今、ダンスミュージックの起点となる都市はどこか?ベルリンやロンドン、イビザと答える人もいるかもしれないが、世界でも有数のレコードショップが軒を連ね、毎年素晴らしいラインナップで開催される<Dekmantel Festival>や、ダンス・ミュージックの祭典ADEも開催されるオランダの首都アムステルダムは、1年を通じて話題に事欠かないシーンの中心都市の一つだ。

 

ここ日本でも著名なDetroit Swindleのレーベル〈Heist〉や、ドイツの名門レーベル〈Dirt Crew Recordings〉からのリリースで注目を集め、自身のレーベル〈Quartet Series〉から待望のフルアルバム『When You Find a Stranger in the Alps』をリリースしたNachtbrakerは、10年以上に渡る彼のキャリアの長さとは裏腹にまだ27歳。

最新アルバムは実に幅広いトラックで構成され、彼のプレイにも通じる自由な世界観が凝縮されている。アムステルダム発、モダンハウスシーンの新星Nachtbrakerに、来日直前のインタビューを行った。

Interview:Nachtbraker

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ーーはじめに自己紹介をお願いします。

こんにちは、Maurits VerwoerdことNachtbraker。27歳でオランダアムステルダムに住んでます。ここ10年くらいこの名義で曲を作り続けてるかな? それから〈Quartet Series〉というレーベルを3年間前にスタートして、それと<ZeeZout>というフェスティバル、Rins FMやRed Light Radioといったラジオのレジデントもやっているよ。

ーーあなたのプロジェクトNachtbrakerとレーベル〈Quartet Series〉について紹介してもらえますか? アーティストネームの由来も教えてください。

Nachtbrakerという名義で10年。最初のギグはそれこそ友達の家で始まったのかな。友達からフライヤーに何かアーティストネームを載せろよ、と言われてこの名前を仲間が付けたんだ。その時は夜の11時から朝の7時まで曲を作ってたから、オランダ語で「夜更かし/フクロウ」って意味の「Nachtbraker」がそのまま名前として誕生したってことだね。

〈Quartet Series〉は元々自分の中にレコードをみんなに収集してもらえるような仕掛けをアイデアとしてもっていたんだ。子供の時に「quartets」っていうカードゲームにハマってて、自分のレーベルもそのカードみたいにできないかと思ったんだ。4枚の似てる絵を集めて「Quartet(カルテット)」を完成させる。これこそレーベルのコンセプトだ!ってね。だからアートワークがとっても重要な柱だし、それに関しては本当に力を入れたよ。自分が信頼するヴィジュアルアーティスト達と一緒に仕事をしたね。

※レーベルのジャケットを手がけたのは以下のヴィジュアルアーティスト。Marcoはレーベルロゴと初期のジャケット、Elsemarijnはその後のジャケット、Lunaは今回のアルバムアートワークと最新のプレスフォトを手がけた。

ElsemarijnMarcoLuna

ーー今回はフルアルバムのリリース後のツアーですが、アルバムの内容についていくつか質問させてください。今回のアルバムはどのような環境で製作されましたか?

そうだね。僕はあまりたくさんの機材を使う方じゃないかな。時々友人でもあり、スタジオが隣同士のDetroit SwindleからKorg Monopolyをたまに借りることがあるね。それからMC303 Grooveboxも使ったな、とてもいい音がでるんだよ。でもほとんどの作業はソフトの中で完結しているよ。FL Studioをメインに使いながらFruity Loopsを制作の最初から活用している。これは10年前に制作をスタートしてからずっと変わってないし、一番クリエイティブを発揮できる自分の習慣みたいなもんだよね。さらにWavesやArturiaみたいなプラグインも使ってるよ。

サンプリングはとにかく沢山やるな。古いファンクやソウル、ジャズ、アンビエント、ヒップホップはもちろん、フィールドレコーディングもよくやるね。それこそ、アルバムの最初の曲はモロッコの近くのランサローテ島っていう島に住んでいる友達の家でDream Sequenceを使って作ったんだ。クラップ(拍手)の部分は部屋の中でいい感じのエコーがかかるような場所で何度も叩いてレイヤーしていったんだ。かすかに聞こえる電車の音とかは地元アムステルダムのトラム(路面電車)をレコーディングしたし、それこそトラック「Aliens」はYouTubeからUFOを目撃してパニックになってる人たちの声をサンプルしたし、トラック「lol」もYouTubeから取ったね。

「lol」は引き笑いみたいな声をYouTubeの断片から見つけてそれを使ったんだ。17か18歳の頃に実家の屋根裏で友達とやってたバカ笑いみたいなのをこの曲で表現したかったんだ。

ーーアルバムに収録されたトラックは実に幅広いBPMやテイストで構成されていて、フロア映えは勿論、リスニングでも楽しめるように構成されているように感じます。このアルバムのコンセプトについて話してもらえますか?

それはシンプルにアルバムがどうなったかってことだよね。2年半前からアルバムのプロデュースに取りかか始めたけど、明確なコンセプトやアイデアがあったわけじゃなかった。ただ自分は窮屈と感じることなく音楽を作りたいと思ってたからね。

だから自分が現場でたまにプレイしたいなと思ってた曲を作って、それをプレイリストに入れて使っては捨ててたけど、満足できるプレイリストができるまで立ち止まることは無かったんだ。ほとんどの楽曲はまっさらな状態からスタートして、単純に曲から曲へ移行するという感じ。時には曲がドラム&ベースで終わるのもあれば、ヒップホップだったり、ハウスやテクノのクラブトラックだったりするしね。

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ーー個人的にはB1-Randy、C-2 Just Doing My Thang、D-1Aliensがお気に入りなのですが、アルバムの中で特に気に入っているトラックはありますか?

ありがとう。正直言って全部の楽曲が好きだからね(笑)。自分にとってベストじゃない曲はアルバムに入れないよ。強いて言えば「Driving Me Lazy」「 Horsepony」そして「Just Doing my Thang」は作れたこと自体に誇りを持ってるし、プレイするのは「Flambo」と「Randy」が最高だね。

ーーあなたのリリースするトラックには個性的なパーカッションやサンプリングが、予想外のタイミングで散りばめられているように感じます。あなたがこうしたトラックを製作するようになった音楽的なルーツや、影響を受けたアーティストについて教えてください。

音楽の勉強は全くしいてないんだ。ちょっとのコードやピアノは弾けるけど、それだけ。でも音楽をよく感じて、曲を聴く時に、自分にこれが使えるぞっていう音の断片をいつも見つけることができる。だからサンプルをするし、とにかく沢山の音楽を聴いて、正しい気持ちで、正しい音の断片をサンプルするだけさ。

ーー今後のリリースやツアーの予定について教えてください。

今始まっているアジア/オーストラリアのツアーが本当に楽しんでるよ。(ツアーフライヤーを見てくれ!)日本や韓国そしてオーストラリアの雰囲気は最高だし、戻れて本当に嬉しいよ。遠くの世界に自分の音楽が届いているのが本当に嬉しいよ。

ーー2015年の初来日から今回が4度目の来日ですが、日本でのお気に入りの場所はありますか?また好きな日本の食べ物やお酒など、あれば教えてください。

もちろん。何度もここに訪れていつも歓迎されてる気持ちだよ。世界中で最も気に入っている場所だ。東京も好きだし、2017年に初めてプレイした大阪も訪れることができた。クールな街で現地の人も本当に素晴らしいよ。次に来る機会があれば東京や大阪に限らず日本の色々なところを訪れたい。もっともっと発見できる事があるはずだからね。田舎の方なんかも間違いなく素晴らしいだろうね。好きな食べ物は、即答で味噌ラーメン! 毎日食べれるよ。

ーー最後にギグを楽しみにしてくれているあなたのファンにメッセージをお願いします!

またみんなの前でプレイできるのが待ち遠しいよ。ここは僕にとって最も楽しくて、世界中で一番素晴らしい観客がいて、本当にやりがいがある。何年もサポートしてくれたことに本当に感謝したいし、何度も戻って来ることを約束するよ。ありがとう!

Nachtbraker

ダンスミュージック都市アムステルダムの新星Nachtbraker、来日直前インタビュー Nachtbraker

2019.01.26(土)
OPEN 23:00
DOOR ¥3,500|FB discount ¥3,000ADV ¥2,500

ROOM1
Nachtbraker
Midori Aoyama(Eureka!)
Frankie $(N.O.S.)
Atsu(B-LIB)

ROOM2
T.P
shunhor
Mari Kim
Ueno(Charterhouse Records)
Shohei Magaino
Jasmine(Mnchr-m)

ATTENTION
You must be 20 or over with Photo ID to enter.
Also,sandals are not accepted in any case. Thank you for your cooperation.

VENTでは、20歳未満の方や、写真付身分証明書をお持ちでない方のご入場はお断りさせて頂いております。
ご来場の際は、必ず写真付身分証明書をお持ち下さいます様、宜しくお願い致します。
尚、サンダル類でのご入場はお断りさせていただきます。予めご了承下さい。

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