現在、イタリア・ヴェネツィアで開催されている国際美術賞展<アルテ・ラグーナ(ARTE LAGUNA)>で、日本人アーティスト加藤ユウが全世界8000人以上にも及ぶ応募の中からFESTIVALS & EXHIBITIONS賞受賞の快挙を成し遂げた。
アルテ・ラグーナとは
アルテ・ラグーナ(ARTE LAGUNA)はイタリア外務省、イタリア文化遺産省、ヴェネト地方、ヴェネツィア自治体、ヨーロッパデザイン研究所などの後援を受けて開催されており、イタリア共和国大統領からのメダルも獲得している国際美術賞展だ。
世界最大かつ最も権威のある現代アートの祭典ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展も開催されるヴェネッチアのアルセナーレを会場として開催されるこの展覧会には世界中のアーティストから多くの応募が集まり、13回目となる本展覧会では世界各国から8,000人を超える応募が集まった。
アルテ・ラグーナ(ARTE LAGUNA)国際美術賞展は、若手アーティストの発掘と支援を目的として、世界中のアート機関やギャラリーで制作や展示をする機会を賞としてアーティストに授与している。
今回、加藤が受賞したのはその中の一つであり、2019年7月〜9月にスロベニアのアート機関主催の国際アートフェスティバル招待アーティストとして、加藤ユウの新作が展示されることが決まった。
幅4m、高さ4m、奥行き4mの空間に、上下固定された幅4cmの平ゴム約600本がランダムに配置されている。ゴムを集めて寄りかかったり、ゴムをかき分けて空間を生み出したり、体験者が自由に意味を見出し、それぞれ自由に関わることができる空間となっている。
また、その場に流れる少しの風でゴムが繊細に揺れたり、ゴムの隙間から光がキラキラと印象的に見えたりすることで、それまで当たり前すぎて気がつかなった繊細に変化するその場の美しさを感じることができる作品に。
作品コンセプト:
これは何?どんな形をしている?
この定義されない世界では、あなたが何を受け取りどう反応するかによって意味が生まれる。この世界に一人だけのあなたの人生と身体を通して、世界は初めて鮮明になるだろう。
この決定について、本人からのコメントも届いている。
加藤ユウコメント:
まず、今回Sculpture and Installation部門のファイナリストに選ばれて、ヴェネチアのアルセナーレという素晴らしい場所で実際に展示することができ、たくさんの人に作品を体験してもらえたことが本当に嬉しいです。
大型インスタレーション作品を海外でゼロから制作するのは本当にとても大変で、何度も心が折れそうになりましたが、たくさんの人に助けてもらいなんとか実現することができました。心から感謝を伝えたいです。ありがとうございます。
FESTIVALS & EXHIBITIONS賞をいただくことができて、スロベニアという自然豊かな美しい場所で制作・展示ができるのが本当に楽しみです。
学生時代からずっと世界中を旅していて、今でもずっと世界の美しさに感動し続けています。そんな中で、“今、この場所” の美しさをもっと繊細に感じられる透明な切り取り線みたいな作品をつくりたいとずっと思ってきました。今回はヴェネチアで、次はスロベニアで、これからは地球を舞台として、すべての場所に存在する “今、この場所” の美しさを表現して、伝えることで、体験者に“今、この場所に存在する自分”も同時に感じてもらえたら嬉しいです。本当に素晴らしい機会をありがとうございました。