サウンドアーティストのevalaによる新作インスタレーション『Inter-Scape 22』が、9月23日(金・祝)から11月27日(日)まで東京都庭園美術館にて開催される展覧会『旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる』にて展示される。
最新鋭の立体音響システムを採用した『Inter-Scape 22』
『Inter-Scape 22』は、evalaがこれまで美術館の一室で展開してきた最新鋭の立体音響システムを採用した、高密度な音とブラックライトの光のインスタレーションシリーズの最新作だ。『Haze』(十和田市現代美術館、2020年)、『-a』(21_21 DESIGN SIGHT、2021年)に続く第3弾となる本作では、ホワイトキューブの展示室はそのままに、造作を一切施さず、音と光をインストールしている。
展覧会『旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる』は3つのセクションで構成されており、evalaの作品は展覧会の最後に展示されている。ぜひ会場まで足を運んで、その遷移の様子を全身で体感してほしい。
ここでは、東南アジアの虫たちと北欧の鳥たちが共存している。さまざまな色とかたちが組み合わされ、ひとつに収斂しないアラベスクのひろがりのような音の振る舞いとしての旅の記録。
知らない場所に行って知らない音を探す。僕にとって旅とはそういうものなのかもしれない。大小無数の世界がそこにはあり、互いに矛盾しあう価値の基準を、自分ひとりの内にどれだけたくさん抱え込めるかが重要なのだよ、とマイクロフォンを通して旅は教えてくれる。
地球上のあちこちで拾い集めた音を、混ぜ合わせて伸ばしたり縮めたりしながらしてつくる本作は、音を操作する技というより、音のために空間を設置する行為。
そうしてそこで、耳をすますことによって発せられるイメージを、人々の内側に異なるかたちで存在させ、そこから生まれる無数の物語を丁寧に引き出していく。これによって、音はまた別の世界の夢でありうる。
evala