“眠り”がテーマのコンサート<SLEEP>の全貌と裏側を、音楽家マックス・リヒターの素顔とともに映し出した珠玉のドキュメンタリー『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』が、3月26日に日本公開を迎えた。そしてこの度、睡眠時の“心と音の関係”に迫った本編映像が解禁となった。
『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』本編映像が解禁
ロサンゼルス野外のグランドパークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖母大聖堂など、世界各地のシンボリックな場所で次々と開催され話題を呼んだ、8時間以上に及ぶマックス・リヒターのコンサート<SLEEP>。観客は開演の真夜中から明け方まで、会場に並べられたベッドに横たわってライブ演奏を聴き、そのまま眠ってしまったり、歩き回ることも自由という企画となっている。
「睡眠時の心と音には結びつきがある」と直感していたというマックス・リヒター。そのアイデアをもとに、“眠った状態のまま聴かせる8時間の曲”を作ろうとリヒターから相談を持ちかけられた脳神経学者デイヴィッド・イーグルマンは、当初驚きを隠せなかったという。
今回公開された本編映像では、「人間の脳の中では850億個の神経細胞が個別に活動している」「一方睡眠中はそれらの細胞が集団で動く、だから睡眠中の脳波を測ると緩やかな波が検出されるんだ」といった語りが切り取られている。“脳波と親和性が高いのはどんなリズムか”、“どんな音の繰り返しがふさわしいか”などの会話を重ねていったというイーグルマンとリヒター。リヒターが目指した徐波(ノンレム)睡眠時の脳波とリズムが調和する音楽が、どのようなプロセスを経て生み出されたのか、その一端を垣間見ることができる映像となっている。
なお映画本編では、リヒターと公私にわたるパートナーであり、コンサートも一緒に作り上げてきたマールへのインタビューや、15年間にわたって彼女が撮りためていたリヒターの創作の様子を捉えたプライベート映像、そして彼が作曲家として成功するまでの苦難の道のりや、マールとの強い絆も明らかにされている。監督は、これまでにボノ(Bono)やサム・スミス(Sam Smith)など様々なミュージシャンとコラボしてきたナタリー・ジョンズ。<SLEEP>の魅力を映し出した繊細な演出と美しい映像を、是非映画館で体感してほしい。
『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』睡眠時の心と音 本編映像
『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』予告
INFORMATION
SLEEP マックス・リヒターからの招待状
3/26(金) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:ナタリー・ジョンズ
製作:ステファン・デメトリウ、ジュリー・ヤコベク、ウアリド・ムアネス、ユリア・マール
撮影:エリーシャ・クリスチャン
出演:マックス・リヒター、ユリア・マール、(ソプラノ)グレイス・デイヴィッドソン、(チェロ)エミリー・ブラウサ、クラリス・ジェンセン、(ヴィオラ)イザベル・ヘイゲン、(ヴァイオリン)ベン・ラッセル、アンドリュー・トール
2019年/イギリス/英語/99分/シネスコサイズ/原題:Max Richter’s Sleep/映倫:G
配給:アット エンタテインメント
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