2014年に<第57回グラミー賞>において年間最優秀アルバム賞を受賞したアルバム『モーニング・ フェイズ』以降、とどまることなく音楽を発表し続けてきたベック。キャリア史上最高と呼び名の高い世界を股にかけたライヴ活動から、昨年突如発表したサイケ・ダンスなサマー・アンセム“Dreams”に至るまで。その創造力の流れは個人名義での活動には収まりきらず、それは昨今のケミカル・ブラザーズの“Wide Open”やフルームの“Tiny Cities”でのコラボレーションをみれば明らかだろう。
Beck – Dreams(Official Audio)
The Chemical Brothers – Wide Open ft. Beck
ベックは“Dreams”の大ヒット以降、ほぼ毎日自宅で無我夢中になって曲を書き続け、それらを長年のコラボレーターであるプロデューサーのグレッグ・カースティン(アデル、シーア)が肉づけしていくという日々を送っていたという。アルバムに収録するには有り余るほどの名曲があるかのように思えたが、その中でふと1曲が予期せぬ脚光を浴びることとなった。それは、何度も自宅でデモ音源をかけていたところ、ベックの子供やその友人たちの間でダンス・パーティでひっぱりだことなった“WOW”だ。
新曲“WOW”は、ヒップホップを織り交ぜた蛍光変異体とでもいうのか、ベックの最新音楽テイストを感じとることができるサウンドに仕上がっている。なお、この新曲の全貌が公開となるまでの約24時間にわたり、世界中のInstagramクリエイター達が様々な動画とともに少しずつベールをはがしていくといった企画が実施された。共通のハッシュタグ“#beckWOW”を使ったそれらの投稿はベックの公式サイトにて確認することができる。また、このムーヴメントはここ日本にも飛び火。“#JapanSaysBeckWOW”を使って動画投稿すると、良作はベックのアカウントによってシェアされるという嬉しい動きも見られている。
今作“WOW”は、軽快なリズムにのせて韻を踏む言葉遊びが印象的。NYをベースに活動するポルトガル人デザイナーBraulio AmadoとJimmy Turrell(監督)、Antonio Vincentini(アニメーター)によってたった8日間で完成したというポップでサイケなアニメーション(映像)とあわせて、是非歌詞に注目してみよう。
▼“WOW”の日本語字幕入りリリック・ビデオはこちら
“Dreams”が誰もが招待状を待ち望んでいた『モーニング・ フェイズ』後のパーティであったとするなら、“WOW”は未来のベックから届けられた次の世代に向けたアフター・パーティの幕開けとなる位置づけだと言えるだろう。
そして“WOW”が収録されるか否かは確かではないが、10月21日(金)には約2年半振りとなるニュー・アルバムの発売も決定しているとのこと。さらに7月には今年20周年を迎える<フジロック>で7年ぶりの来日も決定している。どれだけ新曲が披露されるのか、楽しみだ!
“WOW”ジャケット
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