JEFF MILLS presents WEAPONS:
ー a small but potent collection of music affiliated avant-garde objects
「WEAPONS:
—音楽に関連するアバンギャルドなオブジェクトの小さなしかし強力なエキシビション」
2015.03.23(MON)@寺田倉庫
ジェフ・ミルズが常に作品にコンセプトを必要としてきたことはいまさら言うまでもない。我われはレコードやDJプレイによって、彼のメッセージを受け取ってきたが、近年の彼の多岐にわたる表現の在り方は、はもはやDJやテクノといった枠組みでは収まりきらないほどに拡大し、驚くべき発展を遂げている。3月23日(月)、天王洲アイルの寺田倉庫にておこなわれたジェフ・ミルズによる一日限りのエキシビジョン<JEFF MILLS presents WEAPONS:ー a small but potent collection of music affiliated avant-garde objects(WEAPONS:—音楽に関連するアバンギャルドなオブジェクトの小さなしかし強力なエキシビション/以下、WEAPONS)>は、彼がいま何を発信し、どこに向かおうとしているのか、その新たな動向を示唆させる非常に興味深いものになった。
このエキシビジョンがおこなわれたのは、大きな話題を呼んだ相対性理論との共演の翌日。やくしまるえつこのラヴコールにより実現したというこの異色な組み合わせのライヴの興奮も冷めやらぬまま、翌日の同じ時間に、筆者は品川区の寺田倉庫にいた。巨大な倉庫やビルが立ち並び、人工的な冷ややかさを感じさせる景観は、どこかデトロイトを思わせる。1階からエレベーターで上階まで移動し(現実世界から異世界へ移動する装置のようにも感じられた)、会場に着くと、すでに多くの来場者で溢れていた。
<WEAPONS>は、1942年2月26日にロスアンジェルスで起きたUFO目撃事件<バトル・オブ・ロスアンジェルス>(謎の未確認飛行物体を米軍が日本軍の襲撃と捉えて、砲撃した事件。その未確認飛行物体が何であったのかはいまだ解明されていない)からインスパイアされたもので、この日はこの事件から着想を得た5つの作品について、ジェフ・ミルズ本人がその場で解説をおこなっていくというスタイルでおこなわれた。