「音楽を本気でやることと、東京に行くことはイコールではない。」
そんなメッセージを掲げる新たなレーベルが、北九州から動き出す。ビクターエンタテインメントが、メジャーレコード会社として国内初となる地域特化型レコードレーベルプロジェクトを始動。第一弾として福岡県北九州市とタッグを組み、新レーベル「STEELING SOUND(スティーリングサウンド)」を発表した。
同社は2027年の創立100周年に向け、新たなグループ理念「Good Music, Good Culture ——エンタテインメントの力で時代を切り拓き、文化と社会に貢献する——」を策定。その取り組みのひとつとして、地域に根ざした才能や文化を発掘・育成・発信する新プロジェクトをスタートさせる。

地域から才能を育てる、新しいレコードレーベル
本プロジェクトが目指すのは、施設整備やイベント開催といった従来型の地方創生ではなく、地域に根ざした才能と文化がつながり、継続的に創作活動が生まれる「クリエイティブなコミュニティ」の形成だ。
その中核を担うのが、ビクターエンタテインメントの音楽制作・発信力と、地域が持つ人材や文化資源を掛け合わせた「地域特化型レコードレーベル」である。
地域社会や行政、地元企業、スポーツチームなどと連携しながら、アーティストやクリエーターの発掘から育成、発信までを一体的に行う。生み出された作品は地域から全国へ、そして世界へと届けられる。
第一弾の舞台は「才能の街」北九州
第一弾の舞台に選ばれたのは福岡県北九州市。シーナ&ロケッツやUP-BEATなど、多くのアーティストを輩出してきた街として知られる北九州市では、現在「うたのまち北九州市」プロジェクトを推進している。
今回の取り組みでは、ビクターエンタテインメントと北九州市が連携協定を締結。「クリエイティブ人材の育成活動支援およびエンターテインメントを活用したコミュニティの創出」を目的に、新たな地域カルチャーの創出を目指していく。
「東京に出なくても世界へ発信できる時代」

ビクターエンタテインメント代表取締役社長の小野朗氏は、本プロジェクトについて次のように語っている。「ソーシャルメディアやデジタルの進化で、東京に出なくても世界中に音楽を発信できる時代になりました。一方でその分、音楽が均質化しているのではないかという問題意識があります」。
さらに、「地域のリアルなコミュニティと向き合い、音楽の力で継続的にエコシステムを作っていくこと——それが、私たちが次の100年に向けて挑戦すべきことだと考えています」とコメント。地域に根ざした音楽活動の可能性に期待を寄せた。

一方、武内和久北九州市長も、「これまでは『才能があるなら東京へ』という流れが当たり前でしたが、私はこの既成概念を壊したいと思っています」と語り、「北九州市を、音楽を聴く街から、発信する街へと、この街から全国へというサイクルを創っていきたい」と展望を明かしている。
レーベル名は「STEELING SOUND」
レーベル名「STEELING SOUND」は、鉄の街として発展してきた北九州市の歴史と、ビクターエンタテインメントとの融合をイメージして名付けられた。「STEELING」には、強める、研ぎ澄ますといった意味が込められており、地域のカルチャーをさらに力強く発信していくという意思が表現されている。
また、所属アーティスト像として掲げられているのは、「地元で、地元から作品を発信する」という考え方だ。北九州で暮らし、働きながら音楽活動を続けるミュージシャンをサポートし、新たな音楽シーンの創出を目指していく。

アーティストとクリエーターを募集
現在、「STEELING SOUND」ではオーディションを実施中。ミュージシャン部門ではオリジナル楽曲による応募を受け付けるほか、クリエーター部門ではレーベルロゴのデザインを募集する。音楽だけでなく、地域から新たなクリエイティブを生み出す挑戦としても注目を集めそうだ。
