拠点である台湾のインディー・シーンのトップランナーとして10年以上活躍し、ここ日本でも渋谷・WWW Xでのワンマン公演や<SUMMER SONIC>への出演を成功させるなど、ますます活動の幅を広げている3人組バンド・宇宙人(Cosmos People)。そのフロントマンである小玉によるキャンプ番組『Let’s Camping 一緒にキャンプ行かない?』はご存じだろうか? 公式YouTubeチャンネルにて公開されている当番組は全編日本でのロケ、さらに日本語によるフルナレーション&字幕。キャンプ初心者の小玉が毎回ゲストを招き、熟練のキャンパーの力も借りながら交流を深めていく内容となっている。
そんな『Let’s Camping 一緒にキャンプ行かない?』で初の日本人ゲストとして招かれたのがCzecho No Republicの武井優心とタカハシマイ。二組のキャンプの様子は既にYouTubeチャンネルにて公開されているのでぜひご覧いただいきたいのだが、その縁もあって台湾の「苗栗通霄飛牛牧場キャンプ場」にて9月28日(土)と29日(日)に開催される『Let’s Camping 一緒にキャンプ行かない?』主催フェスにて共演することが決定した。
他にも『Let’s Camping 一緒にキャンプ行かない?』に出演したアーティストが続々と出演し、まさにキャンプが繋いだ輪によるイベントとなる。今回は番組で共演を果たした宇宙人(Cosmos People)の小玉とCzecho No Republicの武井優心とタカハシマイが登場。番組プロデューサーのアーリャンも交え、当日の番組ロケの様子から開催を控える台湾でのフェスに向けて自由に語ってもらった。
対談:
宇宙人(Cosmos People)×Czecho No Republic
共演について伺う前に、まずは小玉さんがメインパーソナリティーを務めるYouTube番組『Let’s Camping 一緒にキャンプ行かない?』について教えてください。
アーリャン(番組プロデューサー):『Let’s Camping 一緒にキャンプ行かない?』はキャンプ初心者の小玉が様々なゲストと共にキャンプを学び、最終的にソロキャンプを行うようになるまでを追ったロケ番組です。ロケは全て日本で字幕も日本語、またキャンプの指導役として長野修平さん(※ネイチャークラフト作家/アウトドア料理人)をお呼びしております。ただ、それだけだと普通のキャンプ番組と変わらないので、その中に音楽の要素を入れています。
小玉:ちょうど半年前、「キャンプしてみたいなぁ」と思っていた時に新番組のお話をいただいたのですごく嬉しかったです。ただ僕はキャンプ未経験だし、最初からソロキャンプは怖いので、その前にCzecho No Republicをはじめとしたゲストと打ち解けるような構成の番組になりました。
様々なゲストを番組に呼ぶ中で、満を持して迎えられた初の日本人アーティストがCzecho No Republicなのはなぜだったのでしょうか?
アーリャン:最初は番組通訳の方に紹介していただいたんです。彼がタカハシマイさんと知り合いで、その縁もあって出演オファーをしました。
武井優心:誘ってもらった時はすごい嬉しかったです。というのも、Czecho No Republicってキャンプっぽいバンドじゃないですか? ただ、僕は自発的にキャンプをしたことはなくて、友達に連れて行ってもらった時にだけ責任を押し付けて遊ぶって感じで(笑)。なので、今回のオファーは嬉しい抜擢ですよね。
タカハシマイ:私もこれまでキャンプをしたことはあったんですけど、いつもキャンパーの友達に便乗して遊ばせてもらうだけなんですよ(笑)。なので本格的に誘ってもらえたのは嬉しかったです。
小玉:ちなみに、番組は既に観ていただけましたか……?
武井優心:もちろん観ました! 当日はすごくのんびりした撮影だったので「どんな番組になるんだろう?」って思ってたんですけど、出来上がった映像がとても綺麗で。それと日本語のナレーションも面白かったです。
タカハシマイ:私たちが撮られているかどうかわからない状況が結構あったんですよ(笑)。日本だったら3・2・1ってカウントして撮影を始めると思うんですけど、プロデューサーのアーリャンさんはすごく自然にカメラを回してて。それがキャンプの自然体で楽しむ雰囲気とマッチしてましたね。
小玉&アーリャン:ありがとうございます!
番組では奥多摩の「自然人村」で一晩キャンプをした様子が収録されています。火おこしからディナーの調理まで、共に作業した時間はいかがでしたか?
タカハシマイ:お互いがお互いを知らない状態でキャンプをしたことがなかったので、最初はちょっと緊張してる感じの空気感が漂ってたんですけど、奥多摩の自然がすごい綺麗で癒されるし、すぐに打ち解けましたね。
武井優心:というか、ほとんど台湾チームにやってもらっちゃって。結局甘えてばっかりでしたね。
小玉:でも、みんなでナイフを使って火おこしをしてる時間はリラックスできました。それこそ緊張の糸がほぐれた瞬間というか、夜が近づくにつれて親密になっていきましたね。
武井優心:小玉さんは火をおこすのが上手なんですよ。僕らはナイフを使うのすら初めてだったので、そこで丁寧に教えてもらいましたね。
小玉:最初の頃はすごい下手だったんですけど、ロケを繰り返す中でナイフを使って火を起こすのが段々楽しくなってきて。大事なのは成功とか失敗じゃなくて、「火をおこす」って行為自体を楽しむことだと気づいたんです。それがロケの中で見つけたキャンプの醍醐味ですね。
番組ではお互いの歌を聞く時間もありましたよね。
小玉:CDでCzecho No Republicを聞いていた通りの、本当に素晴らしい歌声でした。服装も相まって、二人が森の妖精みたいに見えたんです(笑)。ロケの途中にみんなで横並びになって橋を渡るシーンがあったんですけど、(となりの)トトロみたいでした。
武井優心:音源で宇宙人の曲を聞いてる時よりもダイレクトに感情が伝わってきましたね。弾き語りのあったかさとか、歌声の素晴らしさとか、あとアコギも小さくて鳴りが可愛くて、絶妙な空気感でした。
タカハシマイ:Czecho No Republicにはあまりないコード進行の美しさが小玉さんの歌にはありますよね。
小玉:ありがとうございます。いつも喋るように歌ってるので、素朴な響きになるんだと思います。何より、奥多摩の大自然のおかげで気持ちよく歌えました。ロケで日本には何回か訪れているんですけど、毎回リフレッシュできるし、テントの中で作った曲もあります。
宇宙人とCzecho No Republic、それぞれの作品で共感するポイントはありますか?
武井優心:宇宙人はアレンジがよく練られていて、小玉さんが全部自分でやってるのかどうかが気になりました。ロケで直接会った時は恥ずかしくて聞けなかったんですけど……。
小玉:そうですね、8〜9割は自分で作ってます。そのあとメンバーに共有して、話し合ってからレコーディングに入ります。
武井優心:僕も宅録で一回作りきっちゃって、それからメンバーに投げて擦り合わせます。なので結構近い方法ですね。
Ep.06 初の日本バンドのゲスト登場!音楽で言葉の壁を越えるキャンプ! feat. Czecho No Republic | Let’s camping 一緒にキャンプ行かない?
ここからは9月28日(土)と29日(日)に台湾の「苗栗通霄飛牛牧場キャンプ場」で開催される『Let’s Camping 一緒にキャンプ行かない?』による音楽フェスについても伺いたいです。どのようなイベントなのでしょうか?
アーリャン:これまで番組に出てくれたアーティストによるキャンプイン型のフェスになります。『 一緒にキャンプ行かない?』を観てくれた人に来てもらって、一緒にキャンプを楽しんで、ライブや番組が終わった後もキャンプに行き続けてもらうのが今回の目的です。
小玉:宇宙人は2日目に、バンドセットで出演する予定です。とにかくロケーションが素晴らしいですし、ムードを重視した演奏にしたいですね。しかもラインナップはダンサブルなバンドとアコースティックで聞かせる人が交互に出演するようになっていて、それがどんな影響を与えるのか楽しみです。
Czecho No Republicは初日に出演します。台湾でのライブは久しぶりですよね?
タカハシマイ:そうですね。2017年に<No Fear Festival>に出演させていただいて、翌年の2018年に台北でワンマンライブを開催しました。それ以来の台湾でのライブになります。
武井優心:<No Fear Festival>は日本からもアーティストが多く参加していて、ジャンルレスなイベントだった記憶があります。SEX MACHINEGUNSとかAKB48のメンバーの方もいたよね?
タカハシマイ:そうそう。日本人のアーティストたちが歓迎されているのを感じました。
武井優心:その時は自分たちのできる全力をひたすらやるだけって感じで、台湾のお客さんにその感触が伝わっていったのを覚えています。
タカハシマイ:山の中でキャンプをしつつライブをする、しかも台湾で、っていう。自然も味方してくれるだろうし、一体感が生まれそうな日になる気がしています。
武井優心:そもそも、今年の夏は制作でスタジオに籠っていたので、気温の高い野外でライブをするのが久しぶりなんです。死ぬかもしれない(笑)。
韓国のヒョゴ(HYUKOH)と台湾の落日飛車 / Sunset Rollercoasterがコラボレーションをしたり、88risingが<Coachella>で特別ステージをキュレーションするなど、東アジア全体での協働がトレンドになっています。宇宙人とCzecho No Republicで一緒に作品を作るなどのヴィジョンはありますか?
小玉:とても良い流れだと思います。僕は子どもの頃からとにかく海外に行ってみたくて、バンドを始めてからようやく色々な国を訪れることができたんです。バンド同士がコラボレーションをすればより広い世界にいけるだろうと思ってます。
タカハシマイ:キャンプをした時に「コラボしたいね!」って声をかけてくれましたよね? 楽しみです!
最後に、みなさんの今後のプランを教えてください。
小玉:宇宙人は今年の夏に渋谷・WWW Xでワンマンライブを開催しました。これからも来日公演があるかもしれないですし、日本向けの曲も作っていく予定です。あとは、目指せ武道館!って感じですね(笑)。
武井優心:Czecho No Republicは今年レコーディングしたものがドカッと出る予定なのと、来年の結成15周年に向けてギアを入れ替えていきたいですね。しばらく曲を出していない時期が続いたので、ネクストモードでいきたいなって感じです。
タカハシマイ:15周年ではこれまで行けなかった場所も細かく回りたいですね。すごく楽しみです。
Interview&Text:風間一慶
宇宙人(Cosmos People)Czecho No Republic
INFORMATION
Let’s Camping 來去露營吧音樂會
2024/9/28 ~ 2024/9/29
台湾・苗栗通霄飛牛牧場キャンプ場
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