レーターに俳優の浅野忠信を迎え、2月14日(金)から2月16日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演されるDAZZLEの新作公演『二重ノ裁ク者』。ストーリー、美術、照明などのテクノロジーなどすべての面で過去最大のスケールで届ける待望の新作上演に際し、1月28日(火)、クラブクアトロ(東京・渋谷)でダンスカンパニー・DAZZLEのパフォーマンス披露、プレス取材会が行われた。『二重ノ裁ク者』より一部抜粋した特別パフォーマンスを初披露後、新作の見どころなどを長谷川達也(演出)、飯塚浩一郎(脚本)が語った。

プレスコール取材会コメント

Q1.DAZZLEについて。どのように結成されたのか、その経緯など。

長谷川さん 大学生の時に、気の合う仲間、4、5人でスタートしたのが始まり。ヒッピホップやジャズダンスなど、ジャンルの枠を超えて創作する過程でメンバーも入れ替わったりして、今の人数になった。

飯塚さん 僕はかっこいいな、とDAZZLEを見ていた側に最初はいて、後から入ったメンバー。広告やコピーライターなどの仕事をしているなかで、映像とのコラボレーション、言葉の伝え方などで関わることができるかなと思っている。

Q2.DAZZLEは、ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合させたカンパニー。他のダンサーとはココが違う、自分たちの一番の魅力はココにあるというポイントは?

長谷川さん ダンスで表現するだけでなく、ナレーションを含めたストーリーがあって、そこに入り込む、音楽や世界観をつくりあげるための照明があるなど、トータルに舞台をつくりあげるところ。

Q3.海外でも公演を行っているDAZZLE。海外と日本でお客様の反応のちがいは?

長谷川さん 海外は見ているお客様の歓声が間近でリアル。率直に反応してくださるという感じがする。お客様が客席で徐々に、沸き立ってくるということが、ステージからでもリアルに感じ取ることができるのは、海外公演のような気がする。

飯塚さん 一番印象的だったのは、ルーマニアでの演劇祭での公演。客席全体から、スタンディングオベーションをうけた時は、感動した。

Q4.DAZZLEでは、長谷川さんが演出、飯塚さんが脚本を手がける。どのようにして作品は作られていくのか?

長谷川さん まず自分が、全体のイメージや頭に浮かんできた言葉や背景などを挙げて、構成していく。全体の雰囲気が見えてきたところで、メンバーにも伝え、振付や音楽のイメージ、照明などを練っていく。メンバーの意見なども交えて、最終的にひとつにまとめあげていく感じ。制作期間としては半年ぐらいはかかる。

Q5.最新作『二重ノ裁ク者』はどのようなところから着想を得てつくられているのか?

長谷川さん これまで、韓国やインド、ルーマニアで公演を行ったが、民族紛争などの歴史的な事件や背景を沿っているところも多い。キーワードとして、「独裁者」という言葉は、海外公演で訪れた場所から感じて出てきた言葉。そこを深く掘り下げていき、舞台をつくりあげた。

Q6. 今日のパフォーマンス披露では、ナレーションの声は長谷川さんが吹き込んだもので、本公演では、俳優の浅野忠信さんが担当する。浅野さんとDAZZLEの関係、浅野さんをイメージして作られたところもあるのか?

飯塚さん もともと、広告の仕事で、浅野さんとご一緒したのが始まり。浅野さんがハリウッド映画の出演でアメリカにいて、そのころ、DAZZLEも海外公演を行い始めたころのこと。そこで、芸術やエンターテイメントの世界を話しているうちに親しくなった。今回、新作にあたり、浅野さんがナレーションを行ったらどうなるだろうと、彼の声やスタイルをイメージして書き変えたところもあり、お願いにあがったところ、快諾してくれた。
浅野さんは、映画など“映像の人”で、「舞台はやらない」と断言されていた。それに対して、僕は、“舞台の人”。舞台は、お客様に向かって、力を発散するというところが強いが、映像は、人を惹きつける力が強い。浅野さんの声でどのように見えるのか、DAZZLEとの融合が楽しみ。

Q7. 今日の衣装は、役衣装のひとつだが、衣装でのこだわりは?

長谷川さん 今日の衣装も役衣装のひとつで、ここ数年は、堂本教子さんにお願いしている。シーンにあわせて、いくつか衣装が用意されている。衣装だけでなく、シーンによっては小道具を持ってダンスをしたり、舞台背景の造作物があったり・・・。舞台や演劇的な要素も楽しんでもらえると思う。

Q8. 最新作に向けて意気込みとメッセージ

長谷川さん 今回の作品では、ストーリーだけでなく、音楽と映像、照明がシンクロさせ、そこにメンバーのダンスが加わるという試みも行います。ダンス公演を見たことがある人でも、見たことがない人でも楽しんでもらえると思います。

飯塚さん DAZZLEの特徴は、「自分たちの中にある衝動、気迫を舞台上で放出する」ことだと思っています。日常生活では人間の狂気、溢れる感情などと直接接する機会はあまりないと思うので、僕たちは命の輝き、人間の放つ形にならない“気”を舞台上で表現したい。そのために、色々な演出、音楽を計算し、積み上げ、2月14日からの公演でお待ちしております。

Profile:DAZZLEとは

ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合させた世界で唯一のオリジナルダンススタイルを生み出すダンスカンパニー。ダンスはもちろん、芝居、ミュージカル、そしてアスリートファンまでも魅了するステージは、今、日本のエンターテインメント界に押し寄せる新しい潮流を生み出しているといえる。幻想的な物語を徹底的な美意識で構築し、ダンス表現の限界を軽々と飛び越えるDAZZLE。2011年、ルーマニアで行われた世界三大演劇祭のひとつ、<シビウ国際演劇祭>では、ストリートダンスカンパニーでは、日本人として初めての公演を行い、会場からはスタンディングオベーションとともに、熱狂の渦を巻き起こした。

Event Information

DAZZLE 第八回公演
二重ノ裁ク者

2014.02.14(金)~2014.02.16(日) @東京芸術劇場 プレイハウス
S席 ¥5,500/プレミアム席(非売品特典CD付) ¥7,000
演出:長谷川達也
脚本:飯塚浩一郎
振付・出演:DAZZLE