ウィリアム・バロウズの生誕100年記念して史上最低最悪の対談集『バロウズ/ウォーホルテープ』が発売された。実は晩年、親密な関係にあったウィリアム・バロウズ(1914年2月5日-1997年8月2日)とアンディ・ウォーホル(1928年8月6日-1987年2月22日)。その密談をセッティングしたヴィクター・ボクリスによる秘蔵テープのお蔵出しや会談中の現場写真も約100枚が収録されている。ここで2人の奇妙(?)な関係性をご紹介。
ふたりの奇妙な符合の一例
1)バロウズは原子爆弾が開発されたロスアラモスの地の寄宿学校で少年時代を過ごし、ウォーホルの誕生日は原爆が広島に落とされた8月6日(ウォーホル17 歳のとき)。
2)どちらも同性愛が忌み嫌われた時代にカミングアウトして、ゲイ解放のアイコンとなった。
3)ウォーホルはシルクスクリーン技法で美術界の常識をぶっ壊し、バロウズはカットアップ技法で文学界のセオリーをひっくり返した。
4)ウォーホルは女性に撃たれて殺されかけたので有名。バロウズは女性を(奥さんとウィリアム・テルごっこをしている最中)撃って殺したことで有名。
5)どちらも主流派出版社からは悪者扱いされたが、のちに時代の先導者となった。
6)どちらもトレンドセッターでそれぞれのフォロワーたちのファッションのお手本だった。
7)どちらもFBIと警察の監視下に置かれていた。
また、特別ゲスト、ミック・ジャガーを交えた鼎談も収録。ぜひ手にとってみてみよう。
著者プロフィール:山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻、マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手シンクタンク会社に勤務の傍ら、文学・経済・コンピューターなど幅広い分野の翻訳と評論を手がける。著書に「たかがバロウズ本。」(大村書店)、「訳者解説」(バジリコ)、翻訳書にフィリップ・K・ディック「ヴァリス」(ハヤカワ文庫SF)、共訳にバロウズ「ソフトマシーン」(河出文庫)など多数。
Release Information
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