《時はまるで泡沫 朝が来るまで踊り続ける 音に合わせ》

どうも、ご無沙汰しております。〈TREKKIE TRAX〉のfutatsukiです。
Qeticでのコラム連載も4回目ということで、今回は8月31日(土)に開催される<WORLD CLASS × TREKKIE TRAX 7TH ANNIVERSARY feat. SAN HOLO>に向けて、TREKKIE TRAXの7年間と現在についてお話できればと思います。

冒頭の歌詞はこのコラムが掲載される頃にはTREKKIE TRAXよりリリースされている『Batsu & EVO+ – 泡沫』から抜粋したものです。
この楽曲は我々音楽に向き合う者の心境を歌った1曲であり、またそのリアルな情景描写に自分を重ねてしまう部分も多く、自分のレーベルから出た曲ですが聞き込みながら常々考え込んでしまいます。

TREKKIE TRAXの7年間はまさにこの歌詞のように、泡のごとく消え去っていき、そしてまた新しく生まれていく、その繰り返しでした。それは現代の音楽シーンにおける必然的な宿命でもあり、いかに泡のように消えていかない音楽を世の中に残していくか、それがアーティストとレーベルの宿命でもあると言えます。

Batsu & EVO+ – 泡沫

TREKKIE TRAX – フェーズ1

TREKKIE TRAXの出会いは2012年2月に秋葉原にある「AKI85」で開催されていた<U-20>というイベントから始まります。そこから7年間、僕たちは僕たちになりにTREKKIE TRAXのフィロソフィーともいえる「TREKKIE TRAXは、あらゆるジャンルのクラブミュージックを、世界へ発信することを目的にしたクリエイター集団です。」を体現してきました。

TREKKIE TRAXの全てのリリースや、活動方針はこのフィロソフィーに基づいていたなと、こういったタイミングで振り返ることで気付かされます。

もともとTREKKIE TRAXは<U-20>が終了するのに合わせ、自分たちの音楽活動を継続するため、また自分たちの身の回りの人間の楽曲リリースするために設立されたレーベル・そして小さな音楽コミュニティーでした。なので当初はただ自分たちの作品を発表する場を作るということだけが目的で、それ以外のことなんて何も考えていませんでした。

そして、ただパーティーを続けたいその一心だけで活動していました。なのでパーティーも超小箱から、ラウンジ、長時間に及ぶロングセット、来たオファーを断る事なく、出演料を貰うこともなく、ただがむしゃらにDJをしていたような気がします。

リリースの面では2014年までは変わらずに友人のアーティストを中心に、作品の評価やその後の展望など何も考えずただ目の前にある作品をリリースしていた覚えがあります。テクノ・ハウス・ダブステップ・グライム・ジューク・ビーツといった自分たちが大好きなジャンルの様々な楽曲をリリースしてきました。一般的なダンスミュージックレーベルのように特定のジャンルに特化したレーベルではなく、今自分たちがリリースしたい楽曲をリリースする、今でも続くその礎はTREKKIE TRAXのレーベルカラーを色づける上で大きな役割を果たしました。ここまでがTREKKIE TRAXのフェーズ1という感じです。

TREKKIE TRAX REPORT Vol.4|TREKKIE TRAX 7周年に寄せて column_190826_trekkietrax_2※2012年、レーベル発足した当時のandrewとCarpainter、andrew痩せすぎ。

TREKKIE TRAX – フェーズ2

そして2014年12月に『AMUNOA – Cinderella Song EP』、2015年1月に『Masayoshi Iimori – Break It』をリリースしたことを皮切りにフェーズ2へ突入します。

当時レーベル主宰者の1人であるSeimeiが渡米していたこともあり、これまでどちらかと言うとアンダーグラウンドなダンスミュージックのリリースに重点を置いていた僕たちでしたが、トラップやフューチャーベースといった現在ではすっかりメインストリームとなってしまったジャンルのリリースを増やしていきます。

これはSeimeiがサンフランシスコに3年留学していたのもあり、当時アメリカで流行っていた音楽をリリースすることでレーベルの海外での知名度アップを戦略的に狙った部分もあります。当時日本のダンスミュージックレーベルで海外進出しているレーベルは少なく、また鎖国状態だった日本のダンスミュージックシーンから海外へ飛び出た僕たちは圧倒的な速さで海外での知名度を確立していきます。

これまで日本アーティストのリリースを中心に行ってきましたが、このタイミングでCola Splash、Zekk、Ducky、Deon Custom、Foxsky、Lil Texasといった今では国際的にも有名なアーティストをリリースし、Soundcloudの再生数は日本より海外の方が多くなるほどでした。

ベースミュージックのフェスティバルミュージック化に乗じてSkrillexやDiploをはじめ様々な世界中の著名なDJに楽曲をプレイしてもらったり、アメリカ・中国・オーストラリアといった様々な国でもツアーを行いました。そして2016年11月にはアメリカ・ロサンゼルスの大人気パーティー<Bownies & Lemonade>やPorter RobinsonとMadeonのワールドツアーのサンフランシスコ公演を含めた大規模なアメリカツアーを行い大成功を収めました。

レーベルとしての一つのピークは確実にこのツアーだったと今でも思います。また今回<WORLD CLASS × TREKKIE TRAX 7TH ANNIVERSARY feat. SAN HOLO>を開催するageHaにブッキングされたのも、丁度この頃でした。

TREKKIE TRAX CREW @ Brownies and Lemonade 2016

TREKKIE TRAX – フェーズ3

Seimeiが帰国し、2017年からは再度日本国内に焦点が戻ります。ここからがTREKKIE TRAXのフェーズ3だと思っています。
やはりこのタイミングで世界との距離が少し開いてしまったのは肌身で感じましたが、それでもTREKKIE TRAXだから出来る日本での立ち回りを考えました。そして世界中でダンスミュージックの消費スピードがレーベルを始めた頃に比べて何倍もの速さになっていることを実感しました。

その中でよりTREKKIE TRAXらしいレーベルカラーを打ち出すべく、Fellsius、gu^2、ONJUICY、iivvyyといった新たな日本人アーティストをリリースを行う傍ら、FoxskyやMaxoを中心に海外のアーティストのリリースも継続して行ったり、Mad Decentのファミリーレーベルからコンピレーションをリリースするなど、日本に居ながら世界にどうやって日本のダンスミュージックを発信する事ができるか挑戦しました。

そして海外から著名なアーティストを招聘しているageHaで開催されているパーティー<World Class>への出演も2017年から始まります。<World Class>ではAllison Wonderland、Mija、RL Grime、Yellow Claw、Moksiといったアーティストと共演することになるほか、ageHaのARENAでも何度もプレイすることになりました。

レーベル発足時はお客さんが1~2人だったパーティーを何度も繰り返してきた僕たちからするとageHaのアリーナは程遠い場所だと思っていましたし、世界で評価されることはあっても日本国内からは全く評価が結びつかなかった僕たちをしっかり評価していただき、大きな舞台へ引っ張り上げてくれたことは今でも感謝しています。

そして2018年に開催した<TREKKIE TRAX 5th Anniversary>にてアメリカからFoxskyとMaxoを招聘し、club asiaにTREKKIE TRAXの歴代全てのアーティストを集結させ一世一代のパーティーを行いました。5周年は今でも思い出すようなとても記憶に残る一夜となりました。

そして5周年を経た僕たちは完全に燃え尽きてしまい、ダンスミュージックシーンでの楽曲消費の速さも相まって今後のレーベル方針やパーティーの方向が完全に見えなくなって行きました。その後、日本各地を飛び回りいろんなアーティストと話し合ったり、昔からTREKKIE TRAXをサポートしてくれていた人々に会い、今後のレーベル方針について深く考えました。
TREKKIE TRAX REPORT Vol.4|TREKKIE TRAX 7周年に寄せて column_190826_trekkietrax_3

TREKKIE TRAX – フェーズ4

そして2019年、TREKKIE TRAXはフェーズ4に入ったと実感しています。新時代の象徴として 『TREKKIE TRAX CREW & なかむらみなみ – 令和』をリリースしたことを皮切りに、『ONJUICY – このまま2人/Relax & Chill』や『Batsu & EVO+ – 泡沫』といったより国内にフォーカスしたボーカリストやラッパーをフィーチャリングした楽曲を次々とリリースしています。

世界の音楽シーンに食らいついていくことを意識しすぎた僕たちは今一度日本に立ち戻り、自分たちなりの音楽表現をアーティストと共に模索しています。それはもしかしたらダンスミュージックを基調にした僕たちなりのポップスの提示なのかもしれません。もちろん今後も自分たちの信じた音楽をオーバーグラウンド、アンダーグラウンド問わずリリースしていく予定なので、楽しみにしていてくださいね!

TREKKIE TRAX CREW & なかむらみなみ – 令和

そして8月31日にはTREKKIE TRAX7周年として<WORLD CLASS × TREKKIE TRAX 7TH ANNIVERSARY feat. SAN HOLO>をageHaで開催します。間違いなく最初で最後かもしれない、TREKKIE TRAX結成至上最大のパーティーとなります。

ARENAにはフューチャーベースレーベルを主宰するSan Holoを始め、TREKKIE TRAX黎明期からの仲間でもあるbanvox、そしてTREKKIE TRAXからはARENAに初登場するFellsiusを始め、昨年末のコンピレーションへの参加を皮切りに様々なビッグパーティーでも共演しているAllen Mock b2b Herbalistek、そしてお馴染みTREKKIE TRAX CREWとMasayoshi Iimoriが出演します。

またレーベルショーケースを行うWaterではONJUICY、なかむらみなみのLiveを始め、今年3月に1st アルバムをリリースしたNative Rapperや、先ほども紹介したニューシングルをリリースしたBatsu、11月にニューアルバムのリリースも決定しているCarpainterのLive Set、TREKKIE TRAXとも馴染みの深い福岡のコレクティブからShiggeのLive Set、そしてTREKKIE TRAXから多数のリリースがあるAmps、gu^2、isagen、Maru、Ryuki Miyamotoが出演します。

またISLANDにはYunomiやYUC’e、TORIENAといった新世代のアーティストが出演するなど、7周年を飾るにふさわしい素晴らしいアーティストが集結しました。

《時はまるで泡沫 朝が来るまで踊り続ける 音に合わせ》

という歌詞にもあるよう、一瞬で消えてしまいうかもしれないけど、皆の記憶に残る一夜となるよう最高のパーティーを準備していますので、皆さん是非遊びにきてくださいね!

EVENT INFORMATION

WORLD CLASS × TREKKIE TRAX 7TH ANNIVERSARY feat. SAN HOLO

TREKKIE TRAX REPORT Vol.4|TREKKIE TRAX 7周年に寄せて column_190826_trekkietrax_4
2019.08.31(土)
23:00〜05:30
新木場 ageHa
ARENA :
San Holo
banvox

TREKKIE TRAX CREW
Masayoshi Iimori
Fellsius
Allen Mock b2b Herbalistek

WATER :
ONJUICY (LIVE)
なかむらみなみ (LIVE)

Amps
Batsu
Carpainter (Live Set)
gu^2
isagen
Maru
Native Rapper
Ryuki Miyamoto
Shigge (Live Set)

ISLAND :
Yunomi
YUC’e
TORIENA
KOTONOHOUSE
MARSHALL
ダイキハヤシ
taros
sunoko B2B kei-9

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