GALLERY COMMONにて8月21日(金)より、アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするマルチアーティスト、カリ・ソーンヒル・デウィット(Cali Thornhill DeWitt)によるソロエキシビジョン<TOKYO OLYMPICS>が開催される。
Cali Thornhill DeWitt<TOKYO OLYMPICS>がGALLERY COMMONにて明日開幕
幼少期よりロサンゼルスのアンダーグラウンドコミュニティに触れた体験をベースとし、世界の社会情勢をその都度、ペイントやZINE、本、グラフィック、写真、MV、アパレルなどボーダレスな表現活動で反映してきたカリ・ソーンヒル・デウィット。アートのみならず、音楽やファッションシーンにも世界的に注目されている彼による本展覧会は、3年振りとなる国内でのソロエキシビジョンとなる。
インターネットが普及し多くの情報が流れ続ける中、そこに内包される画像やテキストの要素を用いて表現される彼の作品には、コンテンポラリーアートにおけるバーバラ・クルーガー(Barbara Kruger)、ジェニー・ホルツァー(Jenny Holzer)、エド・ルシェ(Ed Ruscha)に通ずるスタイルを見出すことができる。そこには、タイトルや話の一部のみが一人歩きし、そのソースを掴めずに終わる不摂生なコミュニケーションや、ヘイトスピーチから生まれるヘイトスピーチなど、情報社会ならではの誰しも身近な、表裏一体からなる文明の衰退と反映が写し出されている。
<TOKYO OLYMPICS>というタイトルにもあるように、独特でアイロニカルな世界観に生まれるパンキッシュかつ精巧なブートレグ文化にも通ずる創造で構築される本展覧会の作品群もまた、一点に固執されないカウンターカルチャーとメインカルチャーのサークルが俯瞰/表現されている。
また本展覧会では、代表的な『プラスチック・サイン・シリーズ』をはじめ、キャンバス、ネオシルクと新作を中心に構成されている。展示物には、当初からモチーフとあげられることの多い花や地球はもちろんのこと、近年の地球全体を巻き込むパンデミックや、絶えないレイシズムなど、現在進行形で続く問題への喚起を彷彿をする作品も。文化にして相容れないものはないアートの可能性、そしてその尊さを感じさせる表現と対峙できる機会なので是非ご注目を。
さらに8月22日(土)〜9月11日(金)には、GR8にて<TOKYO OLYMPICS>のためのスペシャルポップアップが開催されることに。ポップアップでは、2013年にスタートして以来、数多くのファンを魅了し続けカリスマ的な人気を誇る日本のブランド「READYMADE」のデザイナー細川雄太と、カリ・ソーンヒル・デウィットが手掛ける新たなコンセプトのブランド「SAINT MICHAEL」が本展覧会のためにデザインした商品が販売される。
尚、ポップアップのアートディレクションは、カリソーンヒル・デウィットと長年親交のあるKIRIが手がけている。KIRIが特別にセレクトした映像と音楽が75個のモニターに映し出されるという、特別な演出も用意されているのでお楽しみに。