PUNPEEがスペースシャワーによるオンライン・ライブハウスLIVEWIREにて実施した配信ライブ<Sofa Kingdomcome>、ARをふんだんに盛り込む演出で驚かせてくれました。実はこのライブ、セット内の小物、ARで描かれている物体、カメオ出演など、PUNPEEが隠し要素「イースターエッグ」をこれでもかと言わんばかりに盛り込んでいるんですよね。これは「配信で何回も見返して探してみてほしい」というPUNPEEのメッセージだと勝手に解釈し、見返してリストアップしてみました。僕が見つけたイースターエッグたちはこんな感じです!
PUNPEE LIVEWIRE<Sofa Kingdomcome>に隠されたイースターエッグ
◆ライブ開始前(0:30:00〜)
・キングダム・カム
車の運転席のような映像。カウントダウンをする時計が映し出されます。ダッシュボードに置かれた本はアメコミ『キングダム・カム(Kingdom Come)』。今回のライブタイトル<Sofa Kingdomcome>はEP『Sofa Kingdom』とこの『Kingdom Come』を合体させたものだと思われます。『キングダム・カム』はDCコミックスから出版されているシリーズで、引退したスーパーマンなどジャスティス・リーグの面々が復帰するというお話。「予定していたツアーがコロナ禍で延期になってしまったPUNPEEが、今回の配信ライブで復活する」みたいな意味が込められているのかも?
◆ライブ開始直後(0:35:15〜)
・赤いフォルクスワーゲン・ビートル
配信開始後、カメラが引くと車体全体が映し出されますが赤のフォルクスワーゲン・ビートルのオープンカーであることがわかります。これは“タイムマシーンにのって”のタイムマシーンを思わせます。
・マンハッタンレコード
渋谷・宇田川町のレコード専門店。ヒップホップヘッズにはおなじみの店です。
・赤い自転車
PUNPEEは自転車に乗って登場。よく見るとこの自転車もタイムマシーンと同じフォルクスワーゲンのもの、色も赤でおそろいです。
・Adidasのスニーカー
自転車を降りるPUNPEE。足元のAdidasのスニーカーは“タイムマシーンにのって”MVの中に登場した3本線が発光するもの。新木場スタジオコーストで行ったライブ<Seasons Greetings’18>でも着用していました。
・シスコ坂
自転車を降りて歩き始めるPUNPEE。道を渡り、坂を登っていきます。この坂は「シスコ坂」と呼ばれる坂でかつて、この坂の途中に「CISCO」というレコードショップがあったことからこう呼ばれるようになりました。シスコは日本語ラップやヒップホップのレコードを多く取り扱い、ショップのセールの際にはこの坂にものすごい行列ができていました。
・4人組がサイファー
坂の途中で4人組がサイファーをしており、PUNPEEも一瞬そこに参加します。サイファーをしているのはDARTHREIDER、METEOR、丸省、インダラの4人。METEORは今回の『Sofa Kingdom』にも2曲、語りで参加するなどPUNPEEと親交の深いラッパー。DARTHREIDERは“CISCO坂”という楽曲を以前、発表しています。
・神南小学校前のグラフィティ
坂を登りきったところで一旦立ち止まってしてラップを続けるPUNPEE。その背景にはグラフィティで「Febb」と書かれています。これは2018年に亡くなったラッパー、Febbさんに対するシャウトアウト的な意味があるのかもしれません。ちなみにこのグラフィティの裏にある建物は神南小学校という小学校でK DUB SHINEさんの母校だったりします。
R.I.P Febb as Young Mason 今日で2年か。この場所は俺にとってお墓みたいな場所だ。バフしないでね。渋谷区。#febb#febbasyoungmason#安井清一 pic.twitter.com/dy3kS87y5m
— シスコ坂エクスクルーシヴ (@CISCOZAKA) February 14, 2020
◆東急ハンズ前〜パルコ前(0:39:00〜)
・スクラッチするDJ
東急ハンズ前でPUNPEEがカメラを左にパンするとPUNPEEのバックDJの1人、DJ ZAI登場。ポータブルのターンテーブルでスクラッチを披露します。
LIVEWIREありがとうございました✌️ pic.twitter.com/dRluYNffwU
— DJ ZAI (@DJZAI) September 13, 2020
・原島“ど真ん中”宙芳
PUNPEEがカメラを右にパンするともう1人のバックDJ、原島“ど真ん中”宙芳登場。おもむろに缶ビールを開けて飲み干します。飲むのはもちろん、PUNPEEもいつも飲んでいるアサヒスーパードライですね。
ライブ会場に到着(42:50)
・WWW X
パルコをぐるっと回ってライブ会場WWW Xに登場。ここは元々はシネマライズという映画館だったライブハウス。映画的な演出の配信ライブを行う会場として、PUNPEEは会場にもこだわったのかもしれませんね。
・『The Sofakingdom』ジャケット要素
ステージとは別の場所に『The Sofakingdom』のジャケット画像を模したソファーのセットが組まれています。ソファー、ライト、観葉植物、SUMMITサイン、ポータブルラジオ、壁掛け時計、カメのぬいぐるみなどがこのジャケットからの要素です。
・銀の像
アカデミー賞のオスカー像を連想させます
・グレムリン&ギズモのフィギュア、『グレムリン』のVHS
映画『グレムリン』には3Dメガネが印象的に登場します。VRなどを想起させるアイテムであり、EPの収録曲“GIZMO (Future Foundation)”のモチーフにもなっています。
・赤いランプの置物
映画『2001年宇宙の旅』に登場する人工知能コンピューターHAL 9000です。「タイムマシーンにのって」MV内に登場する金庫もHAL 9000を思わせるデザインでした。『2001年宇宙の旅』もPUNPEEがよく引用する作品のひとつですね。
Tsuneさん監修したHALバッグ、ほぼサイズ同じだった。キューブリックミュージアム。シャイニングの双子の服とかアポロのセーターとかオリジナルで残ってた。P pic.twitter.com/wshgKclEIm
— PUNPEE (@PUNPEE) August 29, 2019
◆“GIZMO(Future Foundation)”(1:07:25)
・VHSテープ
宙を舞うVHSテープ。『They Live』と書いてあるのでこれは映画『ゼイリブ』になります。エイリアンが見えるというサングラスが登場するこの作品、VRなどがテーマのこの曲にふさわしいタイトルだと思います。
・2冊のアメコミ
アメコミは2種類。ひとつは『LOBO』。日本語版はPUNPEEが翻訳の監修をしています。もうひとつ、黄色い方は『ウォッチメン』。こちらの作品について、これまでにもPUNPEEは何度か言及しています。
・ギズモ
曲のタイトルにちなんで『グレムリン』のギズモも登場。目線が入っているのが笑えます。
・レコード
PUNPEEと5lack、GAPPERのユニットPSGの『DAVID』です。
・ハンバーガー
チーズが入っているのでチーズバーガーと考えると、これはアイアンマンのトニー・スタークの好物と重なります。PUNPEE“Happy Meal”の中にも《ありったけのチーズバーガー、チミチャンガにワッパー》というリリックが登場します。
・レッドブル
レッドブルの缶。PUNPEEは以前にレッドブルのCMソングを提供していました。
・SUMMITサイン
こちらはおなじみ、PUNPEEが所属するレーベルSUMMITのサイン。
・タクシー
途中で登場するタクシーは映画『タクシードライバー』オマージュ。モヒカンのトラヴィスが運転しています。リリックの《タクシードライバー Fortnite すげーな どちらのトラヴィスも病んだ世界が産んじゃっている》に対応しています。
・巨大な足
巨大な足はトラヴィス・スコット(Travis Scott)が『Fortnite』で行ったライブで登場した巨大トラヴィス・スコットを思わせます。PUNPEEはインタビューで「自粛期間中、トラヴィス・スコットの『Fortnite』ライブに刺激を受けた」と言及していました。こちらもリリックの《タクシードライバー Fortnite すげーな どちらのトラヴィスも病んだ世界が産んじゃっている》に対応しています。
・ジャングルの動物たち
ジャングルに登場する動物は象、ライオン、カバ、シマウマの4種類。シマウマはラッパーのZEEBRA、ライオンは「大峠雷音」ことDEV LARGEの可能性があります。(たぶん考えすぎですが……)
・宇宙船
惑星間を飛ぶ宇宙船は『2001年宇宙の旅』のディスカバリー号です。
◆“タイムマシーンにのって”(1:10:46)
・黒猫
「タイムマシーンにのって」MVに登場する黒猫が宙を舞います。《箱の中の猫を守っても》というリリックに対応。元ネタは量子力学の「シュレーディンガーの猫」です。
・板橋駅改札と噴水
PUNPEEがレペゼンする地元、板橋駅の東口をARで再現。
・黒いスーツの男性と赤いドレスの女性
“タイムマシーンにのって”MVに登場するPUNPEEの両親の若き日の姿です。
・通行人の履くスニーカー
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』に登場する未来のナイキスニーカーです。
・途中で降り出す雨と雷
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で「雨」と「落雷」は未来に戻る重要な要素でした。
・TEXACOのサイン
ネオンで輝くTEXACOのサイン。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するガソリンスタンドです。
・巨大なサメ
『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の映画館前で登場するホログラムのサメです。
・時計台
楽曲のモチーフとなっている映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場する時計台。曲の終盤で映画と同様に雷が落ちます。
・アサヒビールのサイン
PUNPEEお気に入りのビールメーカーです。「パーフェクト」と書いてあるので『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』に登場したペプシ(PEPSI PERFECT)のデザインがモチーフになっていると思われます。
板橋兄弟(PUNPEE&原島“ど真ん中”宙芳)が配信プロジェクト<#S/B/C/A>に登場 – Qetichttps://t.co/AHusQ3xJvz
— Qetic (@Qetic) May 25, 2020
・背景に映し出された未来都市
2057年の板橋のようです。
・顔が割れて中から飛び出す顔
楽曲終盤に登場する老人PUNPEEの顔が割れて中から若いPUNPEEが登場するAR。これまでも何度かPUNPEE作品やライブに登場している映画『トータル・リコール』のオマージュです。
あとこの、あの映画っぽい自分のCGは"Movie On the Sunday"のジャケットでもお世話になった福嶋カルロス君(@Shun_carlos)にやっていただきました。alphaliezというCGのカンパニー主催だったり、あの映画やその映画で冴え渡る仕事ぶりを発揮している方です。感謝。P pic.twitter.com/z0P4ar273Q
— PUNPEE (@PUNPEE) August 13, 2018
以上、何度も配信を見直して僕が気づいた隠し要素、イースターエッグでした。きっとまだまだ見落としている要素はたくさんあるんだと思います。何度も見返しができるのが配信ライブの大きな魅力のひとつ。9月20日(日)23:59までのアーカイブ配信期間中に目一杯見返して、PUNPEEが作品内に隠したものを全部発見したいですね!
▼合わせて読む
・ライブレポート:LIVEWIRE PUNPEE<Sofa Kingdomcome>|映画作品のような夢見心地の時間
Text by みやーんZZ
Photo by 横山純
EVENT INFORMATION
LIVEWIRE PUNPEE “Sofa Kingdomcome”
2020年9月20日(日)23:59まで見逃し配信中
チケット販売期間:2020年9月20日(日)21:00 JSTまで
¥2,500
※チケットのご購入、ライブのご視聴は「LIVEWIRE」での配信となります。下記のチケット購入ボタンを選び、ご購入ください。