度重なるトラブルで人気に陰りをみせる一方で、音は超最先端に!
4枚のオリジナル・アルバムで、ポップ・シーンに絶大な影響力を持つアーティストへと進化したブリトニー。しかし、初恋男性アーティストとの破局後、巻き起こった結婚、離婚などのトラブルによって、その地位はあっという間に崩れ、「お騒がせセレブ」の代表格として、ゴシップ・メディアを騒がせる存在になってしまう。ゆえに07年にリリースした5th『ブラックアウト』のセールスは、ガタ落ち。まさに「停電」状態になってしまった。本人も音楽に関して「停電」状態だったらしく、与えられたものをただ歌うといった印象。しかし、その状態をいいことに、アルバムではファレル・ウィリアムス所属のネプチューンズや、ダンジャ、ショーン・ギャレットなど、その後多数のヒット曲を量産する売れっ子プロデューサーとなるアーティストをいち早く起用し、実験的な(遊び心あふれる)サウンドを追求。現代のEDMの源流を感じる仕上がりになっていて、実は今改めて聴くとかなりクールな作品になっているのだ。
アルバム『ブラックアウト』収録、ラスベガス公演のタイトルにもなっている“ピース・オブ・ミー”
再びシーンの最前線へ、そして最高の音楽的パートナーとの出会い
その後リハビリを受けて、08年にリリースした6th『サーカス』で、最前線に戻ってきたブリトニー。3rdアルバムまで彼女の作品に携わってきたマックス・マーティンをプロデューサーに再び招き入れ制作された内容。前作の持つエッジィでセクシーな要素を取り入れつつも、万人受けするポップ・ソング作りを追求している内容になっており、人気もV字回復。「お騒がせセレブ」のレッテルを払拭させることに成功した。
11年には7作目となる『ファム・ファタール』をリリース。前作の世界観を引き継ぐポップかつダンサブルな楽曲ばかりを収録した内容で、リードトラックとして発表された“ティル・ザ・ワールド・エンズ”(ケシャがソングライターとして参加)は、女性アーティスト最高の発売初週売り上げ記録を樹立。「ポップ・アイコン」としての存在感を、再び揺るぎないものとした。またこの作品で、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムと初共演。そこで抜群の相性のよさをみせ、12年にはウィルの楽曲“スクリーム&シャウト”にブリトニーがフィーチャリング参加。全米チャートトップ3入りを果たすなど、話題をさらった。
ポップ・アイコン復活の1曲。アルバム『サーカス』収録の“ウーマナイザー”