日本を代表する写真家として、比類なき活躍をつづける荒木経惟。生きることそのものが間断ない写真との対話につらなり、驚嘆すべき才能を操りながら、常に新たな作品を生み出しつづけている。存在そのものが時代の現象といえるほどに自在に跳躍する荒木氏の作品からは、人間味あふれる芳しい香りに満ちた空気が漂いだし、見る者の胸にダイレクトに伝わってくると言う。
そんな荒木経惟が、インスタントフィルムによる作品群を間断なく発表しつづけていることはご存知だろうか。3歳の娘の無垢な問いに触発されて、エドウィン・ハーバード・ランド博士(米1909―91/ポラロイド社の設立者)が約70年前に発明したインスタントカメラの、自由な遊び心あふれるスピリットは、多くの写真家たちに愛され、貴重な作品が生み出されてきた。
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1月29日(火)から代官山蔦屋書店で開催される<荒木経惟展 “淫夢”>では、荒木経惟により撮影されたインスタントフィルム作品から制作されたプリントで構成されている。タイトルは、現在、デジタルにとって変わられつつあるアナログメソッドの継承者として、インスタントフィルムの製造を継承するオランダの「IMPOSSIBLE社」の社名にちなみ、荒木氏により「淫夢」と名づけられた。
オリジナルの鉄でフレーミングされた作品は、生気と静寂を含み、天使と悪魔のささやき声をともに内包する人の心を、鏡のように映し出す。美しくも恐ろしく、哀しくも幸福な現実が、あたかも夢の世界のように捉えられ、彼岸と此岸の架け橋に、我々を導く。
Event Information
荒木経惟展 “淫夢”
2013.01.29(火)~2013.02.17(日)@代官山 蔦屋書店2号館 1階 ブックフロア
OPEN 07:00/CLOSE 26:00
入場無料
※展示作品購入可能:詳しくはお問い合わせ下さい。
主催:代官山 蔦屋書店
協力:IMPOSSIBLE
お問い合わせ:03-3770-2525