中央線の起終点として1912年(明治45年)に開業した旧万世橋駅の鉄道遺構をリノベーションした商業空間「マーチエキュート神田万世橋」。今回、マーチエキュート神田万世橋内のアート作品の展示ゾーンが拡大されるとともに、Art Columnでは建築家・永山祐子氏設計の展示空間により、作品と一体感のあるアート空間を演出する。また、展示ゾーン拡大に伴い、オンラインショップをアップデートし、取扱い作品の拡充と展示やイベントも。
「JAPAN ART BRIDGE」で書家・華雪氏のパフォーマンスとワークショップが開催
東日本旅客鉄道株式会社、株式会社INERTIA、株式会社ルミネアソシエーツ、株式会社JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニーにより、2023年5月16日より開始した「JAPAN ART BRIDGE」プロジェクトが7月27日より本格的に始動。「JAPAN ART BRIDGE」では、作品の展示・販売だけでなく、ワークショップ、トークセッションなどを開催し、展示・販売と連動したアート体験を創出していく。今夏は、書家・華雪氏の展示期間に合わせ、パフォーマンスとワークショップが開催される。
華雪氏は、文字の由来を綿密にリサーチし、現代の事象との交錯を漢字一文字とテキストの組み合わせで表現する作品づくりに取り組む。また〈文字を使った表現の可能性を探る〉ことを主題に、国内外でワークショップを開催している。美術館・大学での公開講座から、近年は釜ヶ崎芸術大学や箕面市立萱野中央人権文化センター、栃木市こどもサポートセンターなどでワークショップを行い、識字問題や自閉症をはじめとした様々な障害を抱えた方たちにとっての一字書の可能性を見出している。
7月27日から8月31日まで展示中の<「そこにあるもの」展>に加え、8月12日(土)(台風の影響のため9月3日(日)に延期)には<パフォーマンス:「万世橋というコンテクストから生まれる公開制作」>、13日(日)(台風の影響のため9月2日(土)に延期)には<ワークショップ:「『人』を書く」>を実施。ぜひこの機会に、鑑賞だけでなく“体験”を通してアートを感じてみては。
なお、「JAPAN ART BRIDGE」では各エリアでカッティングエッジな展示も開催中。こちらもお見逃しなく。
INFORMATION
「そこにあるもの」展
■Art Column River Line(N4~N7区画)
〇作家名:華雪
〇期間:2023年7月27日~8月31日(予定)
〇内容:
「〈そこにあるもの〉を書く。そこには〈今〉が映される。そんな〈今〉を留めた書を日常の暮らしの中に飾る。日々日々又日々が過ぎ行く折々で、観る人の心持ちが変わるごとに、書もまた異なる顔を見せる。」約20点の作品を展示、販売します。
「the flow of the river never ceases」展
■N5区画
〇キュレーター名:渡辺育
〇期間:2023年7月16日~終了時期未定
〇内容:
「都市のあとの精神的な生き方」をテーマとし、11組のアーティスト、写真家、科学者、デザイナー、建築家などが集い、2畳間の茶室と写真、絵画、音、植物、洋服などが一体に絡み合う空気感、新しい都市での生活観を作り出します。
「GOVERNING EQUATIONS」展
■Gallery of Manseibashi Station(S2,S4区画)
〇作家名:脇田玲
〇期間:2023年7月19日~終了時期未定
〇内容:
「人間である以上、逃れることができない力」をテーマに、3つの映像作品を展示します。本作では社会的、政治的、文化的、技術的、そして物理的に、様々なレベルで我々を支配するもの、統治するもの、制御するものを対象としています。脇田氏が得意とする高度な計算に基づく映像生成に加えて、歴史映像を用いた人類学的なアプローチにも挑戦しています。
「PROPOSAL(JR VERSION)」展
■S4区画
〇作家名:脇田玲
〇期間:2023年7月27日~終了時期未定
〇内容:
「AIは果たして理想の移動環境をデザインしうるのでしょうか」「AIがつくった移動体を人は納得して、そして安心して受け入れられるのでしょうか」AIが描く「150年後の移動環境の姿(仮)」を展示します。鑑賞者は、「Do you accept these design proposal by AI?」の問いに対し、YESかNOの1票を投じることができ、透過性のある投票箱が賛否をリアルタイムで可視化します。ハンス・ハーケの「MoMA Pole」にインスパイアされたこの作品は、鑑賞者にAIへの支持を問う参加型インスタレーション展示です。
「空、滝の下、松の上、そして、地上で」展
BRIDGE Lab.
■S1,N3,N2区画
〇企画:3331
〇作家名:栗原良彰
〇期間:2023年7月27日~終了時期未定
〇内容:
本展は、アーティストの栗原良彰氏の「過酷な環境で如何に生きていくべきか」という問いからモチーフを構成した大小のタペストリー作品をはじめ、「地球の表面に立つ私」をキーワードに制作された映像作品や立体作品を展示します。また、ディレクションは、千代田区を拠点とし、人とまちの創造力を育み豊かな文化資本と多彩なアートプロジェクトをつくり出す《3331》が行います。
Art Column(S7,N9区画)
■S7,N9区画
〇設計者:永山祐子
〇内容:
建築家 永山祐子氏設計の展示空間に生まれ変わります。自由曲線で描かれた小石のような平面形状の展示什器が、高さのバリエーションを持ちながら複数台置かれることで、作品展示空間にリズムを生み出します。
【ウェブサイト】
本プロジェクトで取り扱う作品を購入できる専用オンラインショップをJRE MALL内に開設しています。今回、取扱い作品を拡充するとともに、オンラインショップのアップデートを行います。ショップ機能だけでなく、「JAPAN ART BRIDGE」のウェブサイトとして、マーチエキュート神田万世橋での展示やイベント情報をご覧いただけるようになります。
■取扱い作品 ※五十音順 ※現地のみの販売を含む
・現代美術:岡本太郎、華雪、杉本博司ほか
・クラフト:青木良太、大堀相馬焼 松永窯、Keicondo、吉田直嗣ほか
EVENT INFORMATION
華雪 パフォーマンス:「万世橋というコンテクストから生まれる公開制作」
神田万世橋からの文脈、そこから着想を得て、人の往来、時間の往来を想起させる黄昏れ時に、一字を書く公開制作を行います。
・日時:2023年8月12日(土)18:00~日没頃までを予定(台風の影響のため9月3日(日)に延期)
・場所:BRIDGE Lab. S1区画
・金額:無料
華雪 ワークショップ:「『人』を書く」
万世橋駅として存在していた頃から今まで、さまざまな人と時間が行き交う場所で、「人」という文字を書きます。最後に参加者全員で展示をし、それぞれの感じるこの場を表現します。
・日時:2023年8月13日(日)(台風の影響のため9月2日(土)に延期)
全2回 12:00~13:30 / 15:00~16:30
・場所:BRIDGE Lab. S1区画
・対象:小学生以上~大人の方
※小学生低学年は保護者の参加または同伴(1名まで)をお願いします
・定員:各回15名程度
・金額:おひとり2,500円(税込)※材料費込
・申込方法:ウェブサイトより申込み ※詳細はウェブサイトをご覧ください
・公開・申込開始:2023年8月2日(水)
※展示およびイベントは、予告なく変更になる場合がございます。詳細は本プロジェクトのウェブサイトをご覧ください。