10月11日(火)東京・恵比寿LIQUIDROOM、10月12日(水)梅田Club QUATTROで初の来日公演を行うカート・ヴァイル(Kurt Vile)。さらに単独公演の前には<朝霧JAM>の2日目、10月9日(日)に出演することも決定しています!

今回が初来日ですが、実はキャリアが長いカート。2015年にリリースされた最新作『b’lieve I’m goin down…』で通算6枚ものソロアルバムを制作しています。さらに、活動初期のザ・ウォー・オン・ドラッグス(The War On Drugs)としても活動していました。

そこで、初来日に向けて10年以上も第一線で活動しているカートの経歴や魅力をご紹介し、来日公演前の予習にもピッタリな徹底特集を行いたいと思います。

カート・ヴァイルのこれまでの経歴

まずは、カート・ヴァイルの長いキャリアを振り返ってみたいと思います!

カート・ヴァイルは、14歳のときに父親にバンジョーを買ってもらい作曲やレコーディングをするようになりました。17歳の頃にはペイブメント(Pavement)やベック(Beck)、さらには〈Drag City〉レーベルのアーティストなどから影響を受け、楽曲をレコーディングしカセットテープを制作。

バンジョーを手にするカート

Kurt Vileさん(@kurtvile)が投稿した写真

@kurtvile Instagramより

自宅でレコーディングを重ねると同時に、フォークリフトのドライバーとして働いていたカート・ヴァイル。2003年にボストンから地元のフィラデルフィアに戻ったカートはアダム・グランデュシェルと音楽活動を始め、2005年にはザ・ウォー・オン・ドラッグスを結成します。

そして、2008年にはザ・ウォー・オン・ドラッグスのデビューアルバムとなる『Wagonwheel Blues』をリリース。さらに、同年には初のソロアルバム『Constant Hitmaker』をリリースします。その後、アルバムのタイトルのとおり「コンスタント」に良作をリリースしていくことになります。

The War On Drugs – taking the farm

カートのザ・ウォー・オン・ドラッグスとしての活動は『Wagonwheel Blues』1枚限りとなりましたが、2011年の4枚目のアルバム『Smoke Ring for My Halo』まではバックバンド、ザ・ヴァイオレーターのメンバーとしてアダム・グランデュシェルが制作に参加していました。

同アルバム収録の“Puppet to the Man”ではアダムも作曲者としてクレジットされています。このアルバムでは評価が辛口なことで有名なアメリカのメディアPitchforkで10満点中8.4という非常に高い評価を得ました。

続く5枚目のアルバム『Walking on a Pretty Daze』ではPitchforkだけでなく他のメディアからも高く評価され、長い歴史のあるアメリカのメディアSpinでも「2013年のベストソング40」の13位に“KV Crimes”がランクインするなど評価をさらに確かなものとしました。

Kurt Vile – KV Crimes

これまでの作品の中で最もセールスが好調だったのが最新作『b’lieve I’m goin down…』で、シングル“Pretty Pimpin”はBillboardのヒットチャート内の「US Adult Alternative Songs」カテゴリー1位に、イギリスの音楽チャートでも25位にラインクインするなど、人気がより高まってきています。

Kurt Vile – “Pretty Pimpin” Official Video

メディアから高い評価を得ているカートですが、サーストン・ムーア、キム・ゴードン(ソニック・ユース)、パンダ・ベア(アニマル・コレクティヴ)、ブラットフォード・コックス(ディアハンター)などの伝説的なバンドのメンバーから若手ミュージシャンまで。幅広い層のアーティストから評価されています。

注目が高まっているタイミングで初来日ということで、今見ておくべきアーティストの1人ということは間違いありません! そんな、注目のカート・ヴァイルの「ここがスゴイ!」というところをQetic独自の目線も交えつつご紹介したいと思います!

次ページ:Qeticがカート・ヴァイルを勝手に褒めちぎる!