スカ特集スペシャル! SLACKERS&TROJANSのインタビューをお届け!

Interview:THE SLACKERS

The Slackers My Bed Is A Boat promo 2013

―― 今回発売された新作『My Bed Is A Boat』についてお聞かせ下さい。新たなサウンドを取り入れつつも、原点回帰とも感じられるサウンドが印象的でした。これまでの制作過程を踏まえたうえで、本作はどんな思いで作られたのかお聞かせ下さい。

ヴィック・ルジェーロ(Vo/Key) キンクスが7インチのEPをリリースしていたのを見て、「そうか! 1枚のフルアルバムを出す代わりに、こういう風に4~5曲の本当に良い曲だけを何回かに分けてリリースするのもありだな」って思ったんだ。もっとクオリティーにこだわって作れるしバラエティーにとんだ作品ができるし、数曲だけを作ることに集中できて、60年代にやっていたシングルリリースのようにその時のバンドを映し出すことができるしね。15曲ものサウンドではなくて5曲のサウンドだけを気にすれば良いわけだからね。

基礎となる部分は全部アナログの音が一番良いと思って、アナログテープに録音したよ。俺達の昔のエンジニアだった〈コヨーテスタジオ〉のアルバートとマイク・カイアティに偶然会って、ボーカルかベースの音はデジタル録音でも良いから、そこはデジタルで録音しようと話し合いをしたんだ。アナログの音の方がナチュラルな音になるんだ。アナログ録音機器の問題はとにかく大きくて、費用も高いし作業も遅い、その場で録音したものを「消して録り直す」かどうかを即決しなければいけないというストレスがある。でも最終的には美しいサウンドに仕上がるんだ。テープから出るヒスノイズについて心配ならレッド・ツェッペリンを聴いてごらん、『天国への階段』にはかっこいいテープヒスノイズが静かなパートに入っているから。

――あなたが“スカ”という音楽に初めて触れたのはいつでしたか? また、それはどんな体験でしたか?

デイヴ・ヒルヤード(T.Sax) 僕は13歳の時にスカに出会ったんだ。俺が通っていたサンディエゴの中学では当時ザ・ビト、マッドネス、バッドマナーズが流行っていたんだ。心を持っていかれたよ。ザ・ビートのアルバムの中のサックスの陽気な音が大好きで、「凄い! 素晴らしい!」って思っていた。今でも大好きだよ。少しずつスカが俺の人生を変えていったんじゃないかな。トレンドを追う人は他の音楽に移っていったけど、俺はスカを聴くことが本当に楽しくてそのままそれに定着したんだ。

――生のライブに重きを置くのが“スカ”というジャンルだと思うのですが、世の中でダウンロードやストリーミングが普及する中、自分自身の音楽が今後どういった形で触れられていきたいですか?

ヴィック 俺達はアメリカでハンドメイドの45回転のレコードを作ったばかりだよ。オリジナルのアナログテープから別のテープにミックスダウンして郵送して、ある人がそのテープをかけてアナログレコードをマスターとして作る。これは凄い昔のやり方なんだ。ジャマイカでやっていたスタイルよりも古い方法で、初期のジャズでやっていたようなことなんだけど、凄くハイクオリティになる、なぜなら全ての45回転がマスター版になるしユニークなものになるからね。

――今回の来日にあたっての意気込みをお聞かせください!

デイヴ 今回のツアーをもの凄く楽しみにしているよ。〈Disk Union〉と〈Ska in the world〉と一緒に仕事をできることは素晴らしいことだと思っているし、彼らはいつも本当に良いツアーをさせてくれるからね。たぶん約2年ぶりに日本にいくことになると思うんだけど、俺らはずっと日本に行きたかったんだよ。日本のオーディエンスはとても熱くて、音楽を凄く良く聴いてくれるんだけど、でもノリもよく踊ってくれるよね。とても素晴らしいファンだよ。俺は日本食も好きだし日本の雰囲気も好きだから、とにかく日本にいけることは嬉しいことなんだ。

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