エルメス財団による展示『エコロジー:循環をめぐるダイアローグ』、ダイアローグ2となる「つかの間の停泊者」が5月31日(金)まで銀座メゾンエルメス フォーラムで開催。本展は3月31日(日)までの展示となる森美術館開館20周年記念展『私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』との関連企画として開催される。

ニコラ・フロック、ケイト・ニュービー、保良雄、ラファエル・ザルカの作品が展示

エルメス財団は、アートにおけるエコロジーの実践を問う「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ」展を個展とグループ展の2つのダイアローグ構成にて開催しております。ダイアローグ1「新たな生」崔在銀展に続き、ダイアローグ2「つかの間の停泊者」では、ニコラ・フロック、ケイト・ニュービー、保良雄、ラファエル・ザルカの4人のアーティストを取り上げ、コンテンポラリー・アートというプラットフォームの中で生成される自然と人間のエネルギーの循環や対話の可能性を考察します。
 
ニコラ・フロックは、世界各地の海や河川に自ら潜りながら、水面下の景観と生息環境とその生態系の撮影を続けています。カランク国立公園の委託事業である《Invisible(インヴィジブル)》(2016~2021)や緑と青の色調を水から取り出した《La couleur de l’eau(水の色)》(2018~2020)など、通常は目にすることのない地球環境や人間活動の領域を科学的に、またコンセプチュアルな手法で記録する代表シリーズを紹介いたします。
 
ケイト・ニュービーと保良雄は、関連プログラムである森美術館「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」展にも出展しています。東京の中にあるふたつの地点やアーティストの活動拠点となる地域との繋がりから、エコロジーのネットワークを立ち上げます。
ケイト・ニュービーは、現居住地であるテキサスと栃木県益子町でセラミック制作を行いました。協働する複数の手によって生み出される作品は、ささやかな日常の集積や風土を含み、増殖するかのように空間を占拠し、私たちの身体に親密な触覚をもたらします。
保良雄は、鉱石や水といった物質の状態変化に着眼し、相関する時間軸を浮かび上がらせるだけでなく、種子を蒔く、耕す、採取する、植え替えるといった畑作業を日々営んでいます。本展では、都市の生態系の中に、地球太古の時間に都市の地政学を持ち込むことで、エコロジー思想にも潜在する優劣や格差への批判を込めたアプローチを展開します。
 
ラファエル・ザルカは、美術史を再訪しつつ、過去の作品の流用と再利用に見出される可能性を、エネルギーが新たな回路へ接続するプロセスとして解釈し、建築やアートの生態系を拡張します。《Riding Modern Art(ライディング・モダンアート)》(2007~2016)は幾何学的なパブリックアート作品に潜在する動きのダイナミズムが、スケートボーダーによって可視化されるさまを写真に納めたシリーズで、東京日仏学院においても作品展示が行われます(展示詳細はこちら※外部リンク)。
 
ほんのつかの間の時間、惑星に停泊するものたちの間のエネルギーの循環や共鳴、そして希望を、アートとエコロジーのダイアローグとして、それぞれの作品から感じていただけるのではないでしょうか。
アートにおけるエコロジーの実践を問うエルメス財団の展示『エコロジー:循環をめぐるダイアローグ』開催中|ダイアローグ2「つかの間の停泊者」でニコラ・フロックや保良雄の作品が展示 artculture240226-hermes-ecology1
ニコラ・フロック|《水の色、水柱》展示風景 / 2019
©Nacása & Partners Inc./ Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
アートにおけるエコロジーの実践を問うエルメス財団の展示『エコロジー:循環をめぐるダイアローグ』開催中|ダイアローグ2「つかの間の停泊者」でニコラ・フロックや保良雄の作品が展示 artculture240226-hermes-ecology2
ニコラ・フロック|展示風景
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アートにおけるエコロジーの実践を問うエルメス財団の展示『エコロジー:循環をめぐるダイアローグ』開催中|ダイアローグ2「つかの間の停泊者」でニコラ・フロックや保良雄の作品が展示 artculture240226-hermes-ecology3
ケイト・ニュービー|展示風景
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ケイト・ニュービー|《呼んでいる、読んでいる》展示風景 / 2023-2024
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ケイト・ニュービー |《いつも、いつも、いつも》(ディテール) / 2023-2024
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保良 雄|《cosmos》展示風景 / 2024
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保良 雄|《noise》展示風景 / 2024
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保良 雄|展示風景
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ラファエル・ザルカ|《ペイヴィング・スペース、レギュラー・スコア W8M1》展示風景 / 2016
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ラファエル・ザルカ|展示風景
©Nacása & Partners Inc./ Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

EVENT INFORMATION

ダイアローグ 2
“Ephemeral Anchoring” Nicolas Floc’h, Kate Newby, Takeshi Yasura, Rafaël Zarka
「つかの間の停泊者」
ニコラ・フロック、ケイト・ニュービー、保良雄、ラファエル・ザルカ

会期:2024年2月16日(金)~5月31日(金)
開館時間:11:00–19:00(入場は18:30まで)
休館日:不定休
※ギャラリーは基本、銀座店の営業に準じております。
※開館日時は予告なしに変更の可能性がございます。随時こちらでお知らせ致します。
入場料:無料
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
(中央区銀座5-4-1 TEL 03-3569-3300)
主催:エルメス財団
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
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