渋谷から東急田園都市線で12分。東京23区屈指の人気を誇る世田谷区のなかでも別格視されているのが、多摩川沿いのエリア・「ニコタマ」こと二子玉川です。洗練されたイメージがすっかり定着した二子玉川ですが、もうひとつの魅力が、リバーフロントならではの穏やかな空気感と豊かな自然。今回は、にぎやかな駅周りから少し離れ、四季の風景が楽しめる河川敷や風情たっぷりの商店街など、ひと味ちがった二子玉川の表情を「X-T20」で切り取りながら散策してみました。
二子玉川商店街〜Let It Be Coffee
二子玉川駅の西口から歩いて3分ほど。洗練された駅周りとは打って変わって、昔ながらの商店やツウ好みの飲食店が立ち並ぶ「二子玉川商店街」へ。近隣の小学生やお年寄りがのんびり行き交うこの通りには、風情や暮らしが息づいています。
商店街の入り口から少し歩いたところに見つけたコーヒースタンドでひとやすみ。「Let It Be Coffee(レットイットビー コーヒー)」は、スターバックスやブルーボトルコーヒー日本一号店で経験を積んだのち、“旅するコーヒー屋”として店舗を持たずフリーのバリスタとして活動していた哲夫さんとMotocoさんが2月にオープンしたお店。店名には「あるがままに生きていきたい」という2人の想いが込められています。
この日いただいたのは、Motocoさんの地元でもある大阪のロースター「LiLo Coffee Roasters」のエチオピアコーヒー。ハンドドリップで丁寧に淹れられるコーヒーの香りがふんわり店内に漂います。そのほか三軒茶屋「Coffee Wrights」で焙煎された「Let It Be Coffee」オリジナルブレンドのエスプレッソやカフェラテ、チャイティーなど、自分お好みの一杯と出会えるラインナップです。
陶芸家・遠藤太郎さんが「Let It Be Coffee」のためにつくったというマグカップでいただくドリップコーヒーは、浅煎りならではのフルーティな味わい。いっしょに代々木上原の人気店「カタネベーカリー」のパンをつかった「あんバターサンド」もいただきました。パリッとしたパンの食感にやさしいあんことバターがたまらないおいしさ! コーヒーとの相性も抜群です。
「たくさんの人との出会いが、このお店につながっている」と話す哲夫さん。にこにこ笑顔を絶やさないお2人のもとには、登下校中の小学生やご近所さん、遠方からわざわざ訪ねてくる方など、来客がひっきりなし。おいしいコーヒーが飲めるだけでなく、人と人との繋がりを感じられることもお店の大きな魅力です。
次はどんな景色に出会えるだろう。旅を続けて来たおふたりのホームでコーヒーを飲んでいると、新しいワクワクに出会えるような気がしてきました。
CHICHICAFE
text by 野中ミサキ(NaNo.works)
photo by Nozomu Toyoshima