激な予告編や、豪華キャストが目を惹く美麗な3種のチラシの登場と、すでに大反響を巻き起こしているラース・フォン・トリアー監督の最新作『ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2』 。

Vol.1の日本公開まであと1ヶ月ほどと近づいて来たが、このほど、本作をいち早く鑑賞した『愛のむきだし』『TOKYO TRIBE』の園子温監督を始め、作家のよしもとばなな、非モテ女子エッセイなどで知られる能町みね子、『愛の渦』の三浦大輔監督ら、さまざまな著名人からコメントが到着。いずれも共感と感嘆、そして若干の嫌悪さえ入り混じった感想を寄せており、またもや物議をかもしそうな第4弾のチラシビジュアルとともに解禁となった。

<著名人コメント>
よしもとばなな(作家)
笑ってはいけないはずの場面で何回も吹き出してしまった。ここまで来ると痛快です! 彼の撮った映画の中で私はいちばん好き。 

園子温(映画監督)
最近、映画が甘すぎて面白くないと思ってる俺にとって、これほどの好物はない。これぞ求めてた映画! これぞラース・フォン・トリアーの醍醐味! 日本の女優はこれを見て猛反省して、今すぐ全裸になってFU◯Kシーンをしろ!

桜木紫乃(作家)
愛が嫉妬交じりの強い性欲にすぎないなら、性欲もまた、愛と嫉妬を煮詰めたかなしみに過ぎないのだろう。官能作品の役割は『赦し』。腹が立つほどの、傑作!

樋口毅宏(作家)
罪なき者のみラースに石を投げよ。人類はみなセックスの囚人だ。現代の『好色一代女』。そして『O嬢の物語』。あるいはバージョンアップした『エマニュエル夫人』。

田口ランディ(作家)
主人公・ジョーのオーガズムへのひたむきさは喜劇的であり、そこに愛というエゴが介在しないゆえに、清々しく美しい。悲劇とは愛の産物なのだとラース・フォン・トリアーは世間の恋愛ドラマをあざ笑っている。日常的価値観が転倒し、世界がぐるぐる回転する。驚天動地、トリアーの映画魔術に卒倒です。

菊地成孔(音楽家・文筆家・音楽講師)
安心して「大嫌い」と言える監督のひとりで、「了簡変えてコミカルになった」と聞いたので観たのですが、確かにコミカルではあったけど了簡はほとんど変わってなかったです(笑)。

能町みね子(漫画家)
どろどろで気持ちいい女の一代記。
愛とか恋とか凡庸なものにふりまわされないでいたいと改めて思った。

長塚圭史(劇作家・演出家・俳優)
あまりに多くのショットが脳裏に刻まれてしまった。嫌だと言えば偽善になるが、頷けば狂気に陥ったのかと恐ろしい。それでも美しさを認めてしまうのはどうしたわけか。見てはいけないという理性を、肉体が拒絶する。

雨宮まみ(ライター)
「色情狂」という形をとって描かれる、「普通の」女の性欲の抑圧の物語。
4時間かけてひとりの女の普遍的な人生を観たあと、悲鳴を押し殺さずにはいられない悪夢が待ち構えている。この悪夢こそがトリアーであり、現実である。

三浦大輔(劇団ポツドール主宰・劇作家・映画監督)
ただの「セックス好きな女」の話をこれでもかというくらい、まわりくどく、露悪的に描く執着心に、おっさんの哀愁を帯びた、しつこすぎる「前戯」を見た気分になった。

『ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2』

(Vol.1)10月11日(土)~/(Vol.2)11月1日(土)~新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国順次公開

監督/脚本:ラース・フォン・トリアー『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『アンチクライスト』『メランコリア』
出演:シャルロット・ゲンズブール『メランコリア』、ステラン・スカルスガルド『ドラゴン・タトゥーの女』、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ『トランスフォーマー』 、クリスチャン・スレイター『トゥルー・ロマンス』、ジェイミー・ベル『リトル・ダンサー』 、ユマ・サーマン『キル・ビル』、ウィレム・デフォー『アンチクライスト』、ミア・ゴス、ソフィ・ケネディ・クラーク『あなたを抱きしめる日まで』、コニー・ニールセン『グラディエーター』、ジャン=マルク・バール『グラン・ブルー』、ウド・キア『メランコリア』
2013年/デンマーク・ドイツ・フランス・ベルギー・イギリス/英語/カラー&モノクロ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/字幕翻訳:松浦美奈/原題:NYMPHOMANIAC/上映時間<Vol.1>:1時間57分<Vol.2>:2時間03分
配給:ブロードメディア・スタジオ
(C)2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KÖLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINÉMA

STORY
ある冬の夕暮れ、年配の独身男・セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、裏通りで怪我を負って倒れている女性・ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけ、自分のアパートで介抱する。やがて回復したジョーは、自身の生い立ちについて赤裸々に語り始めた。それは、幼いころから“性”に強い関心を抱き、数えきれないほどのセックスを経験してきた、ひとりの女性の驚くべき数奇な物語だった――。