昨年2022年に20周年を迎えたSAはパンクバンドという枠に収まりきらない、さまざまな音楽をかき鳴らしてきた。その飽くなき探求心こそ、底抜けにハッピーで常に前を向いて突き進んできたバンドの生き様そのものであり、それは新ドラマー・ANNYの加入によりますます加速している。10月に全国リリースされた最新作『hopes』を聴けば、これまで以上の音楽性の振り幅とバンドの懐のデカさがしっかりとパッケージされていることがわかるはずだ。
しかしながら、その背景には大きな困難があったという。
自らのファンを“コムレイズ”と呼び、戦友として共鳴しあってきた彼らにとって、新型コロナウイルスによるパンデミックという未曾有の事態、制約のあるライブ状況は大きな壁として立ちはだかった。そうした苦境の中で作り上げられた『hopes』。
「最後の作品になるんじゃないか──」
そこまで追い詰められた心境だったと明かすTAISEI(Vo)が、その胸中を余すことなく語ってくれた。どのようにして苦境の壁を乗り越えたのか、新しい扉を開く11月のワンマンへの想い、その熱き闘志を感じ取ってほしい。
自分に対する決着をつけなきゃいけないところに立った
──オフィシャルYouTubeの、最新作『hopes』についてメンバー4人が語る<Message from 『hopes』>の中で、「コムレイズのための音楽を作ったら終わると思った」というTAISEIさんの発言がすごく印象的でした。
この3年間のコロナ禍で、虚勢を張っていた部分があってね。例えば、もうコロナが終わったような曲を作ろうとか、もっと言えば「こんな中でも俺はやれてるんだぜ!」といった、コムレイズに対して強くいなければいけないという強迫観念みたいなものがあって。それを作品にしてたんだけど、もういよいよそんなことも言っていられないところまで追い込まれていたんですよ。それに、ここ何年かのメジャーでの作品ではいろんなタイプの曲を作ってきたんだけど、どこか奇を衒っているというか、変化球みたいものをあえて作ってたような気がするんですね。
──メジャーというのは意識しないと言いつつもそうなっていた。
「これはちょっとノーザン・ソウルみたいにやろうよ」とか、そういう楽曲ありきみたいなところがあったんだけど、今回『hopes』は言葉が先に出たっていうのが大きかった。この言葉だったらこういうサウンドがいいんじゃないかとかね。その言葉も昔だったら「俺たちが一番だ!」みたいなことだったけど、さすがにこの3年間の中で僕は折れてたと思うんですよね。だから、これが最後の作品になるんじゃないかくらいの気持ちだった。SAとしての作品はこれが最後……そう思ったときに、コムレイズのことよりも自分のことだろうっていうところに行き着いた気がしましたね。それが「コムレイズのために作品を作ったら終わる」っていうことに繋がるのかもしれない。
──SAはライブをはじめ、バンドとコムレイズの熱のぶつかり合いみたいなところでずっとやってきたバンドだと思うんです。だからこそコロナ禍の声が出せない状況において、TAISEIさん自身がSAの在り方について深く考えてしまったわけですか。
それが大きかったですね。この3年間での活動はやっぱり疑問符が共にありましたよ。声を出せない、コムレイズの熱量が感じられないライブを自分の中で正当化するわけです。「これもSAのライブなんだ」って。SAはダイブやモッシュがなくても成立する曲があるし、自画自賛するわけじゃないけども、僕らは演奏も歌も上手いと自負してるんでね。だから、いわゆる“ギグ”ではなくて“コンサート”っていう形が取れるのもわかってるんですけど、どこかで疑問があった。そんな3年間を過ごしてきたわけだから、普通だったらめちゃくちゃパンクのアルバムを作ると思うんですよね。でもそこじゃなかった。悪しき3年間から扉が開いた今、完成したアルバムがシンガロングやモッシュやダイブが起こるようなパンクロックではなかったということに、自分の中で「あー、なるほどな」っていう納得があるんですよね。
──アルバムが完成してみての気づきであり、疑問に対する答えがそれだった。
「もうすぐコロナ明けるぞ、客が大暴れするような曲を作らなきゃ」だったらコムレイズ側に立ってるんだけど、僕が作りたかった、歌いたかったものは今回の『hopes』みたいな曲だったということです。だから狙ったわけではないし。6曲というのもよかったかもしれない。
──厳選に厳選を重ねられた曲、という精鋭感があります。
デモは12〜3曲あったので、フルアルバムっていう形にもできたんですけど。でもここは今言われたように、厳選したかったっていうのはありますね。
──コムレイズのための音楽じゃないものを、という意識は、NAOKI(Gt)さんをはじめ、バンドとして共有していたところでもあったんですか。
いや、正直な話、今回は僕1人の暴走であることは確かだと思いますね。プライベート含め、非常にいろんなことがありましてね。その中で自分は音楽家として何を統括するべきかということを昨年くらいからすごく考えて。乱暴な言い方をすれば、メンバーのこともコムレイズのことも考える余裕がなかったというか。自分で作らなきゃっていう使命感みたいなところだけだった気がします。なので、メンバーに渡すデモはギターもベースもドラムもコーラスも、構成から何から何まで完璧な状態で渡しました。だからメンバーはもう少し自分たちの入る余地も欲しかったと思ってるかもしれない。そこまで来ちゃってたのかもしれないですね、僕は。
──かなり追い詰められている心境であったと。
うん。でも今、この曲たちをライブで演奏してるわけですけど、共有できてるんですよね。メンバーともコムレイズとも。だから間違ってなかったなと思いますよ。
──TAISEIさんの出した答えがSAとしての答えでもあって、それがコムレイズにもちゃんと伝わって、手応えを感じられている。
感じられてますね。SAはいろんな音楽をやるパンクバンドとして活動してきたんですよね。ジャパニーズパンクの型にハマった、古典芸能みたいなことをやることに対して僕はすごく否定的だから。もっといろんないいものを吸収するパンクバンドでありたくて。だから肩肘張って突っ走ってきたところもあるんです。でも今はすごく肩の力を抜いてそれができてるんですよ。
──本当の意味で、自分が純粋にバンドと音楽を楽しめている。
楽しめているし、続けるにあたって自分に対する決着をつけなきゃいけないところに立ったと思うんですよね。後になってどういう形になろうが、自分でケツを拭けるものを作らないとな、という意識は強くあります。速いビートでみんなが歌えて、ハッピーでアツくて男臭くて強いっていう、それがSAっぽい曲なのかなとも思うんですけど、どこかに弱い自分だっているわけです。ひとりの人間としてね。そういうところを包み隠さず書きたいなっていうのは今回ありましたね。コムレイズには「TAISEIはいつも強くて、いつも俺たちを引っ張ってくれて、背中を押してくれる」と思われてるのかも知れないけど、僕だって押して欲しいよっていうときもありますから。
──TAISEIさんの歌詞は、過去を振り返らず常に前を向いてるし、他者に強制はしないですよね。問い掛けや励ましはしても、ああしろこうしろとは言わない。
ああ、そうですね。男性も女性も歌詞に共感してくれることは多いんだけど。でも共感してもらうために書いてるわけじゃなくて、自分に言ってるんですよ。自分に対して「お前、どうするんだよ!」って。それを歌にすると、コムレイズに訴えかけるように聴こえるのかもしれない。そこがいい塩梅なのかなって思いますね。
──己を鼓舞することが他者にも力を与えることになっているのは、表現者として嬉しいですよね。本作の“明日さえあれば”はタイトルからしてストレートで前を向いているところでもあって、聴こえ方は柔らかいけど《やさしい戦いの歌》と歌っている。強い曲ですね。
強いけど弱さも同居してる、いわゆるラブソングですよね。SAは今までいろんな曲を作ってきましたが、正真正銘のラブソングはこれを含めて数曲しかない。あえて避けてきたんですけど、今年56歳になりまして、そういうことも歌いたいなって、楽に考えるようになってきたんだと思うんですよ。
──そういった心の変化や弱さでいうと、リード曲の“敗れざる者”。強いイメージのあるSAが敗者を掲げたタイトルというのがすごくいいなと思いまして。「負け犬の美学」は極端ですけど、強がりというか、弱いからこそ強くありたい、強く見せたいところだと思うんです。
うん、そこですよね。僕はずっとそういう人間だったと思いますよ。周りからは、すごく強くて、イケイケでオラオラで、というイメージなのかもしれないけど。でも、ずっとビビって生きてきたと思います。だから虚勢を張ってきたような気がするんですよ。それでみんなを騙せてるのかもしれない。本当は弱いっすよ。
──だからこそ、バンドをやっているというのもありますよね。
かもしれないですね、うん。
SA『敗れざる者』MUSIC VIDEO
パンクバンドだろうがロックバンドだろうが、
何でもいいから自分を感動させたい
──昨年12月に吉田豪さんの配信番組<猫舌SHOWROOM『豪の部屋』>に出演されて。ああいうTAISEIさんの人間的な部分は、ステージでの“SAのTAISEI”しか知らない人にとっては新鮮だったのではないかと。
素でよかったって、友達からもすごく評判良かったんですよ。カリスマとか、ロックスター、パンクヒーロー像みたいなものがあるのかも知れないけど、そんなことはない。中身は「普通です」っていう。ただ、ステージに出たら「勝ちたい」っていう気になるんですよね。それがスイッチなんでしょうけど。前に、いわゆる裏社会の怖い人がSAのステージを観てくれて、「TAISEIさん、“かかってこいや!”って言ってるけど、もし僕みたいなのがかかっていったらどうするんですか?」って訊かれたんですよ。で、僕は「ステージ下だったら謝るけど、ステージに立ってたら戦う」と答えたわけです。そのくらいステージでは勝ちたいと思ってるんでしょうね。
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──自分の居場所を守る、というところですね。
自分の存在意義というかね。
──そういう意味でも、バンドのフロントマンとしての意識もコロナ禍で変わったところはあります?
ありますね。バンド4人で運命共同体みたいなところはあるんですけど、ボーカリストはみんなの目と表情を見て、感情を読み取って歌で伝えるわけです。NAOKIもKEN(Ba)もANNY(Dr)も、コロナ禍でそれぞれ傷ついて凹むわけですよ。でも彼らは音を鳴らすっていう、ある種の逃げ道があるけど、僕の場合は断絶された中で歌を届けることができない現実に叩きのめされた。そういう意味でボーカリストっていうのは孤独だなって。よくほかのバンドのボーカリストと話をすると、「独りぼっちになるときがある」みたいな話になるんですよ。それをこのコロナ禍でまざまざと感じましたね。
──本当の意味で“自分の声”で勝負しなきゃいけない、身を削っていくしかないところはありますよね。
歌を30年やってきてね、本当に自分の存在意義に気づいた、歌を歌うことの意味がわかったのはここ3年、4年ぐらいですよ。コロナ禍で鍛えられましたね。これは変な話ですけど、歌がヘタなやつはやっぱダメですもん。パンクは吠える、シャウトだっていうのはあるかもしれないけど、ヘタはダメよっていう。そこはコロナで露呈したんじゃないでしょうか。売れてる連中も売れてない連中も横並びになった。そこから逃げてライブをやらないやつもいたけど、僕らはやりましたから。そういう意味でも、そこら辺の連中より絶対上手いよっていう自信はありますね。
──いろんなものがバレちゃったコロナ禍でもありましたよね。オーディエンスのパワーに頼れないところもあって、誤魔化しが効かなくなったし。
パンクバンドは露骨ですよ。ヒット曲でダーッと客がダイブしてモッシュしてみんなで大合唱するんだけども。大合唱もできないモッシュもできない、そこでどうやって勝負するの? って。やっぱ、歌と演奏で勝負するしかないですから。
──SAとしてのの大きな変化でいえば、今年2月にドラマーのANNYさんが正式加入しました。
ANNYの前のドラマーが入ったとき、「これで4人一致団結、大花火だ!」なんて言っていた矢先のコロナ禍だったわけです。それでメンバーの仲もガタガタになっちゃったし。疑心暗鬼というか、精神衛生上よくないことになっちゃって。それで案の定、ドラムが辞めた。ANNYはサポートとして1年やったんですけど、それでいいかなと思ったんですよ。「4人のメンバーで」はもういいかなって。ただ、ジャパニーズパンクだけではないグローバルでいろんな音楽性を取り入れたいと思ったときに、ANNYというドラマーが入ってアコースティックライブをやったら、彼の中の引き出しがすごく多いことに感動したんですよ。それによって僕の歌も曲も、もっと良い色が出せるようになった。彼は曲のイメージからすぐにドラミングを考えられるんですよね。サポートミュージシャンとしてもいろいろなところでやってる人なので、すごく勉強になりますね。
SA アコースティックLIVE
──SAの音楽的な振り幅をさらに広げるにあたって、大きく貢献しているんですね。
それに彼は言葉をすごく理解したがるタイプでね。「どういう気持ちでこの歌詞になったんですか?」って訊いてくるんですよ。それを説明するとドラミングに反映されるんです。今まではこれはスティッフ・リトル・フィンガーズだ、これはランシドだ、っていうサウンドで感じ合っても言葉は違ったりしたんです。だからそこを汲み取ってくれるのは、ANNYのドラマーとしてのいいところだなと思いますね。
──ドラマーとしては珍しいタイプですね。アコースティックライブの話も出ましたが、SAにとってのアコースティックライブはどのような位置付けなのでしょうか?
アコースティックは初代のドラムの時代もレコードショップのイベントスペースでやることもあった。でもそれはエレキが鳴らせないからっていう“なんちゃって”なんですよ。カホンとアコースティックギターとアコースティクベースでやって、それでもみんなで「オイ!オイ!オイ!」と叫んだりする。でもANNYが入ったことによってそうじゃないものができるようになった。ちゃんとお金が取れる、なんちゃってじゃないもの。うちはバラードもありますし、フォーキーな曲もあるんで、アレンジをガラッと変えてね。NAOKIは最初嫌がったんすよ、ガラッと変えることを。でも僕の中にはもうアイディアがあったから。結果、すごく素晴らしいアコースティックスタイルができた。今後はアコースティックも力入れていきたいなって。それがいろんなことができるSAっていうところかなっていう。僕はそっちで歌うのもすごく楽しいんですよ。まぁ、年齢もあるんでしょうけどね(笑)。
──ここに来て、バンドの新たな可能性を見い出せたというのは素晴らしいことですね。
本当ですよ。SAは今年で21年目なんですけど、普通は失速してますよね。SAは落ちそうになると、ご褒美があるんすよ。アメリカツアーや台湾ツアーが成功したり、日比谷野音だったりとかね。だから、もう1回ご褒美が欲しいなぁ(笑)。
──バンドとして上向きになっていると。そういう幅の広がりがバンドの余裕でもあって、それが今回“敗れざる者”をリードにしようと思ったところに現れているような気がします。
これはデカいですよね。いつもだったら“BRING BACK HOME”か“NO RAIN,NO RAINBOW”になるはずなんですよ。“敗れざる者”は6分くらいあるし、普通だったらリードにしないです。でも僕はもう曲ができたときから「これをリードで!」ってメンバーを説得して。自分がグッとくるもの、歌っていて泣ける歌でないと嫌なんですよね。もうパンクバンドだろうがロックバンドだろうが、何でもいいから自分を感動させたいっていう。今回、レコーディングは1月にやったんですけど、昨年の8月くらいからもうデモを作ってましたから。レコーディング自体も早かったですよ。6曲を2日で歌いましたし。だから、ノってたんですよね。ノってるとガーッと、イケるんすよね。
──その熱量は作品から充分に感じます。
僕は今までずっとキャッチーなものであるべきだと思って曲を作ってたんです。でもポップで明るいものだけがキャッチーなわけじゃないなっていうところ至った。僕みたいなMTVや歌謡曲で育った人間は、どこかで“ポップ=キャッチー”と思っていて。でも“破れざる者”は、後半はすごくキャッチーになるけどAメロとBメロはすごく平坦でね。昔だったらもっとメロディをつけちゃう。メロディがあるものがいいっていう時代に生まれたから。だけど、この曲は洋楽的に平坦なメロディをギリギリまで持ってきて、サビでキャッチーを活かしながら大サビでもっと、みたいな。挑戦だったけど、いい感じに落とし込めたと思いますね。
──確かに洋楽と邦楽のいいとこ取りみたいな雰囲気があります。そういう楽曲の幅やアコースティックも然りなんですけど、何をやってもSAになるという自信をこれまで以上に感じます。
やっぱ、僕が作ってるからSAになるよね(笑)。だからこそギターソロはNAOKIちゃんに任せようっていう信頼もあるし。それが僕らの21年なんじゃないですかね。
──あと、演奏は実際抜群に上手いですけど、“上手く見せない上手さ”っていうのもものすごくあるなと思ってるんですよ。
ああ、上手く見せないね、確かに。そこってすげえ大事。それも裏を返せば、上手くないのに上手く見せようとしてるのかもしれない(笑)。ロックバンドっぽいっすよね、そういうの。あとは「いなたさ」じゃないかな。NAOKIの弾くギターソロみたいなのって、今の若い子は弾けないですよね、ああいうフレーズ出てこないでしょ。僕から言わせれば古臭いんだけど(笑)。そこが良さだったりする。
──ライブに関してですが、コロナも明けつつ状況が戻ってきた感覚とまた新しいライブの形が生まれる予感、その両方があるんじゃないのかと思います。
みんなでシンガロングすることはSAの武器でもあったから。「そうそう、この感覚」ってのはあるんですけど、そのエナジーの種類が違うというか。昔はもっと食ってかかる、狂気乱舞するところがあって。それこそモッシュやダイブであったりとかね。でもコロナ禍で、どっかでクールダウンしたのかなっていうのはありますね。熱量があって暴れるけど、どっかでやっぱちゃんと聴きたいなっていう感じ。「あ、ええ曲やな」っていう気づきを得たというね。
──ちゃんとライブを観る、歌を聴く、演奏を聴くことでの新たな発見はリスナー側に大きくあったと思います。
3年ぶり、4年ぶりにライブに来ましたっていう連中も多いんですよ。その中でやっぱり、音楽で心を動かす、背中を押すことができるんだなっていうことを改めて感じますね。「仕事でいろいろ悩んでるんですけど、3年ぶりにライブ来てよかったです、決心がつきました」なんて言われたら、やっててよかったなと思いますよ。たった1人でも人生の背中を押せれたっていうのがあるだけで、歌う意味があるんだなって。「まだやるぞ!」っていう気になれます。
──演者側も観客側も、ある意味でリセットされたところがあるのかもしれないですよね、ライブに対する想いや求めるものが。
ここからパンクのライブが戻ってきた、またダイブしよう、モッシュしようってなるのかもしれないけど、「音楽の本質って何なんだろう?」と気づくやつもいるでしょうね。だから今また新たな一歩を踏み出せている気がします。そういう意味では、コロナの3年間はいい勉強になったと思いますよ。
──そして、<『hopes』 Release Special Night>と題したワンマンライブが、11月12日に大阪・Live House ANIMA、16日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催されます。どんなライブになりそうですか?
『hopes』を出して、ちゃんとした全国ツアーができてなくて。何せ後先考えずにアルバム作ったところがあるから。でもやっぱりリリースパーティーはやりたいなっていうのがあってね。今年の2月16日に20周年の区切りのQUATTROワンマンをやって。QUATTROは僕らにとって非常に大事なハコであって。そこでコムレイズやコロナで離れてた連中が、もう一回新しいSAのライブの見方を模索してもらえるものもいいし、踊りたいやつは踊ればいいし。2月はまだコロナがギリギリのときだったから。今回はもう自由にやってくれっていうライブができると思うんでね。そういう場所をSAと一緒に楽しみながら、まだ言うか!?っていうくらい「もう1回、上へ行こうぜ!」っていうのを共有したいな。
──改めてお互いを確かめ合う場であり、コロナ禍3年間の気づきを証明する場でもある。
それはデカいよね、コロナで見つけたことを見せたいし。スカしたりはもういらない。現在のSAの120パーセントを全部見せるよっていう感じでやろうと思ってます。面白いのが、今リハーサルやってますけど、結成当時の曲中心のセトリかといえばそうでもないんですよ。昔だったら初期の曲をみんなで歌う、そういうことがメインだったところがあるんですけど。大人になったのかな(笑)。
──バンドが常に前に進んでいるということでもありますよね。長く続けていると演者もファンもどうしても懐メロを求め合いがちですから。
本当、それなんですよね。そこにいつもにジャパニーズパンクへの疑問があって。懐メロ合戦、古典芸能のライブね。こないだパンクイベントがあったんですけど、みんな30分メニューの最後は盛り上がるヒット曲で終わる中で、僕らは“敗れざる者”で終わるっていうね。それで周りは「SAは挑戦してる」なんて言うんですけど、いや、それは当たり前でしょっていうね。
──やっぱり常に新曲が一番カッコいいと自信を持って活動したいですよね。
だから僕らのレーベルは〈NEXT-ONE RECORDS〉っていうんですよ。これはチャップリンの言葉で、「あなたの最高傑作は何ですか?」って訊いたら「The Next One(次の作品)」と答えたという。そこから取ってるんです。だから僕らの最高傑作は『hopes』の次の作品です。
取材・文/冬将軍
写真/Chiyori
現在進行形、今のSAが持つ魅力を最大限に表現したい! 共に歌い拳を挙げようぜ! 帰り道は希望が見えます様に!
ANNY
煩わしかった時が過ぎ、あの頃の我々のライブが戻ってきた!
その中で約3年振りとなるニューアルバム『Hopes』、それを引っ提げてのスペシャルライブだ、そりゃもう楽しみ!
鼻息荒いよ!(笑)
大阪アニマ&渋谷クアトロ、アツく激しくブチ上げようぜ!
NAOKI
俺たちとみんなの歌!
大阪アニマと渋谷クアトロで大声出して一緒に歌おう!!!!
笑顔のみんなに会えることをすご〜く楽しみにしてます^^
KEN
INFORMATION
SA(aka. Samurai Attack)
(TAISEI on Vocal、NAOKI on Guitar、KEN on Bass、ANNY on Drums)
1984年、当時高校生のTAISEI(Vo)を中心に岐阜で結成。ロックンロールに根付いたキャッチーなメロディとシンガロングなパンクロックが、パンクスの間で大きな知名度を得るも3年足らずで解散。そして根強いファンの後押しにより、1999年にTAISEIのソロプロジェクトとして、SAは再始動を果たす。
その後、2002年よりバンド体制に移行し、精力的な活動を開始する。常に様々な音楽ジャンルを吸収し、枠に囚われる事無く幅を拡げ進化し続けるサウンド、爆発力と包容力を兼ね備えたその圧倒的なライヴパフォーマンスは、ジャンルや世代、時には国境の垣根も飛び越え、またミュージシャンズ・ミュージシャンとしても熱い支持と高い評価を獲得している。
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RELEASE INFORMATION
hopes
2023年10月11日
デジタル&CDリリース
¥3,300(tax incl.)
スリーブケース仕様/封入特典ステッカー2枚
【収録曲】
01.BRING BACK HOME
02.明日さえあれば
03.NO RAIN,NORAINBOW
04.灰とスターダスト
05.オーディナリーマッドネス
06.敗れざる者
Bonus Track
07.NEW FIRST STEP
LIVE INFORMATION
SA 『hopes』 Release Special Night
2023.11.10(金)大阪Live House ANIMA
2023.11.12(日)渋谷CLUB QUATTRO
”SAVE THE VOICE presents 第2章”闘志の魂”
2023.11.19(日)恵比寿LIQUIDROOM
“SA × JOHNNY PANDORA【PUNKIN’ ! ROCKIN’! GROOVIN’ !】”
2023.11.25(土)小倉WOW!
2023.11.26(日)唐津THE ROOTS
“年忘れ!大ソーランBASH!”
2023.12.21(木)吉祥寺ROCK JOINT GB
“GOSH YOU GIG 2023 -真っ赤なベスパとパルコ前1986-”
2023.12.26(火)岐阜ants