今年も大盛況に終わった世界最大級のクラシックフェス、<ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018>。イベント当日の様子とともに、クラシック音楽界の常識を覆す手法を用いて世界中の人を魅了するイベントに育て上げた、主宰者ルネ・マルタン氏へのインタビューをお届けする。

演奏時間は45分前後で低料金設定。公演のハシゴも可能なクラシックフェス

“ハチャメチャな日“という意味のラ・フォル・ジュルネは、1995年にフランス西部の町ナントで誕生以降、世界中に響き渡ったクラシックフェスだ。日本には2005年に上陸。毎年ゴールデンウィークに開催され、5月3日から5日に行われた今年の<ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018>で14回目を迎えた。

ここまでの説明で、“クラシックフェス“という言葉に違和感を覚える方もいるだろう。伝統と格式、または荘厳で長大なクラシック音楽と、ロックやポップスで馴染み深いフェスが融合するはずはないと。一般の人が抱くそんな固定観念を鮮やかに吹き飛ばし、クラシックのフェス化という革命的な実験を成功させたのがラ・フォル・ジュルネ最大の特徴だ。

ロックとジャズが好きな少年が世界最大のクラシックフェスを作り上げるまで music_lfj_4848-1200x801

まず、クラシック初心者にとっては敷居の高い長い演奏時間を45分前後に短縮。さらに高額になりがちなチケット代を低額に設定。今回の<ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018>では、1,500円から3,000円で1公演を楽しめるリーズナブルなプライスが用意された。

しかも世界の一流演奏家を招いた3日間の公演数は、丸の内エリア・東京国際フォーラム他と、池袋エリア・東京芸術劇場他を合わせて全178公演。朝から晩まで公演が目白押しなので、様々なコンサートのハシゴも可能という、まさしくフェスと呼ぶ以外にない一大音楽イベントとなっている。

ロックとジャズが好きな少年が世界最大のクラシックフェスを作り上げるまで music_lfj_313-01-1200x789
©teamMiura
ロックとジャズが好きな少年が世界最大のクラシックフェスを作り上げるまで music_lfj_316-26_-1200x800
©teamMiura

主宰者ルネ・マルタン氏インタビュー。ロックとジャズが好きな少年のクラシック音楽との邂逅とは?

続きを読む!

Text:田村 十七男
Photos:安井 宏充