俳優、モデル、コンテンポラリーダンサーとしてマルチなフィールドで活動し、近年ではメンズ美容のアップデートを牽引する存在としても注目を集めるRyo Ogata(緒形 龍)。彼がプレイヤーの枠を超え、自らプロデュースを手掛ける新たな映像シリーズ番組『Signal』をMEDIA QETICとコラボレーションにてローンチする。

俳優、ダンサーとして活動している彼が、なぜいま『Signal』をプロデュースするのか。MEDIA QETIC初登場となる今回、彼の表現のルーツであるアメリカ留学での原体験から、自身のアイデンティティに隠された葛藤、ひとつの枠にとらわれないRyo Ogataとしての生き方、そして新番組に込めたメッセージまで、ローンチ・インタビューを届ける。

渡米、そしてアートスクールでの目覚め。表現者としての原点

――俳優、モデル、コンテンポラリーダンサー、美容連載など、非常に多彩なフィールドで活動を広げていますね。まずはRyoさんの活動のベースとなるルーツや、表現を志すきっかけとなった原体験からお聞かせください。

Ryo Ogata(以下、Ryo) 今の自分につながる、大きなキッカケとなったのは、小学生の頃に出会った海外のエンターテインメントなんです。僕たちの世代は全員が『ディズニー・チャンネル』に夢中で、マイリー・サイラスやセレーナ・ゴメスが黄金期を迎えていた時代でした。小学2、3年生の頃かな。映画『ハイスクール・ミュージカル』に出会ったことで、僕の価値観はガラリと変わりました。

そこで描かれていた、日本と海外のコミュニケーションの差っていうんですかね。子どもながらに衝撃を受けたんです。先生と生徒の距離感の近さや、生徒同士の気さくで裏のない関係性に強く惹かれました。当時の学校生活にすごく問題があったわけではないのですが、人とのコミュニケーションにどこか違和感を覚えはじめていた頃で、「海外へ行きたい、アメリカの学校に入りたい」と思うようになったんです。親には子どもの夢だと思われていたかもしれませんが、その気持ちはずっと変わらなくて、中学3年生の時に「やっぱり行きたい!」と伝えて、アメリカ留学を決めました。

――強い意志を持っての行動だったのですね。最初はどのような環境だったのでしょうか。

Ryo 最初の1年は、バーモント州のとても寒い田舎町で英語の勉強に集中していました。ただ、このままでは自分が内向的になってしまうという危機感を持って‥、ここから出ようと決めました。そこで、LAにあるアートスクール(芸術専門の高校)を自分で調べたんです。アメリカ全体でもハイスクールのアートスクールは10校ほどしかなく、その中の一校へ自分で資料やオーディションテープを送って、合格することができました。

2年目からはそちらに移り、ダンスとファッションデザインを専攻しました。そこがまさに、小さい頃に画面越しに観て憧れた『ハイスクール・ミュージカル』そのものの世界だったんです。ダイニングホールで突然ミュージカルコースの生徒たちが歌い出したり、ダンスが始まったり。多様な人種やバックボーン、異なる宗教、ときには戦争のある国から来ている生徒など、本当に広い世界、新しい価値観に触れました。あのアートスクールでの日々が、間違いなく僕の原点です。

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祖父との“コネクト”への気付き、内なる葛藤。「ぐちゃぐちゃなもの」の中にある美しさ

――Ryoさんは、お父様に緒形直人さん、おじい様に緒形拳さんを持つ、表現者の家系に生まれています。物心ついた頃から「自分も表現の道へ進むのだろう」という予感はあったのですか。

Ryo いいえ、むしろ「自分はこの家族にふさわしくないのではないか」と思って生きていたんです。僕自身、周囲からは「上品だね」、「品があるね」と言っていただける機会も多くありましたが、自分だけが知っている自分の内側には、ネガティブな要素やドロドロとした部分が強くあるように感じていて。その褒めていただける言葉に対して、違和感を感じるようになるというか‥。

でも僕は、本当に愛情豊かな家庭で育ちましたし、やりたいことを何でも応援してくれる家族で、本当にありがたい環境だったからこそ、「なぜ自分はこんな思考を持ってしまうんだろう」「普通って何だろう」と、常に葛藤し、家族に対して申し訳なさを抱えていましたね。

――その内面の葛藤が、ご自身の「自己表現」と結びついていったのでしょうか。

Ryo そこは明確に結びつきましたね。アートスクールでは全ジャンルのダンスを網羅して学ばなくてはならなかったんですが、その中でもコンテンポラリーダンスが自分が一番やりたいと思ったんです。コンテンポラリーダンスは、怒りや悲しみといった普段は表に出しづらい複雑な感情を、あえて身体表現に落とし込むダンスなんです。僕は昔から、悲しみや苦しみ、人間のぐちゃぐちゃな部分を持っている人ほど、どこか“美しい”と感じてしまう感性があるんですが、その人間の複雑な感情を表現できるのがコンテンポラリーの魅力だと思いました。

本格的に役者をやりたいと思った決定的なきっかけも、海外にいた時に日本の映画『ヒミズ』を観た時です。狂気的で衝撃的、でも美しさや希望も感じさせる作品でーー。他にも『ヘルタースケルター』『渇き。』のように、きれいなものの内側にある人間のドロドロとした複雑な感情が見えたときに、強い美しさを感じる。その答えが一つではない、アート的な領域に向き合うことこそが、自分が役者をやる意味なのだと確信しました。

――その感性が“Ryo Ogata”として、そして役者としてのスタンス、姿勢になったわけですね。

Ryo そうですね。特に最近の出来事で、日本では上映禁止とされていた、祖父である緒形 拳の出演作『Mishima: A Life in Four Chapters』を初めて観たんです。そのときに、言葉を選ばず表すと「ぶっ壊れてる」と感じて、凄まじい衝撃を受けました。それと同時に、「ああ、僕は、祖父の血とコネクトしているんだ」と強く実感したんです。

先ほど話をした幼少期からの違和感、自分の中にあるドロドロした感情を「自分だけが感じてしまっている、気持ち悪いもの」だと思って蓋をしていました。だから家族にも申し訳ないと感じていてーー。でも祖父の作品を観たときに、「おじいちゃんもきっと、こういう引き裂かれるような思いを抱えていて、それを表現していたんだ」と腑に落ちたんです。父や母から引き継いだものとはまた違う、祖父からの、精神的な血が自分の中でつながった感覚がありました。いまこのタイミングでそれを深く理解できたことにも、大きな意味を感じています。

行動力さえあれば這い上がっていける。これからの時代を一緒に創る一人になりたい

――現在は個人事務所で自ら道を切り拓いています。新人期に個人で活動をマネジメントしていくのは、非常に異例ですし、リスクもある決断だったかと思います。

Ryo 自分のやりたいビジョンを伝えても否定されてしまう環境とか、近しい大人との関係の中で深く傷ついたり、実は一時は人間不信になって誰とも話せなくなって、引きこもってしまった時期もありました。大人の世界で感じてしまった感情に、自分自身も飲み込まれそうになりましたが、勇気を出して一歩を踏み出して活動をはじめました。

業務提携という形でエージェントとは繋がっていますが、テレビ局への資料送付や営業、オーディションの獲得などはすべて自分で行っています。第三者を介さずに、僕と先方という「人と人」のダイレクトな関係で直接やり取りをするのは、いまはとても心地いいし、やりがいを感じています。行動力さえあれば、新人であっても、一度落ちた人間であっても、自分の力で上がっていけるんだということを自らの姿勢で証明したいんです。新しいシーンを作る一人になりたいと思ってチャレンジしてます。

――過去の苦しい経験さえも、現在のバイタリティに変えているのですね。

Ryo 自分を勇気づけてくれる言葉があるんです。メリル・ストリープの言葉で「傷ついた心をアートに変えて(Take your broken heart, make it into art.)」。僕の大好きなフレーズで、モットーにしています。

僕は「現在が未来を変える」のではなく、「未来が過去、現在を変える」と思っているんです。あの時の苦しみがあったから、今の自分に必要な行動力が生まれて、当時の大人たちを「あっ」と言わせるような、原動力になっていると思うんです。過去の辛い経験も、素晴らしい未来にたどり着くための意味のあるプロセスだったと、今の自分の一つひとつの選択によって書き換えていきたいですね。ネガティブをポジティブなアートへ昇華させるというか、ようやく、そのスタート地点に立てた気がしています。

MEDIA QETICでの新番組『Signal』が映しだす、過去・現在・未来のまなざし

――その新たなスタート地点からローンチされるのが、ご自身がプロデュースする映像シリーズ『Signal』ですね。プレイヤーであるRyoさんが、プロデューサーという視点を持ってこの番組を立ち上げた背景を教えてください。

Ryo 僕の中では、表現における「表」も「裏」も言葉の通りには思っていなくて、その両方が地続きで、どちらもすごく重要だと思っています。以前、某ファッション雑誌の編集長アシスタントを経験させていただき、企画をプロデュースする方々の素晴らしいチームワークを見て、その方々の仕事があってこそ、演者側が輝くのだと肌で知りました。

一時期は大人が信じられなくなっていましたが、ここ2、3年で、心から信頼できる魅力的な人たちとたくさん出会うことができたんです。その方々と対話する中で、僕は昔から人と付き合うことや、誰かの深い話を聴くことが大好きだったと思い出させてもらいました。僕の大切な周りの人たちのバックグラウンドを丸裸にして、お互いにネガティブな部分も共有し合えるような場所を作りたい。そう思ったのがプロデュースの初期衝動です。

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――『Signal』というタイトルには、どのような意味が込められているのでしょうか。

Ryo 番組の立ち上げ期に、打合わせを兼ねて、QETICチームと韓国レストランに行ったんです。そこに、本物の信号機が飾られていたんです。僕の席がちょうど、その信号の光が強く当たっていて、僕が話し始めるとちょうど赤信号に変わったりして(笑)。そこからインスピレーションを得て、人の言葉の浮き沈みや人生の転換点を表す言葉として、「信号‥、他に言い換えるとなんだろう‥、シグナル‥‥!」となり、タイトルになりました。

実際、”シグナル”という言葉には「兆し」や「眼差し」という意味があったり。ゲストとしてお迎えする方々の「過去・現在・未来の眼差し」を対話の中で丁寧に聞いていく。ただのインタビュー番組ではなく、ゲストが普では語らないような深いパーソナリティに触れ、視聴者の方々はもちろん、ホストである僕自身も強烈なインスピレーションを受け取って一緒に成長していく、そんな化学反応が起きる場にしたいと考えています。

この番組自体も、まさに「未来が過去を変える」を体現するような、一種の対話の場でありアートのような空間にしていきたいですね。

――栄えある第1回目のゲストには、ダンサー、HAL(ハル)さんが登場しますね。

Ryo HALさんはプライベートでも仲良くさせていただいているのですが、「こんなにも強くて美しい女性がいるんだ」とリスペクトの気持ちを込めて、第1回目にオファーさせていただきました。彼女は日本のダンスシーンを牽引するダンサーの一人なのですが、HALさんのダンスには、心の奥にある強い意志がそのまま表れています。

でも、その圧倒的な「強さ」の裏には、人知れない悲しみや苦悩もあるはずで。彼女の表現を外見やフィルターをかけた眼鏡で見るのではなく、その内側にある真のパーソナリティを見てほしいんです。日本で難しいジャンルであるヴォーグを牽引し続けているHALさんの「強さと優しさの理由」を、この『Signal』の対話を通じてぜひ目撃していただきたいです。

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新しい名前のない花として。これからの展望

――最後に、Ryoさんのこれからの展望と、番組に出会ってくれた視聴者へのメッセージをお願いします。

Ryo これからは役者という枠だけに捉われず、職業「Ryo Ogata / 緒形 龍」として、さまざまな場所で、見たこともないような新しい花を咲かせたいと思っています。自分で掴み取った作品や、この『Signal』という番組が世に出ることで、観てくれた誰かの新しい発想の転換のきっかけになれたら嬉しいです。

視聴者の皆さんには、ぜひご自身の中にある固定観念や色眼鏡、目のフィルターを一度すべて外して、まっさらな、赤ちゃんのような気持ちで(笑)、この『Signal』に触れにきてほしいです。

僕自身、さまざまな国の人やカルチャーに触れてきて、偏見を持たないことを大切にしてしてきました。肩書きや枠組み超越して、一人の人間同士が境界線なく向き合う難しさと美しさを、皆さんと一緒に学び、共有していけたら幸いです。ここから始まる『Signal』という記録を、どうぞ楽しみにしていてください。

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PROFILE

Ryo Ogata(緒形 龍)

俳優・モデル・コンテンポラリーダンサー。
映像作品や舞台、雑誌や広告など幅広いフィールドで活動。『Numero TOKYO』ではメンズ美容連載「メンズビューティログ」を担当。近年は、Travis Japan「Say I do」MV出演や、NHK『あさイチ』への登場など、映像・TV分野でも活躍の場を広げている。2026年以降もさまざまなプロジェクトに挑戦予定。
 
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INFORMATION

QETIC新シリーズ始動。Ryo Ogataによる映像番組シリーズ『Signal』。コンセプトは「未来が過去を変えていく」 signal_black

番組名  :『Signal(シグナル)』
配信開始日:2026年6月30日(火)配信スタート
配信   :QETIC公式YouTubeチャンネル
 
[Signal vol.1 – Ryo Ogata × HAL]
HOST Ryo Ogata
GUEST HAL
Director ITARU SAWADA, RANJI TANAKA, SANAE AKECHI
Creative Director ASAMI SHISHIDO
Cinematographer SAYURI KOEBA
Photo SHIROBON KAWANISHI
Executive Producer Ryo Ogata
OP Animation telyoshi
Special Thanks WANSIE, YOSHI
Presented QETIC

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