鮮烈な『デイドリームライダー』でのデビューから1年あまり。遂に、シシド・カフカが待望の1stアルバム『カフカナイズ』を完成させた。ご存知プリッツのCM出演や、2本のレギュラー・ラジオ番組、そしてフジテレビ「新堂本兄弟」の堂本ブラザーズバンドへの抜擢…と、その活躍のフィールドはお茶の間にも広がり、もはや彼女の認知度は1年前の比ではない。先日、ルミネ新宿の広告塔に起用されるなどモデルとしても着実にキャリア・アップを見せているシシドだが、今作『カフカナイズ』を聴いてわかったことがひとつ。ミュージシャンとしての彼女は、1ミリもブレていないのだ。
全16曲(!)というフル・ボリュームで届けられるそのサウンドは、カラフルなロック/ポップスから彼女自身が敬愛する古きよき歌謡曲、あるいはエレクトロニカやサルサに至るまで様々な音楽的エッセンスを感じさせるものだが、シシド・カフカでしかあり得ないバラエティと一本筋の通った世界観は、「日本人」としての彼女のアイデンティティさえ浮き彫りにしている。SILVAや童子-Tなどのコラボレーターや、3曲のバラードの存在にも驚いたが、デビュー作にして「グレイテスト・ヒッツ」と言っても過言ではない充実の仕上がりだ。9月4日(水)のアルバム・リリース直後には、6日の渋谷クラブクアトロ公演を皮切りに東名阪のワンマン・ツアーも控えている。
今回のインタビューは、「シシド・カフカのオールナイトニッポン0(ZERO)」放送前の深夜、ニッポン放送にて行われたもの。日々分刻みのスケジュールをこなす彼女だが、変わらぬ元気な声を聞かせてくれた。
Interview:シシド・カフカ
大きなアミューズメント・パークを開設した気分になってます
――遂にデビュー・アルバム『カフカナイズ』が完成したワケですが、16曲収録とは太っ腹ですよね(笑)。完パケした時ってどんな気持ちでしたか?
「やったー!」という想いはあったんですけど、ガッツポーズするような感じではなく、そのまま夏フェスの準備に走ってしまった感じで…。やっぱりみなさんの手に届いて、リアクションが返ってきたら初めて…というところもあるじゃないですか。まだリリースも出来ていないので、これから実感していくんでしょうね。
――けっこう冷静だったんですね(笑)。じゃあ<サマーソニック※>の前に完成したって感じですか。
※ 大阪のみ出演
そうですね、7月末にほぼ仕上がって<サマーソニック>の直前にはマスタリングしてました。