死ぬ時の走馬灯の豪華さが違うから音楽やってるんです! と言う若者のパンチラインに衝撃を受け、私もそんな人生を送りたいと思うようになりました」

ITサービス・DX開発を手掛けるアルサーガパートナーズ(東京・渋谷)。CEO兼CTOをつとめる小俣は漫画家/作曲家などクリエイティブな職業を目指し挫折した後、9年間に5つの転職を経験するなど、異色の経歴を持つ。現在は120名余りの社員を率いるが、姿勢は 「死ぬまでクリエイター」。

小俣の下には、元バンドマン、フジロックVJ経験者、芸能活動経験者、元eSports発信者などクリエイティブにルーツを持った多様なIT人材が集う。

クリエイター精神とIT技術の融合!新進気鋭のITベンチャー代表が語る芸術との親和性とは culture210302_arsaga-02

平均年齢27歳の若い組織で、日本を代表する大手企業と多数の取引/事業提携を実現。会社名には、「技術・芸術の力で、ITサービスの企画から開発までの物語を、パートナーシップの力を以て紡いでいく」という意味が込められている。今回、クリエイティブ精神とIT技術との融合で実現できる価値提供と、働き方について話を聞いた。

メン募サイトの制作がスタート地点

──以前はクリエイティブな職業を目指していたそうですが、ITに興味を持ったきっかけを教えてください。

音楽に熱中していた時期に、「優秀なバンド仲間を集めたい」と考え、メン募サイトを独学で作ったのがスタート地点です。サイトの管理者権限では、全ての登録者の情報を閲覧できるため、その中から「この人と一緒に音楽をやりたい」というメンバーに声をかけていました(笑)。

──音楽をやることが目的で、ITはサブだったわけですね。なぜITがキャリアのメインに?

iTunesで楽曲を公開し周りの反応をうかがう中で、「自分には音楽の突き抜けた才能がないかもしれない」と考えたのが一つあります。音楽のプロとして生きていくことを一旦はあきらめる一方で、サイト制作、DTMなどで伸ばしたITのスキルが残りました。さまざまなタイミングが噛み合い、IT業界へ足を踏み入れました。

ITと芸術は親和性の高い領域

──2016年に創業したアルサーガ社では、クリエイティブにルーツを持つIT人材が集っています。一芸採用をしているのですか?

いえ、当社にはクリエイティブにルーツを持つ人材も、そうではない人材もいますが、同じような目線で選考を行っており、一芸に秀でているという理由で採用をすることはありません。

しかし、クリエイティブなセンスを持つ方は、自ら生み出す力や、工夫する力に長けています。当社では自由な発想を重視し、各種サービスを開発・提供しています。そのため、一般的にIT業界では、「バグ(=コンピュータのプログラムミス)を起こさないこと」が重視されますが、当社ではその逆を行く「バグを否定しない」という方針をとり、自由な発想をもとに相互成長を促す文化で、最終的なプロダクトの品質を高める組織運営をしています。

──髪型・服装も自由ですね。金髪・銀髪のエンジニアもいるとか。

はい。社内だけでなく、クライアントの前だからといって、スーツ着用を強制するようなこともありません。同業他社の大手企業がスーツでコンペに臨む中、我々は明らかに浮いた存在です(笑)。しかし、コンペの勝率は約50%(※取材時点)。

──大手企業と戦うなかで、髪色自由の集団が2回に1回は勝ててしまう。秘訣はどこにあるのでしょうか。

自由な発想を活かしながらも、お客様にとって本当に役に立つITサービスの価値を提供しようとしている姿勢が伝わっているのだと思います。この点、クリエイターが考える「良い作品を届けたい」という考え方と共通点がありますね。

──共通点といえば、音楽を経験していたメンバーから、「プログラミングコードは、音楽コードと似ている」という話もあるそうですね。

良いとされる進行(書き方)がある程度決まっているところなど類似している部分はあります。また、「ライブコーディング」(ここでは、プログラミングコードを音楽にする技術)もあります。音楽ソフトウェア以外でも、IT技術と音楽は、実は重なる部分が多いですね。

参考:ライブコーディングの様子

(DOMMUNE Tokyo – live coding performances – algorave tokyo x yorkshire)

──近年では、「芸術の道一本で生きていくよりも、安定的に働きながら自分のペースで創作活動を続けていこう」、という考え方もありますね。

会社にもよりますが、IT企業は、たとえばリモートワークなど柔軟な働き方も導入されている職場もあり、創作活動とも両立しやすい環境です。実際に当社は、プログラマ、デザイナーとしてしっかり働きながら、西洋美術を愛し周りに発信するメンバーや、パティシェなどでアートな感性・スキルを活かして働くメンバーなどさまざまです。

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──最後に、この記事を見て、IT人材として働いてみたい! と思った方に一言お願いします。

大人になると、なかなか思うような自己表現が続けられず、アイディアを世界に表現すること自体を辞めてしまう方がいます。もったいないですね。

IT業界はこれからも成長が見込まれる産業であり、エンジニア人材の需要は高まっています。しかも、当社は「ものづくりをするのが好き」という気持ちを発揮して働きやすい環境です。自ら学んで作ってしまう方、アイデンティティを生かしながらものづくりに携わりたい方、ぜひIT人材として働くことを考えてみてはいかがでしょうか。個性的な仲間たちとお待ちしていますよ。

ちなみに僕はまだ、「いつかクリエイターとして名を挙げる」という夢を諦めていません(笑)

Photo by Hiroki Yoshida a.k.a Barista
Art Direction by Moe Kanai

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