Interview:THE TROJANS

The Trojans – Gaelic Ska 1987

――今回発売された新作『SMASH IT!』についてお聞かせ下さい。長いキャリアを重ねた上で今回こんなパワフルでエネルギーを感じる作品が聴けたことに驚いたと同時に嬉しくも思いました。今作は日本独自企画盤ですが、これにはどんな思いが込められているのでしょうか?

ギャズ・メイオール 長い年月の間トロージャンズは幾度もメンバーチェンジをしてきたけど一度トロージャンズのメンバーになった人はずっとトロージャンズであり続けるんだ。クリスピン・ギル、ラッキー・ ピートや故ビッグ・アーンのような多数の“新しい”メンバーは初期のメンバーよりも長くバンドに在籍していてね。だからそろそろこの15年間のメンバーチェンジを重ねた上での最高傑作を後世に残す時期だと思ったんだ。

俺は、現在世界で起きている出来事や話題を、歌を通して自分の意見として表現するべき必要性を感じているし、俺の根底の感情を出すためにこの音楽を選択したんだ。俺達には幅の広いテンポや歴史的な文化、色々な楽器を使ったアイディアがあることを幸運に思うよ。俺は自然界に入り込むことと、人間の仕事、時代遅れな宗教的な信条や強欲、そして大量虐殺と戦うことに特別な感情がある。それが新作『SMASH IT!』のタイトルトラックになった“Elephant Killers(←その名の通り残念なこと)”と“Witchcraft”に込められている。もちろん楽しい要素もあるべきだからイギリスで有名な盗みの方法一つを題材にした実話を皮肉った歌が“Flam Flam Man”、そして“Floss It”は皆が学ぶべきクレイジーな新しい踊りができる楽曲になっているよ!

新作では、90年代初期にいたジェニー・ベルスター以降初の女性シンガー、ゾー・デヴリンの素晴らしいパーソナリティーと声も聴きどころなんだけど、残念なことに彼女の才能がイギリスのメディアの目にとまってね。イギリスとアメリカのTV番組シリーズの出演契約の都合上、日本ツアーへの参加をキャンセルしなければならなくなってしまったんだよね。でも、その代わりに今回のツアーには注目株のレゲエシンガーで、セックス・ピストルズのドラマー:ポール・クックの娘という素晴らしい血筋でもあるホリー・クックが参加する。彼女はゾーの同級生で子供のころからゾーと同じようにフィリス・ディロンに触れてきているので、今回のツアーでゾーの代役にはこの上ない人材さ! グーグルで彼女の経歴を調べて見て欲しい、彼女が今までどんな良いレコードに参加しているがすぐにわかると思うから。(参照:ホリー・クック公式サイト

――あなたが“スカ”という音楽に初めて触れたのはいつでしたか? また、それはどんな体験でしたか?

13歳のときに僕の地元、ロンドンのポートベロー通りのマーケットを歩いていて初めてオーセンティックスカを発見した時かな。マーケットで〈ブルービート〉や〈アイランド〉といったレーベルから出ている、約100枚の古い7インチが入った箱を5ポンドもしない値段で買ったんだんだけど、中身はプリンス・バスター、トゥーツ・アンド・ザ・メイタルズやデスモンド・デッカーといった有名なジャマイカンレゲエアーティストだと気づいたんだ。これらの古い曲にはたいてい“Boogie”という言葉がタイトルについていてね。

俺は50年代のR&Bが好きで、60年代の終わりごろからレゲエを聴き始めたんだ。買った箱の中の埃をかぶったシングルは60年代初期と記してあったから、50年代のR&Bと60年代初期の音楽スタイル(レゲエ)の繋がりに興味があったし、それを知るためにこれらの7インチを買わずにはいられなかったんだ。それから家に帰ってレコードをかけたとき自分の耳を疑ったよ。すぐにその音楽の虜になって、このエキサイティングで伝染性のある音を更によく知りたいと思ったね!

――生のライブに重きを置くのが“スカ”というジャンルだと思うのですが、世の中でダウンロードやストリーミングが普及する中、自分自身の音楽が今後どういった形で触れられていきたいですか?

俺らは近い将来、特にヨーロッパのマーケット用と俺のようにビニール盤が好きな人のために、レコード盤としてリリースすることも確かだけど、俺は技術の進歩に反対をしているわけじゃないし、現代社会を嫌っているわけでもない。今の人が音楽のソースを手にいれる方法も良いと思っているし、実は今、デジタル時代に育った若い人を今探しているんだ。もしこれを読んでいる人で俺の新しいウェブサイトのデザインを手伝ってくれたり、なにか新しいメディアを利用して多くの人につながれる実用的なアイデアを持っている人がいたら、その意見や提案してくれると嬉しいな。俺はまだよく理解していないテクノロジーの世界に落とされた原始人のような気がするからね。

――今回の来日にあたっての意気込みをお聞かせください!

俺は50回以上日本に行っていて日本は2番目の故郷だと思っているし、何度も日本に行ったこともあるメンバーも今回また訪れることをすごく楽しみにしているよ! 日本はザ・トロージャンズアイランド(イギリス、アイルランド、ジャマイカ)とは大きく違うけど、俺達全員が日本を愛していて、いつでも日本に戻って更にハッピーで思い出になる事を分かち合いたいと思っているんだ。特に今回は新しい曲を初めてお披露目できるとこを楽しみにしているよ。絶対最高の時間になるよ! 見る人にとってスペクタクルなライブにすると約束するし、フロアをクレイジーにするために昔の曲も演奏するつもりさ。

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