京都造形芸術大学を卒業し、京都、奈良を拠点に平面と立体それぞれの領域で活動する作家・東慎也と米村優人の作品展<神の左手 悪魔の右手>が、渋谷EUKARYOTEにて本日開催を迎えた。
東慎也、米村優人の作品展<神の左手 悪魔の右手>がEUKARYOTEにて開催
東慎也は、自身で見聞きしたニュースや遭遇した光景などをもとに、日常から頭に焼きついたイメージをドローイングに描き留め、大胆なストロークや厚塗りのメディウムによってそのイメージをタブローに描き出すというスタイルで制作を行っている作家だ。
瑞々しい色彩の犬、猫、鳥など、動物たちが織りなす様子は一見するとどこか滑稽で可愛らしく見えるが、簡素化された構図や恣意的にも見えるメディウムの表情の裏には現代社会の抱える問題や事象がテーマとして隠されている。
そして本展で発表となる新作においては、パラダイムシフトを突きつけられる目まぐるしい現状を受け、絵の中の人間たちは記号的な物/動物たちと同列に扱われ、東が関心を寄せる支配と被支配の関係の表裏一体性のメタファーとなっている。
米村優人は幼少期に父親の影響で親しんだ昭和期の特撮ヒーローや、ギリシャ神話の神々といった人智を超えた圧倒的な存在に対する憧れや興味から、粘度、石、FRPなど多様な素材を用い、展示空間やテーマに合わせて配列可能な彫刻作品「超人像」を制作している作家だ。
2019年に東京都美術館で開催された<KUAD ANNUAL 2019 宇宙船地球>や<アートアワードトーキョー丸の内2019>では、古来からの彫刻と新しい時間軸/創造行為を接続させるかのように、古代彫刻を思わせる断片的な立体物と、機材を用いた大きなギミックによる何らかの工程の痕跡を配置した空間によって鑑賞者に鮮烈な印象を与えていた。
本展では「アガルマン」の新作を中心に、新型ウイルスの影響を受け<Artist Fair KYOTO>の中止によって未発表となった作品のほか、バイク機材や鉄材を取り入れたインスタレーションも発表される。
<神の左手 悪魔の右手>の会期は7月22日(水)〜8月9日(日)となるので、是非チェックしてほしい。
INFORMATION
神の左手 悪魔の右手
2020年7月22日(水)〜8月9日(日)
12:00〜19:00
定休:月曜日
会場:EUKARYOTE 1F-3F(東京都渋谷区神宮前3-41-3)
参加作家:東慎也、米村優人
※新型ウイルス感染予防のためオープニングレセプションは行いません
© EUKARYOTE All Rights Reserved.