日々進化し続ける国、インド。政治情勢はもちろん、アートにおいても刻々と移り変わってくる状況の中でインドの現代アーティストは何を感じ、どのように表現しているのだろうか。それに答えを出せる時が来た。
表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京にて、美術史家であり美術評論家でもあるナナク・ガングリーが、コルカタ(インド・西ベンガル州)で活動する新進気鋭のインド人アーティスト4名を選び、アーティスト自らの視点で母国の現状を描くというエキシビション<Urban Narratives ある都市の物語>を開催している。ガングリーによって選ばれたアディプ・ダッタ、スネハシシュ・マイティ、セカール・ロイ、ピヤリ・サドゥカーンは皆、中世の書や偶像から植民地時代の遺産に至るまで、インドの文化的な歴史に深く影響を受けており、ガングリー自身もコルカタという地域が、現代ビジュアルアーツ界の発展に多大な貢献をしてきたと考えている。
cLouis Vuitton / Jeremie Souteyrat
Courtesy of Espace Louis Vuitton Tokyo
今回展示する11作品のうち8作品は新たに制作しており、インドの伝統的アートに西洋的な要素を多く取り入れた手法を使い、素材もスチールワイヤー、古新聞、グラスファイバーなど様々。それぞれのアーティストが表現する多種多様な作品はまさに、現代シーンにおけるインドの多様性を色濃く反映している。
cLouis Vuitton / Jeremie Souteyrat
Courtesy of Espace Louis Vuitton Tokyo
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この展示はルイ・ヴィトン表参道ビルの7階にあるエスパス ルイ・ヴィトン東京で5月6日(月)まで開催中。社会に深く浸透するヒエラルキー、性的暴力事件、女児胎児殺しなど、インドにある闇の部分をも映し出すこの展示会は、いちアーティストからインド全体を感じ取れる稀有な場になることだろう。
(text by Naomi Ise)
Event Information
Urban Narratives ある都市の物語
2013.01.26(土)~05.06(月)@エスパス ルイ・ヴィトン東京
OPEN 12:00/CLOSE 20:00
入場料 ¥FREE