いよいよ10月19日(土)、20日(日)に福島・あづま総合運動公園/福島あづま球場にて開催される野外音楽フェスティバル<LIVE AZUMA 2024>。

同フェスでアクトに次ぐ目玉として毎年注目を集めているのが、東北の人気ラーメン店が一堂に会する「東北拉麺屋台村」。プロデュースを手がけるのは、ラーメン女子歴20年、年間600杯以上のラーメンを食べるイベントプロデューサー・森本聡子さんと、食べ歩き全国47都道府県制覇を目指す『げきからーめんTV 全国制覇の旅』をYouTubeにて配信する激辛ラーメン女子・西谷美希さん。「難攻不落の東北エリア」の名店を相手に、100店舗中90店舗には断られるというほどに過酷な道のりを経て実現した珠玉のラインナップと「おいしいラーメンを食べてほしい」という情熱、そして<LIVE AZUMA>だからこそ味わえる楽しみについて語っていただきました。なお、本記事空腹時の閲覧にはご注意ください!

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<LIVE AZUMA>昨年度の様子
(C)LIVE AZUMA

対談:
<LIVE AZUMA 2024>東北拉麺屋台村
森本聡子 × 西谷美希

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左から)
西谷美希 / 森本聡子

──今年で3度目の開催となる<LIVE AZUMA>。森本さんは、前身イベントである<PARK LIFE>からラーメン出店のプロデュースに携わっていらっしゃるそうですが、そのあたりも踏まえて改めて「東北拉麺屋台村」の成り立ちについて教えてください。

森本聡子(以下、森本) 当初、主催者側は福島県で大々的に音楽フェスを開催したいという構想はあったものの、コロナ禍が重なったこともあり、試行錯誤のうえ入場無料の小規模イベントとして開催されたのが<PARK LIFE>でした。そこでラーメン屋さんを2店舗ご紹介させていただいたことが、現在の「東北拉麺屋台村」に繋がっています。

──当時は「東北拉麺屋台村」という名前もなく、出店も2店舗だったそうですね。

森本 はい。福島県の行列店「うろた」さんと、博多屋台ラーメンの「介ッち」さんに出店をお願いしました。東北以外のラーメン店をお呼びしたのは、あとにも先にも「介ッち」さんだけですね。

初開催のイベントでお客さんがどれだけ来てくださるのか不安な中、雨まで降ってしまって。それでもたくさんの方が来てくださって、雨上がりの虹を見ながら「来年も開催できるといいな」と思ったことを今でも覚えています。そしてその翌年、晴れて初開催となった<LIVE AZUMA 2022>の「PARK LIFE」エリア内で5店舗を出店し、「東北拉麺屋台村」が本格的にスタートしました。

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(C)LIVE AZUMA

──激辛ラーメン女子として活動していた西谷さんにとっても「LIVE AZUMA 2022」は大きな転機になったイベントだそうですね。

西谷美希(以下、西谷) そうなんです。それまで音楽フェスというものに行ったことがなかったんですけど、師匠(森本)がどんな仕事をしているのか見てみたくて。それで、日帰りで広島からバスで福島まで行って、1日でラーメンを5杯食べて、紅葉を見て帰りました。

もともと私は、9年前に広島から上京して、「蒙古タンメン中本」でアルバイトを始めたことがきっかけで激辛ラーメンが好きになったんですけど、ある日たまたま深夜番組の『森本聡子が全国で見つけた可愛いラーメン屋スタッフを紹介する』っていうコーナーを見たんです。「私、まだ見つかってないんだけど!?」と思って、聡子さんのInstagramを速攻でフォローしたら「可愛いラーメン女子発見!」ってDMをくれて。そこから交流が始まって、自分で立ち上げた『げきからーめんTV 全国制覇の旅』というチャンネルで動画配信をしながら、全国どこでも聡子さんに呼ばれれば行くようになりました。私、これまで一度も断ったことないですよね?

森本 ないね! 私、ラーメンの食べ歩きをして20年になるんですけど、「師匠!師匠!」って呼んでくれて声をかけるたびに来てくれるクレイジーな女子に出会ったのは西谷が初めてで、その極めつけが日帰りで来てくれた<LIVE AZUMA>。これは流石に気合いが違うなと感じたので、昨年の<LIVE AZUMA 2023>から西谷には一緒にプロデュースに入ってもらい、激辛ラーメンのセレクトを任せることにしました。

西谷 私にとって<LIVE AZUMA 2023>が人生初のプロデュースのお仕事だったんですけど、それまで聡子さんの仕事をそばで見てきたからしんどいところもたくさん知っているし、プレッシャーも相当感じていて。正直、当日を迎えるまでは不安しかないんですけど、たくさんお客さんが並んでくださっているところを見たり「ここ美味しい!」って言いながら食べてくださっている姿を見ると泣きそうになっちゃいましたね。「この瞬間のためにやってきたんだ」って、胸がいっぱいになりました。

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――そして、いよいよ迎える<LIVE AZUMA 2024>。今年は“バランス”をテーマに、全6店が参加。東北中から人気店が一堂に会する貴重な機会として、すでに注目が集まっています。

森本 ここ数年、ラーメン好きのあいだで最も勢いがあると言われているのが東北エリア。そして、中心地で開催されるイベントには出店しないというお店が多いのも東北エリア。今回も、「福島だから」ということでギリギリまで悩んで出店を決めてくださったお店もあります。ラーメン愛好家やラーメンプロデュースしている人たちから「森本はどうやって口説いているんだ?」って思われるくらい、信じられないくらいの名店が「東北拉麺屋台村」に揃いました。

――そんな珠玉の6店、それぞれご紹介をお願いします。

麺屋 にぼすけ

森本 今回、秋田から初出店となる「にぼすけ」さんは、2年連続秋田県での総合大賞を獲っているお店。<LIVE AZUMA 2024>では、会場限定のラーメンをつくってくださいます。

ベースは、数種類の煮干し。煮干し特有のクセやエグ味が気になるという人も多いと思うんですけど、こちらのスープは臭みがまったくなくて、お上品なお出汁のような香りと味わい。滑らかなで嫌味がない口当たりは「煮干しが苦手」という人にこそ味わってみてほしいですね。自家製麺の上にのっているのは、秋田県の名産・比内地鶏を使ったオリジナルのワンタン。6店のなかでも比較的あっさりと品のあるラーメンなので、朝ラーにもぴったりの一杯です。

会津らぁ麺 うえんで

森本 会津若松市の「うえんで」さんは、昭和47年創業の老舗。老舗がフェスに出店することってほぼないんですけど、「福島会津のラーメンを知ってもらうきっかけになれば」という3代目店主の想いもあり今回<LIVE AZMA 2024>への出店が実現しました。

いただけるのは、福島で今トレンドと言われるくらい人気の山塩ラーメン。喜多方でも醤油ではなく山塩を使うところが増えてきています。大山の麓の温泉水を煮出してつくる山塩は、海の塩よりも取り出せる量が少なく、ミネラルや旨みが豊富で、皇室にも献上されているそう。スープの味わいは、角張っていなくて、かなりまろやか。すごくシンプルな構成なので、「にぼすけ」さんと同じく朝ラーにもぴったりですし、お肉やご飯系のものと食べ合わせたりとスープ的にじっくり味わうのもおすすめです。

あはれ

森本 「あはれ」さんは、都内の有名店で修行された店主が地元の仙台で始めたお店。とにかく麺線が非常に美しい芸術的なラーメンで、宮城県で最もミシュランに近い店と呼ばれてるくらいラーメン評論家の方や熱心なフリークスさんたちが大絶賛する一杯です。

麺の美しさと併せて、注目してほしいのがひとつずつ手包されたワンタン。もともとワンタンが得意なお店で修行されていたという経歴もあって、「あはれ」さんの海老ワンタンはとても美味しいと評判なんです。「フェス出店でもこの麺線を崩すことはありません」と店主も張り切ってくださっているので、SNSにフェスでの様子を載せる方にはぜひ「あはれ」さんのラーメンにトライしてほしいですね。

らぁ麺 ひでよし

森本 ラーメン大国・山形から。辛味噌ラーメンというジャンルのラーメンで、半濁の味噌スープのうえに辛味噌がのっているラーメンなんですけど、今回はフェス仕様として普段の半濁より少し濃厚に味を寄せて提供してくださるそうです。

あっさりとこってりのあいだのベクトルに辛味噌を溶かすとかなり濃厚になるという仕掛けを楽しめる一杯です。最初は辛味噌を溶かさずに食べていただきつつ、途中2度 3度と味の変化を楽しんでもらいたいですね。スープがよく絡まる特製のちぢれ麺と青のりのアクセントが効いた、どんな人でも美味しく食べられるピリ辛味噌ラーメンになっています。

麺屋 傑心

森本 今回の6店のなかでもダントツでお腹ペコペコのときに食べてほしいのが「傑心」さんの魚介豚骨ラーメン。ベースはザ・豚骨。長時間炊いてドロドロの状態になった大量の豚骨を冷凍庫で一日寝かせることで濃度を上げ、そこに魚介スープとエビの粉を加えたドロリッチな一杯。濃厚好きな人は、迷わず「傑心」さん一択です。

岩のりとレモンの味変パーツも嬉しいポイント。レモンは麺にチョンとつけるんじゃなくて、ギュンギュンに絞り切って食べていただくと、さらに味の音色が奏でられるということなので、ぜひお腹を空かせて楽しんでいただきたいです。

ガリデブチュウ

西谷 <ガリデブチュウ>さんの麻婆麺は、激辛ラーメン女子として9年間、年間400杯以上を食べてきた私にとって3本の指に入るくらい本当に感動した一杯です。もともとは、店主が営んでいた居酒屋の人気メニュー・麻婆豆腐をベースに開発したという麻婆麺。唐辛子と山椒手のしびれの融合が本当に素晴らしくて。さらにブドウ山椒っていうめっちゃめちゃ香りがいい山椒のフルーティーさも感じられるんです。

フェスで麻婆麺って、あまり見たことがないと思うんですけど、なんせめっちゃ大変なんです。普通のラーメンに中華鍋を振る工程が増えるので。ただ、私は<ガリデブチュウ>さんの麻婆麺がとにかく大好きだから、この夢を叶えたい!ということで、今回は中華鍋を振ってもらいます(笑)。10月後半の肌寒さを感じながら外で食べる麻婆麺、絶対に美味しいですよ!

森本 とにかくどんなお願いにも動じない宮城県の名店を必ず「LIVE AZUMA」に呼びたい!という私の目標が西谷にも伝染したのか、これまで百発百中で断られていた宮城県から今回は2店舗も出てくださることになりました。

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──ラインナップとお話しぶりから、並々ならぬ情熱を感じます。その一方で、出店に至るまでには難しさもあるのではないでしょうか。

森本 <LIVE AZUMA>を含めると15回ほど十数万人規模のイベントを手がけてきましたが、10店舗展開するためには100店に声をかけて90店にフラれるものなんです。イベントに出るより地元の店を守ることが大切であったり、県外から出店するための交通・宿泊費の問題であったりと理由はさまざま。そもそもイベント出店では、一杯につき900円がデフォルトとされているのですが、実店舗に比べて諸費用がかかるイベントでも従来どおり原価3割で美味しいものが出せますか?ってなると、それは難しいですよね。

その状況を払拭するために、会場限定の仕様で付加価値をつけたり、売価設定を一杯につき100円値上げさせてもらっています。100円上乗せするだけでつくれるものの幅が広がるんです。それでも、大抵のラーメンイベントは台風が来てしまったら中止。半年以上前から準備をして、1日で数千杯売り上げられるはずがゼロになってしまいます。そういったリスクがある以上、お店にとっては二つ返事で受けられるものではありませんし、とにかく頼み込んでほぼOKとなっていても「やっぱりすみません」と断られたことは何度もあります。

──美味しい一杯の裏に、そんなシビアな現実があったとは……。

森本 ラーメンって、お肉みたいに素材の良さを売りに売価を上げるのは難しいですし、茹で麺機を入れたり給排水の工事であったり、一晩煮込んでスープをつくるためのガス代や人件費もすごくかかるんです。だからこそ、当日は全店勝たせるということがプロデューサーの仕事だと思っています。そんなさまざまな事情があるなかで、ラーメンフェスを救ってくれる仕組みだと確信したのが<LIVE AZUMA>でした。というのも、フェスに参加する方たちって、はなから雨ガッパと長靴で身軽に楽しむ準備ができているんですよね。昨年度も雨が降ったんですけど、たくさんの方がラーメンを食べてくださっているのが嬉しくて、思わず傘も刺さずにラーメンを食べる様子をルンルンで撮影しました。

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<LIVE AZUMA>昨年度の様子
(C)LIVE AZUMA

西谷 プロデューサーの仕事って事前準備がすべてだと思いますし、本番は思い切り楽しんでいいものだとも思っているので、私たちにとって<LIVE AZUMA>は、「これからビールを飲んで最高の景色を見に行くんだ!」っていう2日間なんです。ライブコンテンツもめちゃくちゃいいので、ランチどきまではブースの様子をしっかり見て、夕方くらいから音楽を聴きに行ったり。

森本 <LIVE AZUMA>にいらっしゃるお客さんも年齢層が幅広くて、ゆったりした雰囲気。ちょっと漏れて聴こえてくる音楽を聴きながら小さい子がちゅるちゅるラーメンを食べていたりして。そういう景色が最高にいいんです。

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西谷 音楽フェスに馴染みがない人も、無料の「PARK LIFE」エリアに遊びに来て、ラーメンを食べながら雰囲気だけでも体感してほしいなって思います。ラーメン自体もフェス仕様で、いろんなものを食べられる量で設定されているので、ライブを観て小腹が空いたから食べるっていうのを繰り返してもいいし、音楽とラーメンで丸一日楽しめると思います! 朝から参加すれば、1日で6杯いけちゃうはずなので、東北の美味しいラーメンを全部食べられると思って遊びに来てもらいたいですね。

森本 これぞ!と決めているものは朝ラーしておく、というのは<LIVE AZUMA>定番の楽しみ方になりそうですね。福島駅からもバスが出ていますし、東京からも「今日天気いいし行くか!」くらいのノリで来られる距離なので。広島からバスで来た女がいるくらいなので、何県からでも来られますよ(笑)。

西谷 気合があれば、来れます!

森本 出演アーティストのラインナップも王道からコアなジャンルまですごく幅広いので、出店のお願いをするときも「〇〇さんが出演するフェスです」って言うと興味をもってもらえることも。ラインナップには絶対にこだわりがあるんだろうなってわかるので、こっちも負けられない!という気持ちで毎年取り組んでいます。出店してくださるお店の方たちも「力の限り頑張ります!」と言ってくださっているので、ぜひ一度足を運んでいただいて、<LIVE AZUMA>の楽しさと「東北拉麺屋台村」のおいしいラーメンを味わってみてください!

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LIVE AZUMA 2024

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Interview & Text:野中ミサキ
Photo:Maho Korogi

PROFILE

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森本聡子

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西谷美希

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2024年10月19日(土) 、20日(日)
OPEN10:00 / START11:00(予定)
あづま総合運動公園 / 福島あづま球場
主催:
LIVE AZUMA実行委員会
福島テレビ株式会社
株式会社クリエイティブマンプロダクション
株式会社フライング・ベコ
<チケット>
-入場券-
2日通し券:21,500円
1日券:11,500円
2日通し券(スタンド席付):25,000円
1日券(スタンド席付):13,500円
-中高生入場券-
2日通し券:14,000円
1日券:7,900円
2日通し券(スタンド席付):17,500円
1日券(スタンド席付):9,900円

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