技術が目まぐるしく進歩していく現代だからこそ、“人と向き合う”ことに焦点が置かれるこのご時世。近いようで遠い、伝わっているようで伝わっていない、繋がっているようで繋がっていない……そんな思いを巡らせる中でもし「人口知能に恋心を抱く」ことが近い将来実現したらどうなるだろうーースパイク・ジョーンズ最新作『her/世界でひとつの彼女』はいつかの未来を舞台に主人公・セオドアがAI(人工知能)型OSに恋心を抱く物語だ。
Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
「恋愛ができない現代の若者」なんて叫ばれる今日この頃、本作は改めて愛/恋とは何か、人と向き合うとは何かについて考えさせてくれる。生きづらいこの世の中だからこそ、本作を観てそれぞれがこの映画に対して想いを抱いてほしい。
Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
また、スパイク・ジョーンズと共にプロモーション来日し、本作の衣装デザインを手掛けたケイシー・ストームにこの度インタビューを行うことができた。本作の衣装についてはもちろん、日本のファッション・カルチャーについてと様々な質問に答えてくれたので、ぜひ映画と共にご覧いただきたい。
Interview:ケイシー・ストーム(衣装デザイン『her/世界でひとつの彼女』)
––––スパイク・ジョーンズ監督とはBeastie Boysの“Sabotage”に始まり、長い付き合いだと思うのですが、スパイクとの最初の馴れ初め、出会いをお聞かせ下さい。
ネバタ州のリノ(ラスベガスのようなところ)という場所で友達にスパイクを紹介されて何人かで一晩中一緒に遊んだんだ。その時がスパイクとの初めての出会いだったよ。何の疑いもなく、すぐに仲良くなったんだよね。
––––これまでにも多くのスパイク作品の衣装を手掛けてきたわけですが、今回の『her』はスパイクにとっても初の単独脚本、特別な作品となったかと思います。あなたが初めて脚本を読んだときの印象をお聞かせ下さい。
ものすごく感動したよ。彼とは長い付き合いだから、これまで色々な話をしてきたけど、今作は彼の中の正直な部分が色濃く現れた作品だと思うよ。心のこもった脚本だったし、彼がどのように世界を見ているのか、というのがありのままに表現された作品だよね。脚本を読んだときは本当に興奮したよ。