韓国のフォトグラファー、キム・ヨンジュンと、日本のアートディレクター吉田ユニによる写真展『Face to face』が、5月28日(木)まで麻布台ヒルズギャラリーで開催中だ。
本展は、両者による初のコラボレーションとなる写真展であり、日本と韓国を代表する俳優62名が参加。それぞれ2点ずつ、計124点の新作ポートレートが展示される。
長澤まさみ、広瀬すず、小松菜奈、オダギリジョー、坂口健太郎ら日本の俳優に加え、イ・ビョンホン、ソン・ヘギョ、パク・ヒョンシク、チュ・ジフン、キム・ダミら韓国の俳優が参加。“今”のアジアを象徴する顔ぶれが一堂に会する構成となっている。

「花」を通して引き出される人間の本質

本展のテーマは「人間の最も本質的な美しさ」である。
作品は「花」をモチーフに構成されており、俳優一人ひとりの個性や存在感を引き出す形で撮り下ろされている。吉田ユニは、「最初はお花と決まっていたわけではないのですが、少し進んだ段階で、お花をテーマにするのもいいかもねとなり、そこからすべてお花で、俳優さんに合ったイメージに仕上げました」と語っている。
また、キム・ヨンジュンは、「今回ユニさんと作業しながら驚いたのは、各人物に合った、その俳優が持つ魅力やオーラをさらに引き立てるアートワークを、毎回新しく見せてくださった点で、本当に感激しました」とコメント。
単なるポートレートではなく、吉田ユニによるビジュアルディレクションと、キム・ヨンジュンの写真表現が重なることで、被写体の内面にまで踏み込んだ作品として成立している。

Face to faceという体験
タイトルに掲げられた『Face to face』には、被写体と真正面から向き合うという意味が込められている。
キム・ヨンジュンは、「俳優さんたちのポートレートを携帯の画面で見ることが増えている中で、大きな作品として見てもらう機会をつくりたくて、今回のタイトルを『Face to face』にしました」と語る。
スマートフォン越しではなく、実際のサイズ感で人物と向き合う体験そのものが、本展の重要なテーマとなっている。
会場では、麻布台ヒルズギャラリーの空間を活かし、作品だけでなく撮影に使用された要素も展示。吉田ユニは、「写真1枚1枚がしっかり見えるように全体としてはシンプルに見せながらも、空間の中に少しずつ撮影に使った要素を遊び心のように散りばめています」とコメントしている。

また、キム・ヨンジュンは、「ポートレート写真展なので、まずは『人物がしっかり見えること』を最優先に考えました」と話しており、作品に使われた小道具なども空間内に配置。“シークレット的な要素”も楽しめる構成となっている。
ポートレートを“鑑賞する”だけでなく、“対峙する”体験として提示する点も、本展の大きな特徴である。
作品に参加した八木莉可子らゲスト陣も会場を訪問。ポートレートと空間演出が重なり合うことで生まれる、本展ならではの没入感を体感した。

日韓クリエイティブの交差点

キム・ヨンジュンは、雑誌や広告、映画・ドラマポスター、BTSなどのアーティストビジュアルまで手がけるフォトグラファーである。
一方の吉田ユニは、広告や音楽アートワークを中心に国内外で評価されるアートディレクターである。
今回のコラボレーションについて吉田ユニは、「私も普段の作品とは違って、フォトグラファーの視点が加わることで新しい世界が広がったと感じました。特に、短い時間で俳優の自然な表情を引き出す力はすごく印象的で、その瞬間性が作品の魅力になっていると思います」と語る。
また、キム・ヨンジュンも、「今回のコラボレーションを通して、ポートレート撮影に対する視野やアプローチが大きく広がったと感じています。これまでは『自分がうまく撮れればいい』と考えていた部分もありましたが、一緒に制作することで、自分では表現できない領域を補い合えることに気づきました」と振り返っている。
それぞれの領域で確立された表現が交差することで生まれた本展は、単なる写真展にとどまらず、アジアにおけるビジュアルカルチャーの現在地を示す試みとも言えそうだ。

Text&Edit by Qetic編集部
INFORMATION

<KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION『Face to face』>
| 会期 | 2026年4月29日(水・祝)〜5月28日(木)※会期中無休 |
|---|---|
| 時間 | 11時〜21時 |
| 会場 | 麻布台ヒルズギャラリー |
| 住所 | 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階 |
| 料金 | 一般 2,200円(税込) / 大学生・専門学生 1,500円(税込) / 中高生 800円(税込) / 小学生以下 無料 |
| 内容 | 日韓俳優62名による新作ポートレート124点を展示 |