――なるほど。いまお話に出たミックスの流れに関してなんですが、今回は長い時間気持ちよく踊っていられる感じというか、ゆるく上げ下げを繰り返しながら、ジワジワと上がっていく感じの流れなのかなと思いました。今回、ミックスの流れに関してはどのようなことを意識されましたか? 

ジワジワ感は出たらいいなとは思っていました。全体の流れの事で言うと、これまでのミックスCDは全部、最後に盛り上がる曲を持ってくるみたいなシンプルなスタイルでやってきたんです。でも今回は、今までよりも多様性のあるストーリーを意識しました。

――なるほど。すごくかっこいい切り返しなども多々ありました。

ありがとうございます。

――なんというか、今回は全体的にとても大人な感じですね。

ワタシもいい歳になってきたので(笑)。いや、でもそう感じて頂けたら嬉しいです。

――そしてエロいですね。

おー、嬉しい(笑)!

――ミックスにおいて、エロさというのは意識していますか?

いや、残念ながらまったく意識したことがなくて(笑)。

――エロいです。ディープ・ハウスっぽいというか。

そう感じていただけるなら本当に本望ですよ。良かった! でもディープ・ハウスはここ最近のマイブームではありますね。

――どんなディープ・ハウスがお好きですか?

なんでしょう、どの年代の誰ということではなくて、もっと広い意味というか、解釈としてのディープ・ハウスといったらいいのか。

――前作のインタビューの時にはトッド・テリーが好きとおっしゃっていましたが、もともとハウスはお好きなんですよね?

そうですね。たしかに前作のタイミングではトッド・テリーのこと喋ってましたね(笑)。いまはまたブームが変わってきていますけど。もっとディープ・ハウス寄りに。しっとりした曲がグッときますね。

――モロにディープ・ハウスな曲を使ってないのに、ディープ・ハウス的なフィーリングを感じるところがまた本作の面白いところですね。

そうそう、そこがわたしの勝手な解釈というか、フィーリングとしてのディープ・ハウスなんですね。

テック・ハウスにシフトした最新MIX CDがヤバ過ぎる! DJ KYOKOに直撃インタビュー! music130206_djkyoko_3-1

テック・ハウスにシフトした最新MIX CDがヤバ過ぎる! DJ KYOKOに直撃インタビュー! music130206_djkyoko_1-1

――『Time’s Fool』というタイトルにはどのような意味が込められているのですか?

「時の笑いもの」という意味なんですけど、今回はEDM的な派手なサウンドに逆行して、地味なものというか、敢えて売れなさそうなサウンドを目指そうというコンセプトもあったので、そんな意味合いのタイトルのほうが面白いかなって。

――ちょっと自虐的な?

そうですね。なので、最後の曲に笑い声とかも入っていたり。

――あ、あの笑い声と電話の音は付け加えたものだったんですね。

そうそう。周りから笑われてるみたいな。

――いきなり入ってくるので、ちょっとビックリしました(笑)。最後の楽曲(Cottamの“Relapse”)が流麗なダウンテンポ調の曲ですから。でもただ美しく終わるだけじゃなくて、ちょっとしたアクセントになっていて面白いですよね。

たしかに、ビックリというか、ある意味ではちょっと怖いですよね。わたしもマスタリングの時に大音量で聴いて、自分でもビックリしましたから。おお、なんか怖いって(笑)。本当は「テヘペロ」的な感じで入れてみたんですけどね。

――最後に「テヘペロ」って必要なんですか(笑)?

ええ、わたしらしいかなと。

――最後の質問です。なんだかんだいっても男の多いDJの世界において、女性のDJとしてここまでキャリアを積み重ねてくる中で、苦労されたこともあったのではないかと思いますがあれば教えてください。

女性だからできなかったことももちろんあると思うんですが、逆に女性だからこそできたこともあると思うんです。わたしはむしろそっちのほうを見ていたいなって思います。まあ、でも強いて言えば、体力ですかね。そこはやっぱり女性と男性では明らかに違うと思うので。羨ましいです(笑)。とか言いながら、いつまでもタバコなんか吸ってるから、体力が付かないんですよね。

――それでは最後に今年の抱負をお願いします。

今年も「いつも楽しく」です(笑)。

――「いつも楽しく」はブレないですねー(笑)。

はい。

――今年の活躍も期待しております! 本日はありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました。

text by Naohiro Kato
photo by 横山マサト

Event Information

DJ KYOKO『Time’s Fool』発売記念 インストアDJ&サイン会
(バレンタインデー特別プレゼント付!)

2013.02.14(木)@タワーレコード渋谷店 4F イベントスペース
START 20:00
参加方法:観覧自由。ご予約者優先でタワーレコード渋谷店にて、DJ KYOKO『Time’s Fool』購入した方に先着でサイン会参加券を配布されます! イベント当日、サイン会参加券と対象商品を持っていくと、DJ終了後に開催されるサイン会にも参加可能。対象商品のジャケットにサインされるので、そちらお忘れなくお持ち下さい。

DJ KYOKO DJスケジュール

2013.02.08@SHIBUYA SOUND MUSEUM VISION
2013.02.09@SHIBUYA CLUBASIA
2013.02.14@SHIBUYA TOWER RECORDS INSTORE EVENT
2013.02.18@SHIBUYA WOMB LOUNGE
2013.02.20@AOYAMA IDOL
2013.02.21@SAPPORO ALIFE
2013.02.22@SHIBUYA SOUND MUSEUM VISION
2013.02.25@DAIKANYAMA AIR

Release Information

Now on sale!
Artist:DJ KYOKO
Title:Time’s Fool
Farben/KSR Corp.
KCCD-516
¥2,000(tax incl.)

Track List
01.Disco Nihilist/House Rent Boogie
02.Go Wolf / Voices (Bubba’s Speechless Remix)
03.Lau e Torha/Like You
04.Martin Kemp/Heavy Heavy Heavy
05.Black Rose/ Asking Why
06.James Starkie/More & More (Original Mix)
07.Marlo Martínez/Feel My Mind (Ricardo Espino Remix)
08.Affkt/Jakla (Gorge Remix)
09.Ben Mono/How It Is(CSY & Stripes Remix)
10.Shades Of Gray & Uone/I’ am Feeling High
11.Stanny Abram/Wonderwall
12.Maxi Valvona/You Gave Me Everything
13.DJ AX/My Fathers Arms Feat Charles Dockins (Oscar P & C. Scott Vocal Remix)
14.Mad Hatterz/Without Your Love
15.Zombie Disco Squad/Goodnight (Mercury Remix)
16.Camoflaug3/Fake DJ feat. Robert English(DJ Sneak’s Gangster Mix)
17.Tomy Montana/What U Want(Modaal & Discojack Remix)
18.Enomis/Conga Invasion(Original Mix)
19.Paolo Martini/It’ s You(Leo Mas Fabrice & Edo B Remix)
20.Filterwolf/Zeros and Ones
21.Para One/When The Night feat. Jaw(Logo Remix)
22.Flashmob/Need In Me
23.Cottam/Relapse(Original Mix)