2017年11月に中国の5都市を回るツアーを行い、翌年の3月に恵比寿リキッドルームにて凱旋ファイナル公演<中国巡演最終站>を開催したTempalay、ドミコ、MONO NO AWARE。あれからおよそ2年ぶりとなる今年10月、再び彼らが集結し、東名阪を回るツアー<中国巡演増加演出>を行うことが発表された。そこで今回は、小原綾斗(Tempalay)、さかしたひかる(ドミコ)、玉置周啓(MONO NO AWARE)という各バンドのフロントマンに集まってもらい、中国ツアーの思い出や今回のイベントに向けての意気込みなどを自由に語り合ってもらった。

2018年3月1日 中国巡演最終站 Teaser(Tempalay x ドミコ x MONO NO AWARE)

もともとTempalayとドミコは、共同企画イベント<BEACH TOMATO NOODLE>を主催するなど“浅からぬ縁”があったものの、MONO NO AWAREはほぼ“初対面”のまま中国へ飛び、5日で5都市を回るという超ハードかつ超濃密なスケジュールをこなしたことで、文字通り「盟友」となった3組。今や、押しも押されもせぬ存在となった彼らだが、当時のツアーはどんな様子だったのだろうか。それを経た今、お互いのことをどのように思っているのだろうか。

終始笑いの絶えない、和気藹々とした鼎談の様子をそのままお届けする。

Tempalay × ドミコ × MONO NO AWARE「中国巡演」鼎談|盟友となった中国ツアーを振り返る interview1007_chinatour-0712

Interview:
小原綾斗(Tempalay)× さかしたひかる(ドミコ)× 玉置周啓(MONO NO AWARE)

──今日は、2017年に行った中国ツアーの思い出を聞かせてもらいたくて。

小原綾斗(Tempalay 以下、小原) ……正直あんまり覚えてなくて(笑)。ただ、むちゃくちゃ飲みましたね。

──5日連続公演だったんでしょう?

小原 もう全然覚えてない。どうやって回ったんだっけ。

玉置 广州、杭州、深圳、北京、上海……だっけ?

小原 めちゃくちゃ適当に言ってるだろ(笑)。てかもう、地獄のツアーでしたね。基本、バスとかじゃないと入らないくらいの機材量なのに、全然手配できてないんですよ。会場にもなかなか着かなくて俺ら機材を持ってウロウロさせられるし、着いたら着いたで会場のエレベーターが壊れてて。

さかしたひかる(ドミコ 以下、さかした) ああ、そうだったわ……。

小原 しょうがないから、管理人のおばちゃんに機材を見張っててもらいながら、一個ずつ運んだんですよ。

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──うわあ。

小原 それで、ようやく一段落ついてメシ食いに行ったら、帰りがけにMONO NO AWAREのドラマーが行方不明になって。

玉置 (笑)。

さかした ケータイ通じないから警察に連絡したよね。「かくれんぼ」みたいになってた。

玉置 (藤本)夏樹くん(Tempalayのドラマー)が「ここのトイレに入って行くの見た!」とか言って。俺もカメラを構えて付いて行ったら、刺青がたくさん入ってるオッチャンが水浴びしてて。「豊……いないあ……」って、ビビリながら夏樹くんが出てくる動画が残ってる(笑)。

さかした しかも、初日のホテルが独房みたいだったよね(笑)。

小原 とにかく、集団行動が苦手な3バンドなので。初日から帰りたくて仕方なかった。

──(笑)。ご飯とかはどうでした?

小原 現地のイベンターが薦めてくるメシ屋はことごとく不味くて。

一同 笑

小原 だって、中国に着いて最初に食べたのチキンラーメンですよ(笑)? で、次に行ったのが、ミルクティーとか出すカフェで。俺たちが求めてる中華料理が全然出てこない。

さかした これで5日間はヤバイな、と思ったよね。で、次の日のライブの前に散策して、そこで見つけたところがめちゃくちゃ美味かった。

玉置 ラムの串焼きね。

小原 自分たちで見つけたところは美味かったよね。最終日に食ったザリガニとか。

さかした あれ美味かったなあ。周啓がザリガニ剥くの、めっちゃ上手くなって。全部剥いてもらって食べてた。

小原 明日、帰国できるという嬉しさも相まって。

玉置 もう帰れるとなったら、俄然楽しくなったよね(笑)。「最後の中国、味わいつくそう」って。

さかした そこでも、たくさん飲んでたよね。

玉置 チンタオ(「青島」中国のビール)が薄いから、何杯でも飲めるんですよ。で、最後はまたパイチュウ飲んで(笑)。

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──オーディエンスの反応も、日本とは違いました?

玉置 ステージに上がった時の歓声が大きくて、「アイドルみたいだな!」と思いましたね。でも、演奏し始めたら全然動かない、みたいな。で、終わったらまた歓声が上がるっていう。なんか不思議な感じでした。

──気候とかも、都市ごとに全然違うんですか?

小原 北京はめちゃくちゃ寒いのに、上海はめちゃくちゃ暑かった。

さかした 暑すぎて眠れなかった。そこからだんだんちょうど良くなっていって、最後がマイナス10度とかそんな感じだったよね。5日間で真夏から真冬まで経験したっていう。

玉置 確かに。緯度の差がハンパなかったんですよ。

さかした 移動は車だったり、新幹線だったり、飛行機だったり。

玉置 基本、寝てたから距離感が全然つかめてないけど。

小原 それだけハードでも、打ち上げはしっかりやるっていうね(笑)。

玉置 しかも、打ち上げの始まる時間が遅いんですよ。

さかした ライブのオープン自体が21時とかで。ライブが終わって機材撤収して、自由になるのが深夜1時くらい。そこから打ち上げですからね。

小原 で、朝まで飲んで、少し寝てすぐ出発。売れっ子ミュージシャンみたいでしたね(笑)。

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──でも、それだけハードな時間を過ごしたら、バンド間の絆も深まりますよね?

さかした そうですね。ドミコとMONO NO AWAREは、この時がほぼ初対面だったから、中国で仲良くなったところはあります。

──ドミコとTempalayは、一緒にイベント<BEACH TOMATO NOODLE>を開催するなど、付き合いは長いんですよね?

小原 めっちゃ長いですね。俺がドミコの一方的なファンで、無理やり連絡先を聞いて、無理やり飲みに行って(笑)。

さかした 最初に(小原)綾斗と会った時にデモテープをもらって、家でそれを聴いたらめっちゃ良くて、気づいたら5曲くらい通して聴いてたんですよね。それで、Twitterで感想を呟いたら飲みに誘ってくれたんです。

小原 当時はまだ、2人とも埼玉に住んでたんですよ。で、ただの「飲み友達」みたいになって。そこからの付き合いですね。

さかした 居酒屋の趣味も合ったんですよね。それも仲良くなった理由の一つ(笑)。

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──今はお互いのこと、どんな風に思ってます?

玉置 えー、恥ずかしいなそれ!(笑)

小原 全く違うタイプだけど、それぞれが素晴らしい音楽的な才能をもってると思います。

さかした 恥ずかしいなあ……(笑)。でも、MONO NO AWAREは一緒に中国へ行くことになってから、初めて音源を聴いたんですけど、「歌詞の書き方すげえなあ!」と思った。「こいつ、絶対1週間に1冊ずつ本読んでるやろ?」って。

玉置 はははは。今は年に2冊くらいしか読んでないですけどね(笑)。でも、昔だったら週4冊は読んでました。

さかした TempalayとMONO NO AWAREは、俺たちの次に必要なバンドだと思いますね。

玉置 今、こうやって年齢関係なく仲良くしてもらってますけど、2人ともちょっと年上なので、やっぱり侠気を感じます。音楽はもちろん、普通にカッコいいと思ってますけど、話していて「男らしいなあ」って。俺とかフワフワ生きているので、“引っ張っていく感”はさすがだなって思いますよ。(さかした)ひかるくんも、綾斗くんも、「よし、次の店行くぞ!」って。

さかした 飲みの話かよ!

Tempalay “そなちね” (Official Music Video)

ドミコ(domico)/ペーパーロールスター(PAPER ROLL STAR)(Official Video)

MONO NO AWARE “かむかもしかもにどもかも!” (Official Music Video)

──(笑)。そんな3バンドが、再び集結するイベント<中国巡演増加演出>が東名阪で開催されますが、最後に意気込みを聞かせてもらえますか?

小原 中国ツアーから2年が経って、もう各々のバンドがワンマン出来るくらい成長して。作品もどんどん進化しているし、あの頃とは明らかに違いますよね。

玉置 今、この状態で中国ツアーやったらどうなっただろう。

さかした 確かに! そっちをやるべきだったね。

小原 今回も東京と大阪は即完だし、キャパも大きくなっているし。今回はファイナルを中国でやってもいいかもね。

一同 笑

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Text by Takanori Kuroda
Photo by 横山マサト

Tempalay × ドミコ × MONO NO AWARE「中国巡演」鼎談|盟友となった中国ツアーを振り返る tempalay

Tempalay

FUJI ROCK FESTIVAL’19出演! アメリカの大型フェスSXSWを含む全米ツアーや中国・台湾・韓国でアジアツアーを行う等、自由奔放にシーンを行き来する新世代バンド ”Tempalay”。15年9月にリリースした限定デビューEP『Instant Hawaii』は瞬く間に完売。16年1月に1stアルバム『from JAPAN』、17年2月に新作EP『5曲』を発売。17年夏にGAPとのコラボ曲“革命前夜”を収録した2ndアルバム『from JAPAN 2』をリリース。18年夏、 AAAMYYY(Cho&Syn)が正式メンバーに加わり、新体制後にミニアルバム『なんて素晴らしき世界』をリリースし、各方面から高い評価を得る。西海岸周辺の海外インディーシーンを感じさせる新世代脱力系サウンドに中毒者が続出中!

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ドミコ

‘11年結成。さかしたひかる(Vo/Gt)と長谷川啓太(Dr,Cho)の 2 人からなる独自性、独創性で他とは一線を画す存在。
これまで『soo coo?』(ʼ16.11)、『hey hey,my my?』(‘17.10)、『Nice Body?』(‘19.2)3 枚それぞれに異なる個性のアルバムをリリース。ドミコの真骨頂は音源のみならず、ステージ上2 人だけで音を重ね原曲を変幻自在に進化させていくライブにも定評がある。
FUJI ROCK FES.ʼ17、RISING SUN、RUSH BALL等に出演。JET全国ツアー(ʼ18.3)帯同、中国ツアー (‘17.11)、SXSW及び全米6箇所のツアー(‘18.3)、台湾公演(‘18.12)等を経て、ʼ19年2月全国15箇所のALワンマン『Nice Body Tour?』で更なる成長を遂げた。まさに世界照準の音を鳴らすバンドである。

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MONO NO AWARE

東京都八丈島出身の玉置周啓、加藤成順は、大学で竹田綾子、柳澤豊に出会った。
その結果、ポップの土俵にいながらも、多彩なバックグラウンド匂わすサウンド、言葉遊びに長けた歌詞で、ジャンルや国内外の枠に囚われない自由な音を奏でるのだった。
FUJI ROCK FESTIVALʼ16 “ROOKIE A GO-GO”から、翌年のメインステージに出演。2017年3月、1stアルバム『人生、山おり谷おり』を全国リリース。
同年8月ペトロールズのカヴァーEP『WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ?? – EP』に参加。
2018年8月に2ndアルバム『AHA』発売、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやZAZEN BOYS のフロントアクトを務め、数々の大型フェスに出演するなど次世代バンドとして注目を集める。

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EVENT INFORMATION

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中国巡演増加演出

2019年10月23日(水)
OPEN 18:00/START 19:00
東京/Shibuya TSUTAYA O-EAST
SOLD OUT

2019年10月28日(月)
OPEN 18:00/START 19:00
名古屋/名古屋クラブクアトロ
ADV ¥3,500(スタンディング・税込・1ドリンク別)

TICKET:チケットぴあローソンチケット

2019.10.29(火)
OPEN 18:00/START 19:00
大阪/梅田クラブクアトロ
SOLD OUT