――作品を作る際に気を付けていることは?

バランスがとても重要ですね。キャラクターのインパクトが強すぎれば、ただの『スター・ウォーズ』の写真になる。足りなければ、『スター・ウォーズ』とまったく関係の無い写真になってしまう。

何年か前に、「こんな作品は誰でも作れる」と言って真似をしていた人たちがいました。けれど実際に作られたものを見てみたら、ただおもしろおかしいだけの作品に仕上がっている。キャラクターや、その場所へのリスペクトが足りていないとそうなります。

それからもう一つ、私が作品を作る上でいつも心がけているのが”Intuition(直観力)”です。どうしてその作品を作りたい気持ちが生まれたかが大切です。他の真似する人たちも、この”Intuition”が足りない。ただのアイデアだけでは作れません。

現実とスター・ウォーズの世界が融合!『DARK LENS』インタビュー 007

――日本で作品を撮影するとしたら、どこか撮影場所を決めていますか?

決めていません。まだ「感じる」段階です。作品として「撮る」ために、「Dark Lensメガネ」をかけてもう一回あっちこっち見て回ろうかと。でももう歳をとっているから、以前よりもゆっくりしたい気持ちが強いですね。若い頃はもっとペースが速かったかもしれない。

現実とスター・ウォーズの世界が融合!『DARK LENS』インタビュー 008

――来月、いよいよ『スター・ウォーズ』の最新作が公開されますね。

もちろん観に行きます。けれど、すぐには行きません。「『スター・ウォーズ』だからどうしても観に行かないといけない」という気持ちではない。

私の作品も、『スター・ウォーズ』のファンのためだけに作っているわけではありません。『スター・ウォーズ』を知らずに、私の作品集を買ってくれる人もいます。でも、映画はもちろん観に行きますよ!

現実とスター・ウォーズの世界が融合!『DARK LENS』インタビュー 009

――『スター・ウォーズ』のキャラクターで一番思い入れがあるのは誰ですか?

あまり特別な思い入れのあるキャラクターというのはいません。シリーズとしてはやはり最初のトリロジーであるⅣ・Ⅴ・Ⅵが好きですが。強いて言うなら、ハン・ソロに一番インパクトがありました。映画を見る多くの人は「ルーク・スカイウォーカーになりたい」と言い、「ハン・ソロになりたい」という人はなかなかいない。

ルークは、若くて、これからのヒーローという感じですね。対してハン・ソロは、もともとスピリットとしても悪い人。だけどユーモアもあって、お父さんみたいなイメージです。女の人のために頑張る、男らしい人ですね。

チューバッカとコンビを組んでいますが、もともとの話ではチューバッカの方がリーダーになる予定だったそうです。だけど喋れないキャラクターはリーダーとして使い辛いので、結局は立場が逆転しました。そこも面白いなぁと。

現実とスター・ウォーズの世界が融合!『DARK LENS』インタビュー 010

次ページ:誰の目にも世界は違った風に映っている