オーストリア・リンツを舞台に、アートとテクノロジーの最前線を切り拓き続ける世界最高峰のクリエイティブの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」。2026年、招聘作家として参戦したサウンドアーティスト evalaが、オーストリア最大規模を誇る聖マリア大聖堂で大規模サウンドインスタレーション『Holy Echo』を発表。空間そのものを作曲した圧倒的な音響体験と、その奇跡的な現地の記録に迫るDOMMUNE特別番組の全貌をレポートする。

メディアアートの最高峰、リンツで交錯する「人間性とテクノロジー」

1979年の発足以来、世界で最も権威あるメディアアートの祭典として君臨する「アルスエレクトロニカ・フェスティバル(Ars Electronica Festival)」。単なるデジタルアートの見本市にとどまらず、最先端テクノロジーが社会や生態系、人間の知覚に及ぼす影響を批評的に問い直す対話の場として、世界中からクリエイターや研究者、思想家が集結する。

2026年のフェスティバルでも、急激に進化するAIや計算機自然と「人間性」の交差点を探る批評的なテーマが掲げられ、街全体の歴史的建造物から最先端施設に至るまで、都市全体が思索と表現の実験場へと変貌した。

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「耳で視る」音響空間のパイオニア、evalaの新たな挑戦

プロジェクト「See by Your Ears」を主宰し、既存のステレオやサラウンドのフォーマットを超越した独自の“空間的作曲”によって、人間の潜在的な聴覚体験を更新し続けてきた音楽家、サウンドアーティストのevala。前年の「プリ・アルスエレクトロニカ 2025」において、大型インスタレーション『ebb tide』が高く評価され日本人初となる「冨田勲特別賞」を受賞した彼が、2026年は招聘作家として満を持してフェスティバルの中核へと乗り込んだ。

高さ134mの大聖堂を調律する、新作『Holy Echo』の衝撃

evalaが舞台に選んだのは、約2万人の収容能力と高さ134m・長さ130mの威容を誇るオーストリア最大の大聖堂「聖マリア大聖堂」。ここで発表された新作が、大規模サウンドインスタレーション『Holy Echo』だ。

「西洋の教会は天から音が降り注ぐ精緻な音響建築であり、東洋の神社は大地へと水平に広がっていく――両者の境界にある“聖なる響き”とは何か」。

この思想から着想された本作は、ヤマハの最先端立体音響技術『Sound xR』をはじめとするテクノロジーを投入し、広大な建築空間そのものを精密にドライブさせた。

オープニングイベントでは、世界的ソプラノ歌手・田中彩子を迎えたスペシャルパフォーマンス『Holy Echo: Clair de Lune』を披露。長い信仰の歴史を刻んできた石造りの大聖堂が、目に見えない音の彫刻によってかつてない知覚空間へと変容し、世界中から集まった観客の身体と意識を激しく揺さぶった。

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現地の奇跡を初公開、DOMMUNE特別番組で見えた舞台裏と現在地

このリンツでの記念碑的な挑戦を克明に記録したライブストリーミングスタジオ「DOMMUNE」による特別番組が配信され、大きな反響を呼んでいる。

第1部:『Holy Echo : Clair de Lune』ドキュメント
現地リンツで撮影された大聖堂でのパフォーマンスとインスタレーションの記録映像を世界初公開。evala、田中彩子、宇川直宏(DOMMUNE)、妹尾理恵(冨田勲研究会代表)、戸村朝子(ARTn CEO)、久保二朗(ACOUSTIC FIELD)らが集結し、プロジェクトの始動から現地制作の過酷な舞台裏までを熱狂とともに解き明かした。

第2部:「サウンドアートNOW!!」
evalaに加え、キュレーターの阿部一直、プリ・アルスエレクトロニカ・ヘッドの小川絵美子、DOMMUNE宇川直宏、さらにアルスエレクトロニカ総合芸術監督のGerfried Stockerがリモート登壇。大阪芸術大学の客員教授も務めるフロントランナーたちが、現代アートにおける音の可能性と最新潮流を徹底的に語り尽くす白熱のディスカッションが繰り広げられた。

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PROFILE

evala

アーティスト名

evala

音楽家、サウンドアーティスト。「See by Your Ears」主宰。既存のフォーマットに依拠しない立体音響システムを駆使し、その場所固有の響きの中で音を編み上げる独自の“空間的作曲”によって、聴覚の潜在的な可能性をひらくインスタレーションを展開。無響室から庭園、廃墟、公共空間、美術館や劇場まで、多様な空間で作品を発表し国際的に高い評価を得ている。2025年、空間音響芸術に対する先駆的な探求と、サウンドアートの可能性を広げた功績により、国際賞アルス・エレクトロニカ 2025 冨田勲特別賞(Isao Tomita Special Prize)を受賞。2026年、令和7年度(第76回)芸術選奨 文部科学大臣新人賞を受賞。
Supported by Osaka University of Arts, Arts Council Tokyo (Creation Grant)
Produced by See by Your Ears

EVENT INFORMATION

イベント名

evala SPECIAL

出演 【第一部】
evala、田中彩子(ソプラノ歌手)、宇川直宏(DOMMUNE)、妹尾理恵(冨田勲研究会代表)、戸村朝子(ARTn CEO)、久保二朗(ACOUSTIC FIELD)ほか
Remote出演:長島千尋(ソニーグループ株式会社)

【第二部】
evala、阿部一直(キュレーター)、小川絵美子(プリ・アルスエレクトロニカ・ヘッド)、宇川直宏(DOMMUNE)
Remote出演:Gerfried Stocker(アルスエレクトロニカ総合芸術監督)
日時 2026.10.28(水) 19:00 - 23:00
会場 SUPER DOMMUNE(渋谷PARCO 9F)/オンライン生配信 地図を見る
料金・チケット情報 スタジオ観覧:¥2,000(限定50名/Peatixにて予約受付中・要1ドリンク購入)
オンライン配信:無料(DOMMUNE公式HP/YouTubeチャンネルにて生配信)
概要
【第一部】19:00 - 21:00
アルスエレクトロニカ2026 evala「Holy Echo : Clair de Lune」ドキュメント

【第二部】21:00 - 23:00
「サウンドアートNOW!!」