巨大な張りぼてのマスクを被り、人前では絶対に素顔を見せない、正体不明のカリスマ・ミュージシャン、フランク。彼が率いるアヴァンギャルドでイカれたインディー・バンド「ソロンフォルブス」に加入した、ロックスターに憧れる田舎青年ジョンは、とんでもなくエキセントリックで、でも驚くほどクリエイティヴなフランクの才能に心酔していく。
「あのマスクの中にいったいどんな秘密が?」。やがてインターネットにアップした動画がセンセーションを巻き起こし、アメリカで開催される音楽祭からオファーを受ける彼ら。だが、バンドを意のままに操り、みんなに認めさせたいジョンと、大勢の前で演奏することを拒むクララたちメンバーの亀裂は深まり、遂に情緒不安定になったフランクは暴走して―。
風変りなバンドをめぐる痛快なコメディは、やがて彼らの心の内側に迫り、気付けば居場所をなくした人々の再生劇として観る人の胸を静かに打つ。
とある理由からマスクを被ったまま生活するバンドのフロントマン、フランクを演じるのは、『それでも夜は明ける』でアカデミー賞®助演男優賞にノミネート、『X-MEN』など大ヒット・シリーズにも出演し、名実ともにトップスターの座にいるマイケル・ファスベンダー。米映画サイトが発表した「世界で最もハンサムな顔100人」の第1位に見事輝きながら、本作ではそのセクシーな表情を被り物で封印し、型破りな天才ミュージシャンを熱演する。
そして、バンドを混乱に導く野心的な青年、ジョンに扮するのは『スター・ウォーズ』最新作に抜擢され、今後の活躍に期待がかかる注目の若手俳優、ドーナル・グリーソン。変わり者ぞろいのバンド・メンバーのひとりで、フランクをサポートするテルミン奏者、クララには、『クレイジー・ハート』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、『ダークナイト』などの大作にも出演するマギー・ギレンホールが扮している。
監督は『アダムとポール』、『ジョジーの修理工場』などの作品が高い評価を得ているアイルランド人、レニー・アブラハムソン。『ヤギと男と男と壁と』のジョン・ロンスン、同じく『ヤギと男と男と壁と』や『裏切りのサーカス』のピーター・ストローハンが脚本を手掛け、イギリスでカルト的な人気を誇ったキャラクター、フランク・サイドボトムや実在のアウトサイダー・ミュージシャン、ダニエル・ジョンストンなどをもとに、音楽を通じて誰かとのつながりを求める人々の物語を作り上げた。それは可笑しくて、ほろ苦く、感動的な物語でもある。
「FRANK -フランク-」
10月4日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー♪
CAST
フランク:マイケル・ファスベンダー
ジョン:ドーナル・グリーソン
クララ:マギー・ギレンホール
ドン:スクート・マクネイリー
ナナ:カーラ・アザール
バラク:フランソワ・シヴィル
STAFF
監督:レニー・アブラハムソン
製作:エド・ギニー、スティービー・リー、デイビッド・ベロン
共同脚本:ジョン・ロンスン、ピーター・ストローハン
編集:ネイサン・ヌージェント
音楽:スティーヴン・レニックス/美術:リチャード・ブロク
撮影:ジェイムズ・マザー 衣装/スージー・ハーマン
2014年/イギリス・アイルランド合作/英語/95分/カラー/スコープサイズ/原題:FRANK G
配給:アース・スター エンターテイメント
配給協力:アルシネテラン
宣伝:CAMDEN
© 2013 EP Frank Limited, Channel Four Television Corporation and the British Film Institute
STORY
イギリスでカルト的人気を誇った音楽コメディアン、フランク・サイドボトムをモデルに、マイケル・ファスベンダーが終始被り物を脱がない奇妙な男を演じたコメディドラマ。ひょんなことからあるバンドに加入することになった青年ジョン。バンドのリーダーのフランクは、四六時中、奇妙な被り物をしている謎めいた男だった。バンドメンバーはそんなフランクに信頼と尊敬の念を寄せており、ジョンもまた、破天荒な魅力をもつフランクに次第にひかれていく。そんなある日、バンドの映像がインターネットで話題を呼び、アメリカの大型人気フェスに招かれることになるが、そのことをきっかけにフランクの調子がおかしくなり、バンドは解散の危機に。ジョンはフランクがなぜ被り物をしているのか、フランクの過去を探り始める。