徹底的に「気持ちE」サウンドを追求したEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)の勢い、起爆力はどうにも認めざるをえないが、ロックンロールだってもともとはダンス・ミュージックなんだぜ! と叫びたくなったのは、アラバマ・シェイクスの新作があまりにも素晴らしいからだ。
アラバマ・シェイクスは、09年に米アラバマ州アセンズで結成された4人組バンド。ソウル、ブルース、ゴスペル、カントリーといったルーツ・ミュージックに根ざした「サザン・ロック」的なサウンドと、紅一点にしてヴォーカル&ギターを務めるブリタニー・ハワードの圧倒的な歌声&存在感も相まって、結成から2年足らずでデイヴ・マシューズのレーベル〈ATO〉と契約(UKでは名門〈ラフ・トレード〉より)、12年のデビュー・アルバム『ボーイズ&ガールズ』が全世界100万枚を超える大ヒットを記録した。アデルやボン・イヴェールらが絶賛し、あのジャック・ホワイトもお墨付き、<第55回グラミー賞>で新人賞を含む3部門にノミネートされたことからも、アラバマ・シェイクスの“ホンモノ感”が伝わってくるのではないだろうか?
『サウンド&カラー』ジャケ写
この度リリースされる3年ぶりの新作『サウンド&カラー』では、新たにラナ・デル・レイなどのセッション・ミュージシャンとしても知られるギターの名手=ブレイク・ミルズを共同プロデューサーに起用。長きに渡ったワールド・ツアーで鍛え上げられたバンドの成長がたっぷりと刻み込まれているのはもちろん、パンクからソウル、プログレ、ジャズ、メタルまで分け隔てなく接してきたメンバー全員の音楽オタクっぷりが如実に反映されたことで、非常にバラエティに富んだアルバムに仕上がっている。よりキャッチーに、よりエモーショナルに歌い叫ぶブリタニー嬢の表現力もハンパじゃない。
というわけで今回は、アラバマ・ビギナーの読者に向けて、YES/NO診断から『サウンド&カラー』収録のおすすめナンバーを導き出してみたいと思う。
■YES/NO診断でわかる! あなたにレコメンドしたいアラバマ・ソングス