日々生まれゆく膨大な音楽。創造性に溢れたあらたな音楽がどんどんと生み出され、とても面白い時代であることは否定出来ないけれど、ジャンルの細分化によって、多くの人に届き受け入れられる音楽というものが、見えにくくなっていることも事実。そんな中でも、叙情的でかつ洗練された、ひと際光り輝くある一つのレーベルがある。「音楽とあたたかい空間」というキーワードとともに、現代エレクトロニカ・シーンの最前線に立つ〈リキッドノート・レコーズ〉は、是非、今知っておくべき音楽コミュニティの一つであろう。
no.9の4thアルバム『Good morning』によって、2007年に歩みを始めた〈リキッドノート・レコーズ〉。日常をより深く感じられるような音の質感は、時代の空気に敏感なリスナーにしっかりと届き、その後も、NanoFingers、URAN等のリリースを重ねてきた。<SonarSound Tokyo 2012>にも出演し注目度も上昇中、光森貴久による「mergrim」名義の初リリースもこのレーベルからであり、その他、M-KODA、KADAN、LO:BLOC、Uran Okajima等、そのラインナップを見るだけでも〈リキッドノート〉の視点は実に興味深い。
今回紹介するのは、レーベルの中心人物でもある城隆之のソロ・プロジェクト、no.9(ナンバーナイン)。「音と共に暮らす」をテーマに掲げ、感情と温度が感じられるようなサウンドは多くのリスナーから支持を集め、これまでに6枚のフルアルバムを発表。その中でも『usual revolution and nine』は、パッヘルベルのカノンのリミックス・トラックが話題となり、さらにバンド編成のプロジェクト「no.9 orchestra」も高く評価されている。
約3年半の時を経てリリースされる新作『The History of the Day』は、全15曲70分以上にも及ぶ大作。エレクトロニックとオーガニックの絶妙な融合、風景が見える音像。それは、彼が日々音楽に向き合い、築き上げてきた壮大な記録。今作には、haruka nakamura、paniyolo(SCHOLE)、青葉聡希(number0)、伊藤智也(no.9 orchestra)ら、新進気鋭のアーティストも参加し、さらには、chiyo(köttur)をフィーチャリングした“before the wind”は、初となるヴォーカル・トラックへのチャレンジである。8月11日(日)には東京で初となるワンマンライブが代官山UNITで開催されることが決定。どこまでも暖かく心を包み込むサウンドは、さらに多くのリスナーの心へと、深く響くことだろう。
(text by NKMGR5)
Event Information
no.9 NEW Album[The History of the Day]
Release Party 2013
2013.08.11(日)@UNIT
OPEN 18:30/START 19:00
ADV ¥3,000(ドリンク別)
LINE UP:
LIVE:no.9 orchestra Special Set.
Opening ACT:[.que](SCHOLE)
Ticket Information
2013.06.29 on sale!
チケットぴあ(Pコード:205-427)、ローチケ(Lコード:75286)、イープラス
INFO:代官山UNIT(03-5459-8630)