東京・青山に位置するGallery Commonにて、イチ・タシロ、ミン・ラン・トラン、ローズ・サレーヌによるグループ展 “Fault Lines”が開催する。
今回のグループ展は、層、亀裂、開口部といったテーマに向き合い、表層の下の構造に隠されている物質的、あるいは文化的な記憶や歴史的出来事の余波に応答するものを探求し続けている3人のアーティストたちによるもの。“断層線”を意味する“Fault Lines”をタイトルに、地球の内側を露呈させる地質学的な亀裂だけでなく、文化、技術、感情における比喩的な亀裂を想起させる作品群を展開する。
イチ・タシロは、均された表層の上に実験的な素材と重層化、そして加算・減算による相互作用を適用することによって作品を制作するアーティスト。最新の作品では、重ね合わされたキャンバスの層に彫刻を施し、燃焼させることで制作を行っている。
ミン・ラン・トランは香港生まれ、パリ在住で、絵画、書、パフォーマンスをその多様な実践に統合。本展では、日本での滞在中に調達した印刷物、布地、顔料、インク、木材などの素材を用いて、環境、文化的風土、集合的記憶の痕跡に応答するミクストメディア作品シリーズを制作しており、その作品は身体性、抵抗、言語への探求を押し広げる。
米ニューヨークを拠点とするローズ・サレーヌは、記憶、価値、交換の物語を語る品々のコレクションである“ダイナミック・セット”を扱う。本展では、テクノロジーと人間の記憶、感情の相互作用を探求し、日本の文化的・経済的歴史の中心であるテクノロジーとメディアの関係性を記録。サレーヌの新作もまた、この土地の歴史や素材に反応し、個人的な物語と集合的記憶の入り組んだ関係を明らかにするものとなっている。
この3人のアーティストたちはともに、彼らが“Fault Lines”と呼ぶもの、すなわち境界線であり、同時に接点でもあるものを探求。彼らによって触れられ、砕かれ、あるいは崩された表層から露わにされたものは何なのか、その思索へと誘われるグループ展となっている。
EVENT INFORMATION
Fault Lines
会期:8月8日(金)〜9月7日(日)
オープニングレセプション:8月7日(木)19:00-21:00
開廊時間: 12:00-19:00 (水~日) *月、火 休廊