──曲のアレンジや構造の面で言うと、Kyokaさんはすごく低音にオブセッションがあるイメージなのですが、それはどこから来ているものなのでしょうか。
低音にオブセッション、あります。もともと親がテレビとか嫌いで、ラジオを子供のころから聴かされていたんですけど、親がかけてたそのラジオの曲の、低音ばかり聴いてたんです。それで“低音っていいな”と思ってました。そういうのが影響してるかもしれないですね。もう幼稚園ぐらいの頃から、父親に“この低い音ってなに?”って聞いてました。“重低音っていうんだよ”って教わってましたけど(笑)。
──もう音楽に対する入り口から低音だったんですね。
そうですね。自分はビートとかベースが、イコール“曲”だと思っているフシがあって(笑)。どうしてもメロディに気持ちが向かないのかも。
──とはいえ最終的なアウトプットにはポップな感覚がありますし、そういった低音に対する執着と、ポップな要素が相反していないバランスが興味深いのですが。
自然にそうなっちゃう、っていうのはありますね。純粋に低音だけで攻撃的な音楽に対する憧れもありますけど、もともと鼻歌歌ったりするのは好きだし、好きこそものの上手なれじゃないですけど、苦手ではないので、“使えるなら自分の強みとして使おう”と。ただ、ずっと感じていることなんですけど、自分の考える低音とポップさの関係性と、世間一般で考えられている低音とポップさの関係性に隔たりがあるようには思いますね。自分のなかではそんなに相反するようなものだと考えてないんです。でもいずれにせよ、低音主体ではいたいかな。低音を犠牲にしてまでメロディをねじ込ませたりはしたくない。
──では最後に、今後の予定をお願いします。ストックホルムのEMS studioにアーティスト・イン・レジデンスとして滞在されていましたね。
EMS studioはすごくよかったですよ。もうパラダイス(笑)。モニター環境も素晴らしくて、今まで把握しきれなかった音の部分とかもすごくハッキリわかるようになりました。これまではそこにすごくゴミが貯まってんですよ。で、一掃できるようになって、今すごくスッキリしてますね(笑)。そこで作った曲がアルバムの日本盤ボーナス・トラックとしてダウンロードできるようになります。EMS studioに行く前と後ではミックスの仕方もすごく変わったし、次の作品も早めにできるんじゃないかと。
text&interview by Nobuki Nishiyama
photo by Nozomu Toyoshima
Event Information
Release Information
Now on sale! Artist:Kyoka Title: IS(Is Superpowered) P Dis PDIP-6543 ¥2,289(tax incl.) |