遠野はかつて内陸部と沿岸部を結ぶ交易の拠点として栄え、遠野南部氏1万2千石の城下町として発展を遂げた。そのため、あらゆるモノとコトがこの地に持ち込まれたという。文化の交差点ならではの多様性と、あらゆる文化が沈殿する盆地ならではの特性。その両面があったからこそ、遠野ではさまざまな物語が紡がれてきたのだ。OLAibiもまた「『ここは怖い場所だ』と地元の人たちが閉ざしてきたらおどろおどろしい場所のままだったのかもしれないけど、大切にされてきた場所ならではの抜けの良さがあるんですよね」と話す。</p></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164751/interview220422_tonomeguritoroge_4.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1627" height="2440" class="alignnone size-full wp-image-429367" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164804/interview220422_tonomeguritoroge_6.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1627" height="2440" class="alignnone size-full wp-image-429369" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164757/interview220422_tonomeguritoroge_5.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1627" height="2440" class="alignnone size-full wp-image-429368" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">生と死と自然を垣間見る神秘的な張山しし踊り</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>＜遠野巡灯篭木＞に先駆けて制作された映像作品『DIALOGUE WITH ANIMA』は、遠野市立博物館の学芸員や遠野郷八幡宮の禰宜（ねぎ）、郷土史家など5名にインタヴューを行い、遠野で育まれてきた死生観に迫るドキュメンタリー作品である。本作ではDAISUKE TANABEとOLAibiのほか、Kuniyuki Takahashi、kafuka、Saskiaが楽曲を提供しており、サウンドトラックとしても配信リリースされている。</p>

<p>この作品の劇中で遠野郷八幡宮の禰宜、多田宣史がこのように語っている。</p>

<p>「<em>遠野で一番私が強調したいのは、死っていうのがすごく身近な世界にあるんじゃないかということなんですよね。人が生活する地域からすぐいけるところにある。生きている場所と死んでいる場所がひと続きの世界なんですよね</em>」（多田宣史）</p>

<p>現代の都市空間に住んでいる人々は、死を常に遠ざけ、さも死が存在しないのではないかという「まやかし」のなかで日々を送っている。だが、生きるものすべてはいずれ死に絶える。古来から日々の暮らしと死が地続きになっている遠野では、やがて訪れる死を受け入れるための風習や行事が伝えられてきた。60歳を過ぎた老人たちがかつて追いやられる地であったデンデラ野（郷土史家の大橋進は「生と死の連結点」と説明する）。死後の姿を描いた供養絵。新盆を迎える魂に対し、家の前で念仏を唱えるミソウロウ（新精霊）という儀式。『DIALOGUE WITH ANIMA』ではそうした事例がひとつひとつ紹介されていく。</p>

<p>狩猟で仕留めた鹿の供養が由来とされ、五穀豊穣や先祖供養の意味も兼ねる「張山しし踊り」もまた、遠野の死生観を写し込んだ芸能である。＜遠野巡灯篭木＞で張山しし踊りの演舞に初めて触れたというDAISUKE TANABEとOLAibiはこう話す。</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「大地を踏みしめる音であるとか立ち上がる砂煙、しし頭についたカンナガラ（註：頭に付ける白い立髪）がバサッ、バサッと音を立てて振り乱される迫力は、やっぱり実際に観てみないと分からないものですよね。そういうディテールに圧倒されました」</p>

<p><strong>OLAibi</strong>　「しし踊りに対して何かが乗り移るようなイメージを持っていたんだけど、いい意味でその人が見えてくる感じがしました。遠野って全体的にそういう感じがするんですよね。等身大というか、日常のなかの出来事や気配、言葉が伝えられて今に至っているという感覚がある。DAISUKEさんが言っていた五百羅漢にしても誰かが遊びにきてお茶を飲んでもよさそうなところで、日常と繋がっている感じがするんですよ」</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「実際に山の中でピクニックをしていたといいますよね。山が決して畏怖の対象ではないという」</p>

<p>張山しし踊りと一際強い結びつきを持っているのがコムアイだ。遠野で踊りを観覧しただけでなく、取材日の夜にはDOMMUNEの特番で張山しし踊りを披露した。</p>

<p><strong>コムアイ</strong>　「初めて観たときはバリ島のランダ（魔女）みたいだと思いました。日本の獅子舞とも全然違うし、カンナガラが魔女の髪の毛みたいにも見えたんですよ。</p>

<p>人間である太刀とししが対になって踊るのが遠野のしし踊りの特徴のひとつなんです。遠野では秋田のマタギのように集団で狩りをするのでなく、ひとりですることが多かったそうなんですね。そのぶん自分が生き物の命を取ったという意識が強くて、獣たちの供養としてしし踊りが行われるようになったと。私も今夜太刀を踊らせてもらうんですけど、人間界と動物界が拮抗している感じがしました。切りかかっては下がり、切りかかっては下がる。バリ島のランダとバロンの芸能も最終的に決着がつかないんですよ。そこも似ている気がします」</p>

<p>しし踊りにおけるししとは、自然界の象徴でもあるのだろう。山の中には人間ではコントロールできないものが存在している。それは獣や木々のように実際に目に見えるものの場合もあれば、見えない「何か」の場合もあるのだろう。張山しし踊りは、人や獣とともにさまざまなモノノケたちが行き交う遠野の世界観が体現されているのだ。</p>
</p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164814/interview220422_tonomeguritoroge_8.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-429371" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164828/interview220422_tonomeguritoroge_11.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-429374" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164819/interview220422_tonomeguritoroge_9.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-429372" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164824/interview220422_tonomeguritoroge_10.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-429373" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">境界線が溶けてゆく“ライヴ”セッション</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>先にも触れたように＜遠野巡灯篭木＞では張山しし踊りを観覧したあと、OLAibi+コムアイ、Kuniyuki Takahashi、DAISUKE TANABEという3組によるライヴセッションが行われた。さぞかしディープなセッションが繰り広げられたと思いきや、それは少々意外なものになったという。</p>

<p><strong>OLAibi</strong>　「うちら3人ともお酒を全然呑めないの。でも、彼女（主催を務めた一般社団法人Whole Universeの塚田有那）が「絶対呑ませたいどぶろくがある」とずっと言ってて、ライブが始まる前に振る舞ってくれたんです。お客さんも同じお酒を呑んだんですけど、演者とお客さんが全員同じ酒を呑んでる状態ってあんまりないじゃない？　自分たちも下戸のはずなのに「美味しい、美味しい」ってどぶろくを呑んでたら楽しくなっちゃって（笑）。それまでに見てきた場所のことやいろんな話が頭の中でぐるぐる巡って、すごくいい演奏ができたんですよ。</p>

<p>遠野には目に見えないものがいっぱい蠢いていて、そういうものを感じようと思えば感じられるんだろうけど、まっさらな自分でもいれる。そういう場所なんですよね。すべてが折り重なっていて、繋がっていて、すべてが平等になったときに出せた音だったと思う」</p>

<p>神事や儀式のとき、参加者の間で御神酒を呑むことは珍しくない。神にお供えすると共に、神の霊力が宿った御神酒を呑むことで人と人が繋がり、神と繋がる。＜遠野巡灯篭木＞での「どぶろく事件」もまた、そうした事例のひとつといえるかもしれない。</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「普段ライブをするときはガチガチに作り込んでいくんですよ。今回も遠野に対して知らないなりにイメージして仕込んでいったんですけど、実際に行ってみたら想像と違うところがあって、これはどうしたものかと。そこでどぶろくが活きてくるんですよ（笑）。ライブも作り込んだものが土台にはなるんだけど、その場所の空気も反映したセッションができました」</p>

<p><strong>コムアイ</strong>　「向こうでどれぐらい変わったんですか？」</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「大まかな構成は変わらないけど、音を出すタイミングなんかは随分変わりました。その土地のものを食べ、人と話し、あの空気のなかで演奏すると、無意識のうちに変わっていきますよね」</p>

<p>死と生、人と人以外のものたちがひと続きになった遠野では、演者とオーディエンスもひとつになってしまう。そうした音楽のあり方が3人をインスパイアしたという。</p>

<p><strong>コムアイ</strong>　「どこまでが音楽で、どこまでが音楽じゃないか。あるいはどこまでがパフォーマンスで、どこまでがパフォーマンスじゃないか。本当は分かれていないはずなんだけど、普段のライブでは分かれてしまいがちなんですよね。</p>

<p>でも、遠野で演奏したときは、スピーカーから流れる音も障子が揺れる音も一緒で、お客さんとも同じ床の上で座っているわけで、境界線が溶けている感じがしました。考えてみたら神楽やしし踊りもそういうもので。郷土芸能の映像を観てると、酔っぱらったおじさんがヤジを飛ばしたりしているけど、そういうのが大好きなの」</p></p>
</div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164907/interview220422_tonomeguritoroge_17.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1627" height="2440" class="alignnone size-full wp-image-429380" /></div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19164854/interview220422_tonomeguritoroge_15.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1627" height="2440" class="alignnone size-full wp-image-429378" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3 class="fade-up">今を生きる遠野人とマレビトたちの『遠野物語』</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p>＜遠野巡灯篭木＞は遠野の各所で待ち構える異界への入り口に足を踏み入れながら、彼の地に息づく死生観に触れることを目的のひとつとしている。それと同時に、民俗芸能や地域の風土と現代の表現を接続し、新たな表現を生み出すこともテーマとしている。</p>

<p>近年のコムアイもまた、さまざまな地域の風土や物語にインスパイアされながら多彩な表現活動を続けてきた。奈良県明日香村や屋久島で行っているオオルタイチとのコラボレーションもそのひとつだ。今回も遠野の地を訪れるだけでなく、張山しし踊りの太刀を踊ることで遠野の世界へ深く踏み込むことになった。</p>

<p><strong>コムアイ</strong>　「ライブでどこかの土地を訪れて「その土地の文化をもっと掘り下げたい」と思うことはたくさんあるんですけど、結局一年後に同じフェスで行く、というくらいの頻度になっちゃうんですよね。今回はしし踊りを習わせてもらうことになり、東京にいるのに遠野と繋がり続けることができている気がします。</p>

<p>しし踊りを指導してくれたさゆりさんからおじいさんが亡くなった時の墓じし（註：お盆の時期に墓地内で行われる供養の踊り）の話を聞いたり、郷土料理のことを教わったことも大きかった。さゆりさんには一から習うことでだいぶ負担をかけてしまいましたが、踊りについて改めて考えるきっかけになったと言ってもらえて嬉しかったです。遠野へ戻る理由もあるし、さゆりさんたちとも話すネタには尽きないだろうと思います。「踊りを習いたい」のか「実はこの人たちと繋がっていたかった」のかどちらが目的かわからないような感じもしましたね。とにかく遠野と臍の緒が少し繋がった気がしました」</p>

<p>また、TANABEも今回の体験をこのように振り返る。</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「よその土地に行って制作やライブをするたびに、その土地の空気や温度、水を飲んだり地元の料理を食べたり、人と話をすることで、ライブにある種の深みが増すとも感じています。今回の遠野でもそれは同じで、現地でしし踊りを体験し、富川さんや地元の食堂の店員さんと話したり、空気の湿度や水道から流れる水の冷たさに触れたりすることで、遠野という土地に一歩近づいた状態でライブができたのではないかなと思っています。</p>

<p>その体験は毎回唯一無二で、とてもエキサイティングなことなんですよね。今後また遠野に訪れて制作する機会があるとすれば、その時に何ができあがるのか、自分自身とても楽しみなんです」</p>

<p>最後にこんな質問を投げかけてみた。――創作の場としての遠野にはどのような可能性があると思う？</p>

<p><strong>コムアイ</strong>　「民俗資料館の蔵書が凄そうなので、時間を使ってみんなで読み解きをしてもおもしろそうですよね。デンデラ野から村を見下ろす感じとか、村全体の作りが劇場的になっているので、それぞれの場所で即興をしたり踊りをしても楽しそう」</p>

<p><strong>DAISUKE TANABE</strong>　「遠野は土地に伝えられる伝承がとても多いので、それら一つ一つを調べたり体験したりすることで、創作の可能性はいくらでも広がると思うんですよね。そうやって作られた創作物を地元の方々やその場に訪れてくれた人たちに聴いてもらい、還元することで、次の広がりが生まれるんじゃないかとも思います」</p>

<p>コムアイは「遠野は移住者だけでなく、マレビトとして地域に関わっている人がいるのもいいんですよね」と話す。マレビトとは特定の季節にやってきてはその土地に幸福をもたらす神のこと。来訪神であり、定住民に対する漂泊民であり、日本のさまざまな民俗のなかにその痕跡を残している。言うまでもなく、彼らのような表現者もまた遠野の地に降り立ったマレビトである。今後、彼らとの関わりによって新たな『遠野物語』が紡がれていくのだろう。遠野だけでなく、こうした試みが列島各地で行われる未来像を夢想するのは筆者だけではないはずだ。</p></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2022/04/19170155/interview220422_tonomeguritoroge_2.jpg" alt="遠野めぐりとろげ" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-429381" /></div>

<div class="text-box right fade-up">
<p>Text by 大石始
Photo by 中村寛史</p>
</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">PROFILE</h3>

<p class="name">OLAibi</p>
<p class="text">祖先たちはモンゴル大陸を渡って日本にやってきた ルーツを探り続けながら音楽を作る

OOIOOのドラマーとして12年活動した後、 広大な森にに移り住み　 年月をかけ森の生物の生態と音を録り続けている

様々な国、民族の言語を全てカタカナに置き換え、語感と言霊を 頼りにリリックを綴る そこにドラム、民族楽器、おもちゃのキーボードなどをサンプリングし たビートと住う森の音を織り重ねパフォーマンスしている

<a href="http://olaibi.com" rel="noopener noreferrer" target="_blank">olaibi.com</a> ｜ <a href="https://www.instagram.com/olaibiolaibi/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">OLAibi Instagram</a>
</p>

<div class="separator"></div>

<p class="name">KOM_I</p>
<p class="text">アーティスト。1992年生まれ、神奈川育ち。ホームパーティで勧誘を受けて加入した「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして、国内だけでなく世界中のフェスに出演、ツアーを廻る。
2019年4月3日、屋久島でのフィールドワークをもとにプロデューサーにオオルタイチを迎えて制作した音源「YAKUSHIMA TREASURE」をリリースし、公演を重ねる。2021年、新しい形の音楽体験「YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from 屋久島」をオンラインにて公開。（<a href="https://another.yakushimatreasure.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://another.yakushimatreasure.com/</a>）現在はオオルタイチと熊野に通いながら新作を準備中。2020年からOLAibiとのコラボレーションも始動。北インドの古典音楽や能楽、アイヌの人々の音楽に大きなインスピレーションを受けながら音楽性の幅を広げている。
音楽活動の他にも、ファッションやアート、カルチャーと、幅広い分野で活動。
2020年にアートディレクターの村田実莉と、架空の広告を制作し水と地球環境の疑問を問いかけるプロジェクト「HYPE FREE WATER」が始動するなど、社会課題に取り組むプロジェクトに積極的に参加している。

<a href="https://www.instagram.com/kom_i_jp/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">KOM_I Instagram</a> ｜ <a href="https://twitter.com/KOM_I" rel="noopener noreferrer" target="_blank">KOM_I Twitter</a>
</p>

<div class="separator"></div>

<p class="name">DAISUKE TANABE</p>
<p class="text">

<a href="https://linktr.ee/daisuketanabe" rel="noopener noreferrer" target="_blank">Linktree</a> ｜ <a href="https://www.instagram.com/daisuke_tanabe" rel="noopener noreferrer" target="_blank">DAISUKE TANABE Instagram</a></p>

</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">INFORMATION</h3>



<p class="name">遠野巡灯籠木 民俗・芸能・食・音楽</p>
<p class="text"><a href="https://meguritoroge.com/home/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">詳細はこちら</a></p>

<div class="separator"></div>

<p class="name">遠野の死生観に迫るドキュメンタリー『DIAOLOGUE WITH ANIMA』</p>
<p class="text">配信ストリーミングサービスZAIKOにて配信中。</p>
<p class="text"><a href="https://zaiko.io/program/310-DIALOGUE-WITH-ANIMA" rel="noopener noreferrer" target="_blank">配信URL</a></p>

<div class="separator"></div>

<p class="name">『DIAOLOGUE WITH ANIMA』サウンドトラック</p>
<p class="text">Kuniyuki Takahashi、OLAibi、Daisuke Tanabe、kafuka、Saskiaの5名のアーティストが参加。</p>
<p class="text"><a href="https://nex-tone.link/A00088398" rel="noopener noreferrer" target="_blank">配信URL</a></p>
</div><p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
</description>
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	</ol>
</div>
	</item>
		<item>
		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/interview/staywithmyanmar-210917/408364/</guid>
		<title>ミャンマーの文化とともに —— コムアイ、オオルタイチ、井口寛が語る音を通じた繋がり</title>
		<link>https://qetic.jp/interview/staywithmyanmar-210917/408364/</link>
		<comments>https://qetic.jp/interview/staywithmyanmar-210917/408364/#respond</comments>
		<pubDate>Fri, 17 Sep 2021 09:07:58 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[竹田賢治]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=408364</guid>
<![CDATA[<summary><p>今年2月の軍事クーデター以降、ミャンマーは混乱を極めている。＜Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-＞はそんなミャンマーの文化・芸術を紹介し、苦境に立たされている市民にエールを送ることを目的とするイベントだ。現状について井口に聞くととともに、イベントに参加しているオオルタイチとコムアイにミャンマーへの思いを語ってもらった。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1440" height="1080" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143932/interview210917_staywithmyanmar_11-1440x1080.jpg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="Stay with Myanmar" decoding="async" srcset="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143932/interview210917_staywithmyanmar_11-1440x1080.jpg 1440w, https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143932/interview210917_staywithmyanmar_11.jpg 1920w" sizes="(max-width: 1440px) 100vw, 1440px" /></figure><div class="text-box fade-up">
<p><p>今年2月の軍事クーデター以降、ミャンマーは混乱を極めている。＜<strong>Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-</strong>＞はそんなミャンマーの文化・芸術を紹介し、苦境に立たされている市民にエールを送ることを目的とするイベントだ。当初は9月3日（金）からの3日間、東京・青山のSPIRAL HALLでオオルタイチとコムアイ、大友良英 Cathode for Myanmarらがライブを行う予定となっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大のためイベントは中止に。無観客・無料の配信イベントとして9月25日（土）と26日（日）の2日間で開催されることになった。</p>

<p>そのイベントに関連してミャンマー伝統音楽のリミックス集『<strong>Kalab Mixed Myanmar ＃1</strong>』もリリースされる。DJのShhhhhが監修を務めたこちらの作品には、CHURASHIMA NAVIGATORやバリオ・リンド（Barrio Lindo）、エル・ブオ（El Buho）など国内外のリミキサーが参加している。</p>

<p>これらの企画を主催しているのが、近年足繁くミャンマーを訪れている録音技師の<strong>井口寛</strong>。井口はこれまで記録されてこなかったミャンマー各地の伝統音楽をレコーディングするほか、ナガ族の村に通って映像作品も制作している。</p>

<p>軍事クーデター以降、ミャンマーの音楽・芸術関係者の現状はあまり伝えられていないが、市民生活がままならなくなることで、伝統音楽も存続の危機に晒されているのだという。その現状について井口に聞くととともに、イベントおよびリミックス盤に参加している<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%81" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>オオルタイチ</strong></a>と<a href="https://qetic.jp/?s=%E3%82%B3%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%82%A4" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>コムアイ</strong></a>にミャンマーへの思いを語ってもらった。</p></p>
</div>

<h2 class="fade-up">INTERVIEW：KOM_I×オオルタイチ×井口寛
Stay with Myanmar</h2>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143923/interview210917_staywithmyanmar_10.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1080" class="alignnone size-full wp-image-408470" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>夢の中でミャンマーと繋がるような感覚</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>━━コムアイさんとタイチさんがミャンマーの文化に関心を持ったきっかけを教えてください。</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　今回の（『Kalab Mixed Myanmar #1』の）リミックスのお話をいただいてから、井口さんからミャンマーの音楽について教えてもらう機会があったんですよ。そのときにサインワインの楽団が生活の中で音楽を鳴らしていることを知って、「まるで夢の国みたいだな」と思いました。しかも多民族国家で、それぞれの民族で異なる音楽を奏でている。果てしなく豊かな文化がひとつの国に詰まってると思いました。</p>

<p><strong>━━それが軍事クーデターの前？</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　そうですね。音楽を通してミャンマーに興味を持っていたこともあって、クーデターのことも知らない国で起きたことというよりも、「美しい国の美しい人々が危機に晒されている」という感覚で。ミャンマーの情勢をずっと苦しい思いで見ていました。</p>

<p><strong>オオルタイチ</strong>　僕はサウンガウン（ミャンマーの伝統的な竪琴）が好きで、以前からよく聴いていたんですけど、井口さんからリミックスの声をかけてもらったときに他の音楽についても教えてもらって。最初聴いたときは理解できない感覚があったんですけど、向こうには向こうの音楽的ルールがあって、ちゃんと理解してみたいなと思いました。</p>

<p><strong>━━井口さんは現地で伝統音楽の録音を続けてきたわけですが、ミャンマーの伝統音楽のどのような部分に魅力を感じているんでしょうか。</strong></p>

<p><strong>井口寛（以下、井口）</strong>　ミャンマーには135の民族がいると言われていて、それぞれが個性豊かな音楽文化を持っているんですよね。そのなかで記録が整理され残っているのは、多数派民族のビルマ族だけ。少数民族の音楽はシンプルなものが多いですね。単調なリズムとメロディーを銅羅や太鼓、笛なんかで繰り返しながら、そこに歌が乗るようなスタイルが多いです。僕がずっと通っているナガ族の村では、フリースタイル・ラップみたいに複数人が即興で歌を紡ぐ習慣が残っているし、決まった歌詞が代々受け継がれている村もある。民族によってバラバラなんですよ。その多様なところも魅力だと思います。</p>

<p><strong>━━井口さんはまさに歌や音楽が奏でられる現場に立ち会ってきたわけですが、なかでも一番印象に残っているのはどんなシーンですか。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　ナガ族の村では10メートルを超える巨大なスリットドラムを作る習慣が残っていて、その完成を祝うお祭りをやるんですが、祭りの冒頭に男たちが手を繋ぎながら歌い出したことがあったんですよ。音楽を聴いて涙を流すほど感動することってそうそうないことだと思うんですけど、そのときはいい歳こいて泣いてしまうぐらい感動してしまって。心から声が出ている感じがしたんです。</p>

<p><strong>━━話に出てきたので、リミックス盤『Kalab Mixed Myanmar ＃1』の話からしましょうか。井口さんがこの企画を立ち上げた経緯を教えてください。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　制作が具体的に始まったのはコロナ禍に入ってからなんですよ。去年の4月とか5月。ただ、構想としては結構前からあって。</p>

<p>ミャンマーの音楽をたくさん録音してきたので、それらをモディファイしてみたいという考えがあった。構想としては結構前からあったんだけど、制作が具体的に始まったのはコロナ禍に入ってから。コンピュータベースで音楽を作っているトラックメイカーにお願いするのが最初のトライとしては一番いいんじゃないかと思って、DJのShhhhhくんに相談したところから話が始まりました。</p>

<p><strong>━━タイチさんとコムアイさんのリミックスはどういうプロセスで作っていったんですか。</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　アルバム4枚分の音源を井口さんからいただいたんですが、まずはどれをモチーフにするかが大問題で。悩みながら「これは骨子になるかな」というものを選びました。それ以降でタイチさんの中で熟成されていく期間があって、関西で実際に会ってレコーディングしました。インドの歌唱法に近いものをやってみたり、喉を鳴らしてみたり、ウィスパーっぽいものであったり。エストニアのカンネルという伝統楽器を持ってるんですけど、そのカンネルを弾きながら歌ったこともありました。</p>

<p><strong>オオルタイチ</strong>　井口さんからいただいたものを聴いていたら、「これを一定のBPMに収めてしまうのはもったいないな」と思ってしまって。ぱっと聴くと、拍子がないように聴こえるものでも、後ろで鳴っている鉦が拍子になっていることがだんだんわかってきて、それに合わせて自分の音を入れたり。後半はそれでも打ち込みを入れてたんですけど、だんだんBPMの決まったリズムが入っていることに不自然さを感じるようになってきて。だから、いわゆるリミックスになっているかというとよく分からないんですよね。</p>

<p><strong>━━伝統音楽に規則正しいキックを入れただけのものってリミックスのひとつの手法ではあるけれど、伝統音楽の持つ揺らぎやその土地で育まれてきた身体性を削り落とすこともありますよね。その土地の風土と結びついた固有の時間感覚を地均ししてしまうというか。でも、このリミックスは明らかにそういうものじゃないですよね。</strong></p>

<p><strong>オオルタイチ</strong>　今の自分がそういうモードなんですよね。ミャンマーの伝統音楽って歌が主体になっていて、周りの演奏はそれに合わせていくというやり方なんですけど、それってすごく理想的だと思っていて。人間の時間感覚ってふだんからバラバラじゃないですか。ミャンマーの伝統音楽を通して、伸び縮みするような時間感覚を感じられるし、それは大事にしたいと考えていました。それが伝統として残っていること自体が素晴らしいことだと思いますし。</p>

<p><strong>━━コムアイさんの歌もミャンマーに寄り添っていくような歌ですよね。</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　同化していくなかで自分が分からなくなっちゃうというか、周りの環境に飲み込まれやすいんですよ。タイチさんとやってるときも一緒で、自分で声を出しているんだけど、半分ぐらいタイチさんが歌ってるような感覚で。なので、いつも違うものと違うもののぶつかり合いみたいなことにならないんですよね。</p>

<p><strong>━━同化でもあるのかもしれないけど、元のものにチューニングを合わせていくような感覚でもある？</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　あ、そうかもしれない。この歌をレコーディングしていたときは歌いながら半分ぐらい眠っていて、夢うつつみたいな感じだったんですよ。それもあって、終わったときの達成感が全然なくて。タイチさんは「これだ」と言ってるけど、「私、寝てたしな」と思って（笑）。でも、私は歌っていてすぐ力んじゃうので、これぐらいのほうがいいのかも。</p>

<p>制作を始めたのはクーデターの前だったけど、もしも始めるのがもう少し遅かったら、ミャンマーの現実に引っ張られて意味や気持ちを込めすぎていたかもしれないし、このリミックスを作っていたときは夢の中でミャンマーと繋がるような感覚だったんですよ。</p></p>
</div>

<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/06193315/interview210917_staywithmyanmar_17.jpg" alt="Stay with Myanmar" width="1440" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-408708" /></div>
<div class="full-img-v fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/06193302/interview210917_staywithmyanmar_18.jpg" alt="Stay with Myanmar" width="1440" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-408707" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143938/interview210917_staywithmyanmar_12.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1080" class="alignnone size-full wp-image-408472" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143900/interview210917_staywithmyanmar_6.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1080" class="alignnone size-full wp-image-408466" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>音楽が消えた町</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>━━井口さんは今もミャンマーの音楽家と連絡を取れているんでしょうか。</strong></p>

<p><strong>井口</strong> 今はできていますね。電話もできるし、Messangerも使えます。一時期は軍が全国的にネットを遮断したこともあったようですが。</p>

<p><strong>━━音楽・芸術関係者はどのような状況に置かれているんでしょうか。活動できない状態？</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　サインワイン楽団（註：太鼓やゴングや笛で構成されるミャンマー伝統音楽の演奏形態）の場合、得度式（註：仏門に入り僧侶になるための儀式）であるとか村の祭りだったり、あるいは村の有力者が楽団を呼び、音楽と料理を村人たち無料で振る舞う「アルー」という風習のためだったり、庶民の生活に寄り添う形で成り立ってきたんですね。軍事クーデター以降、そうした活動がまったくできない状況で、伝統音楽に携わる音楽家は演奏をする場所が消滅しています。</p>

<p><strong>━━ということは、当然収入が途絶えているわけですよね。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　そうですね。「生活費が足りないので助けてくれ」というメールを送ってきた友人もいました。</p>

<p><strong>━━じゃあ、街中でまったく音楽が鳴っていない状態？</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　3か月ぐらい前の話ですけど、テレビ番組を制作している現地の友人は「街中から音楽が消えてしまった」と言っていました。バンドがライブをやったり、サインワインの音が街中で流れるということは今はないでしょうね。</p>

<p><strong>━━たとえば、一般市民が家のなかで音楽を聞いていて拘束されるようなことはあるんでしょうか。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　それはないと思います。クーデター以降、軍に不利益になる情報を発信すると逮捕されるという法律ができたんですけど、軍の批判をしなければ、音楽を奏でたり聴くことで拘束されることは現状ないはずです。</p>

<p><strong>━━かつてのカンボジアのように、音楽家であることを理由に拘束されることはないわけですね。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　そうですね。文化そのものを根絶やしにしようという動きがあるわけではないと思います。</p>

<p><strong>━━今回のリミックス盤『Kalab Mixed Myanmar #1』のリリースには、活動がままならない音楽家たちを支援するという目的もあるんでしょうか。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　どういう形でミャンマーのアーティストたちに貢献できるのか、今はテストを重ね模索している段階だけど、次に繋がる活動に今回の売上を使っていければと思っています。売り上げをそのまま寄付するというよりは、新作の制作費を売上から提供するような方法が持続性があるとは思っています。ミャンマーの伝統音楽家って、自分たちが受け継いできたフォーマットを崩すことに抵抗感がある人が多いんですよ。なので、リミックスをよく思わない人もいるかもしれないけれど、国外にいる僕らがミャンマー文化を発信することは喜んでくれると思うし、外からの働きかけで新しい創作の可能性を示したいと考えたんですよね。</p>

<p><strong>━━彼らの中には「世界から孤立するんではないか」という不安もあるんでしょうか。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　めちゃくちゃあると思います。ミャンマーの若い子たちは「自分たちの未来は真っ暗だ」「自分たちの未来が壊されている」と言ってますしね。</p>

<p><strong>━━ミャンマーは2011年に民主化して、ようやく未来に希望を持てるようになったわけですけど、それから10年経って、前の時代にもう一度引き戻されようとしている。民主化以前の時代を知っているからこそ、希望を持てなくなっているんでしょうね。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　そうですね。「あの時代に逆戻りするのはいやだ」「命をかけても戻りたくない」と口にする若者も少なくありません。そういう子たちが命懸けで抗議活動をしていたわけですけど、それすらも理不尽な暴力に晒されて難しくなっています。</p></p>
</div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/06190434/interview210917_staywithmyanmar_14.jpg" alt="Stay with Myanmar" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-408700" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/06190446/interview210917_staywithmyanmar_16.jpg" alt="Stay with Myanmar" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-408702" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/06190440/interview210917_staywithmyanmar_15.jpg" alt="Stay with Myanmar" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-408701" /></div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>有事のなかで音楽にできることもある</h3></p>
</div>

<div class="text-box left fade-up">
<p><p><strong>━━そういえば、以前井口さんからいただいたメールのなかで、クーデター下のミャンマーにおける音楽の役割について書かれていましたよね。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　そうですね。コロナ禍以降、日本でも音楽フェスを開催するか中止にするかという議論のなかで音楽の必要性／不必要性について話されることがありますけど、有事のとき、音楽にできることはないのか考えさせられたんですね。</p>

<p>ミャンマーでは抗議活動の一つとして大勢の市民が一斉に鍋なんかをガンガンと叩いていました。それは鍋叩きの音で悪霊を追い払うという習わしがあるためです。あと、1988年の民主化デモの際、ミャンマーで象徴的に歌われていた歌があるんですけど、今も市民が一致団結するためにそれを大合唱したり。そういう活動を知ったとき、有事のなかで音楽にできることもあると思いました。</p>

<p><strong>━━タイチさんとコムアイさんはコロナ禍で以前のような活動ができないなかで、音楽の意味や意義について考えたことはありましたか。</strong></p>

<p><strong>オオルタイチ</strong>　コロナ禍の初期の段階ではそうでもなかったんですけど、途中落ち込んだ時期があって。毎日コロナで重症になったり亡くなったりする人がいるということが自分の中でクローズアップされちゃって。ニュースだけ見てると人数ばかりが気になるんだけど、ひとりでも亡くなっていたらとんでもないことで。そんな状況のなか、なんで自分は意地になって東京でライブをやってるんだろうと思ってしまって......。</p>

<p><strong>━━とてもよくわかります。</strong></p>

<p><strong>オオルタイチ</strong>　それ以降、自分の感情のおもむくままに音楽をやることに少し抵抗が出てきてしまって。今、コムアイちゃんとのプロジェクトで熊野に行ったりしてますけど、何かを理解しながら音楽を作っていくとか、何かとの相互作用のなかで音楽を生み出していくとか、そういう方向に向かっているんですよ。ゼロから生み出すよりも「知りたい」という欲求のほうが強いというか。</p>

<p><strong>━━コムアイさんはどうですか。</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　私も「もっと知りたい」とか「勉強したい」という気持ちが強くて、それも必ず人と結びついています。インドの古典音楽やアイヌの歌を習ってるんですけど、それぞれの先生のことが大好きで習ってるんですね。タイチさんと熊野に行くのも一緒。コロナ禍に入ってからはフィールドワークをする場所があるということにも助けられたし、私の表現において、人とのコミュニケーションが核になっているということにも気づかされました。</p>

<p><strong>━━今回のリミックスも音を通じてミャンマーの人たちとコミュニケーションしているような感覚？</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　そうですね。音楽を通じて直接繋がっているというかね。</p>

<p><strong>━━9月のイベント＜Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-＞を井口さんが企画した経緯を教えてください。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　もともとは、ミャンマーの古典音楽を日本の最高の技術者達の力を借りて、現地から世界へ向けて配信するイベントを実施するつもりだったんですよ。それがコロナとクーデターでできなくなって。こういう時期だからこそミャンマーの文化を紹介する必要性を感じて、このイベントを企画しました。</p>

<p><strong>━━文化を紹介するとともに、ミャンマーで起きていることを日本の人々に伝えるという目的もあるんでしょうか。ミャンマーのことを忘れさせないというか。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　そうですね。それもあってイベントのサブタイトルに「Stay with Myanmar」と付けました。ミャンマーとの距離は遠くなってしまったけれど、遠隔で作品制作をやる方法も見えてきたし、僕自身、関わり続けようと思っていて。そうやって日本人が関わることは向こうの人たちにとっても嬉しいことだと思うし、きっと次のアクションに繋がっていくはずなんですよね。</p>

<p><strong>━━タイチさんとコムアイさんも出演されますが、どんなライブになりそうでしょうか。</strong></p>

<p><strong>コムアイ</strong>　クーデター後に生まれたヤンゴンの音にも興味があって、井口さんからいろんな音をいただいています。井口さんがさっき話していた民主化デモの鍋の音だったり、ヒップホップのトラックだったり。それをそのまま使うとメッセージ色が強くなっちゃうので、扱い方を考えています。音楽的にはミャンマーの美しい側面をたっぷり伝えたいなとも思っていて。</p>

<p><strong>オオルタイチ</strong>　自分のできることって、できるだけ丁寧にミャンマーの音楽と向き合うということだと思うんですね。ミャンマーの歴史や今行われている悲惨な行為って本当に酷いことだと思うし、人が持っている良心みたいなところに音楽で力を与えるようなライブになればいいなと。</p>

<p><strong>━━最後に井口さん、配信をご覧になる方々にどんなことを感じてほしいと思いますか。</strong></p>

<p><strong>井口</strong>　ミャンマーの音楽ってすごく魅力的で個性があるし、一度聴くと忘れられないと思うんですね。配信を通じてミャンマーのことを身近に感じてほしいですし、ミャンマーのことをぜひ自分の身体に取り入れてもらって、ミャンマーのことを忘れないでいてほしいですね。「Stay with Myanmar」でいてほしいです。</p>
</p>
</div>

<div class="img-box fade-up">
<img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143918/interview210917_staywithmyanmar_9.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1080" class="alignnone size-full wp-image-408469" /></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143905/interview210917_staywithmyanmar_7.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1080" class="alignnone size-full wp-image-408467" /></div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143911/interview210917_staywithmyanmar_8.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-408468" /></div>

<div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/03143932/interview210917_staywithmyanmar_11.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1440" class="alignnone size-full wp-image-408471" /></div>

<div class="text-box right fade-up">
<p>Text by 大石始</p>
</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">PROFILE</h3>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/02183920/interview210917_staywithmyanmar_1.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1371" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-408371" /></div>

<p class="name">KOM_I</p>
<p class="text">アーティスト。1992年生まれ、神奈川育ち。ホームパーティで勧誘を受けて加入した「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして、国内だけでなく世界中のフェスに出演、ツアーを廻る。
2019年4月3日、屋久島でのフィールドワークをもとにプロデューサーにオオルタイチを迎えて制作した音源「YAKUSHIMA TREASURE」をリリースし、公演を重ねる。2021年、新しい形の音楽体験「YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from 屋久島」をオンラインにて公開。（<a href="https://another.yakushimatreasure.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://another.yakushimatreasure.com/</a>）現在はオオルタイチと熊野に通いながら新作を準備中。2020年からOLAibiとのコラボレーションも始動。北インドの古典音楽や能楽、アイヌの人々の音楽に大きなインスピレーションを受けながら音楽性の幅を広げている。
音楽活動の他にも、ファッションやアート、カルチャーと、幅広い分野で活動。
2020年にアートディレクターの村田実莉と、架空の広告を制作し水と地球環境の疑問を問いかけるプロジェクト「HYPE FREE WATER」が始動するなど、社会課題に取り組むプロジェクトに積極的に参加している。

<a href="https://www.instagram.com/kom_i_jp/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>KOM_I Instagram</strong></a> | <a href="https://twitter.com/KOM_I" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>KOM_I Twitter</strong></a>
</p>

<div class="separator"></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/02183909/interview210917_staywithmyanmar_2.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1280" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-408370" /></div>

<p class="name">オオルタイチ</p>
<p class="text">1979年奈良県三宅町に生まれる。『漂流する内的民俗』をキーワードに1999年よりオオルタイチとして活動を開始。電子音と非言語の歌が融合した音楽を展開する。当初は即興演奏を軸に楽曲制作を行っていたが、90’ダンスホールレゲエとの出会いによりトラック制作を本格的に開始。かねてから衝動的な即興表現として用いられていた声の要素がパトワ語の響きに触発され、さらに歌のようなものへと変化、現在のスタイルへと発展した。
国内に留まらず海外での活動も精力的に行う。2012年Japan Society（ニューヨーク）での単独イベント開催、2017年The Broad（ロサンゼルス）で開催された”Summer Happening"への出演をはじめヨーロッパ、アメリカ、韓国、香 港、台湾など各地のイベントから招聘を受けツアーや公演を行う。 2014年にはUSレーベルMATADOR傘下より2ndアルバム『Drifting my folklore』がライセ︎ンスリリースされた。
現在、コムアイとの熊野での楽曲制作や石田多朗との雅楽プロジェクト”どんぶらこ”などが進行中。2020年NHK総合で放映されたアニメ「映像研には手を出すな！」では劇伴音楽を担当するなど活動は多岐にわたる。

<a href="http://okimirecords.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>詳細はこちら</strong></a>
</p>

<div class="separator"></div>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/02183900/interview210917_staywithmyanmar_4.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1428" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-408369" /></div>

<p class="name">井口　寛</p>
<p class="text">
日本とミャンマーを拠点に活動する音響技師。2013年から日本とミャンマーを2拠点としながら、ミャンマーの伝統音楽1000曲を記録・保存するプロジェクト「Gita Yadana」（ギタ ヤダナ）に参加、７年の歳月をかけて全曲の記録を成功させる。自ら音楽レーベル「ROLLERS recordings」を立ち上げ、自身でプロデュース・録音をした作品の発表も行う。近年は、映像制作やダンス作品への楽曲提供、ミャンマーでのフィールドワークにも力を入れている。2016年に国際交流基金のフェローとして訪れたミャンマー北西部の丘陵地帯で少数民族・ナガ族に出会い魅せられ、以降ナガのユニークな文化の調査・記録を続けている。ナガ族の巨大ドラム作りを記録した映像作品「ナガのドラム」は2020年東京ドキュメンタリー映画祭で上映され大きな話題を呼んだ。

<a href="https://www.mynameisrollers.net/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>詳細はこちら</strong></a>
</p>
</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">EVENT INFORMATION</h3>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/02183931/interview210917_staywithmyanmar_3.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1358" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-408372" /></div>

<p class="name">Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-</p>
<p class="text">2021年9月25日（土）、26日（日）
配信コンテンツは10月3日（日）まで同チャンネルにてアーカイブ
配信プラットフォーム：ローラーズ公式YouTubeチャンネルにて
視聴費：無料
クラウドファンディング：9月1日（金）よりCAMPFIREにて開始。イベント制作資金を募り、それを超えた分は現地音楽家の新作制作資金に充てる。
配信コンテンツ：
音楽 - 2021年9月25日（土）18:00〜
・Bo Thu Rain Group（サインワインと歌と踊りでミャンマー芸能を披露）
・ここが面白い！ミャンマー古典音楽（レクチャー、講師・丸山洋司）
・大友良英 Cathode for Myanmar（ミャンマーのゴングをキー楽器にした全曲書き下ろしの演奏）
9月26日（日）15:00〜
・Cho Cho Aye with 村上巨樹（ミャンマー古典音楽とマンダレー・ミョーマ楽団のレパートリーを演奏）
・栗コーダーカルテットwithビューティフルハミングバード（オリジナル曲とミャンマー古典を織り交ぜた楽曲を演奏）
・オオルタイチ, コムアイ（ミャンマーの音を題材にした新作パフォーマンスを披露）

オンライン展示コンテンツ：
写真 - 9月1日（金）からイベントホームページ上で展示
Zaw Min、⻲山仁、兵頭千夏、Spring Revolution in Myanmar
絵画 - 9月10日（金）からイベントホームページ上で展示
・The Room
The Roomはサンサンウー医学博士とアウンミン医学博士が主催するヤンゴンのアートセラピーです。セラピーに参加する精神疾患を患った患者が描く作品とアウンミン自身が描く自画像を展示致します。
主催・問い合わせ：mynameisrollers＠gmail.com（株式会社ローラーズ）

<a href="https://www.youtube.com/c/rollers-view" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>ローラーズ公式YouTubeチャンネル</strong></a> | <a href="https://camp-fire.jp/projects/view/483718" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>CAMPFIRE</strong></a> | <a href="https://www.pwalpwalpwal.com/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>イベントHP</strong></a>
</div>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">RELEASE INFORMATION</h3>

<div class="img-box fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/09/02183941/interview210917_staywithmyanmar_5.jpg" alt="Pwal！ Pwal！ Pwal！ ＃1 -Stay with Myanmar-" width="1920" height="1912" class="alignnone size-full wp-image-408373" /></div>

<p class="name">Kalab Mixed Myanmar ＃1</p>
<p class="text">2021年11月7日（日）
販売価格：￥3,960（tax incl.）
レーベル：ローラーズ・レコーディングス
トラックリスト
A1 Ar Chit Yee（OORUTAICHI, KOM_I Remix）
A2 Ka Chey There（Asa Tone Remix）
B1 Shwe Oh Si （Andi Otto Remix）
B2 Ka Chey There（Prabumi Remix）
C1 Aung Min Ga La （El Buho Remix）
C2 Burmese Piano Improvisation（Barda Remix）
C3 Ka Chey There（Barrio Lindo Remix）
D1 Ba Wa Than Tha Ya （Churashima Navigator Remix）

ミャンマーの民族音楽を国内外のアーティスト達がリミックス。プロデューサーShhhhhの呼びかけに、南米Shika ShikaからBarrio Lindo、El Buho、Andiotto、Bardaが、東南アジアからはAsa Tone, PRABUMI、そして日本からはOORUTAICHI, KOM_IとChurasima Navigatorが参加。数百年の歳月をかけて積み重なってきた摩訶不思議なミャンマー音楽を、今を生きる世界中のリミキサーが独自に解釈し、新たな地平を示す。

<a href="https://www.mynameisrollers.net/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>詳細はこちら</strong></a>
</p>

</div><p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
</description>
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	</ol>
</div>
	</item>
		<item>
		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/art-culture/naquyo-210415/393799/</guid>
		<title>平安京のサウンドスケープを現代に生かす・活かす ── ＜NAQUYO－平安京の幻視宇宙－＞イベントレポート</title>
		<link>https://qetic.jp/art-culture/naquyo-210415/393799/</link>
		<comments>https://qetic.jp/art-culture/naquyo-210415/393799/#respond</comments>
		<pubDate>Thu, 15 Apr 2021 09:00:03 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[竹田賢治]]></dc:creator>
		<category>6</category>

		<guid isPermaLink="false">https://qetic.jp/?p=393799</guid>
<![CDATA[<summary><p>KYOTO STEAM -世界文化交流祭-とMUTEK.JPのコラボレーションによって開催された＜NAQUYO 平安京の幻視宇宙＞は、電子音楽とデジタルアートを通して平安京のサウンドスケープを現代の京都に浮かび上がらせようという壮大なアート・プロジェクトだ。3月27日にロームシアター京都で行われた公演では、3組のアーティストがパフォーマンスを披露。翌日にはワークショップも開かれ、公演を実現させたテクノロジーについて出演者やアーティストが解説。芸術とテクノロジーと平安時代の宇宙的理論が交差する、極めて稀な機会となった。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1440" height="960" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155250/art210414_naquyo_main-1440x960.jpg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="NAQUYO" decoding="async" srcset="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155250/art210414_naquyo_main-1440x960.jpg 1440w, https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155250/art210414_naquyo_main.jpg 1920w" sizes="(max-width: 1440px) 100vw, 1440px" /></figure><div class="text-box fade-up">
<p>KYOTO STEAM－世界文化交流祭－とMUTEK.JPのコラボレーションによって開催された＜<strong>NAQUYO－平安京の幻視宇宙－</strong>＞（NAQUYO…読み「ナクヨ」）は、京都の地ならではの文化研究を礎に、電子音楽とデジタルアートを融合させて平安京のサウンドスケープを現代の京都に浮かび上がらせようという壮大なアート・プロジェクトだ。3月27日にロームシアター京都サウスホールで行われた公演では、3組のアーティストがパフォーマンスを披露。翌日にはワークショップも開かれ、公演を実現させたテクノロジーについて出演者やアーティストが解説。芸術とテクノロジーと平安時代の宇宙的理論が交差する、極めて稀な機会となった。</p>
</div>

<h2 class="fade-up">EVENT REPORT：＜NAQUYO－平安京の幻視宇宙－＞</h2>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>方位、色彩、四神相応…平安京の都市設計を音で映し出す梵鐘</h3></p>
</div>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155357/art210414_naquyo_17.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1281" class="alignnone size-full wp-image-393826" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<div class="text-box left fade-up">
<p>近世以前の日本では、五行思想などを土台とする複雑な音楽理論が体系化されていたとされる。たとえば、文治元年（1185年）に北山隠倫凉金が著したとされる楽書『管絃音義』。民族音楽学・サウンドスケープ論の研究者である<strong>中川真</strong>は、この書について「<strong>音を方位、季節、色彩、母音、内臓、世界の元素などとの連関のなかで捉えようとする、すぐれて体系的で宇宙論的な学</strong>」（『平安京 音の宇宙』）と書いている。中川によると、音や色彩を媒介として、人間と宇宙を繋げるこうした観点は中国から持ち込まれたものだったという。雅楽の思想的背景のひとつにもなったその理論は、現代に生きる私たちに音と世界の新たな関係性を教えてくれるものだ。そして、驚くことに、そうした理論体系は794年に開かれた平安京の都市設計にも応用されていたともいわれている。

よく知られているように、平安京は東西南北を四神――東に流水（青竜）、西に大道（白虎）、南に窪地（朱雀）、北に丘陵（玄武）――が守護する「四神相応」の地だったとされている。その思想は、平安京に並ぶ寺院の釣り鐘「<strong>梵鐘</strong>」の調律にも反映されていたのではないか？　中川真が著書『<strong>平安京 音の宇宙</strong>』で解いたのは、そうした四神相応の思想を元にした平安京のサウンドスケープだった。＜NAQUYO－平安京の幻視宇宙－＞の出演者のひとり、<strong>長屋和哉</strong>は90年代に中川の著作を通してその音世界に触れ、大きな衝撃を受けたと話す。

「『平安京 音の宇宙』を読んで驚いたのは、それぞれの寺院に掲げられた梵鐘のピッチ（音程）が四神相応の考え方に即していたということだったんですよ。平安京に住んでいた人たちは、この現実の世界に住んでいながら、四神相応の神々に守られた理想の世界にも暮らしていたわけですよね。つまり、平安京では2つの世界が二重写しになっていた。僕らが知っている街や都市とはまったく別の空間がそこには広がっていたわけで、僕にとって重要なイマジネーションになったんです」（長屋和哉）

長屋はこれまでに国内外のレーベルから数多くのアンビエント・アルバムをリリースし、初期には修験の聖地である吉野を舞台に作品制作を行ってきた。各地の風土や歴史からインスパイアされながら音楽制作を続けてきたわけだが、そうした長屋にとっても平安京のサウンドスケープをモチーフとする作品作りは長年温めていたアイデアだったという。4年ほど前、そうした構想をMUTEK.JPに持ちかけたところ、実現に向かってプロジェクトがスタート。中川真もアドバイザーとして関わることによって、今回ようやく実現することになった。

まず行われたのが、梵鐘の音のレコーディングだ。これまでゴングや鐘を作品に取り入れてきた長屋にとっても、寺院にセッティングされている現役の梵鐘をレコーディングするのは初めての体験だった。

「5つのピッチに則した梵鐘を中川さんに選んでもらい、何パターンかの方法でレコーディングしました。でも、実際にレコーディングしてみると、どうもイメージしている梵鐘の音と違うんですよ。もっと軽い音がする。つまり、僕らはこの日本という場所で生きるなかで、知らず知らずのうちに文化的なバイアスのようなものを抱えていて、梵鐘の音のイメージを自分たちの中で作り上げてしまってるんですね。なので、実際にレコーディングされた音を自分のイメージの音に近づけるために、ひとつずつ加工していった。梵鐘も劣化が進んだものだと音の余韻が短くなるので、長く加工しました」（長屋和哉）

同じ梵鐘の音でも、録音や加工などで携わった人物の視点によって音色は変容する。ありのままの音を作品に落とし込もうとしても、そこには何らかの「創作」が加わるのだ。今回の＜NAQUYO－平安京の幻視宇宙－＞という公演自体もまた、平安京のサウンドスケープを再現することだけが目的ではない。長屋をはじめとする3組のアーティストは、梵鐘の音や四神相応の思想をモチーフとしながら、自身の作品世界を自由に描き出した。平安京に由来する文化や思想に軸足を置きながら、2021年の京都でどのような表現を生み出すことができるのか。今回の公演は、新たな創作の方法を探る試みでもあったのだ。</p>
</div>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>三者三様の“平安京の幻視宇宙”</p>
</div>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155229/art210414_naquyo_7.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393809" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<div class="text-box left fade-up">
<p>3月27日の公演当日、どのようなパフォーマンスが行われたのだろうか。その模様をレポートしたい。

最初に登場したのは長屋。ステージ上のテーブルには、鐘状の仏具「おりん」、ネパールのシンギングボール、そしてPCが設置されている。それを囲むように、無数のおりんが四つの円形状に並べられている。その数は実に430個。まるで神事でも始まりそうな厳かな空気が会場を覆っている。

長屋がシンギングボールをこすってドローンを奏で始めると、そこにさまざまな音が重なり合っていく。ストリングス、電子音、あるいはグレゴリオ聖歌のような歌声。随所で梵鐘の音色が響き渡り、その音に呼応するかのように長屋はおりんを打ち鳴らす。すべての音が立体音響によって再生されているため、あらゆる方角から音の風景がじわりじわりと広がっていく。

「今回は京都芸術大学の学生が調査にも関わってくれまして、平安京当時のさまざまな文献から音の記述を拾ってきてくれたんです。たとえば『源氏物語』や『枕草子』に風の記述は何回出てきたか、雨はこういう音だったのではないか、というように。

オンラインで学生たちが調査したものを発表してくれたことがあったんですよ。そのなかで学生のひとりがね、『調査しすぎて夢に平安京が出てきました』と言うんです。しかも、鬼が出てきたと。別の学生も平安京の夢を見たそうで、それ以来、夢日記をつけていると話してくれました。

僕らは平安京のことをやっているかぎりにおいて、何かに触れている気がするんです。中川さんはバリ島で研究もしているんですが、向こうでおかしな経験もだいぶしているらしいんですね。学生の話をしたら、『鬼は本当にいるから、気をつけたほうがいいかもしれない』と言っていました」（長屋和哉）

NAQUYOという今回のプロジェクトは、梵鐘やおりんを作品作りに使い、四神相応の思想をモチーフにしている以上、確実に信仰的領域に踏み込んでいる。長屋はそのことに対するある種の畏れを持ちながら作品を制作している。地域の歴史や風土、信仰に対する長屋の態度は、極めて誠実なものといえるだろう。

長屋の奏でる音に対してもうひとつの世界を描き出すのが、トルコ生まれの<strong>アリ・M・デミレル</strong>だ。アリは90年代からリッチー・ホウティン（Richie Hawtin）とコラボレーションを重ねてきた映像作家。長屋の背後には、彼の制作した映像作品が常に映し出されており、アニミズムに立脚した多層的なイメージが作品世界をさらに奥深いものとしていく。平安京というかつて実在した計画都市からスタートしながらも、長屋の音楽が必ずしも仏教的なイメージだけで構成されているわけではないように、アリの映像も特定の民族性に縛られないイメージの広がりがある。

公演後、「僕のなかでも作品を通じて伝えたいことはいろいろとあった」と話す長屋は、こう続けた。

「僕らの住んでいる都市とは、基本的に機能性を中心に作られているわけですよね。平安京ももちろん機能性については考えられているわけですけど、都市設計に『神の目』が組み込まれている。平安京に限らず、古代都市とはしばしばそういった思想がまちづくりに反映されています。日本は超高齢化社会に入っていますが、そのなかで死をどう扱うべきか考えていかなくてはいけないと思います。今後の日本では都市の思想がふたたび見つめ直されていくと思うし、平安京が成し遂げていたものがひとつのヒントになるんじゃないかと考えているんです。僕にとってはそれが今回の重要なテーマでもありました」（長屋和哉）
</p>
</div>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155235/art210414_naquyo_6.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393810" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155301/art210414_naquyo_2.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393815" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155245/art210414_naquyo_4.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393812" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<div class="text-box left fade-up">
<p>2組目に登場したのが、オーディオ・ヴィジュアル・アーティストの<strong>赤川純一</strong>と、ダンサーである<strong>nouseskou</strong>のコンビだ。客電の点いた会場に携帯電話を片手にしたnouseskouが入ってくると、無音状態のまま、会場内の光景を動画で撮影していく。いったい何が始まるのだろうか？　やがて彼が撮影する映像はステージ上に映し出され、同じように携帯を手にした赤川純一がステージ上に現れた。

目まぐるしく展開するイメージと音。点滅するストロボ。渋谷の雑踏の風景が挟み込まれたかと思えば、赤川とnouseskouが床に寝転び、岩を打ち鳴らす音を響かせる。赤川は音を奏でるだけでなく、自身もパフォーマンスを行う。なかには明らかに四神相応を意識しているであろうダンス・パフォーマンスもある。

2人のパフォーマンスのなかでも梵鐘の音が重要な要素となっていた。梵鐘の音がドローン状に引き伸ばされる瞬間もあり、同じ音を扱っていても長屋とはアプローチが異なる。テクノロジーと身体と電子音がぶつかり合いながら、2021年の京都に新しい四神相応のサウンドスケープが作り出されていく。

3組目としてパフォーマンスを繰り広げたのが<strong>Yuri Urano</strong>と<strong>Manami Sakamoto</strong>の2人。Uranoはエレクトロニック・ミュージックと自身の声や自然音をブリコラージュさせた作風で知られるアーティスト。一方のSakamotoは東京を拠点とするヴィジュアル・アーティストで、海外のメディアアート・フェスにもたびたび出演している。

赤川とnouseskouはステージを大きく使い、時には客席にまで降りていってパフォーマンスを繰り広げたが、UranoとSakamotoはスクリーン前に機材をセッティング。梵鐘の音色、鳥の鳴き声、水や石のイメージを用いながら、平安京のサウンドスケープを現代に再構築していく。会場で配られたパンフレットには2人のこんなコメントが記載されている。「1200年の時間の中に漂うノイズやエレメント。そして平安京から受け継がれるクリエイティヴィティを頼りに、現代に生きる私たちが創造するサウンドスケープの中で“静”と“動”を再現します」――その言葉どおり、中盤からはヘヴィーなキックが鳴り響く。それは多くの人々が行き交い、喧騒渦巻く大都市でもある京都と、かつてその場所に存在していた平安京の音風景を二重写しにしたものだったのかもしれない。やがて2人のパフォーマンスはふたたび静寂の世界へと舞い戻り、静かにエンディングを迎えた。</p>
</div>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155221/art210414_naquyo_9.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393807" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155212/art210414_naquyo_11.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393805" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155208/art210414_naquyo_12.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393804" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155153/art210414_naquyo_14.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1281" class="alignnone size-full wp-image-393801" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<div class="text-box fade-up">
<p><h3>平安京のサウンドスケープを現出させたテクノロジー</p>
</div>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11163643/art210414_naquyo_24.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393828" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<div class="text-box left fade-up">
<p>翌3月28日には前日と同じロームシアター京都を会場に、公演の際に採用されたテクノロジーについて解説する＜<strong>NAQUYO Audiovisual Workshop</strong>＞が開催された。

この日のワークショップは4つのセッションで構成されていた。ひとつめは「<strong>静寂の技法～過去の音、未来の静寂のために</strong>」と題された長屋和哉のレクチャー。ここでは前夜のパフォーマンスの背景にあった思想と、静寂を作り出すための技法が解説された。かつての平安京では遠く離れた桜島の噴火の音が聴こえたというが、それほどまでにハイファイな音環境のなかで、梵鐘はどのように鳴り響いていたのだろうか。現在の都市から失われつつある空白／静寂とは、新たな創造の手がかりになるのではないか。いくつものヒントの詰まったレクチャーであった。

二番目のセッションでは、メディア・アーティストである<strong>Ayako Okamura</strong>が音楽制作ソフトウェアである<strong>Ableton Live</strong>と<strong>TouchDesigner</strong>の使用例を解説。最先端のオーディオ・ヴィジュアルの領域でいったい何が行われているのか、現在のデジタル・テクノロジーに縁のない参加者にも分かりやすく教えてくれるセッションだった。

三番目のセッションでは、京都を拠点とする実験集団「<strong>SPEKTRA</strong>」が光と空間演出の方法についてレクチャーを行った。プログラマーやデザイナーなど複数のメンバーで構成されているSPEKTRAは、光を使った作品制作や空間・ライヴ演出、ライト・インスタレーションのほか、作品化に向けた実験と調査を繰り返している。ここでは彼らがこれまでに行ってきた実践を紹介しながら、テクノロジーを応用した空間演出方法が具体的に解説された。

この日最後のセッションとなったのが、前日の公演の裏側を明かす赤川純一とnouseskouのレクチャ－「<strong>裏から覗くパフォーマンス</strong>」だ。ここではiPhoneやiPadで複数のソフトウェア（Ableton Live、TouchDesigner、ZigSim、Touch OSC）を走らせる複雑な機材構成図のほか、赤川とnouseskouの創作ノートも公開。最先端のテクノロジーを用いながらも、「直前までお互いにアイデアを出しまくって、考え、話し合い、実験を繰り返していきました。クリエイションしながら本番になだれ込んだような感じだった」と赤川が話すように、創作のプロセス自体はかなり泥臭いやり方だったようだ。2人はこう話す。

「僕は身体表現であってもテクノロジーであっても音楽であっても、表現しているのが人間である以上、一緒にやるうえでは2人の心のバランスを取るのが大事だと思っていました」（nouseskou）

「テクニカルな領域でも必ず制限はあるんですよね。たとえばケーブルの長さに限界があったり、それによって機材を置く場所も決まってきたり」（赤川純一）

「人って何か制限があったほうが動きが発揮できることもある。むしろテクノロジーの制限のおかげで普段にはないおもしろい動きが生まれることもあるんですよ」（nouseskou）</p>
</div>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155318/art210414_naquyo_18.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1281" class="alignnone size-full wp-image-393818" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155312/art210414_naquyo_21.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1281" class="alignnone size-full wp-image-393817" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155135/art210414_naquyo_26.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1282" class="alignnone size-full wp-image-393800" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155347/art210414_naquyo_23.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1281" class="alignnone size-full wp-image-393824" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155337/art210414_naquyo_27.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1282" class="alignnone size-full wp-image-393822" /></div><figcaption>Photo by 岡安いつ美（Itsumi Okayasu）</figcaption>
</figure>

<div class="text-box left fade-up">
<p>この日もっとも印象に残ったのは、赤川のこの言葉だ。

「生身のものをデジタルに変えた時点でいろんな情報がこぼれ落ちてしまうし、バグみたいなものが生まれるんですよね。むしろ『そうしたバグと遊ぶ』という感覚がありました。システムは最初に構築しておかないといけないわけで、生身の身体や楽器に比べると制約が多いけど、そのうえでバグと遊ぶ。そこを楽しめればと思っていましたね」（赤川純一）

テクノロジーとはあくまでも技術である。それをどう使い、何を表現するのか。さまざまな技法が紹介されたワークショップの最後に創作の原点について話が及んだことは、今後のプロジェクトの展開を考えても重要な意味を持っていたといえるだろう。

NAQUYOプロジェクトは2020年10月にDOMMUNEで行われたオンライン・トークイベントを皮切りに、12月のトークイベント＜平安京の音宇宙を想像する－文学と美術史料から探るサウンドスケープ－＞、さらには今回開催されたパフォーマンスとワークショップと展開され、2020年度の活動は幕を下ろした。だが、KYOTO STEAM－世界文化交流祭－実行委員会によると、その試みは2021年度も継続されていく予定だという。

冒頭でも触れたように、近世以前の日本では音を方位や季節で捉える宇宙観が構築されていたわけだが、こうした感覚は現在のクリエイティヴの領域においても活かすことができるはずだ。そして、現在NAQUYOプロジェクトで行われている試みも、ひょっとしたら数百年後のクリエイターたちにとって何らかの創作のヒントになるのかもしれない。
</p>
</div>


<div class="text-box right fade-up">
<p>Text by 大石始</p>
</div>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155216/art210414_naquyo_10.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393806" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155225/art210414_naquyo_8.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393808" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155203/art210414_naquyo_13.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393803" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155159/art210414_naquyo_15.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1281" class="alignnone size-full wp-image-393802" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155241/art210414_naquyo_5.jpg" alt="NAQUYO" width="1920" height="1280" class="alignnone size-full wp-image-393811" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<figure><div class="full-img fade-up"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2021/04/11155257/art210414_naquyo_3.jpg" alt="NAQUYO" width="1280" height="1920" class="alignnone size-full wp-image-393814" /></div><figcaption>Photo by 井上嘉和（Yoshikazu Inoue）</figcaption>
</figure>

<div class="profile">
<h3 class="profile-title">INFORMATION</h3>

<p class="name">NAQUYO－平安京の幻視宇宙－
KYOTO STEAM in collaboration with MUTEK.JP</p>
<p class="text">KYOTO STEAM－世界文化交流祭－実行委員会と、最先端テクノロジーを用いた音楽とデジタルアートの祭典「MUTEK」を主催するMUTEK.JPでは、様々なクリエイターや研究者、エンジニア等の協力のもと、最新の音響･映像技術と、京都の地ならではの文化研究を融合させ、1200年前の平安京のサウンドスケープ（音風景）を創造するアートプロジェクト「NAQUYO－平安京の幻視宇宙－」に取り組んでいます。

※NAQUYO＃3、＃4のアーカイブ映像は<a href="https://kyoto-steam.com/program/event04/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>こちら</strong></a>

※NAQUYO＃1･＃2のアーカイブ映像は<a href="https://kyoto-steam.com/program/event04/video/" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>こちら</strong></a>

<a href="https://kyoto-steam.com/program/event04/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">詳細はこちら</a>
</p>
</div><p>© Qetic Inc.</p>
</article>]]>
</description>
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		<guid isPermaLink="true">https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/</guid>
		<title>折坂悠太の初期作品『あけぼの』『たむけ』アナログ化記念！制作秘話など語った公式インタビューが公開</title>
		<link>https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/</link>
		<comments>https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/#respond</comments>
		<pubDate>Fri, 30 Oct 2020 04:00:34 +0900</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[Qetic編集部]]></dc:creator>
		<category>6</category>

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<![CDATA[<summary><p>折坂悠太が活動初期にリリースしたミニアルバム『あけぼの』とアルバム『たむけ』が、それぞれアナログレコードで11月3日（火・祝）に発売される。このたび両作品のリリースを記念して、本人のオフィシャルインタビューが公開となった。</p>
</summary>]]>
<description><![CDATA[<article><figure><img width="1440" height="1079" src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123227/music201030_orisakayuta_3-1440x1079.jpeg" class="attachment-medium size-medium wp-post-image" alt="折坂悠太" decoding="async" srcset="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123227/music201030_orisakayuta_3-1440x1079.jpeg 1440w, https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123227/music201030_orisakayuta_3.jpeg 1920w" sizes="(max-width: 1440px) 100vw, 1440px" /></figure><a href="https://qetic.jp/?s=%E6%8A%98%E5%9D%82%E6%82%A0%E5%A4%AA" rel="noopener noreferrer" target="_blank"><strong>折坂悠太</strong></a>が活動初期にリリースしたミニアルバム『<strong>あけぼの</strong>』とアルバム『<strong>たむけ</strong>』が、それぞれアナログレコードで11月3日（火・祝）に発売される。このたび両作品のリリースを記念して、本人のオフィシャルインタビューが公開となった。

<h3>折坂悠太のオフィシャルインタビューが公開！</h3>

今回公開されたインタビューでは、当時は語られなかった『あけぼの』『たむけ』の制作にまつわる話のほか、折坂の活動初期から直近に到るまでの貴重なエピソードが掲載されている。なおインタビュアーは、<strong>大石始</strong>が担当している。

<a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/music201030_orisakayuta_3/" rel="attachment wp-att-375727"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123227/music201030_orisakayuta_3-1920x1439.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1439" class="alignnone size-large wp-image-375727" /></a>

2013年から2019年までのライブ活動の軌跡を総括したライブ音源作品『<strong>暁のわたし REC2013-2019</strong>』を、先月8月に通販のみでリリースした折坂。今回アナログ化が実現した2タイトルは、折坂自身が全編の楽器演奏／録音を行った、完全自主制作による作品だ。アナログ用にデザインが刷新されて、11月3日（火・祝）にリリースとなる。

<a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/music201030_orisakayuta_7/" rel="attachment wp-att-375731"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123244/music201030_orisakayuta_7-1920x1920.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1920" class="alignnone size-large wp-image-375731" /></a>

<figure><a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/music201030_orisakayuta_8/" rel="attachment wp-att-375732"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123249/music201030_orisakayuta_8-1920x1920.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1920" class="alignnone size-large wp-image-375732" /></a><figcaption>あけぼの［12inch］</figcaption>
</figure>

<a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/music201030_orisakayuta_6/" rel="attachment wp-att-375730"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123240/music201030_orisakayuta_6-1920x1920.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1920" class="alignnone size-large wp-image-375730" /></a>

<figure><a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/music201030_orisakayuta_5/" rel="attachment wp-att-375729"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123236/music201030_orisakayuta_5-1920x1920.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1920" class="alignnone size-large wp-image-375729" /></a><figcaption>たむけ［12inch］</figcaption>
</figure>

また折坂は、11月2日（月）より放映されるフジテレビ系月曜9時枠ドラマ『<strong>監察医 朝顔</strong>』の主題歌を、昨年に引き続き楽曲“<strong>朝顔</strong>”で担当。さらに、11月20日（金）公開の映画『<strong>泣く子はいねぇが</strong>』の主題歌／音楽も担当している。活動の幅をますます広げている折坂悠太に今後もご注目を。

<h3>折坂悠太 - 朝顔 （Official Music Video） ／ Yuta Orisaka - Asagao</h3>

<div class="movie_wrap"><iframe width="700" height="394" src="https://www.youtube.com/embed/tZs7LDOxRes" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div>

<div class="information">
<h2>RELEASE INFORMATION</h2>
<h3>あけぼの［12inch］</h3>

<a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/orsk-012_jacket_200812-2/" rel="attachment wp-att-375728"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123232/music201030_orisakayuta_4-1920x1920.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1920" class="alignnone size-large wp-image-375728" /></a>

2020年11月3日（火・祝）
￥2,000（＋tax）
折坂悠太
品番：ORSK-012
ASMART限定特典：特製レコード帯（巻き帯仕様）

side A：
1. あけぼの
2. 角部屋
3. のびやか

side B：
1. 窓
2. きゅびずむ

<a href="https://www.asmart.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shopid=0&cat=100197200&pid=10026104" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">詳細はこちら</a>

<div class="separator"></div>

<h3>たむけ［12inch］</h3>

<a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/tamu_noro-007_jacket_200807-2/" rel="attachment wp-att-375726"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123223/music201030_orisakayuta_2-1920x1918.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1918" class="alignnone size-large wp-image-375726" /></a>

2020年11月3日（火・祝）
￥3,000（＋tax）
折坂悠太
品番：NORO-008
ASMART限定特典：特製レコード帯（巻き帯仕様）

side A：
1. 皆様
2. 道
3. 犬ふぐり
4. よるべ
5. 稲穂

side B：
1. あさま
2. 轍
3. 鳥
4. 馬市（独奏）

<a href="https://www.asmart.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shopid=0&cat=100197200&pid=10026105" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">詳細はこちら</a>

<div class="separator"></div>

<h3>暁のわたし REC2013-2019 ［2CD＋Booklet］</h3>

<a href="https://qetic.jp/music/orisakayuta-201030/375723/attachment/music201030_orisakayuta_1/" rel="attachment wp-att-375725"><img src="https://cdn.qetic.jp/wp-content/uploads/2020/10/30123219/music201030_orisakayuta_1-1920x1920.jpeg" alt="折坂悠太" width="1920" height="1920" class="alignnone size-large wp-image-375725" /></a>

絶賛販売中
￥4,545（＋tax）
折坂悠太
品番：ORSK-011

iro：
1. あけぼの（2014年・おんがくのじかん録音）
2. 犬ふぐり（2017年8月18日・晴れたら空に豆まいて）
3. ボーン（2015年5月24日・クークーバード）
4. きゅびずむ（2018年6月3日・橋の下世界音楽祭2018）
5. 安里屋ユンタ（2018年6月3日・橋の下世界音楽祭2018）
6. 女坂（2014年・おんがくのじかん録音）
7. 角部屋（2015年8月29日・Sofar Sound Tokyo）
8. 揺れる（2019年8月13日・韓国 Moranae Fantasy）
9. さびしさ（2019年11月22日・ヒューリックホール東京）
10. いつでも夢を（2019年12月19日・WWWX）

ha：
1. ざわめき（2017年6月28日・晴れたら空に豆まいて）
2. 坂道（2018年11月11日・NEWTOWN）
3. 逢引（2018年11月11日・NEWTOWN）
4. からす（2015年11月23日・UrBANGUILD）
5. 馬市（2016年4月23日・FOREVER YOUNG BIG）
6. みーちゃん（2019年7月6日・OUR FAVORITE THINGS 2019）
7. 調律（2019年8月某日・韓国 作業室）
8. 朝顔（2019年11月22日・ヒューリックホール東京）
9. 芍薬（2019年10月13日・SHIBUYA全感覚祭-Human Rebellion-）
10. 伊香保（2013年6月30日・おんがくのじかん）

<a href="https://orisakayuta.jp/akatsuki/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">特設サイト</a>

<a href="https://orisakayuta.jp/akatsuki/interview/" class="btn" target="_blank" alt="Link" rel="noopener noreferrer">インタビュー掲載ページ</a>

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