<ハンブルグ国際演劇サマーフェスティバル>に招聘された渋谷慶一郎初音ミクのボーカロイドオペラ『THE END』が、8月18日木曜、カンプナーゲルK6で3日間のドイツ公演の幕をあけた。

カンプナーゲルは、1865年に作られた鉄工所の建築をそのまま活かした複合施設。<ハンブルグ国際演劇サマーフェスティバル>はここを中心に展開されている。メイン会場であり、最も大きな劇場であるK6は荒々しいコンクリートと鉄骨に囲まれ「20,000Kg」と耐荷重が記されたクレーンのレールをキャットウォークに流用するインダストリアルな空間だ。

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これまで『THE END』を上演してきたオペラハウスとは全く異なるこのハードな空間で、リハーサル時にはドイツの法規制による135dbの音量を超えたために起きた劇場側からの警告もものともせず、客席下にセットした4台のサブウーハーをフル稼働させ客席を揺るがすという初演以来、最もワイルドな『THE END』公演となった。

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文字通りオーディエンスをロックする、ライブ感溢れるパフォーマンスとなり、鉄骨で組まれた急傾斜の客席がきしり、コンクリートの壁が震える85分のパフォーマンスが終わると拍手とブラボーの歓声は鳴り止まず、カーテンコールを三度重ねる華々しいドイツ上陸となった。

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ソールドアウトを重ねた昨年のオランダ公演の実績もあり、先行したプレス・プレビューには現地のみならずヨーロッパ各国からプレスが集まった。オペラの普遍的なテーマでありこの作品でも色濃く漂う「死」のイメージ、YKBXの描く初音ミクの可憐さとグロテスク、6面のスクリーン映像の浮遊感、そして渋谷とevalaの作りだす立体的でアグレッシブな音響体験。興奮気味のテレビクルー、ラジオ、新聞の取材と撮影が本番開演直前まで続き、チケットはソールドアウトするなどドイツでも『THE END』は驚きとともに熱狂的に受け入れられた。

なお、ハンブルグに続いて一週間後の8月26月には北ヨーロッパ最大級のデンマーク・オーフスフェスティバルのオープニングガラでの1日二回公演が予定されている。

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ボーカロイドオペラ『THE END』は、2012年に山口・山口情報芸術センター[YCAM]で初演された、初音ミクとボーカロイドによる音楽とキャラクターの映像を中心に構成された、歌手やオーケストラが一切登場しないオペラ作品。初音ミクが着用する衣装を当時ルイ・ヴィトンのアーティスティックディレクターを務めていたマーク・ジェイコブスが手掛けたことでも話題を集め、これまで渋谷のBunkamuraシアターコクーン、フランス・パリのシャトレ座、オランダのアムステルダム王立オペラ&バレエでも上演され、各地でsold outを重ねている。来年、再来年の公演オファーを現地でも受けるなどテクノロジーを主要にした舞台作品としては例外的な規模とロングランの快進撃を続けている。

▼公演2日目カーテンコールの模様。

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