――アートワークに使われているシャープネスの高い水面の写真も、いわゆるジャズのアートワークから軌道を少し外している感じがします。

ジャズであると同時に、聴いたときに、気持ちいいかどうかが大きく関わっていたので、小難しいジャズではなくて、聴いた後に何かよくわからないけど、これって気持ちいいよね、みたいに、例えば若い人やはじめて聴く人がそういう感覚で好きになってくれればいいかなと。曲を作っているときに、気持ちいい感覚が身体の中にものすごく細かく発泡する粒子みたいに、じわーっと浮かぶ瞬間が何回かあったんですね。それを代弁してくれているのがこの写真かなと思って、ドイツ人の写真家に使わせてもらいました。

――11月1日(金)にリキッドルームで行われる<WORLDWIDE SHOWCASE 2013>にてHEXの初ライブが決まっていますが、どんなパフォーマンスを聞かせてもらえますか?

レコーディングが終わってからまだ全員で会ってないので、直前に二日間だけリハーサルがあるので、そこでどこまでHEXとしてライブの完成度を上げられるかがこれからの課題かな。

――ライブの場合、松浦さんはどういった形で関わるんですか?

どちらかというと、見ているだけという感じになると思いますよ(笑)。

――(笑)。当日はゲストボーカルの方も参加されますか。

中納さんが参加してくれるので、“The Osaka Blues”を生で歌ってくれます。僕は今までバンドという形態で活動してなかったので、未知の領域ではありますけど、新しい形を模索していくのが始まったという感じですかね。だから、まだスタートもしてない赤ん坊の状態でリキッドルームに出るので、「あのときのデビューライブを見ておきたかったな」って思わせたいのは最低限ありますよね。

――では最後に、今後のHEXの活動について聞かせてもらえますか?

HEX自体は特に形があってないようなプロジェクトなんですね。これから前に進めるために何が出来るかを考えているので、それは音楽しかりビジュアルしかり、全てのものに積極的に取り込んでいきたい。なので、我こそはという人がいれば、前に出て来てほしいですね。それが今のメンバーに加えてなのか、前に進めるためにはひっくり返すかもしれないです。

――柔軟に変化していく可能性があると。

前に進めるために皆さんの参加をお待ちしています、という感じですね。そう言っておかないと、バンドメンバーに嫌われそうな気がする(笑)。でも、こうしなきゃいけないって決めちゃうと面白くなくなってしまうので。例えば、ダンスは欲しいですよね。1曲目の“Jazzstep”とかにジュークが踊れる10代の子とかが参加してくれたら面白いだろうな。

――まさに化学反応ですね。

そうですね。そこに関しては、やっぱり若ければ若いほうが面白いかなと思いますね。ファッションという点でいえば、メンバー用にオリジナルで作ったステージ衣装があるんですよ。僕は監督みたいなイメージでダブルのジャケット。全員ジャケットだと変だからベストの人がいたりして。クラシカルなんだけど、そこに新しさを感じてもらえればと。

――現在進行形のジャズにリンクしますね。

スーツって今は制服的なイメージがあるじゃないですか。フォーマルなイメージも今までは強く自分の中にあったけど、今回はどちらかというとワークウェアとして、作業着としてスーツを取り入れてみようと。少しクラシカルだけど動きやすいものをね。徐々に使っている中で身体になじんでくれればと思いますね。

text & interview by Shota Kato[CONTRAST]
photo by Nozomi Toyoshima

Event Information

WIRED CAFE presents J-WAVE 25th Anniversary
Gilles Peterson’s “WORLDWIDE SHOWCASE 2013” 〜magic no.9〜

2013.11.01(金)@恵比寿LIQUIDROOM
OPEN/START 18:30
ADV ¥5,500/DOOR ¥6,500(1ドリンク付)

LINE UP: GILLES PETERSON、THE STEPKIDS(Stones Throw)、JAZZTRONIK(Special Live Set)、Rob Gallagher aka Earl Zinger/William Adamson(2 banks of 4/Galliano)、松浦俊夫 presents HEX(Blue Note Records 75周年記念バンド)、石井亮(DJ)、SO IN THE HOUSE(VJ)、428graffi(Art Work)

TICKET
チケットぴあ(Pコード:211-249)、ローチケ(Lコード:74436)、イープラス

お問合せ:LIQUIDROOM(03-5464-0800)
主催:J-WAVE 25th ANNIVERSARY
企画/制作/招聘:rejoice(株式会社Shalala Company)
協力:ユニバーサル ミュージック合同会社、BBQ株式会社、BEATINK、株式会社Styrism、ビクターエンタテインメント株式会社、ローランド株式会社

Release Information

2013.11.20 on sale!
Artist:松浦俊夫 presents HEX
Title: HEX(ヘックス)
ブルーノート・レーベル
TYCJ-60019
¥2,835(tax incl.)