アルファ ロメオ・ザウバーとして33年ぶりにF1のサーキットに帰ってきたアルファ ロメオ 。ここで、レースと共に歩んできたその歴史を振り返ってみよう。
アルファ ロメオが33年ぶりにF1に復帰する……。2017年11月。かねてから噂として上がっていたそのニュースは、とりわけF1の本場ヨーロッパにおいて喜ばしいニュースとして受け入れられた。
FIA Formula One World Championship™。通称・F1(エフワン、フォーミュラワン)。
それは、走る・曲がる・止まるを極めた、純粋に速く駆け抜けるための一人乗りレーシングカーで競われる、文字通りの自動車レースの世界最高峰。
その舞とアルファ ロメオとの深い関係についてご紹介したい。
レースと共に歩んできたアルファ ロメオ
1910年に創業したアルファ ロメオは、産声をあげるとほぼ同時に、レースの世界にその身をおいてきた。1930年代頃まで、つまり戦争がはじまる以前、自動車には今とは比べ物にならないほどの高級品であり、大変なステイタスを持ちあわせていた。
当時の一流といわれる自動車メーカーたちは、こぞってその性能や品質を世に問うべくレースに参加していたわけだが、今も名門とうたわれるメーカーたちの歴史とは、この頃のレースでの活躍によって生まれたもの。
アルファ ロメオはその筆頭格であり、かの自動車王ヘンリー・フォードをして「私はアルファ ロメオが通り過ぎると帽子をとり一礼する」といわしめたほどの存在。他を圧倒する革新的な技術による勝利の数々。それを背景に作られた品質とデザインを身にまとった市販モデルの数々によってより確固たるものになっていく。ちなみに、1925年に開催された世界初の自動車統一王者選手権ともいえる「Automobile World Championship」での最初の栄冠もアルファ ロメオに輝いている。
あのフェラーリもかつてはアルファ ロメオのドライバーだったが……!
Text:馬渕 忠則