――作品を作る際に気を付けていることは?
バランスがとても重要ですね。キャラクターのインパクトが強すぎれば、ただの『スター・ウォーズ』の写真になる。足りなければ、『スター・ウォーズ』とまったく関係の無い写真になってしまう。
何年か前に、「こんな作品は誰でも作れる」と言って真似をしていた人たちがいました。けれど実際に作られたものを見てみたら、ただおもしろおかしいだけの作品に仕上がっている。キャラクターや、その場所へのリスペクトが足りていないとそうなります。
それからもう一つ、私が作品を作る上でいつも心がけているのが”Intuition(直観力)”です。どうしてその作品を作りたい気持ちが生まれたかが大切です。他の真似する人たちも、この”Intuition”が足りない。ただのアイデアだけでは作れません。
――日本で作品を撮影するとしたら、どこか撮影場所を決めていますか?
決めていません。まだ「感じる」段階です。作品として「撮る」ために、「Dark Lensメガネ」をかけてもう一回あっちこっち見て回ろうかと。でももう歳をとっているから、以前よりもゆっくりしたい気持ちが強いですね。若い頃はもっとペースが速かったかもしれない。
――来月、いよいよ『スター・ウォーズ』の最新作が公開されますね。
もちろん観に行きます。けれど、すぐには行きません。「『スター・ウォーズ』だからどうしても観に行かないといけない」という気持ちではない。
私の作品も、『スター・ウォーズ』のファンのためだけに作っているわけではありません。『スター・ウォーズ』を知らずに、私の作品集を買ってくれる人もいます。でも、映画はもちろん観に行きますよ!
――『スター・ウォーズ』のキャラクターで一番思い入れがあるのは誰ですか?
あまり特別な思い入れのあるキャラクターというのはいません。シリーズとしてはやはり最初のトリロジーであるⅣ・Ⅴ・Ⅵが好きですが。強いて言うなら、ハン・ソロに一番インパクトがありました。映画を見る多くの人は「ルーク・スカイウォーカーになりたい」と言い、「ハン・ソロになりたい」という人はなかなかいない。
ルークは、若くて、これからのヒーローという感じですね。対してハン・ソロは、もともとスピリットとしても悪い人。だけどユーモアもあって、お父さんみたいなイメージです。女の人のために頑張る、男らしい人ですね。
チューバッカとコンビを組んでいますが、もともとの話ではチューバッカの方がリーダーになる予定だったそうです。だけど喋れないキャラクターはリーダーとして使い辛いので、結局は立場が逆転しました。そこも面白いなぁと。
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