日本の音楽シーンを代表する個性豊かな4組が揃い、2部構成で行われた<SOUND JUNCTION 渋谷音楽交差点>。オーディエンスを囲むように4方向にステージを配置するというユニークな演出で、どこで誰がライブをするのかわからない仕掛けだから、ワクワク感はより膨らんでいく。

オープニングSEに続いてまず登場したのは、水曜日のカンパネラ。ステージに置かれた気球のようなものが徐々に大きくなっていき、そのなかからコムアイが現れる。といった幻想的なはじまりから、一気に水カンワールドへと引き込んでいく。途中、コムアイが客席のほうに下りてきて、会場を一周しながらパフォーマンスをする。“ウランちゃん”“一休さん”といったポップアンセムでオーディエンスをグングンと巻き込んでいき、一体感あふれるショーが終わる。

【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YK_04112017_SOUND_JUNCTION_0001-700x467
(c)Yusuke Kashiwazaki / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YK_04112017_SOUND_JUNCTION_0008-700x467
(c)Yusuke Kashiwazaki / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YK_04112017_SOUND_JUNCTION_0012-700x467
(c)Yusuke Kashiwazaki / Red Bull Content Pool

……と思ったら間髪入れず次のアクトがはじまる。逆サイドのステージに登場したのはKICK THE CAN CREWだ。ブランニューな“千%”で幕を開け、新旧織り交ぜつつ名曲を連発! それに応えるようにフロアはハンズアップの嵐で、熱気ハンパない。KREVA、LITTLE、MCUの3人によるラップの掛け合い、リリックの説得力、百戦錬磨のステージングに笑顔が咲き乱れていく。

【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YS_04112017_SOUND_JUNCTION_0006-700x467
(c)Yasuharu Sasaki / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YS_04112017_SOUND_JUNCTION_0003-700x467
(c)Yasuharu Sasaki / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YS_04112017_SOUND_JUNCTION_0004-700x467
(c)Yasuharu Sasaki / Red Bull Content Pool

続くNulbarichは、そのヒートアップしたオーディエンスを一旦クールダウンさせるようにゆったりとスタート。この日、唯一のバンド編成となった彼らは、ソウル〜アシッドジャズなサウンドをスキルフルに繰り出していく。ボーカルJQのファルセットが響き渡り、その心地良いグルーヴに身体を揺らせる。

【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする KK_04112017_SOUND_JUNCTION_0004-1-700x467
(c)Keisuke Kato / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする KK_04112017_SOUND_JUNCTION_0003-700x467
(c)Keisuke Kato / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする KK_04112017_SOUND_JUNCTION_0005-700x467
(c)Keisuke Kato / Red Bull Content Pool

第1部のラストは中田ヤスタカ。キャッチーなメロディーと強烈なダンスビートがハジけると、すぐさまそこはダンスフロアへと変貌。天井に設置された12枚の大型LEDディスプレイも光や映像を交差させ、その熱狂をどんどん加速させる。“NANIMONO feat. 米津玄師”やPerfume“If you wanna”といった中田ワークスが炸裂して、歓喜の渦のなか第1部が終了。

【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする SS_04112017_SOUND_JUNCTION_0013-700x467
(c)Suguru Saito / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする SS_04112017_SOUND_JUNCTION_0007-700x467
(c)Suguru Saito / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする SS_04112017_SOUND_JUNCTION_0011-700x467
(c)Suguru Saito / Red Bull Content Pool

第2部は、各アーティストが日本のポップスをカバー/アレンジするというスペシャルな試みだ。水曜日のカンパネラは加山雄三の名曲“海 その愛”を大胆にカバー、曲が進んできたところでコムアイがシークレットゲストを呼び込むと…そこにやってきたのはなんと本人! これにはオーディエンスの興奮も最高潮に達し、加山雄三とコムアイが並んで歌い上げる(なんと55歳差!)。

【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YK_04112017_SOUND_JUNCTION_0013-700x467

そのまま御大はステージに残り、エレキギターを下げたかと思うとNulbarichとのセッションも。<SOUND JUNCTION>ならではの演出、その光景にグッとくる。そしてNulbarichは小泉今日子の“あなたに会えてよかった”のカバーも披露、続いて中田ヤスタカはきゃりーぱみゅぱみゅの“ファッションモンスター”を疾走感あふれるリミックスで。そしてKICK THE CAN CREWが“クリスマス・イヴRap”(元ネタはもちろん、山下達郎だ)で締める。未来に向けて、クリスマスソングで終えるなんて、粋な計らいだ。

【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YK_04112017_SOUND_JUNCTION_0014-700x467
(c)Yusuke Kashiwazaki / Red Bull Content Pool
【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする YS_04112017_SOUND_JUNCTION_0007-700x467
(c)Yasuharu Sasaki / Red Bull Content Pool

「4方向からのライブ」というスタイルに加えて、4つのステージ上に設置された専用カメラで、ライブで盛り上がっている自分を撮ることができるという「Sound Junction Selfie」というシステムが導入されていたりと、さまざまな試みが行われたこの日。フロアでは10代も子連れの人たちも一緒になって楽しんでいたのが印象的だった。それぞれの音楽や感性、好きなものが交じり合い、そこから新たな可能性が生まれる。まさに<SOUND JUNCTION>というタイトルにふさわしい日となった。

【レポート】<SOUND JUNCTION>KICK、水カン、ヤスタカ、Nulbarichが日本の音楽をアップデートする SS_04112017_SOUND_JUNCTION_0014-700x467
(c)Suguru Saito / Red Bull Content Pool

EVENT INFORMATION

RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017

2017.10.22日(日)〜11.17(金)
都内各所(渋谷・恵比寿・六本木など)
各公演によって異なります。詳しくはオフィシャルサイトにて。

主 催:レッドブル・ミュージック・フェスティバル実行委員会
後 援:一般財団法人渋谷区観光協会

詳細はこちら

text by official