音楽大国イギリス。夏には世界を代表する音楽フェスがあちこちで開催され、街中ではパブやライブハウスで平日から世界トップクラスのアーティストがいたるところでライブをやっている。音楽という文化の浸透具合は日本とは比べ物にならないというのが正直なところだ。
イギリスで暮らしていると、そんな環境を求めてイギリスに移住する日本人アーティストに多く出会う。もちろん音楽で溢れ返っているということは、その分競争も熾烈になってくるわけだが、そんな環境の中で、現地で高い評価を受けている日本人アーティストも少なからず存在する。というわけで今回は昨年からイギリスに移住した筆者が見つけたイギリスを拠点に活動している日本人アーティストを紹介!
■Teleman
Teleman – “Skeleton Dance”
ロンドンの名門レーベル〈Moshi Moshi Record〉期待の新星Teleman。2014年にデビューアルバム『Breakfast』をリリースし、現在はヨーロッパツアー敢行中のインディーロックバンド。デビュー前から<グラストンベリー>、<Latitude>といったUK内の大型フェスにも参加しており、既にフランツ・フェルディナンド、メトロノミー、スウェードなどのツアーサポートにも抜擢され今UKで最も注目されているバンドの一つ。そんなTelemnのドラムで叩いているのはHiro Amamiya。ジャンゴ・ジャンゴに通じるインテリな匂いを漂わすTelemanの音楽に日本人らしい緻密なリズムが絶妙にマッチ。来年の<フジロック・フェスティバル>のレッド・マーキーで話題をかっさらってそうと勝手に予想。早めの来日に期待!
■GRIMM GRIMM
Grimm Grimm – “Kazega Fuitara Sayonara”
ロンドン在住のKoichi Yamanohaによるソロプロジェクト「GRIMM GRIMM」。秋にシングルレコードをリリースして以降、ロンドンで精力的にライブを行っている今注目のシンガーソングライター。同じくロンドンを拠点に活動しているBo Ningenとの関係も深く、レコ発ライブではメンバーとの共演も披露。公式HPでは「space-folk solo project」と銘打たれているが、彼の音楽性をひとつのジャンルで括ることは非常に難しい。ただ一つ言えることは、いつの時代にもその時代を切り取るような音を奏でられる音楽家がいて、彼もその内の一人だということ。ほとんどが英語詩だが一部日本語詩もあり、「Kazega Fuitara Sayonara」はそのうちの1曲。たった3分なのにロンドンで撮られた映画を観ているような気持ちになれる。2014年のロンドンの匂いがする音楽だ。
■SMILEY&THE UNDERCLASS
Smiley & The Underclass – “It’s All England”
ボーカルのスマイリーを中心に西ロンドンで結成されたSMILEY&THE UNDERCLASS。ロック、ダブ、パンクを生業とし、音源リリース前にも関わらず今夏多くのUK国内のフェスに招聘された実力派バンド。そんなバンドのリズムを支えるのは日本人ドラマーJay Hirano。外国人顔負けの力強いドラムで、ジャンルをクロスオーバーするバンドを後ろから引っ張って行く。まだ音源は公開されていないが、ライブでは日本を題材にした楽曲も披露していたので、日本でその曲を聴ける日を楽しみに待ちたい。また今月西ロンドンで行われたレコ発ライブにて、ボーカルのスマイリーからイギリス人ミュージシャンらしいコメントをもらうことができたので、最後に紹介しておきたい。
「Hello! 一粒の水が集まって海を作るように、日々それぞれ何かを頑張って生きて行こう。本物の愛と音楽で世界を救おう。ラジオやチャートのクソ音楽は聴かないように頼むよ! 音楽を聴いてくれた人、これから聴く人、ありがとう。たくさんの愛を」