東京の玄関口・八重洲で、2023年3月にグランドオープンした「東京ミッドタウン八重洲」で、「晩夏を楽しむ納涼イベント」としてこの時期の風物詩ともいえるイベント<八重洲夜市>が今年も開催!

今年は、8月29日(金)から9月7日(日)の10日間に渡り開催された。今回は1週目を超える盛り上がりを見せた<八重洲夜市>の第2週、9月5日(金)・6日(土)・7日(日)の様子をレポートする。

EVENT REPORT:<八重洲夜市>WEEK 2
2025.09.5(金)- 7(日)
at 東京ミッドタウン八重洲

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新たなラインナップで「宵待商店」も大盛況。
kata kataや花火ビュッフェが登場

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9月に入り、初日は台風15号の影響で涼しい風が吹いたかと思えば、翌日以降は再び夏の熱気が戻ってきた<八重洲夜市>の2週目。会場となった東京ミッドタウン八重洲には、平日とは思えないほど多くの人が訪れ、週末に向けてさらに熱を帯びていくなか、大盛況の3日間となった。

屋内に設けられた「宵待商店」も、1週目とはラインナップを変えて再登場。ここでしか出会えないアイテムを求めて、訪れた人たちが次々と足を止めていた。

1週目に引き続き登場したのは、イベントビジュアルを手がけるイラストレーター・カワグチタクヤ氏と、熊本・山鹿の「来民渋うちわ」で知られる栗川商店によるコラボブース。カワグチ氏の描き下ろしイラストをあしらった渋うちわや、有田焼の器、手ぬぐいといった“涼”をテーマにした雑貨が並び、2週目も変わらぬ人気を集めていた。

新たに加わった出店のひとつ、kata kataのブースは、会場でもひときわ彩りを放っていた。型染めの技法で動物や植物、日々の物語を描いた手ぬぐいやハンカチがずらりと並び、広げるたびに絵巻のような風景が立ち上がる。大胆な構図と優しい色づかいに思わず目を奪われ、つい手にとってしまう来場者の姿も多く見られた。

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さらに注目を集めていたのが、井上玩具煙火株式会社による「花火ビュッフェ」。カラフルでポップな手持ち花火が木箱の中にずらりと並び、来場者はまるで宝探しのように、1本ずつ吟味して選ぶことができる。ディスプレイされたカラフルな花火はどこか懐かしさを感じさせ、子どもだけでなく大人たちも童心にかえって楽しんでいる様子が印象的だった。

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会場の熱気と相まって、ふらりと立ち寄った人の心をくすぐるような、どこか懐かしく、それでいて新鮮な“夜の商店街”。2週目の宵待商店もまた、八重洲の夜ににぎわいと温もりを添えていた。

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銀座たけ内 FUMIYA&SU(RIP SLYME)、
NAGAN SERVER、Dos Monos、okadada、asuka ando…
フリーライブで残暑も爽やかに

第2週目の「やえす音宴」には、6組のアーティストたちが出演し、晩夏の暑さを吹き飛ばすパフォーマンスで<八重洲夜市>を大いに盛り上げた。
9月5日の最初のステージに立ったのは、力強い歌声とフレッシュなセンスが光るSincere。当日は台風15号の影響で開催も危ぶまれたなかではあったものの、開演時間には晴れ間ものぞく絶好の祭り日和に。

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ガレリアの特設ステージを吹き抜ける涼しい風を背に、ステージに登場したSincereは“Are You”、“Good Girl”とオープニングからパワフルに歌い上げていく。彼女のパフォーマンスに魅了され、フロアは瞬く間ににぎやかに。親子連れで音に揺れる人の姿も見られた。夏の終わりを思わせる“No Pride”や雨が続いた1日にぴったりの“Rain”などを熱唱。会場に集った観客の熱気と彼女のまっすぐな歌声が響き合うなか、祭りは最高のスタートを切った。

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続いて、RIP SLYMEのDJ FUMIYAとSUによるDJユニット、銀座たけ内のDJセットが始まる頃には、会場は人であふれんばかりの状態に。オーディエンスが割れんばかりの大歓声で2人を迎え入れると、「え、今日そんな感じ?」と嬉しそうに戸惑う場面も。序盤はダンサブルな楽曲を矢継ぎ早に繋ぎ、観客のテンションをじわじわと温めていく。

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そして、”黄昏サラウンド“、“Joint”とRIP SLYMEの名曲が続くと、会場からはそれに応えるようにシンガロングが響き渡った。その熱を感じ取ったSUが「5000人ぐらいいる気しない? 東京パーティーだ!」と盛り上げると、BLACKPINK“JUMP”、XG“WOKE UP”などのキラーチューンが畳みかけるように響き渡り、フロアの熱気はピークに。そして、終盤には夏の定番曲“楽園ベイベー”から“熱帯夜”、そしてRIP SLYMEと言えばの楽曲“One”を披露。まるで真夏の夜が一瞬だけ戻ってきたかのような、灼熱のパーティータイムとなった。

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熱狂的な1日目に続き、2日目はウッドベースを手に、テクニカルかつ抒情的なステージを展開したのはNAGAN SERVERだ。涼しさを感じられた1日目とは打って変わって、ムッとするほどの湿気に包まれた会場。

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ジャジーで内省的な“meditation”からスタートした彼のパフォーマンスは、その空気を一音ずつ落ち着かせるように整えていく。湿度すら味方につけるような、低音と詩のグルーヴが空間を満たしていく。「​​わざわざ足運んで、ライブを肌で感じるってすごいこと」と話しながら、自身が2025年1月から始動したクルーN.S. DANCEMBLEの“WE ARE(Shotaro Aoyama Remix)”や“THE MESSEAGE”のセルフカバーで観客を次々にそのグルーヴの波へと巻き込んでいく。その余韻に引き寄せられるように、八重洲を通りすがろうとする多くの人々までもが足を止めていたのが印象的だった。

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2日目のラストを飾ったのは、実験的なビートと鋭い言葉を武器にしたDos Monos。静けさの中に熱を灯したNAGAN SERVERのステージからバトンを受け取り、3人が登場すると、会場の空気がひときわざわめき始める。「いきなりですけど、新曲やります」。そう告げて放たれた未発表の新曲で、場内のテンションは一気に引火する。「レツゴウ!」の声を合図に、ステージを縦横無尽に動き回る3人。

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構造も理屈もすっ飛ばして、バイブスだけで熱量を塗り替えていく。TaiTanが高らかに声を張り上げ、荘子itがギターをかき鳴らし、没 aka NGSはエフェクターを通じて言葉の輪郭をぐにゃりと変えていく。要素がぶつかり合いながらも、どこかで一つに集束していくその感覚に、身体のほうが先に反応してしまう。

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終盤、“KIDS”“HI NO TORI”と続くセクションでは、照明もストロボも限界までシンクロしていき、理屈を飛び越えて、ただ音に揺さぶられる時間が過ぎていく。Dos Monosの怒涛のパフォーマンスが、最も濃く、最も鮮烈なかたちで焼き付けていった。

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興奮の一夜が明け、静かに始まった最終日。そのトップバッターとしてokadadaのDJセットがスタート。序盤から漂っていたのは、やわらかな風のようなグルーヴ。どこか名残惜しさを抱えたような、その空気は最終日に寄り添っていた。

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NewJeans “Supernatural”、PUSHIM “Feel It”、そしてダイアナ・ロス “I’m Coming Out”のリミックスと、ポップでありながら夏の空気を鮮やかに映すような楽曲たちが、まるで波のように重なり合っていく。何より、際立っていたのはそのミックスのなめらかさ。楽曲が切り替わる瞬間すら感じさせず、踊りは一度も止まらない。日曜日の夕方から夜に差し掛かる時間帯にフロアは静まることなく、自然と身体を揺らし続けていた人たち。1時間のセットが終盤に差しかかる頃、ふと「終わってほしくない」という感情が場の空気に滲み出す。その余韻は、次に登場するasuka andoのステージへと手渡されていった。

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okadadaのプレイで温まった最終日の会場を、さらにやさしく包み込むように盛り上げたのは、メロウで甘美な歌声で観客を虜にするラヴァーズ・ロックの名手、asuka ando。ステージの冒頭では、レゲエのリズムにのせて、愛情とやさしさがじんわりとにじむナンバーを連ねていく。

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ゆるやかなビートと包み込むような歌声が、湿り気を帯びた夜の空気にふわりと溶け込み、観客の身体は自然とゆらりゆらりと揺れていく。その場にいるすべての人が、静かに、でも確かに引き寄せられていくような時間が流れていた。「残暑お見舞い申し上げます。暑い間はずっと歌っていこうと思ってましたので、よろしくお願いします」とやわらかく挨拶すると、彼女の代表曲“jiri jiri”へ。軽やかに放たれた「ヤーマン!」の声に、会場からも歓声と笑顔が返ってくる。パフォーマンスの最後は”恋人同士が夜ごと別れていく情景を描いた“ゆめで逢いましょう ~see you in my dreams~を披露。

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どこかこの<八重洲夜市>の夜の名残惜しさと重なり合うようで、やさしく、そして少しだけ切ない余韻を残していった。「こんな日がずっと続けばいいのに」、そんな風に思えるような1日だった。

text by 竹田賢治
Photo by Wada

INFORMATION

八重洲夜市 2025

2025年8月29日(金)~9月7日(日)
場所:東京ミッドタウン八重洲 1F ガレリア、アトリウムほか
入場:無料/入退場自由
主催:一般社団法人八重洲二丁目北地区エリアマネジメント
特設サイト:https://www.yaesu.tokyo-midtown.com/special/yaesuyoichi/